今夜は月も綺麗で素晴らしい夜になりそうね。
ドタドタ! バタバタ! ドタバタ! ドタバタ!
まったく、こんな静かな夜に廊下を走る不作法者は誰?
「お姉様ぁぁぁ!」
フランね。あの子ったらあんな大声上げて、はしたないわ。
ここは姉としてしっかり注意しないとダメね。
バタン!
「お姉様ぁぁぁぁ!!」
「フラン、よくお聞きなさいって、えぇぇぇぇぇぇーー!!!」
思わず大声を上げてしまったわ。
でもしょうがないじゃない。
だって・・・・・・フランが・・・・・・大人になってたんですもの。
ドン!ドン!ドン!
「お嬢様!どうなさったんですかお嬢様!ここを開けてください!」
さすが咲夜。声を上げてから10秒とたたずに駆けつけるなんて。
でも、今部屋に入ってこられるとやっかいね。
しっかり扉を押さえてないと。
「何でもないよの。ちょっと驚いてしまっただけで」
「驚いた?何があったのです?もしやくせ者が!」
ああ、真面目なだけに融通が利かないわ。仕方がない。
「実はフランがいたずらをね」
罪を着せるようで悪いけど、まあフランのせいなのは間違ってないからいいでしょ。
「妹様、ですか」
「そう、フランなのよ。困ったものだけど。
私からよく言い聞かせるわ。だから貴女は気にせず仕事に戻りなさい」
「・・・・・・はい、わかりました」
よし、なんとか納得してくれたようね。足音が遠ざかっていくわ。
後は・・・・・・
「もう大丈夫よ。出てきなさい」
「・・・・・・うん」
ベットの下からフランが出てきた。
さっきは飛び込んでくるなりベットの下に隠れちゃったけど、
落ち着いてよく見ると・・・・・・やっぱり大きくなったフランにしか見えないわね。
背が伸びて顔も大人っぽくなって、なんか凄く綺麗。
「ええと、フラン、で良いのよね」
「うん」
「何があったの?」
「わからない・・・・・・わからないよ」
今にも泣きそうな声。俯いた顔も見惚れちゃいそう。
普段はあんなにも小生意気なのに、今はこんなにもオドオドして。
急に姿が変わったせいで、精神が不安定になっているのかしら。
「私・・・・・・どうしたらいいの? ひぐっ・・・・・・ひぐっ」
ああ、泣かないで!
色々聞きたいことは有るけど、まずは落ち着かせないと。
「フラン、泣かないで。私が絶対元に戻してあげるから」
「お姉様ぁ」
ギュッと抱きしめてあげたら泣き止んだわ。
向こうも抱きしめ返してきたし、普段からこうだと可愛いんだけど。
それにしても、胸があたる感触が・・・・・・なんというか・・・・・・
いけない! とにかく原因を調べないと!
「こうなる前になにか変わったことは有った?」
「ない・・・・・・と思う」
まあ、そうだと思ったわ。
思い当たることがあれば、初めからそっちにいっただろうし。
しょうがない。原因は追々考えるとして、まず何をすべきか。
そうね、全身をよく観察すれば何か解るかも。
「フラン、ベットに横になってくれる?」
「うん」
素直に言うこと聞いてくれたわね。
普段なら、変なことでも考えてるのこの変態、みたいな事言ってくるのに。
もういっそこのままで良い気がしてきたわ。
しかし、改めてよく見ると、体は大きくなって出るとこは出てるし、
着てる服はいつもの服だから、体の線ははっきり出て、胸の輪郭がはっきりと出て。
お尻もふっくらして美味しそう。後スカート短すぎ、太股とかもうたまらなく・・・・・・
「お姉様、目が怖い」
はっ! 何考えてるの私は!
相手は大きくなったとはいえ妹なのよ。フランなのよ。
落ち着きなさい。落ち着くのよレミリア。
邪な目で見ちゃダメよ。
「フラン、少しだけ部屋の隅で考え事するから話しかけないでね」
「・・・・・・うん」
とりあえず離れて深呼吸ー深呼吸ー
「ちぃっ! お嬢様の意気地無し」
天井裏で小悪魔が悪態をつく。
「せっかくパチュリー様に内緒で薬まで持ち出してるんですから、
がぁーと襲って下さいよ。そうすれば後は写真を取ってパチュリー様に見せて、
ショックを受けたパチュリー様を私が優しく・・・・・・でへへ~」
そう呟きながら妄想を垂れ流す小悪魔の顔は、果てしなくダラケきっていた。
ふぅ、やっと落ち着いたわ。
さて、どうしましょうか。
・・・・・・そうだわ!
「フラン、どこか苦しいところない?」
体が急成長したのなら、どこかに異常が出ててもおかしくないわ。
最悪竹林の医者かスキマに頼るハメになるかもしれない。
出来ることなら借りは作りたくないけど、フランの身が第一だしね。
「苦しいところ・・・・・・あのねお姉様」
「なにかしら?」
「胸が締め付けられて苦しいんだけど、お洋服脱いじゃダメ?」
「ダメよ!」
なんて事いうのこの子は!
服を脱ぐって、脱いだりしたらあの大きくて柔らかい胸が露わに・・・・・・
って! 妹なの! フランは妹なのよ。
落ち着きなさい。素数を数えて落ち着くのよ。
1・・・2・・・4・・・8・・・16・・・32・・・64・・・128・・・256・・・512・・・1024
・・・2048・・・4096・・・8192・・・16384・・・32768・・・65536・・・131072
てっ、ちが~う!
「はぁはぁはぁはぁ」
「お姉様大丈夫? 息荒いけど・・・・・・」
「大丈夫よ!」
「そっ、そう」
そう大丈夫よ。
私はフランの姉ですもの。
妹に興奮するようなはしたない真似するわけないわ。
さて次は・・・・・・そうね、目に見えない所を調べましょ。
まずは口の中ね。
「フラン口を開けなさい。あーーーって」
「うん。あーーー」
う~ん、口の中に異常は見あたらないわね。
いや、見てるだけじゃわからないこともあるわ。
さっ、触って調べないと。でもさすがに指を突っ込むのは気が引けるわ。
・・・・・・それじゃ、舌で触って調べましょ。
「おっ、お姉様!」
フランが驚いてる。
当たり前よね。いきなり圧し掛かってきたら、そりゃ驚くわよね。
でもこれは必要なことなの。
「ねえフラン、私を信じて」
「・・・・・・わかった。私初めてだけど、お姉様なら・・・・・・」
うふふ、フランってば目を瞑って力も抜いて、私を信じてくれるのね、嬉しい。
真っ赤な顔が凄く可愛いわ。このまま一気に食べてしまいたいぐらい。
それじゃ・・・・・・
ちゅっ!
ぼんっ!
「「へっ?」」
あらっ? フランが元に戻ったわ。なんで?
「あ・・・・・・あれ?」
フランも戸惑ってる。
「お姉様、もしかして本当に元に戻すためにやったの?」
「あっ、当たり前よ!」
いや、嘘です。ごめんなさい。知りませんでした。
でもここで解らなかったけどキスしました、なんて言えるわけないじゃない。
「・・・・・・そうなんだ」
あら、フランったら残念そうな顔して、どうしたのかしら?
実は元に戻りたくなかったとか? いやいや、そんなことないわよね。
「ええと、フラン?」
「それじゃ私部屋に戻るね。疲れちゃったし。後お姉様」
「何よ?」
「キス下手すぎ」
「なっ! 下手って!」
あんた初めてって言ってたじゃない!下手かどうかなんてわかるわけないでしょ!
まったく礼の一つも言わないで!小生意気な子ね!
「それから信じてって何? もっと気の利いたこと言えないの? あっ愛してる、とか」
「へっ?」
「とにかく、次はちゃんとしてよね。それじゃ!」
「あっ、ちょっと待ちなさい!」
タッタッタッタッタッ
はぁ、走っていっちゃったわ。すっかり元通りね。
でも次って・・・・・・そういうことで、いいのよね。
ええと・・・・・・ちゃんするってどうすればいいの?
パチェに聞けば解るかしら?
「なんでそこで元に戻っちゃうんですか!」
自分が隠れていることも忘れて思わず大声を出す小悪魔。
幸い呆けているレミリアは気づいていない。
だが・・・・・・
「キスしたからよ」
「へっ?」
後ろから声がかかる。
思わず振り向く小悪魔
そこにいたのは・・・・・・
「パッパチュリー様ぁぁ!」
腰を抜かす小悪魔。そんな小悪魔にはかまわず、パチュリーは説明を続ける。
「古来から特別な人のキスにはある種の魔法を解く力があるわ。例えば王子様のキスとかね。
妹様の魔法がレミィのキスで解けたという事は、妹様にとってレミィは特別な人って事になるわね」
「どうか・・・・・・お許し下さい」
「あの薬は元々私がこっそりレミィに使うはずだった物。
大人のレミィが見れる上に、キスまでできて一石二鳥だったのよ。
あなたのせいで台無しだけどね」
「はわわわわわ」
パチュリーは怯えきった小悪魔の前に7枚のスペルカードを突き出す
「さあ選びなさい」
「お、御慈悲を・・・・・・」
「選べと言ってるのよ」
「・・・・・・はい」
観念して1枚のカードを抜き取る小悪魔。
「あら、抜くのは1枚で良いの?」
「はい?」
「じゃあ残り6枚でお仕置きね」
「そんなぁぁぁぁぁぁぁぁ」
次の日
「ねえねえパチェ」
「あら、なにかしらレミィ」
「キスをちゃんとするにはどうしたらいいの?」
「ブッ! ゲホッ! ゲホッ! ゴホッ!」
「パチェ!どうしたの!パチェ~」
、ですねわかります。
ものすごく妖艶な美女になるだろうね。
れみりゃは、変わらない...だと...
早く気付いてあげてよお姉さま!
そして薬を使用しても変わらないとは…さすがおぜうww
そして、変わらない吹いた