とある夏の日のこと
いかにも”面倒です”というような顔で、彼女は境内の掃除をしていた。
「はぁ……」
およそ巫女にあるまじき表情(?)をしながら境内を掃除する彼女は、参拝客が日頃ほとんど来ない博麗神社の巫女・博麗 霊夢である。
「今日もお茶のんで昼寝して、お団子でも食べながらゆっくりできると思ったのに……」
誰にとでも無くダメ発言を呟いた霊夢。しかし溜息と愚痴の理由は簡単。彼女のいるこの幻想郷に”異変”が起きているからである。
ここ最近は大きな事件もなくのんびりとした毎日だった。
だというのにこの日は朝起きて外にでた瞬間から、いやそれよりも目が覚める直前からいつもと空気が違う。なんとなくではあるが、そう霊夢には理解できていた。
掃除をしながら霊夢は考える。
――誰がこんなことを?
――何のために?
――あぁ……面倒だわ
――お賽銭も入らないし
――昼寝もしたいし
――ちょっとおなかもすいてきたわね
途中からまったくもって異変とは関係のない事を考えつつ彼女は空を見上げた。
とは言っても夏に見合った『青い空』と『輝く太陽』ではなく、明らかに妖気を纏った霧で少なくとも辺りを覆われた空なのだけれども。
そしてもう一つ溜息の後、
「……これはさくっと解決、という訳にはやっぱりいかなそうねぇ」
また誰に向かった訳でもなく呟く彼女。どうにも緊張感の無い巫女である。
「まぁでも、起こってしまっていることはどうしようもないしね。……仕事だしやるしかないか」
などと言いつつも、この霧が人里へ大きく影響を与える程になる。その危険性は今現時点でははないであろう。そう自分の中でまとめる霊夢。やはり博麗の巫女は博麗の巫女なのであった。
「ま、みんな活発になる夜になったら原因究明といきましょうk……」
と、その瞬間である。全てを言い終わらないうちに何かが勢いよく風を巻きこみながら飛来してきた。
目の前を高速で通り過ぎた後に急停止。その何か、は霊夢の十数歩程先の場所に着地した。
折角掃除をしてまとまった木の葉や砂などが、吹き飛ばされて辺りに散乱する。霊夢はその様子をまるでスローモーション映像を見るかように認識した。しかし即座に驚きは呆れと怒りに変わる。
そして原因を睨む霊夢の目線の先には、
「よっ! 霊夢! 異変と聞いて飛んできたぜ!? この霧何だと思う!? 今回はあの湖のほうが怪しいと思うんだけどお前はどう思う!? なんならこれから一緒にいむぐっ!!」
とりあえず喋らせることを許可した覚えはない。そこで霊夢は、やはり予想通りの来客である彼女の…普通の魔法使い・霧雨 魔理沙の口を片手で塞ぎ、こう言い放った。
「覚悟は出来てるわね魔理沙? 折角ほうきも持ってることだし今日はまずほうきの正しい使い方から教えてあげるわ。ありがたく思いなさい。」
「ぷっはぁっ!! 何いってるんだ霊夢? このほうきは由緒正しい魔女のほうk……ひぃっ!!」
後日、「機嫌の悪い博麗神社の巫女の前で粗相をしてしまうのは命取りである。」という一つ噂がなぜか人里にまで流れ、魔女が巫女に退治されかかるというのはまた別のお話である。
その日、博麗神社では般若の形相で魔女に掃除をさせる巫女の姿が目撃された。
勿論狙ったのかのごとく、そんな日に限って珍しく参拝客がいた。しかし魔女と巫女の状況を目撃した参拝客は、境内に入る前に何も見なかったことにして来た道を帰っていってしまった。
それに霊夢は気づくことも無いまま夜を迎える。
今日も博麗神社の賽銭箱は、いつもとかわらず空っぽなのであった。
いかにも”面倒です”というような顔で、彼女は境内の掃除をしていた。
「はぁ……」
およそ巫女にあるまじき表情(?)をしながら境内を掃除する彼女は、参拝客が日頃ほとんど来ない博麗神社の巫女・博麗 霊夢である。
「今日もお茶のんで昼寝して、お団子でも食べながらゆっくりできると思ったのに……」
誰にとでも無くダメ発言を呟いた霊夢。しかし溜息と愚痴の理由は簡単。彼女のいるこの幻想郷に”異変”が起きているからである。
ここ最近は大きな事件もなくのんびりとした毎日だった。
だというのにこの日は朝起きて外にでた瞬間から、いやそれよりも目が覚める直前からいつもと空気が違う。なんとなくではあるが、そう霊夢には理解できていた。
掃除をしながら霊夢は考える。
――誰がこんなことを?
――何のために?
――あぁ……面倒だわ
――お賽銭も入らないし
――昼寝もしたいし
――ちょっとおなかもすいてきたわね
途中からまったくもって異変とは関係のない事を考えつつ彼女は空を見上げた。
とは言っても夏に見合った『青い空』と『輝く太陽』ではなく、明らかに妖気を纏った霧で少なくとも辺りを覆われた空なのだけれども。
そしてもう一つ溜息の後、
「……これはさくっと解決、という訳にはやっぱりいかなそうねぇ」
また誰に向かった訳でもなく呟く彼女。どうにも緊張感の無い巫女である。
「まぁでも、起こってしまっていることはどうしようもないしね。……仕事だしやるしかないか」
などと言いつつも、この霧が人里へ大きく影響を与える程になる。その危険性は今現時点でははないであろう。そう自分の中でまとめる霊夢。やはり博麗の巫女は博麗の巫女なのであった。
「ま、みんな活発になる夜になったら原因究明といきましょうk……」
と、その瞬間である。全てを言い終わらないうちに何かが勢いよく風を巻きこみながら飛来してきた。
目の前を高速で通り過ぎた後に急停止。その何か、は霊夢の十数歩程先の場所に着地した。
折角掃除をしてまとまった木の葉や砂などが、吹き飛ばされて辺りに散乱する。霊夢はその様子をまるでスローモーション映像を見るかように認識した。しかし即座に驚きは呆れと怒りに変わる。
そして原因を睨む霊夢の目線の先には、
「よっ! 霊夢! 異変と聞いて飛んできたぜ!? この霧何だと思う!? 今回はあの湖のほうが怪しいと思うんだけどお前はどう思う!? なんならこれから一緒にいむぐっ!!」
とりあえず喋らせることを許可した覚えはない。そこで霊夢は、やはり予想通りの来客である彼女の…普通の魔法使い・霧雨 魔理沙の口を片手で塞ぎ、こう言い放った。
「覚悟は出来てるわね魔理沙? 折角ほうきも持ってることだし今日はまずほうきの正しい使い方から教えてあげるわ。ありがたく思いなさい。」
「ぷっはぁっ!! 何いってるんだ霊夢? このほうきは由緒正しい魔女のほうk……ひぃっ!!」
後日、「機嫌の悪い博麗神社の巫女の前で粗相をしてしまうのは命取りである。」という一つ噂がなぜか人里にまで流れ、魔女が巫女に退治されかかるというのはまた別のお話である。
その日、博麗神社では般若の形相で魔女に掃除をさせる巫女の姿が目撃された。
勿論狙ったのかのごとく、そんな日に限って珍しく参拝客がいた。しかし魔女と巫女の状況を目撃した参拝客は、境内に入る前に何も見なかったことにして来た道を帰っていってしまった。
それに霊夢は気づくことも無いまま夜を迎える。
今日も博麗神社の賽銭箱は、いつもとかわらず空っぽなのであった。
導入部分だけで終わると批判対象ですから。
プロローグとは言えひとつの話レベルにまで仕上げるべきかと
続編だからいいんだよって言い訳が通じるのは作者本人だけですね
それが無理なら多少なりとも話を進めたほうがいいのでは?
東方を知らない人でも楽しんでもらえる、なんて意気込みをみせる前に
そういった最低限のことをこなして欲しいものです
ま、魅力のないプロローグなんて誰も読みはしませんし、誰からも覚えられませんよ
誰からも読まれずその後の続きにもつなげられなくても構わないと言うならいいですが
ある程度の区切りを持たせて短くした方が良いと思っていますので書き方は変えられませんが、もっと上手く話をまとめられるように頑張ってみます。
可能性は低いでしょうがまた見てくださることがあればご指摘宜しくお願いします。
それと次回が凄く気になるような終わり方ができれば、連作であることの意義が出てくると思います。
SSの場合、映画や漫画と違って文章だけで面白さを表現しなければならないので、構成に気を使うのは尚更です。
最初はかなり批判的な意見が多いと思いますが、応援しています。