Coolier - 新生・東方創想話

ポッキーゲーム

2010/11/11 23:24:15
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 ポッキーゲームとは?

 ポッキー(出来ればチョコでコーティングされた物)を額にセットし、それを角に見立て相手と突き合って戦うという古来より続く決闘である。
 勝敗は相手の角(ポッキー)を折れば勝ちという、至ってシンプルな決闘ルールである。場合によっては五回勝負の際、負けた側の脱衣ルール有りという由緒正しい決闘なのだ!――












































「って、てゐが言ったのね?」
「うん、そう言われたのさ」
「そしてそれを信じちゃったのかよ……」

 午後の博麗神社、その縁側に霊夢と魔理沙、そして――

「それでボロボロなのかだぜ……馬鹿だろ、お前?」
「バカじゃないもん~!サイキョーだもんっ!」
「ハイハイ分かったから暴れないの」

 霊夢からおでこに絆創膏を貼って貰いながら、魔理沙の言葉に頬を膨れさせるのは、おてんばチルノである。

「でもチルノ、アンタもアンタよ。そんなポッキーで勝てる訳無いでしょうに」
「~~~~、だってー」
「まさに『そんな装備で大丈夫か?』『大丈夫だ、問題無い』状態だぜ」

 「電波だぜっ!」とか訳の分からない事を言う魔理沙を無視して霊夢が続ける。

「でも大丈夫な訳ないでしょ、何たって相手は勇儀なんだから」
「だっててゐが『あの鬼の角はイチゴポッキーなのウサ、星熊勇儀こそ最強のポッキーゲーマーなのウサっ!』って言ったんだもん」

ちなみにチルノが決闘に使ったポッキーは『アーモンドチョコ』……チルノ曰く、『鬼の弱点は豆だからきっと勝てる』とてゐに言われたのだそうだ。まさに『そんな装備で大丈夫か?』『大丈夫だ、問題無い』ではあるが……どうせあの幻想郷最強の鬼の事だから、酒のつまみになるのがオチである。

「それに関しては騙す方も悪いが、騙される方も馬鹿だぜ」
「バカバカ言うな~」

 霊夢に抑えられてジタバタするだけのチルノを見ながらニヤニヤする魔理沙、そして何か閃いた様にワザとらしく手をポンっと叩いた。

「そうだぜ、思い付いちゃったんだぜ。なぁチルノ」
「何よ?またバカにする気なの?」
「勇儀に勝てる秘策をこの魔理沙様が伝授してやるよ」
「なっナンダッテ~!」

 そう驚くチルノに向ける魔理沙の顔……何か企んでる、絶対悪知恵を働かしてやがる。

「聞きたいか~聞きたかったりするのか~?」
「聞きたい聞きたいっ!」
「どうしょっかな~、何かしてくれれば教えよっかな~」
「ホントっ!アタイ何でもするっ!」
「ホントか~?」
「アタイウソつかない、だってサイキョーだから何でもできるもんっ!」
「じゃ、3回回ってケロケロと――」
「いいからさっさと言いなさいよ」

 痺れを切らしたのか、霊夢が魔理沙に向けて針を飛ばし、魔理沙はそれを難なく避けた。

「焦るなよ霊夢、短期は損気だぜ」
「この針を私の頭にセットしてー」
「分かった言うぜ、言うからそれを仕舞って欲しいんだぜ……」

 額に針のついた鉢巻を巻こうとする霊夢をなだめる魔理沙、ちなみにチルノは何故か回る必要も無いのに、グルグル回って3回どころか30回以上回ってケロケロどころかゲロゲロ言っている。とりあえず回転を止めてから落ち着かせる、話はそれからだ。

「酔った……」
「馬鹿ね~、回る必要なかったのに……ほら、最強なんでしょ?しっかりしなさい」
「サイキョ~じゃない、アタイはバカだ~……」
「駄目だぜこりゃ」

 とりあえず、チルノが回復するまでポッキーをつまみにお酒を飲んだ。

閑話休題――

「ふっか~つ!!」
「はいはい、良かったわね。ポッキー食べる?」
「食べる~」

 忘れがちだが今は食欲の秋である、影が薄いとか言わない。

「で、さっき言ってた秘策って何よ?」
「おぉ、忘れてたぜ」
「何を話してたっけ?」
「勇儀を倒す方法だぜ」

 「なっナンダッテ~!」と言うチルノに魔理沙が「じゃ、3回回ってケロケロと――」と言い出したので今度は針を投げずに額に装着しチルノを確保。無限ループは御免である。

「ふっふっふっ、聞いて驚くなよ……私の策はなぁっ――」

 そんな鬼気迫る状況に魔理沙が叫んだ。

「『1本のポッキーは折れるとも、3本のポッキーは折れないんだぜっ★』作戦だっ!!」
「あぁ、なんだ……針を仕込むとか目を狙うとかじゃないのね」
「霊夢……お前、私の事なんだと思ってんだよ……」
「白黒改め腹黒」
「霊夢にだけは言われたくないぜ……」

 そう言い溜息をつく魔理沙……チルノといえば、ポッキーを3本どころか30本頭に装着しようとしていた。

「あ~もう、そんなんで勝てる訳ないでしょ……ってか、悪ふざけはもうお終い。魔理沙もね?」
「分かったのぜ」
「?」

 キョトンとするチルノに優しく霊夢は諭した。

「あのねチルノ、ポッキーゲームっていうのはそんなんじゃないのよ」
「ウソだもん、勇儀だって何も言わなかったもん」
「気を遣ったんだよ勇儀も、アイツ子供に優しいから」
「じゃあホントのポッキーゲームを見せてよ」

 チルノのその言葉に顔を合わせる二人。魔理沙は苦笑いしながら首を横に振るし、そうこうしてる間にチルノが「見せて見せて見せてーーーっ!」と暴れ始めた。

「あ~はいはい分かった分かったわよ、ここは私が本当のポッキーゲームを見せてあげるわよ」

 そう言い懐からポッキーの『サラダ味』を取り出し、それを咥える霊夢……口紅を差さずとも赤みを帯びた唇が妙に色っぽい。

「さぁ、魔理沙……」
「ちょっ霊夢……こんな真昼間からやるのかだぜっ?」
「恥ずかしがる事もないでしょうに……それとも私とするの嫌なの?」
「いや嫌じゃないけどさ、チルノも見てるし……」

 そのチルノは元々大きい真丸な目をさらに大きくして見つめている……そんな純粋な目で見つめられても困る。

「もう、じれったいわね……えいっ」
「んむぅっ」

 霊夢は魔理沙を押し倒し唇を奪い、そして手早く服を剥ぎ取っていく霊夢。そんな艶やかな光景を見つめながらチルノは思った――

「これがポッキーゲーム……っ!?アタイもポッキーゲームを極めてやるっ!!」

 ある意味大人の階段を昇ったチルノであった……


 その頃、地底『旧都』にて――

「ちょっ、勇儀。何よその頭?」
「あっはっはっ、よーパルスィ。一緒に飲まないかい」

 そう言う勇儀の頭には無数のポッキーが。

「何なのよそのポッキーは?オシャレ?オシャレなの?妬ましいったらないわね、パルパルっ!」
「違うよパルスィ、さっきな、地上の氷精が来てさ」
「それでオシャレしたの?妬ましいわパルパル!」
「だから違うって……あっはっは、痛いってパルスィ」

 勇儀の頭に刺さったポッキーを引っこ抜いてそれをポリポリ食べていくパルスィ、美味しいわ妬ましい。

「で、結局何でこんなの刺さってたのよ」
「ん?ポッキーゲームで刺さった」
「え?ポッキーゲームって頭には刺さないわよね……それとも、角が飛び出すのかしら妬ましいわねそのクラッカー」
「いやそれは黒ひ……って、じゃなくて氷精の奴が『アタイとポッキーゲームで勝負だ!』ってな、挑んで来たから相手をしたんだよ」
「だから何で頭に刺さったのよ?」

 最後の1本を引き抜き、それを口に咥えるパルスィ……ちょっと薄めの唇が艶やかに光る――

「いやその氷精が『いくぞーっ!!』って、角目掛けてポッキーで突いて来たから相手をしてやったのさ」
「馬鹿でしょ、あんたもその子も妬ましい程の馬鹿でしょ」
「あっはっはっ、馬鹿な子ほど可愛かったりするものさね」
「私は馬鹿じゃないから可愛くないのねっ、そうなのね!?呪ってやる~っ!」

 そう言う度にピコピコとポッキーが揺れる、バシバシと叩く度に勇儀の胸が揺れる揺れる。

「あはは、勿論パルスィも可愛いよ。そうだねぇ……私等もポッキーゲーム、してみるかい?」
「突き合うの?ポッキーとその角で?」
「違うさねぇ、付き合っちゃいるけどさ」
 
 そう言うとパルスィの腰に手を掛け、自身へと抱き寄せる勇儀……。

「そのポッキーを食べ終えたら、唇と――パルスィを食べたいねぇ……」
「この……馬鹿……っ」

 そうして、二人の恋情の光景が広がり始め、周りの妖怪達も姿の見えない覚の妹も帰っていく中、そんな様子を一足早く押入れという名の隙間から引っ張り出した炬燵の中から隙間で覗きながらふと思った――羨ましいわ~と……。
 
 だから私もやってみようと思った――
「藍~、一緒にポッキーゲームやりましょ~?」
「寝言は寝てから言って下さい。ほら、さっさと冬眠の準備して下さいよ、星がその間来るんですから」
「うっ浮気者!?」
「付き合ってすらいませんよ、紫様とは。星とは突き合ってます」
「何をっ!?」
「ポッキーをです」










 ポッキーゲーム?やった事ありませんけども終焉刹那です。

ポッキーの日だーと思ったけど今年も11時11分11秒を見逃しました、これで10年連続で見逃して悔しいからやった、後悔もしてるし反省もしてる。
 最期の会話に深い意味などありませんよ、えぇ神奈子様に誓って。そういや来年は2011年、11が増えるけどまた忘れんだろな……終焉刹那でした。
終焉刹那
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コメント



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14.70ワレモノ中尉削除
ポッキーゲームを最初に考え出した人は天才だと思う。
それはともかく、面白いお話でした。勇儀姉さん男前すぎでしょうw
15.20名前が無い程度の能力削除
だぜだぜ言い過ぎなんだぜ。