お燐が妙なノートを拾ってきた。
どうやら地上から落ちてきた物らしく、瓶詰めにされて温泉にプカプカと浮かんでいたらしい。
「れみ、のーと……?」
真っ黒な表紙の真ん中に、白い文字でデカデカとそう書かれていた。
何のこっちゃと思いながら、取り敢えずさとりは表紙を捲ってみた。
【れみのーとの つかいかた】
- こののーとは うんめいをあやつるのーとです
- こののーとにかいたことは ほんとうにおこります
けど むちゃすぎると むりです まぁたぶん かんたんなことなら だいたいおこります - ただし だれかがおおけがするようなことは だめです
いたずらぐらいなら かまいません そのへん りんきおーへんに はんだんします - まぁとりあえず ひろったやつ なんかかけ
「…………なるほど」
表紙の裏に書かれた説明文を読み、取り敢えず納得した。全部ひらがなで書かれていて大層読みづらかったが、意味は理解できた。最後の方の尊大さが少々むかついたが、それは捨て置こう。
まぁ、あれだ。地上の子供の悪戯か何かだろう。運命を操るノートとは大きく出たものである。
「あほらし」
ぺいっとノートを机の上に放り投げ、さとりはベッドに寝ころんだ。
今日の晩ご飯何かしらと思いながら、ペッタンペッタンと足を上下させる。
昼間屋敷で働くペット達を見回った後、晩ご飯までの空いた時間を、さとりは大抵、こうしてベッドの上でゴロゴロして過ごしていた。
理由は単純で、他にやることがないからである。少し前にお燐とお空が異変を起こしてから、ペット達の見回りをするようになったが、それ以前はもっと酷かった。お昼ご飯を食べてから晩ご飯が出来るまで、ずっと毎日ベッドでゴロゴロしていた。
灼熱地獄跡の管理者。それが彼女、古明地さとりの立場ではあったが、実際の管理は全て地霊殿に住み着いたペット達が行っている。
元は増えすぎたペット達の世話で手が回らなくなったための、苦肉の策であったのだが、思いの外その方策は上手く回った。今ではそのペットの世話さえ別の知恵を付けたペットが行っている。庭の手入れも、屋敷の掃除も、ご飯の用意も、洗濯も、全てペットの仕事だ。
何か非常事態でも起きない限り、彼女の出番は皆無であった。いや、訂正。こないだの非常事態は、地上の人間が解決したのだった。ここまで来るとむしろ自分がペットなのではないかと思えてきたが、楽なのでまあいっかと思い直して、さとりは枕にグリグリと顔を埋めた。
気持ちいい。幸せである。が、これをやりすぎると元々クセッ毛の髪がさらにボサボサになるので、余りよろしくない。ふかふか枕の感触を惜しみつつも、さとりは顔を上げた。
時計を見やる。晩ご飯の時間は、まだまだ先であった。
さとりの食事の準備は、料理の出来るペットの中でも、特に腕のある者が交代で行っている。今日の当番は誰だったか。ああそうだ、いつも池の鯉の世話をしている子だ。中華の得意な。
「あの子の酢豚……絶品だったわねぇ……」
ぼ~と天井を見上げながら、二月ほど前に食べた酢豚の味を思い出す。あれは美味しかった。パイナップルがいっぱい入ってて実にさとり好みであった。
あ、やばい。だらけきった表情のままさとりは思った。
口が酢豚を迎え入れるためのアップを始めだしていた。唾液がねっちゃねっちゃ音を立てながらストレッチしている。
このままでは夕飯に麻婆豆腐でも出た場合、口内で暴動が起きかねない。いや麻婆豆腐も好きだが、今は圧倒的に酢豚だ。酢豚が過半数の議席を獲得している。まずいぞ、酢豚党の議員が強行採決に及んだ場合、果たして自分にそれを抑えることが出来るだろうか。
難しいように思える。と言うかあれだ。実際問題として真剣にだ。
「酢豚食べたい……」
ゴロンと、身体を横に向ける。生気の窺えない腐りきったさとりの目に、黒い表紙のノートが映った。
何でも運命を操るノートらしい。書いたことが本当になると言う。と言うことは、晩ご飯のメニューを書けば――おやおや? 何故か議長が急に議論を終了させて採決を取り出したぞ? おおっと、三分の二以上の議員が立ち上がったー。野党議員の一人が「なぜ今晩でないといけないんですか!? 明日以降じゃ駄目なんですか!?」と叫んでいるが、まったく相手にされていなーい。
「酢豚……パイナップルいっぱい入った酢豚……ザ・パイン酢豚……」
さとりが、ベッドから身を起こした。採決が終了したのだ。
極めて客観的な意見を述べさせて貰えば。日々の怠惰な生活により、彼女の脳みそはかなり膿んでいた。
四日前に遡る。
レミリアはその日、極めて珍しいことではあるが、図書館に訪れていた。
少し前にパチュリーと咲夜が起こした大掃除騒ぎのおかげで、現在の図書館は埃っぽさとカビ臭さが大分マシになっている。まぁ一ヶ月もすれば元に戻ってしまうだろうが、今ならば止まらないクシャミに悩まされることもないだろう。
それさえなければ、この図書館はレミリアにとってもそれなりに暇をつぶせる場所なのだ。
「パチェー、何か面白い本入ってきてないのー? マンガとかマンガとかマンガとか」
「生憎とマンガは入ってきてないわね」
「うえ~~?」
素気ない親友の返答に、レミリアはぶーたれながら机に突っ伏した。
どういう仕組みなのかは知らないが、この図書館には一週間に数冊~十数冊の本が外から流れ着いてくる。見覚えのない本が、いつの間にかポンと、何食わぬ顔で本棚の隙間に並んでいるのだ。
それは古書であったり、魔導書であったり、図鑑であったりと様々だったが、その中でも希に入ってくるマンガと呼ばれる娯楽書が、レミリアは大のお気に入りであった。
雨で外に出歩けない時などは、日がな一日読みふけっている事もある。しかしそれ故に、今あるマンガはもう何度も読み返して、だいぶ飽きが来てしまっていた。元々マンガは入ってくる数が少ないし、最近は雨の日が多い事もあって尚更のことだ。
「う~、香霖堂にでも行ってこようかしら。あそこにも偶に入荷してるし」
「もう夜よ?」
「夜でも開けてくれるって咲夜が言ってた」
必要なものは、金銭ではなく厚顔無恥な図々しさであるとのこと。それならば、いくらでも都合出来る。
「だとしても止めておきなさい。あのロクでもない店主の事よ、深夜料金とかなんとか言って厭らしい値を付けてくるに決まっているわ」
読んでいた本から顔を逸らし、パチュリーは薄く蔑みの笑みを滲ませて吐き捨てた。
大掃除の一件以来、弱みにつけ込んで道具を売りつけられた店主に、目の前の親友はどうにも悪感情を抱いているらしい。実際に顔を合わせた事もないはずなのだが、おそらく手玉に取られてしまったと言う思いが強いのだろう。
一方、同じく道具を売りつけられた咲夜はと言えば、特に何も思っては居ないさっぱりとした様子だった。むしろ逆に「あの店主にも、ちゃんと商売人らしいところがあったんですねぇ」と、感心すらしていた。
この辺り、人の社会に慣れている者と、年がら年中引きこもっている者の差であろうなとレミリアは思っている。
知識はあっても経験が足りない。レミリアが親友に対し、常々かような評価を抱いていると知れば、果たして彼女はどのような反応を示すであろうか。
おそらく、持ち前の知識を怒濤のごとく並べ立てて反論した後、その実証として何かしら常識から少しズレた行動を起こすだろうなと想像できた。面白そうかもしれない。
ちょっとやってみようかなぁ、と半ば本気で考えていると、パチュリーが自身の使い魔に何かしら言付けていることに気付いた。
何かしらと首を傾げるレミリアに、パチュリーが改めて向き直る。
「マンガはないけれどね。面白そうな魔導書なら入ってきたわ」
「まどうしょ~?」
パチュリーの言葉に、レミリアはあからさまに眉を顰めた。例えこの魔女が面白いと感じたところで、魔導書なんて物がレミリアにも同様の感想を与えてくれるとはとても思えなかった。というか大抵の魔導書は、レミリアにとって一体何が書いてあるのかも理解できないような代物だ。
「貴方が思っているような物ではないわよ。その魔導書は白紙だから」
「白紙?」
言っている意味が分からずキョトンとした顔を浮かべるレミリア。
そこへ小悪魔が、二冊の黒い本を持ってやってきた。いや、本と呼ぶには少々薄すぎる。ノートと言った印象だった。
その内の一冊を、パチュリーがレミリアに手渡してくる。
中身をパラパラと捲ってみると、確かに何も書かれていない、白紙であった。ますますノートである。
「これの何が面白いの」
「まぁ、一ページ目を開いてみてなさい」
そう言って、パチュリーは小悪魔から鉛筆と消しゴムを受け取り、もう片方のノートにツラツラと何某かを書き込み始めた。
その行動の意味は、直ぐにレミリアにも分かった。
≪見える? このノートはこうやって使うのよ≫
レミリアの開いていたノートに、そんな文字が独りでに書き込まれていた。
パチパチと目を瞬かせ、レミリアは机から身を乗り出した。パチュリーが鉛筆を走らせていたノートをのぞき込む。そこには、レミリアの持つノートとまったく同じ内容、同じ筆跡の文字が書かれていた。
「消しゴムで消せば、両方消えるわ」
スッと消しゴムを掛けるパチュリの動作に合わせて、こちらのノートの文字も消えていく。
「どう? シンプルだけど、なかなか面白い仕掛けの魔導書でしょう」
「へ~」
素直な感嘆を漏らし、レミリアはしげしげと二冊のノートを眺めた。
確かに面白い。単純ではあるが、それ故に工夫次第で色々な使い方が出来そうであった。
「これ、貰っても?」
「ええ。同じ物が二セット入ってきてたから。そっちはレミィにあげるわ」
「ありがと」
微かな笑みを浮かべて答えた親友に、レミリアはニッカリと歯を見せて礼を告げた。
ノートの使い方を思いつくまでに二日が経った。そこから準備をこさえて、博麗神社の裏にある、地底に繋がっているという穴にノートを投下してさらに一日。
反応は思ったよりも早く、四日目の夕方に返ってきた。
未だベッドのシーツにくるまって微睡んでいたレミリアは、カッカッと何かを擦るような音に、ガバッと身を起こした。
霞がかった頭をプルプルと振って覚醒させ、机の上に置いてあったノートに顔を向ける。間違いない、誰かがノートにペンを走らせている。
音は直ぐに止んだ。書き終えたのだ。
ピョンと、天蓋付きの大きなベッドから飛び降り、寝間着姿のままノートの元へ。
表紙を捲ると、そこにはこんな文字が書かれていた。
≪晩ご飯に酢豚が食べたい。パイナップルいっぱい入ったやつ≫
「…………」
なんか随分とつまらん奴の手に渡っちゃったなぁと言うのが、レミリアの正直な感想だった。
「……何やってるのかしら、私」
正気の戻ったのは、全て書き終えてからだった。
急に込み上げてきた恥ずかしさに、さとりはキョロキョロと周りを見回す。
何せこんな子供の悪戯に乗っかって、しかも願ったことが今日の晩ご飯である。間違っても、こんな所を誰かに見られるわけにはいかない。
自室の中とはいえ、身内に一人誰にも気付かれず無意識に行動するやっかいな妹がいるのだ。大丈夫、だとは思うが――生憎と確証は持てなかった。
はぁ、と深い溜め息を一つ。
自分は疲れているのかもしれない、とさとりは思った。いや、仕事なんてしてないけど。精神的に、こうあれだ、やることがなさ過ぎてヘドロのごとく澱みまくっているような気がする。
「なにか趣味でも見つけた方が良いのかしら……」
そんな事を呟きながら、ノートを閉じようとした時だった。
――カッ、カカッ
突然、ペンを走らせるような音がノートから響いた。
パチクリと目を見開き、視線を下へ。ノートに字が書かれていた。
「…………」
一度目を閉じ、瞼の上から瞳をグリグリと指で揉み込む。大丈夫、疲れているだけ、ちょっと疲れが溜まっているだけ。そう自分に言い聞かす。
目を開いた。字が書かれていた。自分が書いた願いの下に、独りでに拙いひらがなの文字がつらつらと綴られていた。
≪このねがいをかいたやつ そこにいたら へんとうしなさい≫
どうしよう、これ。ある意味一番予想だにしていなかった事態に、さとりは途方に暮れていた。
どうやらこのノート、本物であったらしい。
≪おーい ちょっと いないの? へんとうをかけっていってんのー ほらさっっさとー ばーか あーほ ぶたのけつー おまえのいもうとでーべーそー≫
≪デベソじゃないわよ!≫
反射的に、さとりはペンを走らせていた。
≪あ いた いるならさっさとこたえなさいな とろくさい つまんないねがいごと かくだけあるわねー≫
うゎこいつすげぇむかつく。今すぐノートをビリビリに破り捨てたい衝動に駆られた。どうにか堪えたが。
これが本当に願いを叶えるノートなのか、そしてこの相手は何者なのか気になったからだ。あと、あれだ。やっぱり酢豚は食べたかった。
≪貴方、何者?≫
≪おきまりのしつもんねー≫
うるせぇ。というか何故に全部ひらがななのか。読みづらいことこの上ない。
≪まぁ こたえもおきまりだけど あたしはあくまよ うんめいをあやつる あくま≫
胡散臭い。素直にさとりは思った。
≪もの凄く胡散臭いわ≫
なので素直に相手に伝えてやった。
≪しっつれいなやつだねー ねがいをかなえてやろーってのにさ あれよね じぜんじぎょーってやつよね これ≫
≪貴方悪魔なんでしょうに≫
≪あくまにも いろいろいるのよ とちくるって ごひゃくねんくらい ひきこもってたやつとか まじょにあごでつかわれてる ぱしりとか ねんじゅう むきゅー≫
なるほど。つまりロクな奴が居ないのだな、とさとりは理解した。
≪まぁ良いわ。どうせ晩ご飯になれば、貴方が本物かどうか分かるのだろうし≫
≪そうそう それでね とりあえず うんめいあやつるために なまえかいてもらえる? ほんみょうね≫
その要求に、さとりは少々眉を顰めた。
こんな怪しいノートに、迂闊に名前など書いて良い物なのだろうか。気軽にサインをしてしまったことで、知らぬ間に妙な契約を結ばされてしまったというのは、良く聞く話ではある。
何より、相手は自分を『悪魔』などと言っているのだから。悪魔に、契約はつきものだ。
そんなさとりの躊躇いもつゆ知らず、相手は表紙裏の使い方が書かれている下に、
――――――――――――――――――――――――――――
ここね ここ
↓
なまえ _________
――――――――――――――――――――――――――――
と、即席の名前欄などこしらえていた。
わざわざ名前を書く場所を指定してくるとは。怪しい。ますます怪しい。
しばし悩んだ後、さとりは取り敢えず幾つか確認を取ってみることにした。
≪名前って、どうしても必要なのかしら≫
≪あたりまえじゃない あんたがどこのだれかわからなきゃ うんめいをあやつれないじゃないの あやつるには まずはあんたのまわりのうんめいを よまなきゃいけないんだからさ≫
そう言う物なのだろうか? まぁ理由としては、納得できなくもないが。
≪じゃあ代償は? 願い……運命を操って貰ったことで、何か支払わなきゃいけない物とか無いの?≫
≪だいしょう? う~ん べつにないけど あんた ちていにいるんでしょ? わざわざとりにいくのも めんどいし≫
≪悪魔なら、願いを叶えた代償に死後の魂とか要求するものじゃないの?≫
≪ちんぷな はっそうねー ていうか しにがみじゃないんだし たましいなんてもらって どうしろと あ でもゆうれいがいれば なつがすずしくなるのかしら≫
≪妖怪は幽霊にならないと思うけど≫
≪ああ そっか じゃあ いらないわ≫
代償は要らない。まどろっこしい言葉もなく、こうも端的に言い切ると言うことは、本当なのだろう。
契約に嘘はつけない。筈である。多分。悪魔とはそう言う物だと、本で読んだ記憶が。有ったような、無かったような。あれ、それって小説の話だったっけ?
≪ちょっとー? いつになったら なまえかくのよ?≫
≪待って、もうちょっと考えさせて≫
≪なにを かんがえるってのよ! ただで ねがいをかなえてやるってのにさー!≫
いや、だから。そのタダってのがすこぶる怪しくて不安なのだが。
≪つかうきがないなら だれかべつのやつにわたすか そのへんのみちばたにでも すてときないさよ! なにさ ちょっとたいくつをつぶしたかった だけなのにさ≫
「…………」
なんだ、と。さとりは憑き物が落ちたように納得した。同時に、何とも珍しい経験をしているとも感じた。
彼女はさとり妖怪だ。本来であれば、会話をするまでもなく相手の考えていることが読めてしまう。本人が自覚していないことまでも、だ。しかし今のように、本を介した筆談相手の心まで読むことは出来ない。こうした会話で、真っ当に相手の考えを知るというのは、さとりにはとんと経験がないことだった。
まどろっこしくはあるが。そう、こういうのも偶には悪くはない。
≪もういいわ こうしょう けつれつよ こののーとは どっかてきとうにすて≫
≪待って≫
短い言葉で相手を制止した後、さとりはつらつらと自身の名前を綴った。もはや相手に対する警戒はなかった。
退屈は、なんとも厄介な敵なのだ。自分一人では、到底立ち向かえないほどの。
≪こ……ふる? なんてよむの?≫
≪こめいじ、よ。こめいじさとり。これで願いを叶えてくれるんでしょう?≫
≪そう よろしく さとり あたしのことは れみぃ ってよんでくれればいいわ≫
≪れみぃだから「れみのーと」? 安直ね≫
≪うるさい≫
おそらく、生まれて初めてのことであるが。
さとりは読むことではなく、共感することで相手の心を理解したのだ。
「古明地さとり、ね……」
ノートに書かれた名前を呟き、ふむ、とレミリアは顎に手を当てた。
なぜ急に名前を書く気になったのかは分からないが、兎にも角にも、これで運命を操る準備は整った。
第一印象としては、どうにも面倒くさそうな奴だと思ったが、まぁ贅沢は言うまい。せいぜいこちらの暇つぶしに付き合って貰おうではないか。
≪それじゃあ ねがいをかなえるとしましょうか ばんごはんにすぶた でいいのね?≫
≪パイナップルいっぱい入った奴をお願い≫
≪はいはい≫
さて、とレミリアは目を閉じた。
運命を操ると言うことが具体的にどういう物なのか、他人に説明することは難しい。かの胡散臭い隙間妖怪の能力は、全て計算によって操られていると聞くが、それとは全くの逆である。
運命は、計算できるような代物ではない。運命とは曖昧の集合体である。
ユラユラと揺れ動く小さな事象が無数に連なり、重なり合って、運命と言う大きな軸は形成されている。そして厄介なことは、その事象の全てが、他の全ての事象と糸で繋がって引っ張り合っていると言うことだ。例外はない。繋がっていない事象などはあり得ない。例え遠く離れた、地球の裏側に存在する事象であろうと、繋がって、影響を与え合っている。
その事を、明確な事実として受け入れることは、例えどのような賢者であれ不可能だろうなと、レミリアは思っていた。
賢妖たる隙間妖怪も、月の頭脳と呼ばれる永遠亭の薬師も。確かな事例と証拠を提示してどれだけ説明の限りを尽くしたところで、奴等は絶対に疑問を払拭することなど出来ないだろう。全てを信じ切り、受け止めることは、おそらく自分以外の誰にも出来ない。いや、博麗の巫女はそこそこいい線を行っているか。あれは受け入れるというよりも、ただフワフワと流れに身を任せているような感じだが、あの異常な勘の良さはそのためだろう。
ともあれ、賢者という存在は、細かいことを気にしすぎる。それでは駄目なのだ。運命をどこまで細かく刻んでいったところで、曖昧さは必ず残る。正確さは必要ない。理屈は邪魔以外の何者でもない。細かいことは気にせず、曖昧を容認し、全てを受け入れて初めて運命は読み取れる。
ここだけの話、レミリアにとって『賢者』と『アホ』は同義語だった。理屈を用いなければ理解に至らない存在の、何が優れているというのか。まったく、馬鹿馬鹿しい話である。ウチの魔女? あれは賢者ではない、単なる知識人だ。
≪よかったわね かいだしは まだのようよ≫
意識するまでもなく、自然と入ってきたその情報を、レミリアは相手に伝えた。情報の出所どころか、いったい自分が何時その事を知ったのかも定かではなかったが、情報そのものを疑うことはない。いつもの事である。
≪買い出しが済んでたら、無理だったわけ?≫
≪じしょうの じじつかが はじまっちゃうもの そうなっちゃったうんめいをかえるのは ひとくろうなのよ≫
≪じじつか……事実化? 何かよく分からないけど。まぁ出来るのなら、さっさとやってちょうだい≫
≪まぁ すこしまちなさいな≫
運命の読み取りは終了している。後はそれを動かしてやればいい。
とはいえ、実のところレミリアの能力では、運命そのものを直接動かすことは出来ない。出来るのは、ユラユラと揺れ動く事象を、少しばかり弾いてやる程度である。
一つの事象を弾く事で、それに連なる事象を連鎖的に揺り動かし、ドミノ倒しのように肥大化させ、必要な方向に運命を動かさなくてはならない。
まぁ、ビリヤードと似たようなものだ。
計算は必要ではない。計算しきれるものではないのだから。重要なのは、感覚に任せること。
考えるな、感じろ、と何処ぞの武術家だか役者だかが言ったらしい。それこそが、真の賢者の言葉だ。思考を排除し、読み取った運命から生まれる感覚に全てを委ねれば、答えは自然と得られる。
右手で、顔の左半分を覆う。これは、運命を操る際の儀式のようなものだった。伸ばした指の、絶妙な角度と開き具合がポイントである。何か意味があるというわけではないが、まぁあれだ、気分の問題だった。
「見えた――ッ」
カッ、と右目を開く。その瞳の奥で、紅い光がキュィィンとコウモリのように羽ばたいた(様な気がした)。
「からぁん、ころぉん、ぽろぉん」
買い物かごを手に奇妙な音頭を口ずさみながら、福釜そよは旧都の街を屋根伝いに飛び跳ねていた。丸っこくて幼さの残る顔立ちに似合わぬ豊満な胸が、屋根を蹴る度にぷるんぷるんと震える。
若草色の着物の上にヒラヒラとしたエプロンを着用しており、少し長めの栗色の髪は、後ろでまとめて三角巾で覆われている。その格好は和風で有りながら、どことなくメイドのような印象を周囲に与えていた。
そよは、地霊殿にペットとして住み着いている風狸(ふうり)である。わかりやすく言うと狸の妖怪だ。
ペット達の中ではお燐やお空と並んで割と古参で、年若い他のペット達からも慕われている。一応鯉の世話係と言うことになっているがそれは殆ど彼女の趣味に近く、家事全般が得意な事から、館内で仕事をしているペット達のまとめ役のような立場を任されていた。
慕われているのもその為だろうと本人は思っていたが、実際はポヨポヨとやぁらかいお腹や胸、太ももが、ペット達に大人気で有ることが大きかった。お燐なども、隙あらばそのポヨポヨボディの上で丸くなろうと目を光らせている。
視線の先に旧都の大通りが見え、そよは一際高く跳んだ。
放物線を描きその身が落下を始めたところで、着物の大きな袖でバサリと風を受ける。落下傘の様に大きく膨らんだ袖は、フワフワと緩やかにそよの身体を地面に下ろしていった。
「ほよっ、と」
スタン、と軽やかに降り立つ。
その際一際大きく震えた胸に、周りの男妖怪達は揃って手を合わせ、小さく拝んだ。おそよちゃんの胸は旧都商店街でも大人気であった。おっぱいには種族も国境もないのである。
そんな周りの様子を気にすることもなく、そよは商店街を歩き出した。軒先に並ぶ野菜やらを眺めながら、お夕飯どうしようかしらと顎に指を当てる。
買い物をしながらメニューを考えるのが彼女の常であり、楽しみでもあった。一番の得意は中華であるが、それ以外にも一通りは作ることができる。
基本は旬の食材を絡めて決めているが、さてどうしたものか。この間身内がしでかした異変によって地上との交流が復活し(実際はそれ以前からも隠れて続いてはいたが、それがより大っぴらになったのだ)、最近は手に入る食材も多くなっている。嬉しい反面、悩むことも多くなってしまった。
「前は、選択肢なんて無いことも多かったものねぇ」
地底ではやはり作物の育ちも悪いし、魚も余り捕れない。その点地上産の作物は種類が豊富で、何よりも美味しい。
ただ不思議なのは、海の魚介類や外来の果物まで偶に(少々値が張るものの)手に入るようになったことだ。そんなもの、地上でだって採れない筈だが、果てさて。まぁ、考えても仕方ないことではあるが。
そうこう考えているうちに、そよはいつも利用している八百屋の前まで来ていた。彼女が知る限り、この店が地底で一番品揃えが豊富である。
「こんにちは~」
「…………」
こちらの挨拶に八百屋の主人は言葉を返すこともなく、いつもと変わらぬ仏頂面――いや、訂正、仏そのものの面で、僅かに顎を引いて答えた。
八百屋の主人は、知り合いからはブッダと呼ばれていた。どこをどう見ても仏陀にしか見えない顔をしているからだ。実際のところ、頭の髪は螺髪ではなくパンチパーマであり、糸のように細められためは眼が悪いためにそうなっているだけで、さらに言うと額のポッチは単なる疣なのだが、そういう細かいところを気にせず総合的に見れば、見紛う事無き仏陀であった。
しかし、彼がブッダと呼ばれている所以はそれだけではない。
「今日は、何かオススメってありますかぁ?」
買い物かごを持った二の腕で挟むように、態とらしくない程度にきゅっと胸を寄せ、前かがみで尋ねる。どうにも窮屈であると理由から、そよはサラシはおろか胸当てすらつけていなかった。幅広い着物の襟から覗く豊満な胸の谷間が、相手の視界にジャックポットの筈である。しかし――
「…………」
ブッダはなんの反応も示すことなく、静かにピーマンを指さした。
今が旬のピーマンは、実に鮮やかな緑色の輝きを放っていた。まぁ、なんて美味しそう。この瑞々しさはきっと地上産ね♪ ――けどそうじゃねぇんだよ!!
ヒクヒクと口の端を引きつらせながら、そよは喉から込み上げてくる怒声をどうにか抑えこんだ。
他の(馬鹿な)男どもであれば、この胸の谷間を食い入るように見つめた後、ごまかし笑いを浮かべながら何かしらサービスをしてくれるというのに! ブッダ相手には全く通用する様子はなかった。それどころか、視線を向けてすらいない。そのやたらとほっそーい目はどこか遠くを見る様に、在らぬ虚空へ向けられたままだった。
そう、彼はどのような事態にも、全く動じることはなかった。
そよが胸の谷間を見せようが、お空がスっ転んでパンツ見せようが、かの鬼、星熊勇儀が酔っ払って上着を脱ぎ捨てようが、眉一つ動かした試しがない。故に彼は、周りの男達から敬意と畏怖(あいつもしかしてホモなんじゃね? 的な)を持って、ブッダ(悟りを開いた者)と呼ばれていた。
屈辱を紛らわすために、ピーマンを手に取って眺める。
今回の結果も、今までの経験から分かりきった事ではあったのだが、それでもやはりプライドは傷つく。なまじ店の品揃えと品質が良いために、余計悔しかった。
しかしまぁそれはそれとして、確かに良いピーマンではあった。籠に張り付けられた値段も、負けてもらうまでもなく良心的なものだ。これで献立を考えるとしたら、何がいいだろうか。チンジャオロースとか、あるいは――
「ぬ゛……」
と考えていたところで、僅かなうめき声のようなものが聞こえ、そよは顔を上げた。
周りを見回してみるが、自分と八百屋の主人以外には誰もいない。ということは、今の声は彼が上げたものだろうか。そよが知る限り、ブッダが何か喋ったことなど今まで一度たりともなかったのだが。
改めてブッダの顔を見てみると、その細い目は、大通りの先に向けられていた。そよも釣られて顔を向けると、鬼の星熊勇儀と伊吹萃香が、ケラケラと陽気な笑い声をあげながら通りを練り歩いていた。
「だからさ、これからは毎月パルスィの奴が上物の酒を持ってきてくれんのさ」
「いいなぁ、なぁんでアタシも手伝いに呼ばないのさー。霊夢にはそういうの期待できないってのに」
「まぁそう言いなさんな、うちに来ればまだ残ってんのがある」
勇儀の言葉に、「よっしゃー!」と萃香が威勢よく声を上げる。
最近の萃香はよく地上に遊びにでていたはずだが、どうやら戻ってきていたらしい。宴会だとか何とか言って地霊殿に押しかけてこなければいいが。大変なのだ、片付けが。
ブッダはというと、彼女ら二人(というよりも、萃香からだろうか?)から目を逸らすことなく、じっと見つめ続けている。その顔はいつもどおりの無表情――いや、僅かに眉間に皺が寄り、いつもよりも目が細められていた。
―― 一体何が? 鬼に敵意をいだいているとでも?
彼の体から伝わるピリピリとした気配は、真剣勝負のそれに近いものを感じたものの、まさかという思いは拭えない。鬼に喧嘩を売ろうとする妖怪など、この旧都にはいない。少なくとも、そよが知る限りは。理由は単純。鬼は強大なのだ、とてつもなく。
二人がこちらに近づいてくる。ブッダの目がますます細まった。
ハラハラと身を縮こまらせて、そよはその様子を見守っていた。取り敢えず、いつでも逃げれるように着物の裾を少し摘み上げておく。
すぐに逃げ出さなかったのは、野次馬根性のなせる業であった。
そよの預かり知らぬことではあるが――レミリアが運命を操ったのは、丁度その時だった。
切っ掛けは、通りを歩く妖怪が投げ捨てた、焼き鳥の串であった。
食べ終え、投げ捨てられた焼き鳥の串は、『偶然』その側を歩いていた大男の足の甲にプスリと刺さった。
「イテッ」
その痛みに足を上げた大男の膝が、『偶然』前を歩いていた幼い妖怪の尻に当たる。軽くではあったが、その小さな体のバランスを崩すには十分だった。
前につんのめり、倒れそうになる子供。とっさに何処か掴む場所を探してさ迷った右手の指先が――萃香の服に引っかかった。袖のない服の肩口に。
ブッダの目が、カッと見開かれる。そよも、それに気づいた。大きく開いた肩口は、引っかかった指に引っ張られ、その真っ平らな胸の頂点を覗かせ――
「よぉ、ブッダの旦那。嫁さんに買出し頼まれてね、人参とキュウリもらえるかい?」
――ようかというところで訪れた客が、ブッダの視界を遮った。
結局転んだ少年が、小さく悲鳴をあげる。萃香はそのまま何事も無く、勇儀とともに陽気に笑いながら去っていった。
「おッ……おま……」
「ん? あれ旦那どうしたの珍しく目ぇ開いて。あれ、なんで泣いて……」
「おまッッッッ、空気読めやぁあああああああああああああ!!!」
「ぷぎゃぁぁあああああああ!!!!?」
ブッダのそれはそれは見事な右ストレートを食らい、男が道の真ん中まで吹っ飛んでいく。しかしそれでも気が済まないのか、ブッダは店先から飛び出し、馬乗りになって拳を振り下ろし続けていた。
「おまッ、萃香ちゃんのッ、俺の萃香ちゃんのポッチ……ッ! さくらんぼが……ッ!! お、おおお、おおおおおおおおおちくしょぉおおおおおおお!!」
「ちょ、やめっ、ぎぃいいいやぁぁああああああああ!!!!!」
泣きながら拳を振るい続けるブッダを見ながら、そよは全てを理解した。ブッダが開いていたのは、悟りではなく別のものであったのだ。
「ロリコンかよ……」
ボソリと呟く。取り敢えず、今後この男にはさとり様を近づかせないようにしようと心に決めた。下手をすれば、性的な意味で『さとり』を開かれかねない。
にしても、コレがブッダの素だったとは。
……ん? 素のブッダ……素ブッダ……すぶた……ハッ!!
「そうだ、今晩は酢豚にしよう!!」
すぶたになりました~♪
「状況終了……」
運命改変の確かな手応えを感じ、レミリアは静かに笑った。
世界を手の平で転がすようなこの感覚は、何度味わってもたまらない、得も言えぬ陶酔と愉悦を与えてくれる。まぁあんまりやり過ぎると、歪が溜まって思いもよらない事態を引き起こす事もあるので、なるべく自重しているが。
蝶の羽ばたきが竜巻を起こす事だってある。もうずいぶんと前のことではあるが、例のいけ好かないスキマ妖怪の運命を操って悪戯してやった時のことだ。こちらの悪戯に相手も境界操作で仕返ししてきたので、また運命を操ってやり返してと言うことを一ヶ月程続けた。結果、何をどう間違ったのか幻想郷を季節外れの大寒波が襲った。しかも秋の刈入れ前に。
あの時は本当に参ったものだ。人里の飢饉を救うためにスカーレット家と八雲家の資産の三分の一が無くなるし。大異変の主犯として巫女(霊夢の二代くらい前だ)にガチで滅せられそうになるし。見逃してもらう代わりとして、幻想郷の歪を治すために八雲紫と二人、猛吹雪の中を奔走させられるし。
取り敢えずその時知ったのは、気温が氷点下三十度を下回った場合の冬女は本気で洒落にならないということだった。
運命操作も境界操作も、大自然の猛威が相手ではあまりにも分が悪い。誰憚ることなく泣きながら(涙も凍ったけど)逃げ回ったのは、あれが最初で最後の経験だった。苦い思い出である。
まぁ、あの時は境界操作との相互作用もあっただろうし、日に何度も改変を行っていた。流石に今回は、そこまでの改変を願ってくることはないだろう。もし願ってきても適当な理由で突っぱねてやればいい。代償を貰わない背景には、そんな理由もあった。
「ま、気をつけてさえいれば大丈夫でしょ」
もしなんか起こっても、被害受けるのは地底だし。
そんな、反省しているようで実は全然反省していない思考を巡らせながら、レミリアはツラツラとノートにペンを走らせた。
≪ねがいは かなえた≫
≪本当に?≫
≪うん まぁ しんじなさいな では さらばじ……てあれ?≫
≪どうしたのよ?≫
≪いや えっと……≫
今入ってきた運命、これは……。
「え~!? パイナップルもう売れちゃったんですか~!?」
「…………」
拳や顔の所々を血に染めながら、それでも無表情にブッダは小さく頷いた。
≪ごめん ぱいなっぷる うりきれてたみたい≫
≪え≫
帰ってきたのはただ一文字。しかしその何でもないひらがな一文字に、なぜか言い知れぬ威圧感を感じて、レミリアの頬に汗が伝った。
≪いや ま まぁ ぱいなっぷるはなくても すぶたはでき≫
≪パイナップルたくさん入った酢豚が食べたいパイナップルたくさん入った酢豚が食べたいパイナップルたくさん入った酢豚が食べたいパイナップルたくさん入った酢豚が食べたいパイナップルたくさん入った酢豚が食べたいパイナップルたくさん入った酢豚が食べたいパイナップルたくさん入った酢豚が食べたいパイナップルたくさん入った酢豚が食べたいパイナップルたくさん入った酢豚が食べたいパイナップルたくさん入った酢豚が食べたいパイナップルたくさん入った酢豚が食べたいパイナップルたくさん入った酢豚が食べたいパイナップルたくさん入った酢豚が食べたいパイナップルたくさん入った酢豚が食べたいパイナップルたくさん入った酢豚が食べたいパイナップルたくさん入った酢豚が食べたいパイナップルたくさん入った酢豚が食べたいパイナップルたくさん入った酢豚が食べたいパイナップルたくさん入った酢豚が食べたいパイナップルたくさん入った酢豚が食べたいパイナップルたくさん入った酢豚が食べたいパイナップルたくさん入った酢豚が食べたいパイナップルたくさん入った酢豚が食べたいパイナップルたくさん入った酢豚が食べたいパイナップルたくさん入った酢豚が食べたいパイナップルたくさん入った酢豚が食べたいパイナップルたくさん入った酢豚が食べたいパイナップルたくさん入った酢豚が食べたいパイナップルたくさん入った酢豚が食べたいパイナップルたくさん入った酢豚が食べたいパイナップルたくさん入った酢豚が食べたいパイナップルたくさん入った酢豚が食べたいパイナップルたくさん入った酢豚が食べたいパイナップルたくさん入った酢豚が食べたいパイナップルたくさん入った酢豚が食べたいパイナップルたくさん入った酢豚が食べたいパイナップルたくさん入った酢豚が食べたい≫
瞬間、怒涛の狂気じみた勢いでノートが黒く染まった。
≪いや あの≫
≪パイナップルたくさん入った酢豚が食べたいパイナップルたくさん入った酢豚が食べたいパイナップルたくさん入った酢豚が食べたいパイナップルたくさん入った酢豚が食べたいパイナップルたくさん入った酢豚が食べたいパイナップルたくさん入った酢豚が食べたいパイナップルたくさん入った酢豚が食べたいパイナップルたくさん入った酢豚が食べたいパイナップルたくさん入った酢豚が食べたいパイナップルたくさん入った酢豚が食べたいパイナップルたくさん入った酢豚が食べたいパイナップルたくさん入った酢豚が食べたい≫
≪だから うりきれて≫
≪パイナップルたくさん入った酢豚が食べたいパイナップルたくさん入った酢豚が食べたいパイナップルたくさん入った酢豚が食べたいパイナップルたくさん入った酢豚が食べたいパイナップルたくさん入った酢豚が食べたいパイナップルたくさん入った酢豚が食べたいパイナップルたくさん入った酢豚が食べたいパイナップルたくさん入った酢豚が食べたいパイナップルたくさん入った酢豚が食べたいパイナップルたくさん入った酢豚が食べたいパイナップルたくさん入った酢豚が食べたいパイナップルたくさん入った酢豚が食べたいパイナップルたくさん入った酢豚が食べたいパイナップルたくさん入った酢豚が食べたいパイナップルたくさん入った酢豚が食べたいパイナップルたくさん入った酢豚が食べたいパイナップルたくさん入った酢豚が食べたいパイナップルたくさん入った酢豚が食べたいパイナップルたくさん入った酢豚が食べたいパイナップルたくさん入った酢豚が食べたいパイナップルたくさん入った酢豚が食べたいパイナップルたくさん入った酢豚が食べたいパイナップルたくさん入った酢豚が食べたいパイナップルたくさん入った酢豚が食べたいパイナップルたくさん入った酢豚が食べたいパイナップルたくさん入った酢豚が食べたいパイナップルたくさん入った酢豚が食べたい
パイナップルたくさん入った酢豚が食べたいっつってんだろだらず!!≫
――うぜぇええええええ!! こいつはうぜぇええええええええええええええええええええええええええ!!!!! 仕事もせずに部屋でゴロゴロしてるダメ妖怪の臭いがプンプンするゼェエエエエエエエ!!!!!
ノートの見開き一杯を埋め尽くした悍ましいまでの文字の行列に、レミリアは頭を掻き毟りながら仰け反った。
ちょっと暇を潰せる息抜き目的で始めたことなのに、一体なんだこの仕打は。なんでよりによってこんな奴がノート拾うんだ。ていうか何この図々しさ、今日知り合った顔も知らない奴に対してなんでこんな我侭言えんの? 馬鹿なの? 死ぬの? 有頂天? コイツ友達いねぇよ、絶対一人も友達いねえ!!
≪わかったわよ ちょっとまってなさい!!≫
乱雑にそうノートに書き殴り、レミリアは目を閉じた。
良いだろう、そこまで言うならやってやろうじゃあないか。もう知らない、どうなっても責任は持たない。ただ、望む通りの結末だけは用意してやる。後の始末は自分で付けるがいい。
運命の大海に意識を沈める。深く、深く。光も届かぬ深淵に。溺れることはない。自分も、その大海を漂う水の一部なのだから。個の境界を捨ててやれば、その意識は瞬く間に広く、薄く、流れに乗って引き伸ばされていく。波のうねりも、潮の満ち引きも、全てはその身の内に。
運命の揺らぎ。事象の海流とその断層。そこをチョイと指先で掻き回してやれば。
久方ぶりの大改変。呑めや育てや高波よ!
――ルン、ルン、ルン♪
普段の嫉妬心も何処へやら。水橋パルスィは常に無い上機嫌な様子で、鼻歌などを歌いながら歩いていた。
手には買い物袋と一緒に、ゴツゴツと岩のような形状をした果物を抱えている。それは最近になって地上から入ってくるようになった、『ぱいなっぷる』と呼ばれる外来の果物であった。以前ヤマメが買ってきた物を食べさせてもらったのだが、これがなかなかに美味しかったのだ。
あの独特の食感と、酸味のきいた甘み。ヤマメやキスメは「なんか舌がピリピリする」と渋い顔をしていたが、パルスィとしてはそれも含めて、非常にクセになる味わいであった。
ただ外来の物故か少々高価で、中々手が出せなかったのだが、
「記念日だもの。コレぐらいはいいわよね」
自分に言い聞かせるように呟き、ウフフと童女のような笑みを浮かべる。ヤマメなどが見れば即座に「キモイ」と吐き捨てるのであろうが、幸いここは旧都から離れた地上へと続く洞窟の中。周りには誰もいなかった。
記念日――そう今日は、彼女の新居が完成してから、丁度一ヶ月目の日であった。
元々パルスィは旧都の端っこにある長屋に部屋を借りていたのだが、畳はボロだわ隣のババァは鬱陶しいわでロクなものではなかった。それに彼女は地上と地下を結ぶ縦穴の番人である。毎日旧都と縦穴を結ぶ洞窟を往復するのは、面倒以外の何者でもない。元来他人との付き合いも好きではない彼女は、常々縦穴の近くに住居でも構えて一人静に暮らしたいと考えていた。
そしてついにそれを実行に移したのが半年前。知り合いの鬼である勇儀を訪ね、一戸建ての建築を依頼した。月々一升瓶五本の酒払いで二百五十年ローン。ゲンナリとするような支払い期間ではあるが、それだけの価値はあったと満足している。
なにせ、これからずっと住むことになる家だ。叶えられる要望は全て叶えてもらった。間取りは3LDKの平屋、バス・トイレ付き。さらにここからが重要なのだが、なんと地下水脈から水を引き、上下水道を完備してもらった。井戸や川まで行かずとも、蛇口を捻れば水が出てくる。お風呂の水もアッという間に張れる(薪を焚く必要はあるが)。トイレも水洗だ。水洗トイレだ(大事なことなので二回言った)。ちょっとお花を摘んだあとも、指先でレバーを抓ってやればあら不思議、渓流のごとき清らかな水の流れが、サワサワと全ての不浄を洗い流してくれる。要約すればそう、つまりはガンダーラである。愛の国。偉大なるガンジスの流れ。
しかしまぁ、一つ――いや二つ難点があるとすれば、新居の完成以来、ヤマメが毎日トイレと風呂をタカリに来るようになった事(蜘蛛避けになるような物がないか今調べている)と、自身の持ち味である嫉妬心がすっかりナリを潜めてしまったことだろうか。どちらも家自体に罪はないのだが。
目の前でイチャつくアベックとかを見ても、なんの感情も湧いてこない。むしろ、哀れにすら思ってしまう。だってあれでしょ? ボットンでしょ? アンタらの家ボットンなんでしょ? ウチね、あのね、水洗なの。ジャーって流してくれるの。全然臭くないの。あとね、あのね、お風呂とかもすぐ入れるの。朝風呂とかも余裕なの。夏の寝苦しい夜に寝汗とかかいたあとも、お風呂に入ってサッパリした気持ちでお仕事に行けるの。あ、ていうか、あれ? お風呂ある? ちゃんと部屋にお風呂付いてる? もしかして銭湯? あらあら~、シッポリした後とかどうしてるの? ベトベトでしょ? そのまま寝ちゃうの? あらあらあらあら、あらあらあらあらあら。大変ねぇ~……プッ。
「うふふ、うふふふふ、うふふふふふふふふふるるらら~♪」
音程の外れも気にすることなく、歌いながらクルクルとステップを踏んでターンを決める。
新居が見えてきた。嗚呼、表札に書かれた『水橋』の名のなんと愛しいことか。恋人? いらねぇよそんなもん、あいつら絶対便座上げずに用足そうとすんだろ。アタシの水洗トイレ汚そうとすんだろ。そうよ男っていつもそう。ロクでもない奴ばっかりよ。アンタさえいれば他には何もいらないわ、びば・あいらぶまいほーむ。
とまぁそんな感じでパルスィがマイホームにうつつを抜かし、橋姫としての矜持を下水にぶっ込みかけていた丁度その頃。
その遥か上方、地上に広がる森の中。二人の魔法使いが、夕日を背に弾幕ごっこを繰り広げていた。
「魔理沙ァア! またアンタは人んちの本を勝手に!!」
「いいじゃないか、ケチケチすんなよ。ちょっと借りるだけだぜ!」
魔法の森を根城とする二人の魔法使いの諍いは、特筆すべきこともないいつものことであった。諍いの理由も何度となく繰り返されたことであり、勝率も五分五分である二人のどちらが勝とうとも、日常から外れるものではない。あまりにも平凡な、幻想郷の一コマ。ただ一ついつもと違う点があるとすれば、その近くを『偶然』、烏天狗が飛んでいたことであった。
「号外ー! 号外だよー! 当事者からの証言を元に、かの紅魔図書館清争の一部始終を完全収録!! さらには戦争を影で操った黒幕の存在も!! コレを読まなきゃ明日は迎えられないよー!!」
人里も妖怪の山も魔法の森も関係なく、人の居る居ないさえも考慮されず出鱈目にばら蒔かれる新聞の束。常であれば見向きもされずにゴミと果ててしまうその中の一枚は、『偶然』吹いた突風に煽られることでその運命を変えた。
魔理沙に向けてレーザーを放とうと繊細な指使いで人形を操っていたアリスの顔に『偶然』、その新聞紙が張り付く。
「ぷお!?」
急に視界が覆われたことで、あらぬ方向に逸れるレーザー。普通ならばその辺の木にでも当たって霧散するところであろうが、レーザーの向かった先は『偶然』にも、木々の重ならぬ針のような一点を突いていた。そしてその先に、
「ふんふんふ~ん♪」
「ご機嫌ねぇサニー」
『偶然』、日の光の妖精が歩いていた。
「だってこんな気持ちよく晴れた日なんて久しぶりだったもの。今日は悪戯も上手くいったし、そりゃ機嫌も――ってどぉおおおぉぉおおおおぉおおおお!!?」
たんなる妖精がいきなり飛んできたレーザーに反応できたことも『偶然』の賜であれば、その妖精が持っていた能力も『偶然』だったであろうか。光の屈折を操るその力は、飛来したレーザーを無理矢理ねじ曲げ、上空へとその矛先を逸らした。
そして『偶然』――もういい加減言い飽きてきた言葉ではあるが、『偶然』、暇を飽かしてフヨフヨと空を飛んでいた天人に直撃した。
「くきょ!?」
悲鳴は小さく、奇妙なものだった。レーザーは『偶然』にも天人の顎先を撃ち抜いていた。
妖怪もかくやという頑丈な体を持つ天人であれど、体の構造それ自体は、人間と大きく違いがあるわけではない。顎から伝わった衝撃は、脳みそを程よい感じにシェイクして、意識を撹拌させていた。
白目を向き、くらりと天人の体が落下していく。その手には天界の道具である緋想の剣が握られていた。
天人の体重と落下エネルギーをたっぷりと乗せて、緋想の剣が大地に突き立つ。
さて、緋想の剣は相手の弱点を突く剣である。この場合の弱点とは何処であろうか?
このところ雨の多かった大地は、その地下水脈にたっぷりと、些か過剰気味に雨水を溜め込んでいた。そしてその地下水脈には、最近建てられた新居へと水を引くためのパイプが、少々乱暴な形で差し込まれていた。後は――言わずもがなであろう。
地下水脈に走った亀裂は、ダムに開いた穴と同義であった。
――ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……
「ほえ?」
――ズバッシャァアアアアアアアアアアアアア!!!!!!
パイナップルを抱えてクルクル廻っていたパルスィの目の前で、岩盤から溢れでた鉄砲水が3LDKバストイレ付きの平屋を飲み込んだ。根こそぎ、本当に根こそぎ流し尽くした。
跡にはずぶ濡れのパルスィと、便座の外れた洋式便器だけが、ポツンと佇んでいた。
「ほんとうに大丈夫なのかしら……」
寝転んだベッドの上でノートを眺めながら、さとりは不満げに呟いた。
レミィと名乗った自称悪魔は、『かなえた はやおきしたから にどねする』と言ったっきり、なんの返事も返してこなくなった。今更ながらに、やっぱりからかわれていたのではないかという思いが拭えない。
まぁ、厨房まで聞きにいけばすぐに分かるのだろうが、流石にそこまでする気にはなれなかった。どのみち夕飯になれば分かることであろうし、それはそう先のことではない。
――コンコン
と考えているうちから響くノックの音。
「何かしら?」
おそらく夕飯に呼びに来たのだろう。そう予想して声を返したのだが、生憎と伝えられたのは別の用件であった。
「あの、さとり様にお客様がお見えです」
「客?」
訝しげに眉をひそめる。
地霊殿に客が来ることなど、滅多にあることではない。あの小さな鬼が能力を使えば話は別であろうが、そうでなければ屋敷に近づく者さえいはしないだろう。そう思える程には、自分は嫌われている。
来るとすれば嘘を付くことを嫌う鬼達か、仕事柄付き合いのある清廉潔白な閻魔様か、あるいは――と可能性のある者を指折り数えかけて、さとりは首を振った。どいつもコイツも、客としては遠慮したい相手ばかりだったからだ。
「すぐに行くわ。あなたは仕事に戻りなさい」
「あ、はい」
扉の向こうで去って行く足音を聞きながら、さとりはベッドから腰を上げた。億劫ではあったが、無視するわけにもいかない。例え嫌われ者であることを自覚していようとも、体面を気にせずに生きて行けるわけではないのだ。
姿見を覗いて軽くクセッ毛を整え、部屋を出る。廊下を歩いてエントランスまで出たところで、訪問者の姿を確認できた。
そこにいたのは、嫉妬心を隠すことを知らない橋姫であった。先程思い浮かべていた者の中では、比較的マシな客ではあったのだが、それとは別の要因でさとりは顔を顰めた。
パルスィはまるで急な豪雨にでも打たれたような(地底ではあり得ないことだが)びしょ濡れの格好で、玄関の前に佇んでいた。ペットの誰かに借りたのか、タオルを一枚頭から被り、虚ろな視線を床に落としている。そしてその手には人の頭ほどの大きさの――とそこまで観察したところでさとりの脳裏に嫌な予感が沸き上がった。
首の後ろからブワリと脂汗が噴き出る。いやまさか、そんなわけが、とどんなに必死に自分に言い聞かせても、足の震えを止めることはできなかった。手すりをギュッと握り締め、ゆっくりと階段を降りていく。階段から足を踏み外しかねないと思ったからだ。
「き、急に……どうしたの?」
聞きたくはない、聞きたくはなかったが……聞かないわけにもいかない問いかけを口にする。
ぼうっ、と色を失いかけた緑の瞳が、さとりに向けられる。ぼそぼそとその口から綴られた言葉は、何とも儚い蚊の鳴くような声音であった。
「家が……濁流に、飲まれて……あ、こないだ、建てたばかりの……新居、だったんだけど……」
「し、新居……!?」
噴き出る脂汗が、より一層その量を増した。頬から、額から、ダラダラと際限なく流れ続ける。その代わりというわけかなんなのか、喉の奥はカラカラに乾き、干上がっていた。唾を飲み込もうとしたが、カチカチと噛み合わない歯のせいで上手くいかない。
「うん……勇儀に頼んで……二百五十年ローンで……」
「に、にひゃく……ごじゅうねん……」
「けど、それは、もういいの……全部……流れちゃったから……」
そこで言葉を途切れさせ、パルスィはそっと手に持っていた『ソレ』を差し出してきた。
「これ……ぱいなっぷるっていう、果物……。これで、一晩でいいから、泊めてくれないかしら……行くとこ、ないから……」
「う、え、あ……いや、その……」
怯むように、さとりは一歩下がった。自らが悪魔に望んでまで欲しがった果実をしかし、さとりは受け取れなかった。受け取れるわけがなかった。受け取ればその時点で『犯行』が『完遂』されてしまう。
しかし――
「だめ……? そうよね、急にこんなもの持ってきて泊めてくれだなんて、ダメに決まってるわよね……。ごめんなさい、帰るわ――」
「いや駄目じゃないです! 受け取ります、泊まってってください!! 一日でも十日でも好きなだけ泊まっていってくださいお願いしますから泊まっていって!!!」
悪魔の定めた運命に逆らえるわけもなく。さとりは引っ手繰るようにパイナップルを受け取って、泣きながらパルスィに縋りついた。
悪魔に魂を売り渡すという言葉の意味を、さとりはこの時初めて理解した。
とまぁ何はともあれ。
さとりとレミリア、地底と地上を代表する二人の妖怪の交友は、こんな奇妙な関係から始まったのであった。
面白かった。勢いがあった。馬鹿馬鹿しかった。そよちゃんのぽよぽよに釘付けになった。
仏陀のおっさんに爆笑した。パルスィの不運に涙した。
だけど本当に言いたいことはただ一つ。
先生! パイナップル酢豚に異議あり! 古明地ちゃんはいけない子だと思いますっ!!
スルーできなかった自分が情けなくもあり、可愛くもあり。
罪悪感が半端ねぇな。
ポヨポヨボディ…そうか、狸ですもんねえ、拝みたくもなる。酢豚も是非食べたい。
だがパイナップル、テメーはダメだ。
この日の夕食はずいぶん気まずい雰囲気になったと思いますw
ラッキーマン的なノリは大好きな自分にとって、この作品は創想話の中でもトップクラスのお気に入り。
家を流されたパルスィが、ガス爆発で家を吹き飛ばされたスーパースターマンのイメージそのものだった。
このクオリティで続編が読めるのなら、いくらだって待っています。
最後に……さすが悪魔。恐るべし。
レミィとさとりの組み合わせはもっと増えるべき
でも酢豚はパイナップル入ってないほうがうまいと思いまs
続きにも期待してます。
永遠亭の亭が邸になってたような気がします
どの口でソレ言いますかレミィ様www
あ、作品はめっちゃ面白かったです。応援してますんでこれからも頑張ってください。
本筋はもちろんですが、
紫との昔話や永琳の性格描写など、言わば支流とも言える部分が只のタイトルパロディとは一線を画して、
話に厚みをもたせていて素晴らしかったです。
連作化も期待してます。
連載をしてくれぇ…
リンゴサラダも美味しいのに。
とりあえずさとりんは、責任を持ってぱるぱるを幸せにする事。
さとパル派としては三度美味しかったです (^q^)
すべてが判明した後の、さとレミにまつ悲劇が目に見えるようだ・・・
素直に爆笑させてもらいました。
とりあえずぱるちーカワイソスっ_T
豚のペットが居たのかと思って、しばし黙祷した。
うん。面白くてハッスルで、とにかく夢中になれた!
いろいろな小ネタの入れ方もツボでしたよ。
さとりの小さな幸せは、多くの犠牲の上に成り立っているという壮大な話になるとは。
タイトルでデスノのギャグコメディを予想してただけに驚きです。
>ポテトサラダのリンゴも許せないタイプ
作者とはいい酒が飲めそうだ
でもSSとして、とてもおもしろかったです。
許せなさそうだ
まあ原因がまずわからんから、勇儀に言えば建て直してくれそうではある。
アホの子にしか見えないと言うか、そこが凄い気に食わなかったのでマイナス50。
それはともかく、パルスィが悲惨すぎてガチで泣ける件
酢豚のパインはアクセントに一欠片入れるのがいい。
何を言ってるのかわからねーと思うが(ry
なんというバタフライエフェクトw
さとりとレミリアの組み合わせが好きなので
続編期待して待ってます
短編意外だと胃もたれしてしまう自分でも、サクッと読めたのは文章がくどくなく、テンポがいいからでしょうね
連載、期待させていただきます
パルスィはもうあれだ、これを機に地霊殿に永住すればいいよ
もちろん永久就職的な意味d(ry
オリキャラは愛らしいし、他のキャラも性格付けが個性的にして魅力的。
長さの割にすらすら読める文章も素敵でした。
ちょっと締めが淡泊というか、一抹の物足りなさを感じましたけど、まぁ10点分は不憫すぎるパルスィへのお餞別ということで……。
いやぁ運命の操作って面白い――じゃなかった恐ろしいですねぇw
最初携帯から読んだんですけど、改めてPCで開いて見て印象の違いにビックリ。さとりの「パイナップルたくさん入った酢豚が食べたい」が綺麗なグラデーションになっててワロタww
テンションの差が激しすぎるパルスィが可愛すぎて仕方ねえ。さとりんなんとかしてあげて!
パルスィ……がんばれ
さとりかわいい。
誤字指摘が3点。
> いや、博麗の巫女はそこそこいい線を言っているか。
> 相手の視界にジャックポットのあずである
> パルシィとしてはそれも含めて、
あとこれは意図的かわかりませんが、
> 『叶えた。早起きしたから二度寝する』
これはレミリアの書いたものでしょうが、ひらがなじゃなくても?
れみのーとでパルスィの家が元に戻る続編がくるのですね、わかります。
新居は吹っ飛んでもトイレだけは残ったあたりが皮肉すぎる。よかったね、あんなにトイレに執着してたもんね、便座ないけどね
ひらがなしか書けないのにさとりの書く漢字を読んでるレミリアが違和感MAXなのでこの点で
ポンポンと小気味よく進む話に内容がまた可愛らしい
これはぜひ連載してほしいですね
ローン250年分のパイナップル酢豚はさぞ美味しいでしょうね?さとりん
是非とも続きがみたいです
続編読んでみたいです
そこが-50。
だが一言言いたい……ポテトサラダにりんごは必須だろうがァ!
気長に続きを待ってます
同じ題材でシリアスな方向でも書けそうだなぁ
腹がよじれるって本当なんですねwwwwwwwww
とても面白かったです。
哀れすぎる……
レミリアは運命操れないとか迷信ですよね
レミリアは運命操れないとか迷信ですよね