私は今日もパチュリーのいる図書館に本を読みに来た。
本を読むことが好きな私は、一瞬パチュリーに疑われたけどすぐに受け入れてくれた。
そこは私にとって天国だった。
こんな本にたくさん囲まれた生活を送るのは意外と夢だったのかもしれない。
ただここは少々ほこりが酷くて喉が痛くなる。
今だに慣れない。
午後によく訪れる私にとって、この時間は結構重要なのである。
だって、彼女が寝てるから。
いつも寝てるけど、この時間の彼女は特に反応がない。
紅 美鈴
私がこの紅魔館に来る理由だ。
図書館に行くのは口実だということ。
本当は美鈴に会いに来ている。
でも、私と彼女では接点があまりにも無さすぎる。
だから話す機会がなかなかないのだ。
彼女が寝てるのも原因の一つだけど…。
「今日も、ぐっすり寝てるわね」
いびきかいて寝てる門番ってどうなのかしら?
これはこれで可愛いから私は許しちゃうけどね。
それにしても起きる気配全く無いわね。
ちょっとぐらい、触ってもいいわよね…。
手を美鈴の頬に近づけようと、そっと伸ばしてみた。
すると、美鈴の目が少し開いた…。
「…アリスさん?」
「ッ!?」
突然のことで大パニックになる私。
頭がうまく働かない。
なにか言い訳をしなくちゃ。
「ご、ごめんなさい!」
「へ? なにがですか?」
「え、あ、…えっと」
そうだ。
彼女は何も知らない。
いきなり謝ってもわかるわけがない。
「アリスさん、顔赤いですよ? 大丈夫ですか?」
「ちょ、」
近い。
私の方が背が低いから顔を覗きこまれる感じだった。
寝ている美鈴に近づくのはそこまで恥ずかしいとは思わなかった。
でも、この状況はヤバい。
起きてる美鈴にここまで近づかれると、相当恥ずかしい。
あ、とても澄んだ瞳だなぁ。
「アリスさん? ぼーっとしてますけど、もしかして熱でもあるんじゃ!?」
「う、あ…、めーりん!?」
今度はおでことおでこがくっついてる。
さっきよりも近くなった。
私の顔に熱が集まるのがよくわかる。
このままの状態があと数分でも続けば…、生きていられるかな。
「ちょっと熱いですね。よかったら私の部屋に行きませんか? 横になれば少しは楽になるかもしれませんし」
「へ…部屋ぁ!? いいいいいです! 私もう帰るから!」
「そうですか? なら家まで送りますよ?」
「ええっ!? ここの仕事はどうするのよ!?」
「大丈夫ですよ。咲夜さんに事情を言えばきっと許しは貰えますから」
この中国手強いわ。
でも、家まで送ってくれるなんて、優しいな。
そうしてまた美鈴のことが好きになっていくんだ。
好きになった理由は単純だ。
魔理沙に応援要請をされてしぶしぶ紅魔館まで来たら門に綺麗な紅い髪をした人が立っていた。
そこで見た彼女の美しい姿に、私は心奪われたんだ。
とても強かった。
あの時の彼女はまさに幻想郷最強と言ってもいいくらいだった。
「アリスさん? 本当に大丈夫ですか?」
「え? ああ、ごめんなさい。考え事してたの。大丈夫よ」
「そうですか? ならいいんです。それじゃあ咲夜さんに聞いてきますね」
「そんな、悪いからいいわ。だいぶよくなってきたから一人でも帰れるし」
「ふむ。確かに先ほどよりはだいぶ赤らみが消えてきましたね」
「でしょ? それじゃ、私はこれで失礼するわね」
「はい! またいらしてください。いつでもお待ちしてますよ、パチュリー様が」
「……ええ。またね」
最後の一言がなければキュンとなるのに。
貴方はまたそうやって私の心に深く棘を刺す。
いつものようにすれ違う毎日が苦しい。
なかなかいい組み合わせだと思います。
マイナーでもしっくりくる感じの王道な内容でした。
…つーか魔理沙、応援呼ぶって二人でボコるつもりか…w
もっとボリュームが欲しい。
2人並ぶとカラフルでいいなw