「う……俺は一体…………ああ、昨日のあれか」
(あの衝動は仕方ねぇよ、だって生のうさ耳だもの)
輝は窓から差し込む朝日を浴び、目をさました後昨日の若干暴走した自分の姿を思い出し一仕事終えた後のような清々しい表情を浮かべながら窓の外の所々光が射し込んでいる竹林をぼーっと見る。
そのまま昨日の出来事―主にうどんげの服装や耳について―を頭の中で振り返り数分たった後、枕元に自分の服が綺麗に畳まれて置かれているのに気づきそれに着替えて病室を出た。
「あれ?これって……」
永遠亭の廊下を歩きながらズボンのポッケに手を突っ込んでいた所指先に違和感を感じたのでそれを取り出して見てみるとそれは透明な1cmくらいの立方体だった。
(あれ、だよな?気を失う前に解いたルービックキューブのパーツ……。これはもしかしたらなにかの手がかりになるかもしれない、無くさないようにしたほうがいいな。にしてもあれだ、とりあえずここはどこなんだ?っと、あそこかな?)
欠片をポッケにしまいこんだあと適当に廊下を歩いていたら先の部屋から声が聞こえてきたので入る事にした。
「どもー!毎度おなじみ射命丸です!えーとですねぇ、外来人が永遠亭にいると風の噂に聞いてやってきたんですが会わせてもらえませんか?」
「相変わらず情報が早いわねぇもうすぐ目が覚めると思うから少し待っててちょうだい」
快活な青年の声に対して永遠亭の受付窓口で資料整理をしていた永琳が若干あきれ口調でそう受け答えする。
「おはようございます永琳さん」
待合室に入ってきた輝が受付窓口に座っている永琳に挨拶した。
「おはよう、どう?大丈夫だと思うけど腕の調子はどう?あと、昨日うどんげに殴られた頭は大丈夫そう?一応見た所内出血も無いみたいだし骨にも異常はなかったから平気だと思うんだけど」
カルテらしきものを眺めたあと、輝に詰問した。
「あ~、たぶん大丈夫だと思います」
輝が自分の頭頂部、後頭部、側頭部と順に触り、異常がないか確かめ言う。
「昨日の件についてはうどんげもやりすぎたって謝ってたから許してあげて頂戴ね」
「いやいや、あれは俺が勝手に暴走しただけなんで怒られはしても謝られる覚えはないです。あと反省してます、後悔はしてませんが」
輝が手を前に突き出して寝癖が所々跳ねた頭をブンブン横に振りながら訂正し、その後キリっという効果音が付きそうな程引き締まった表情のまま後半の台詞を言い放った。
「あやややや!!この方が例の外来人さんですか!どうも、『文々。新聞』を書かせて頂いている『射命丸 文』です!ちょっと取材に協力してもらえますか?」
頭に修験者が着けているような小さな帽子をつけ、ズボンからだした白いシャツに黒いネクタイ、それに黒いズボンに黒い下駄を模した革靴を履いていて背中に黒い鴉のような羽が生えている以外は少し変わった格好をしている好青年という印象の謎の青年がメモ帳片手にずんずん近寄ってきた。
「うおっ誰だあんた!?え、取材?ていうか今度は翼が生えてんのかよ!?」
突然の事に状況を理解出来ない輝が射命丸の迫力に気圧されて後ずさり、射命丸の背中から生えているように見える艶やかな漆黒の翼を凝視した。
「翼?ああ、これの事ですね」
「そうそうそれそれ、それ本物だよな?やっぱそれ使って空飛べたりするのか?っていうかあんた何もんだよ」
好奇心に目を輝かせながら輝が矢継ぎ早に射命丸に質問を投げかける。
「私が色々聞くはずが逆に質問攻めにされてますね……ええと、勿論本物ですよそれでコレを使って飛びます、っていうか飛ぶためについてますから。あと私は鴉天狗ですよ、れっきとした妖怪です」
今度は輝の勢いに押された射命丸が苦笑しながら質問に答える。
「妖怪!?へぇ~、本当に居るもんなんだな妖怪なんて」
「おはよう~、ほい。これいつものキノコ。あと今日はついでに咳止めもらいにきたぜ」
永遠亭に訪れている一羽?のパパラッチと永遠亭で治療を受けた一人の外来人の騒ぎに紛れるようにカララーンという木のベルを鳴らし、つばの広い真っ黒なとんがり帽子と黒が基調の服の上に黒いロングマントを羽織り、綺麗な整った顔にワイルドという表現が適格な雰囲気を合わせ持っており、肩まで伸びた金髪にウェーブがかかった異国風の青年がキノコが沢山入った竹籠を背負って入ってきた。
「あら、いらっしゃい。いつもありがとね魔理沙。はい、これ咳止め。あっ、そうそう頼みごとがあるんだけどいいかしら?」
二人のやりとりを眺めていた永琳が受付の前の床に竹籠を降ろした来訪者に薬が入った紙袋を渡す、その時魔理沙の顔を見てなにか思い立ったのかえーりんが尋ねる。
「ん?別に俺にできる事ならなんでもやるぜ?」
ふぃー、と息を漏らしながら頬を伝う汗を拭う魔理沙。
「あっ、魔理沙さんおはようございます!風邪ですか?」
輝に質問攻めにされていた射命丸が二人の間に割り込んで魔理沙に挨拶をする。
「おー、おはよう。俺はいつも通り元気だぜ?これは土産ついでにパチュリーの奴に持ってってやろうと思ってね。あとその話に割り込む癖なんとかしたほうがいいぜ?」
苦笑いを浮かべながら魔理沙が射命丸に忠告した。
「今回に限っては見逃してくれませんかねぇ?ちょっと今困ってまして」
射命丸が自分の翼に興味深々な輝を見て困ったような顔をする。
「誰だ、そいつ?見ない顔だけど……あ~。えーりんさんや、もしかして頼みごとってこいつ関係とかそういう感じ?」
「あら、相変わらず勘が鋭いわね。そ、頼みごとっていうのはこの子を博麗神社まで連れていって頂戴って事よ。てゐはどっかに遊びに行ってるのか悪戯しに行ってるのか何処にも見当たらないし、私はまだ用事があるし、うどんげは人里まで薬を売りに行かなきゃいけないから連れて行けないのよ」
永琳が「最近忙しいのよねぇ」と頬に手を当てながらいった。
「あれ?それなら輝夜さんに行ってもらえばいいんじゃありませんかねえ?」
「ぬおっ!?なにこれ収納可能なの??便利すぎだろ……」
いい加減輝の行動が鬱陶しくなった射命丸が翼を消す。
「それでもいいんだけど姫と妹紅が運悪く出くわす事を考えるとねぇ……しかもこの子はその二人の弾幕に巻き込まれてここに運び込まれてるから、余計に心配なのよね」
「あ~なるほど、確かにそれは心配ですねぇ。というかトラウマになってるんじゃないですか?」
「まぁそんなことはどうでもいいんだけどこいつが何者か位は教えてくれないと流石に困るぜ」
早く話を進めてくれと言わんばかりの口調で魔理沙が促す。
「風の噂によれば外来人だそうですよ!」
射命丸が興奮した様子でまた割り込んだ。
「いや……だからお前さぁ……はぁ、もういいや。で?そうなのか?」
「まぁ、多分だけどね。弾幕ごっこも知らないようだし着ている服もあまり見かけないものだしね」
「まぁそれならあいつのとこにつれて行くってのも納得がいくぜ」
「私が連れていくんでもいいんですけど流石にただの人間を私が連れて飛ぶのは無理でしょうからね~」
射命丸があははは~と苦笑いをした。
「よいしょっと、それじゃあ私は薬の調合をしなきゃいけないからよろしくね魔理沙。じゃ、そういうことだからお大事にね冴島くん」
「……あ!色々とありがとうございました!!」
初めて妖怪に会った―しかも友好的な―ということもあり興奮している輝を置いて永琳が受付から出て行ってしまった。
「さて、と。それじゃああんた名前は?」
「あ、ああ。冴島 輝です、えーとあなたは?」
「『霧雨 魔理沙』だ。あと敬語は堅苦しくて嫌いだからはずしてくれていいぜ」
魔理沙がフランクな調子で自己紹介をした。
「あ、私も敬語はなしでいいですよ~。じゃあ私は用事があるのであとで霊夢さんの所によってきます」
そう言い残して射命丸が永遠亭から出て行った。
「いや別に来んでいいよ……」
「え~と、それじゃあ俺はこれから一体どこに行くんだ?」
「幻想郷と外の世界の境界でもあり、事実上幻想郷のトップが住んでいる神社だぜ。ま、行って見れば分かるからさっさと行こう」
(幻想郷と外の世界?てことはここは地球じゃないのか?)
魔理沙が大きいとんがり帽子を人さし指でくいっと上げながら永遠亭から出て行き、輝がもそれについて行くように出て行った。
「それじゃあ、うしろに乗ってくれ」
外に出た後、魔理沙が普通のものより少し長い竹箒の上に立ち言った。
「いや乗るって行ってもこれ…………箒じゃん?つーかどーでもいいんだが魔理沙バランス力いいな」
「箒だけど?まぁ慣れてるからな」
「いや普通とばねーだろ箒は」
「はぁ~‥‥私はこう見えても魔法使いだぜ?魔法使いの飛ぶ道具といったら箒だろ!?」
「残念ながら俺のいた世界じゃ魔法使いは存在しなかったからな。流石においそれと信じる事は出来ねーよ」
「う~ん……よしっ、じゃあ実際に魔法を見たら信じるだろ?」
数秒考えたのち掛け声上げ、マントの内側をガサゴソと漁る。
「まぁ実際に実物見せられたら信じるしかないな、というか見せられるのなら是非見せてくれ!」
輝がまたも好奇心で輝いた表情になり、魔理沙の行動を見守る。
「おお、あったあった!そんじゃ行くぜ。〈恋符〉【マスタースパーク】!!!」
魔理沙が箒にくくりつけてあった八角形の《八卦炉》を斜め上に掲げると約3秒間、直径1m半程の円形や六芒星や色々な文字―現代の文明社会には失われたと思われる―や数式などが八卦炉を中心に美しい光を輝かせながら魔法陣を形成していく、展開し終わると同時に魔法陣の真ん中から直径3m程の白く輝く極太の光線が大型飛行機が出すような轟音と共に空に向け発射され、遥か彼方上空にある雲に穴を開けた。
その光景は魔理沙が魔法使いだと輝に信じさせるに十分すぎるほどに圧倒的なものであった。
「マジかよ………………」
その圧倒的な光景を目の前で見たと同時に輝は自分の中の常識を大きく書き換える。
「まぁ威力は抑えたからこの程度の火力だけどフルパワーだともっとすごいんだぜ?さて、これで俺のいうことも信じただろうし。さっそく向かおうぜ」
箒の上に立ったまま箒を空中に浮かせ、呆然と立ち尽くしている輝にニカッと笑いながら言った。
「お、おう」
まだショックが残っているようではるか上空にある穴の空いた雲をぼーっと見ていた輝が魔理沙の後ろに跨った。
「そんじゃ、飛ばしていくぜっ」
竹林を完全に抜ける程度の高さまで上がると同時にそれまでは直立に立っていた体勢をスケボーに乗るような体勢に変え、帽子のつばを掴むと一気に高速道路を走る車並に加速する。
「うおっ、結構高ぇな……って、うおわぁぁぁぁぁぁぁ!?」
輝が言い終わる前に箒がすさまじいスピードで空に向かって進んだ。
「ちょっ、もう少しゆっくりたのっ」
「ま~だまだ飛ばすぜぇぇぇ!!」
輝の静止の言葉は風に流され魔理沙の耳には届かず飛行速度を更に加速してF1レースのスポーツカー並のスピードになる。
普通ならこの時点で吹き飛んでいるはずだが魔理沙の魔法により魔理沙自身にはどれだけ早く飛ぼうとせいぜい4、50㌔程度の空気抵抗で済むように調整されてある。
しかし、それは魔理沙自身にかけた魔法であり後ろでしがみ付いている輝には箒用にかけられた空気抵抗が半減以下になる程度の効果しか軽減されてない。よって今の輝にかかる空気抵抗は高速道路をぶっちぎりで交通違反している暴走車の上に張り付いてるようなものなのである。
「あばぼぼびばぶぼぼぼばぶっぶぼぼぼぼぼぼっぶばぁ!!」
(これはっ……し、死ぬっ…!)
魔理沙は輝の必死の懇願―もはや言葉にすらなっていないが―を無視してさらにスピードを上げて一直線に博麗神社に向かう。
(あの衝動は仕方ねぇよ、だって生のうさ耳だもの)
輝は窓から差し込む朝日を浴び、目をさました後昨日の若干暴走した自分の姿を思い出し一仕事終えた後のような清々しい表情を浮かべながら窓の外の所々光が射し込んでいる竹林をぼーっと見る。
そのまま昨日の出来事―主にうどんげの服装や耳について―を頭の中で振り返り数分たった後、枕元に自分の服が綺麗に畳まれて置かれているのに気づきそれに着替えて病室を出た。
「あれ?これって……」
永遠亭の廊下を歩きながらズボンのポッケに手を突っ込んでいた所指先に違和感を感じたのでそれを取り出して見てみるとそれは透明な1cmくらいの立方体だった。
(あれ、だよな?気を失う前に解いたルービックキューブのパーツ……。これはもしかしたらなにかの手がかりになるかもしれない、無くさないようにしたほうがいいな。にしてもあれだ、とりあえずここはどこなんだ?っと、あそこかな?)
欠片をポッケにしまいこんだあと適当に廊下を歩いていたら先の部屋から声が聞こえてきたので入る事にした。
「どもー!毎度おなじみ射命丸です!えーとですねぇ、外来人が永遠亭にいると風の噂に聞いてやってきたんですが会わせてもらえませんか?」
「相変わらず情報が早いわねぇもうすぐ目が覚めると思うから少し待っててちょうだい」
快活な青年の声に対して永遠亭の受付窓口で資料整理をしていた永琳が若干あきれ口調でそう受け答えする。
「おはようございます永琳さん」
待合室に入ってきた輝が受付窓口に座っている永琳に挨拶した。
「おはよう、どう?大丈夫だと思うけど腕の調子はどう?あと、昨日うどんげに殴られた頭は大丈夫そう?一応見た所内出血も無いみたいだし骨にも異常はなかったから平気だと思うんだけど」
カルテらしきものを眺めたあと、輝に詰問した。
「あ~、たぶん大丈夫だと思います」
輝が自分の頭頂部、後頭部、側頭部と順に触り、異常がないか確かめ言う。
「昨日の件についてはうどんげもやりすぎたって謝ってたから許してあげて頂戴ね」
「いやいや、あれは俺が勝手に暴走しただけなんで怒られはしても謝られる覚えはないです。あと反省してます、後悔はしてませんが」
輝が手を前に突き出して寝癖が所々跳ねた頭をブンブン横に振りながら訂正し、その後キリっという効果音が付きそうな程引き締まった表情のまま後半の台詞を言い放った。
「あやややや!!この方が例の外来人さんですか!どうも、『文々。新聞』を書かせて頂いている『射命丸 文』です!ちょっと取材に協力してもらえますか?」
頭に修験者が着けているような小さな帽子をつけ、ズボンからだした白いシャツに黒いネクタイ、それに黒いズボンに黒い下駄を模した革靴を履いていて背中に黒い鴉のような羽が生えている以外は少し変わった格好をしている好青年という印象の謎の青年がメモ帳片手にずんずん近寄ってきた。
「うおっ誰だあんた!?え、取材?ていうか今度は翼が生えてんのかよ!?」
突然の事に状況を理解出来ない輝が射命丸の迫力に気圧されて後ずさり、射命丸の背中から生えているように見える艶やかな漆黒の翼を凝視した。
「翼?ああ、これの事ですね」
「そうそうそれそれ、それ本物だよな?やっぱそれ使って空飛べたりするのか?っていうかあんた何もんだよ」
好奇心に目を輝かせながら輝が矢継ぎ早に射命丸に質問を投げかける。
「私が色々聞くはずが逆に質問攻めにされてますね……ええと、勿論本物ですよそれでコレを使って飛びます、っていうか飛ぶためについてますから。あと私は鴉天狗ですよ、れっきとした妖怪です」
今度は輝の勢いに押された射命丸が苦笑しながら質問に答える。
「妖怪!?へぇ~、本当に居るもんなんだな妖怪なんて」
「おはよう~、ほい。これいつものキノコ。あと今日はついでに咳止めもらいにきたぜ」
永遠亭に訪れている一羽?のパパラッチと永遠亭で治療を受けた一人の外来人の騒ぎに紛れるようにカララーンという木のベルを鳴らし、つばの広い真っ黒なとんがり帽子と黒が基調の服の上に黒いロングマントを羽織り、綺麗な整った顔にワイルドという表現が適格な雰囲気を合わせ持っており、肩まで伸びた金髪にウェーブがかかった異国風の青年がキノコが沢山入った竹籠を背負って入ってきた。
「あら、いらっしゃい。いつもありがとね魔理沙。はい、これ咳止め。あっ、そうそう頼みごとがあるんだけどいいかしら?」
二人のやりとりを眺めていた永琳が受付の前の床に竹籠を降ろした来訪者に薬が入った紙袋を渡す、その時魔理沙の顔を見てなにか思い立ったのかえーりんが尋ねる。
「ん?別に俺にできる事ならなんでもやるぜ?」
ふぃー、と息を漏らしながら頬を伝う汗を拭う魔理沙。
「あっ、魔理沙さんおはようございます!風邪ですか?」
輝に質問攻めにされていた射命丸が二人の間に割り込んで魔理沙に挨拶をする。
「おー、おはよう。俺はいつも通り元気だぜ?これは土産ついでにパチュリーの奴に持ってってやろうと思ってね。あとその話に割り込む癖なんとかしたほうがいいぜ?」
苦笑いを浮かべながら魔理沙が射命丸に忠告した。
「今回に限っては見逃してくれませんかねぇ?ちょっと今困ってまして」
射命丸が自分の翼に興味深々な輝を見て困ったような顔をする。
「誰だ、そいつ?見ない顔だけど……あ~。えーりんさんや、もしかして頼みごとってこいつ関係とかそういう感じ?」
「あら、相変わらず勘が鋭いわね。そ、頼みごとっていうのはこの子を博麗神社まで連れていって頂戴って事よ。てゐはどっかに遊びに行ってるのか悪戯しに行ってるのか何処にも見当たらないし、私はまだ用事があるし、うどんげは人里まで薬を売りに行かなきゃいけないから連れて行けないのよ」
永琳が「最近忙しいのよねぇ」と頬に手を当てながらいった。
「あれ?それなら輝夜さんに行ってもらえばいいんじゃありませんかねえ?」
「ぬおっ!?なにこれ収納可能なの??便利すぎだろ……」
いい加減輝の行動が鬱陶しくなった射命丸が翼を消す。
「それでもいいんだけど姫と妹紅が運悪く出くわす事を考えるとねぇ……しかもこの子はその二人の弾幕に巻き込まれてここに運び込まれてるから、余計に心配なのよね」
「あ~なるほど、確かにそれは心配ですねぇ。というかトラウマになってるんじゃないですか?」
「まぁそんなことはどうでもいいんだけどこいつが何者か位は教えてくれないと流石に困るぜ」
早く話を進めてくれと言わんばかりの口調で魔理沙が促す。
「風の噂によれば外来人だそうですよ!」
射命丸が興奮した様子でまた割り込んだ。
「いや……だからお前さぁ……はぁ、もういいや。で?そうなのか?」
「まぁ、多分だけどね。弾幕ごっこも知らないようだし着ている服もあまり見かけないものだしね」
「まぁそれならあいつのとこにつれて行くってのも納得がいくぜ」
「私が連れていくんでもいいんですけど流石にただの人間を私が連れて飛ぶのは無理でしょうからね~」
射命丸があははは~と苦笑いをした。
「よいしょっと、それじゃあ私は薬の調合をしなきゃいけないからよろしくね魔理沙。じゃ、そういうことだからお大事にね冴島くん」
「……あ!色々とありがとうございました!!」
初めて妖怪に会った―しかも友好的な―ということもあり興奮している輝を置いて永琳が受付から出て行ってしまった。
「さて、と。それじゃああんた名前は?」
「あ、ああ。冴島 輝です、えーとあなたは?」
「『霧雨 魔理沙』だ。あと敬語は堅苦しくて嫌いだからはずしてくれていいぜ」
魔理沙がフランクな調子で自己紹介をした。
「あ、私も敬語はなしでいいですよ~。じゃあ私は用事があるのであとで霊夢さんの所によってきます」
そう言い残して射命丸が永遠亭から出て行った。
「いや別に来んでいいよ……」
「え~と、それじゃあ俺はこれから一体どこに行くんだ?」
「幻想郷と外の世界の境界でもあり、事実上幻想郷のトップが住んでいる神社だぜ。ま、行って見れば分かるからさっさと行こう」
(幻想郷と外の世界?てことはここは地球じゃないのか?)
魔理沙が大きいとんがり帽子を人さし指でくいっと上げながら永遠亭から出て行き、輝がもそれについて行くように出て行った。
「それじゃあ、うしろに乗ってくれ」
外に出た後、魔理沙が普通のものより少し長い竹箒の上に立ち言った。
「いや乗るって行ってもこれ…………箒じゃん?つーかどーでもいいんだが魔理沙バランス力いいな」
「箒だけど?まぁ慣れてるからな」
「いや普通とばねーだろ箒は」
「はぁ~‥‥私はこう見えても魔法使いだぜ?魔法使いの飛ぶ道具といったら箒だろ!?」
「残念ながら俺のいた世界じゃ魔法使いは存在しなかったからな。流石においそれと信じる事は出来ねーよ」
「う~ん……よしっ、じゃあ実際に魔法を見たら信じるだろ?」
数秒考えたのち掛け声上げ、マントの内側をガサゴソと漁る。
「まぁ実際に実物見せられたら信じるしかないな、というか見せられるのなら是非見せてくれ!」
輝がまたも好奇心で輝いた表情になり、魔理沙の行動を見守る。
「おお、あったあった!そんじゃ行くぜ。〈恋符〉【マスタースパーク】!!!」
魔理沙が箒にくくりつけてあった八角形の《八卦炉》を斜め上に掲げると約3秒間、直径1m半程の円形や六芒星や色々な文字―現代の文明社会には失われたと思われる―や数式などが八卦炉を中心に美しい光を輝かせながら魔法陣を形成していく、展開し終わると同時に魔法陣の真ん中から直径3m程の白く輝く極太の光線が大型飛行機が出すような轟音と共に空に向け発射され、遥か彼方上空にある雲に穴を開けた。
その光景は魔理沙が魔法使いだと輝に信じさせるに十分すぎるほどに圧倒的なものであった。
「マジかよ………………」
その圧倒的な光景を目の前で見たと同時に輝は自分の中の常識を大きく書き換える。
「まぁ威力は抑えたからこの程度の火力だけどフルパワーだともっとすごいんだぜ?さて、これで俺のいうことも信じただろうし。さっそく向かおうぜ」
箒の上に立ったまま箒を空中に浮かせ、呆然と立ち尽くしている輝にニカッと笑いながら言った。
「お、おう」
まだショックが残っているようではるか上空にある穴の空いた雲をぼーっと見ていた輝が魔理沙の後ろに跨った。
「そんじゃ、飛ばしていくぜっ」
竹林を完全に抜ける程度の高さまで上がると同時にそれまでは直立に立っていた体勢をスケボーに乗るような体勢に変え、帽子のつばを掴むと一気に高速道路を走る車並に加速する。
「うおっ、結構高ぇな……って、うおわぁぁぁぁぁぁぁ!?」
輝が言い終わる前に箒がすさまじいスピードで空に向かって進んだ。
「ちょっ、もう少しゆっくりたのっ」
「ま~だまだ飛ばすぜぇぇぇ!!」
輝の静止の言葉は風に流され魔理沙の耳には届かず飛行速度を更に加速してF1レースのスポーツカー並のスピードになる。
普通ならこの時点で吹き飛んでいるはずだが魔理沙の魔法により魔理沙自身にはどれだけ早く飛ぼうとせいぜい4、50㌔程度の空気抵抗で済むように調整されてある。
しかし、それは魔理沙自身にかけた魔法であり後ろでしがみ付いている輝には箒用にかけられた空気抵抗が半減以下になる程度の効果しか軽減されてない。よって今の輝にかかる空気抵抗は高速道路をぶっちぎりで交通違反している暴走車の上に張り付いてるようなものなのである。
「あばぼぼびばぶぼぼぼばぶっぶぼぼぼぼぼぼっぶばぁ!!」
(これはっ……し、死ぬっ…!)
魔理沙は輝の必死の懇願―もはや言葉にすらなっていないが―を無視してさらにスピードを上げて一直線に博麗神社に向かう。
魔理沙と文の男性化……嫌う方もいらっしゃるでしょうが、私は有りだと思いました。
無理のない性別変化だったと思います。
また改行の工夫により、前作と比べて随分と読みやすくなりました。
東方キャラも出始めてきて、博麗神社に突撃。次の展開が楽しみです。
次回作も待っています。
今回も読んで下さりありがとうございます!
そうですか!有難うございます!!
他にも改善すべき箇所は多々あるとは思いますが連載を続けていくとともに実力向上して行こうと思ってます
次回は10日近辺に上げようかと考えております(予定ですが)その時にもまたお越し下さい^^
今回は特に文と魔理沙が続けて登場し、その両方の髪やら服装やらを克明に、かつよく似た語り口で一気に説明されたため、読む気力が殺がれてしまいました。
このサイトに来る方々なら文、魔理沙という名前を聞いて外見を連想できない事はまずないでしょうし、「男性化」を強調する部分(文のズボンなど)だけを描写し、他は省いてしまえば読みやすくなるのではないでしょうか?
挫折される方の多いオリキャラ話ですが、完走できるようがんばってください。
理由は?
いやいやいや、それをメインに持ってくるならともかくオリキャラというひどい主人公が別にいる状況下でサラッと男性化だと!?
正気かあなた!
……いや、第一話の時点で手遅れだったか。
率直な感想を言うとなれば……男で魔理沙って名前で恋符とかマジキモイ。
男性化をメインに扱った作品を書いておいて、それを下敷きに連載を書いたとかならまだ理解できたものを!
あえて言わせてくれ。おバカ!
>全国の「射命丸or(and)魔理沙は俺の嫁!」の方々申し訳ありませんでした!
なんでそいつらにしか謝らないんだ!
全東方ファン、いや何よりZUN氏に真っ先に謝れよもう!
……さて、今回は短めですね。速くストーリーを動かして読者を取り込まないといけないというのに悠長な。
とりあえず今回の指摘点といえば、まず読点が圧倒的に少ないですね。『、』のことです。
> 永遠亭の廊下を歩きながらズボンのポッケに手を突っ込んでいた所指先に違和感を感じたのでそれを取り出して見てみるとそれは透明な1cmくらいの立方体だった。
これだけの長さの文に読点が一個もないとか圧巻過ぎる。あなたはこれを一息で言えるのですか? 私にはとてもできない。
……私なりに修正してみるとこのような感じですか。
『永遠亭の廊下を歩きながらズボンのポッケに手を突っ込んでいた所、指先に違和感を感じた。なんだろうと思い、それを取り出して見てみると……それは、透明な1cmくらいの立方体だった』
読点に気を使うばかりではなく、前回も言った『無理に一文にしないで、分ける』ということも意識して欲しいです。
投稿する前に、地の文だけでもいいから一度音読してみてはいかがですか?
そこで読みづらいと感じたものを読みやすいように修正するだけでもかなり違うと思います。
全体としてはそこそこ普通に読めたかと。
まぁ主人公が二話目でもっと主人公としての地盤を固めなければいけないという時期に、完全に男性化に食われて目立たなかったことが原因かもしれませんが。
あと、覚えておいたほうがいいんじゃないかという文章作法。
「どもー! 毎度おなじみ射命丸です!」
のように、『!』や『?』のあとに言葉が続く場合は、一つ空白を入れると読みやすいですよ。
『初めて妖怪に会った――しかも友好的な――ということもあり』
のように、『―』は二つ続けて使うとわかりやすいですよ。
ストーリーに関しては移動だけ。
何を言うこともないですね。
いや、一言だけ言わせてください。
連載っていうのはね、単なる長編と違って、ストーリー全体で起承転結が取れていればいいのかというとそうではない。
一話一話に起承転結を意識し、引くなら引くで引き方を考えなければいけない。少なくとも私はそう思っているし、そのほうが面白くなるはずです。
さて、男性化でもうお腹一杯です。次の話を読もうという気力は残念ながら残りませんでした。
ではさようなら。
読んでくださりありがとうございました!!
なるほど、確かにいくら男性化したからといっても姿の連想は容易にできますね(汗
考えつきませんでした、今後の参考にさせて頂きます!
はい、完走出来るように頑張ろうと思います^^
アドバイス有難うございました!
それではまた第三話でお会いしましょう
はい、完走
19>
16さん>
読んでくださりありがとうございました!!
なるほど、確かにいくら男性化したからといっても姿の連想は容易にできますね(汗
考えつきませんでした、今後の参考にさせて頂きます!
はい、完走出来るように頑張ろうと思います^^
アドバイス有難うございました!
それではまた第三話でお会いしましょう
はい、完走目指して頑張ります!
まず、あなたは力量が十分でないことを自覚されているようですが、それなのに期限を設けて連載形式に拘るべきではありません。
あえて制約を設けて自分の力を叩き上げるのには良いのかもしれませんが、それでは読み手がまるで食い物です。
そのような姿勢に、不快感を覚えます。
読み手のことを、もう少し考えてみてください。
一度完成したものを、三日間人前に出さずにおいて、また読みなおしてみて下さい。
少しだけですが、読み手の気分を味わうことができるのですよ。
読んで下さり有難うございました!
男性化についてはそういう物なので仕方がないんです^^;
魔理沙の男性verの名前を考えるとどうやっても変な名前になってしまうのでそのまま行かせてもらいました。
これは独自解釈ですが魔理沙の「恋符」は恋愛だけの意味の恋とは思っていないので別段キモいとは私は思いません、更にもし恋愛から来ているとしても男性が恋と何故言ってはいけないのですか?
恋を主張するのは男も女も変わらないでしょう?
それにイケメンが恋って言うのなら別にキモくないじゃないですか!美少女が男性化したのなら美少年になりますからセーフです。
「全東方ファンに謝れ!」というのはある程度判ります、申し訳ありませんでした……しかし、ZUN氏に謝れというのは解せません。ZUN氏は私の記憶にある限り男性化について否定されたことは無いはずですが?更には全ての二次創作を受け入れると言っているのですから男性化=悪という考えは東方全体的に見て無いでしょう??
もし東方キャラの男性化=悪だというのなら今すぐこの作品を打ち切らせて頂きますが?
すいません……少々言いすぎました
あ~なるほど!
前回もそうでしたが勉強になります^^
時間が空いたときに全体的に訂正しときます。
基本的にこの物語で活躍するのは魔理沙、文、輝の3人なので。輝は、3話に1度は空気になるのでそこまで主張しなくても平気な立ち位置です。
文章作法教えて頂き有難うございます!!
なるほど……自分の中のもやもやが取れた気分です^^
引く時には引く……ですか、わかりました。できるだけそれを心がけていきたいと思います。
そうですか……それなら仕方ありませんね、前回も今回も様々なアドバイス有難うございました^^
それでは、さようならです。
あ、一応今の段階で後2,3話分まで出来上がっているので、見直し、訂正に後3日程かかりますという事で期限を設けておいたのです。
私の説明不足でしたね^^;
申し訳ありませんでした(汗
男性化っていうのも初めての体験だったもので、過敏に反応してしまったのは確かです。
一つ言い訳しておきたいのは、別に絶対的に『男性化=悪』という視点で意見したわけではないということです。
それをメインに据えてじっくり料理するなら、こちらもちゃんと腰を据えてそれを賞味する姿勢は持っているつもりです。
ただ、この作品においてそれをやる意味がまったく見出せなかった。単にやりたかったから、趣味だからという理由で安易に男性化にタッチしたように見えてしまったのです。
『ZUN氏に謝れ』と言ってしまったのはひとえにそのあたり。
別にあなたが真剣でないと言ってるわけではないですし、そんなことを言っていたら自分もZUN氏に色々と謝らなきゃいけないような気がします。
ええと、つまり何が言いたいかというと。
>美少女が男性化したのなら美少年になりますからセーフです。
この一言で悟りました。
単にあなたの趣味が私に合っていなかっただけの話です。それが気に入らずに私が色々と喚いてしまっただけの話でした。
ですから、文法的な指摘を除いて、あなたは私の言葉を笑い飛ばしていい。まったく気にする必要はないのです。
色々と失礼なことを言ってしまい、申し訳ありませんでした。
それでは、連載、頑張ってくださいませ。
そこに初投稿で処女作の上にオリキャラと男性化を用いるといったふざけてるとしか言えない行動を取っている新参者に対して厳しくなってしまうのは仕方の無い事だと思います。
むしろ貴方が東方、小説に対して真剣に向き合っているという証拠だと思うのでそこまで不快には思いませんでした^^
そうですか、それなら仕方ありません……わかりました、応援有難うございます! これからも幻闘現の連載を気力が続く限り書き続けていきます。
でもまだちょっと区切りが少ないのと
説明がくどいかな…?前の人も言ってるけど。
もっと読み手の想像力をかき立たせるといいかもですねー
あ、あと男性化は私はここでは初めて見ました
射命丸はなんかウザ優男って雰囲気ですね(笑)
魔理沙はショタ版は見たことあったけど青年は…!
なんか面白い組み合わせの三人になりそうですねー
楽しみにしてます!
あ、最後に私の意見を言わせてください。
東方男性化、ふざけてるとは思わないんですよー
っていうか、東方って、結構いろんなとこで聞くけど
『大きな可能性を秘めてる』ジャンルなんですよね
でもそんな可能性を実行した人のものにたいして、
〇〇なんてふざけてる!とか、これはねぇよ
とか言っちゃうと、その東方の可能性を潰してしまうんじゃないですかね?
ナポちょーさん、読み手さんももうちょっと
否定する。っていう選択肢を排除していろんなものを見てみれば
もっと東方が楽しくなるんじゃないですかね?
『あ、こういうのを考える人もいるんだな』って。
どうですかね?
この話が完結して
もしオチが面白かったらうちのサークルで
ボイドラ化したいなー…なんて(笑)
そういう話になったら、よろしくお願いしますね?←
文に纏まりが無い、文法は?って感じです。
ストーリーは悪く無いと思いますよ?
最後までいくといいですね
今回で読んで下さりありがとうございます!
なん……だと!?
あの第一話をよんでファンになったとは……ちょっと参考に聞いてみたいんですが、どこに惹き寄せられたんですか?
なるほど‥‥想像力をかきたたせる、ですか。
勉強します!
あの三人のキャラのぶっ飛びぶりは毛ほどに期待しといて下さい^^
『大きな可能性を秘めている』
痺れました!
確かに否定云々ではなく皆で楽しくなるための東方、東方創想話ですね……失念していました^^;
あ~……実はですね、この東方幻闘現が成功した暁に私が参加しているサークルでボイドラ化する予定になっているんです(汗
せっかくのお誘い申し訳ありませんです(泣
読んで下さりありがとうございます!
3番目……まだ上がいるのか………(爆)
文の書き方は今だ勉強中なので、中途半端な見苦しい文法で申し訳ありません(汗
最後まで行くように気力が続く限り頑張ります!
じゃあ、そっちを楽しみにしようかな?