「店主」
薄暗い店の中で、青い服を着た氷精が必死の形相で口を開く。
「力が欲しい。知識と言う名の力が。知識をつけて私を馬鹿にする奴らを見返したい」
「ふむ……」
店主は、まるで力量を試すかのように氷精の目をじっと見つめる。
そして、一度店の奥に引っ込むと一冊の薄汚れた本を手に持って戻ってきた。
「今の君には、こいつで十分。だが、くれぐれも使い道を誤らぬよう」
「ありがとう。感謝する」
氷精は代金代わりに、ラムネのビー玉を一つカウンターへと置き、店の外へと去った。
店主は、誰に言うでもなく呟く。
「あれは、『はじめての英語』と言う名前の魔道書。レベル的には彼女にぴったりのはずだ。あとは彼女自身がそれをどう使うか、だな」
「わかる、わかるぞ!」
氷精は、生まれて初めての知識を得る喜びに感動していた。
「これが、学ぶと言うことなのか。私は、今知識を物にしつつある!」
彼女は、夜が明けるまで魔道書を片手に過ごした。
霧雨魔理沙が、少し遅めの朝食を取っていると不意にドアをノックする音が聞こえた。
「こんな早くにどちら様?」
「私だよ。チルノ」
「ああ、チルノ。こんな早くからどうしたんだ」
「魔理沙。私は新しく"英語"の知識を得たんだ」
魔理沙の顔色が変わる。
あの異国の言語である"英語"をチルノのような奴が?
あれは、私やみんなのスペルカード名に一部の名残があるだけで誰も習得できなかった言語だと聞いていた。
その"英語"をチルノが習得したしただと? 面白い。
「ほお、それはちょっと興味深いな。私に少しでもいいから聞かせてくれよ、チルノ」
「わかった」
チルノはそう言うと、部屋のドアを開けた。
「私の名前はチルノといいます。あなたの名前は、霧雨魔理沙ですか?」
な、なんだと。これが英語?
「あなたのペットを持っていますか? 私は一匹の犬を持っています」
聞いている限りは普通の日本語に聞こえるが、何かがおかしい。
「私は昨日夜遅くベッドの中に入りました。だから、私は今眠たすぎて歩けないほどです」
く、これが英語……私の中の日本語を侵食していくような魔力が込められているようだ!
「わかった、チルノ! 私の負けだ。もういいやめてくれ!」
霧雨魔理沙は、大声でそう叫ぶと家の外へと駆け出していた。
魔法の森を思い切り走りながら、頭の中でぐるぐるとチルノの発した"英語"が渦巻き続けていた。
しょっぱなの言う言うとが二回は誤字かな
>タイトル
英語はまだ良かったんですが、大学で始めたドイツ語でまさにその状況に陥りましたwww
私は90点を投票します。
後からじわじわ来るwwww
あと「命令文,or~」とかもいい。
でもまあ日本人が言えた義理ではないんだけどね、タイトル
私も大学はドイツ語だったけど、不規則動詞は英語よりははるかに覚えやすかったと記憶している