紅魔館の地下に2人の吸血鬼がいた。
1人はベットに腰掛け俯いている妹
1人は微笑を浮かべ妹を見下ろす姉
地下室を沈黙が支配していた。
しばらくの後、妹が弱々しく口を開く。
「やっぱりむり・・・」
「無理じゃないわ。言いなさい」
諦めを吐き出す妹に、腕を組んで少し強い口調で命じる姉。
「でも・・・はずかしいよ」
顔を若干紅く染め、目を逸らして訴える妹。
「姉妹から恋人になりたい、と言ってきたのはあなたよ、フラン」
姉は肩を竦め少し呆れ気味に、しかし微笑みを絶やさず事実を告げる。
「そうだけど・・・」
「じゃあ、言いなさい」
俯き気味に言い訳をしようとする妹を遮り、姉は腕を組んだまま猫撫声で告げる。
「・・・・・・・・・・れ・・・・・・・やっぱりダメ、はずかしい」
弱気な妹の声に愛想を尽かしたのか、姉の顔から微笑が消える。
「・・・言えないのなら、私達の関係もいままで通りね」
姉は踵を返し妹に背を向けた。
「そんな! 嘘でしょ。お姉様・・・」
あまりにも冷たい姉の言葉に、妹の表情は絶望の色に染まる。
「嘘じゃないわ。さよならフラン」
「まって!」
ドアに向けて歩き出す姉に、ベットから転げ落ちるように飛び出しスカートにすがりつく妹、
だが姉はそんな哀れみを誘う姿に一瞥もくれずドアノブに手をかける。
「・・・いや! 出ていかないで!」
「あなたが悪いのよ」
妹の感極まった訴えにも耳を貸さず、姉は無表情のまま手首を捻ってドアノブを回す。
「・・・・・・・・・・・・れ・・・」
腕に力を入れドアを開こうとしたとき、妹の口から小さな声が漏れた。声に反応して手を止める姉。
「れ?」
姉は先を促す。妹は決意を固めゆっくりと言葉を紡ぐ。
「・・・み・・・・・・・・・・・・り・・・・・・・・・・・・・・・あ」
「良く聞き取れないわ。もう一度言って」
姉はドアノブから手を離して要求する。
「れ・・みり・・・あ・・お姉様」
恥ずかしさのあまり余計な言葉を付け加える妹。
それが気に食わなかったらしく姉は表情を歪める。
「お姉様、は要らないわ」
「う~~」
突きつけられる修正要求に憮然な顔で唸る妹。
「早くなさい。それともやっぱりここまでなのかしら」
姉は冷たく言い放ち、再度ドアノブに手をかけた。
「待って! レミリア!」
スカートを握る手にさらなる力を込め、半ば泣き顔で叫ぶ妹。
「もう一度、言いなさい」
笑いながら命じる姉。
「レミリア」
静かに、だが決意を込めて姉の名を口にする妹。
姉はその言葉を、ゆっくりと、咀嚼するように味わう。
「よく言えたわフラン。そう、恋人同士はお互いを名前で呼び合うのよ」
「うん・・・レミリア」
・・・その後、月の輪廻が百を数えた満月の夜
この日のために改装した紅魔館の一室。
「さあフラン、言いなさい」
黒いドレスに身を包んだレミリアは、楽しそうに要求する。
「なんか恥ずかしい」
純白のドレスを纏ったフランドールは頬を紅く染め、恥ずかしそうに笑いながら答えた。
「今更恥ずかしがる関係でもないでしょ。それにほら、早くこれを填めて欲しいんでしょ」
意地悪く笑うレミリアは、見せびらかすように左手で小箱を弄ぶ。
「う~レミリアのいじわる」
「さっさと言っちゃいなさい」
うなるフランドールの耳元で、猫撫声で囁くレミリア。
しばらくの間、耳まで紅く染め、上目遣いにレミリアを睨むフランドールだったが、
とうとう観念したように口を開く。
「指輪をはめて・・・あなた」
すっと左手を差し出すフランドール。
「喜んで、私の可愛い奥様」
レミリアはフランドールの薬指に、ゆっくりと指輪を填める。
そしてお互いを抱き寄せ合うと、誓いの口づけを交わす。
幸せそうに微笑みあう2人。
そんな2人を、多くの参列者が砂糖を吐く思いで見続けていた。
どうしてくれよう。
要点圧縮型ssですね
分かります
結婚、おめでとうございます!!
本当に甘いのはこれからなんだろ?
口から砂糖が…
おれから
どなて
創想話の前回の話と繋がってるんですか?
苦手なヤローもいるからさ。
糖尿病患者が続出したらどう責任をとってくれるんですかね?
大好物です
(へんじがない、砂糖の固まりのようだ)