Coolier - 新生・東方創想話

貧乏霊夢と裕福な魔理沙

2010/06/24 23:26:32
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私は泣いていた、ただ、ただ、泣いていた。
目の前にいる、美しい黒髪を持った浴衣の少女が優しい微笑みでこちらを見ている。
その微笑みを見て、私は何故、この少女のことが気になっていたのか、気付いてしまった。
そう、私はただ、ただ―――――――




    『貧乏霊夢と裕福な魔理沙』
私は霧雨魔理沙、ごく普通な女の子で、ごく普通な近所の高校に通う、ごく普通の高校生だ。
そんな普通を愛する私だが、普通じゃない所があったりする。それは―――
「それは、家が有名な道具屋で、裕福だってことだよな。」
と、目の前に広がる一面の青空を見ながら私は一人ごちた。
そう、私の家は町内でも有名な道具屋『霧雨道具店』で、自慢じゃないが私はかなり裕福な暮らしをしている。
ちなみに今は通学途中で、通学路でもある大きな坂道をまっすぐ下っている所だ。
そんな時、私の目に前を歩く一人の少女が目に留まった。
その少女は、真っ直ぐな綺麗な黒髪と、それを束ねる大きな赤いリボンが特徴的な女の子だった。
―――博麗霊夢
その少女、霊夢は私の家のすぐ近くにある『博麗神社』という神社に一人で住んでいて、ぶっちゃけ私の幼馴染だった。
だが、私は彼女に声をかけたりしない。なぜなら――
「まーりっさ!おっはよー!」
と、後ろから声をかけられたので振り返ってみると、親しくしているクラスメイトの姿がそこにはあった。私は思考を一旦中断してその子に大きく「おはよ!」と、笑顔で返した。
するとその子は笑顔になったが、そのすぐ後に私の前に目を向けて、苦い顔をした。
「げっ、霊夢いるじゃん、やだやだ。なんか投げとこうか・・・」
「投げるって、なに投げるんだよ、やめとけやめとけめんどくさい」
私がそう言うとクラスメイトは「それもそっか」と言って他愛ない話を始めた。
私はそれを聞き流しつつ、相槌を打ちつつ、思考を再開する。
彼女、博麗霊夢はクラスでも特に嫌われている女の子で、物を投げられたり、所有物を隠されたり、それらに落書きされたりなど、地味ながらも陰湿な虐めを毎日のように受けている。
それは彼女が一人暮らしで、とても貧乏な生活しているのと、彼女の非社会的な性格から来るものだと、私は考えている。
それに比べて私は裕福で、明るい性格をしていて、自慢じゃないがクラスでも人気者の一人だ。
そう、幼馴染とはいえ、クラスという名のヒエラルキーの中では、彼女と私は立場が違い過ぎるのだ。
そう思考を絶ち、私は再び目前に広がる青空を見た、鬱陶しい位に青い、夏空がそこにはあった。
そして、どうしても目の前を行く彼女に目が行ってしまう自分も、確かに、其処に、あったんだ。

その日は学校が終わった後、友達と遊んでいたら思わず遅くなってしまい、家の門限を過ぎてしまった。ホントこういうところは金持ちの家の家に生まれて嫌な所だ。
正門から入るのは無理なので仕方なく裏門に回ってこっそり家の中に入る。
するとすぐに怒る様な父の声が聞こえてきたが、その後母の声がしたと思うと、直ぐに父の声は小さくなっていった。
私はそれを確認してから自室へと戻り、課題に取りかかることにした。
父は私の事をこの家の一人娘として教育したいようだったが、母は私が家に縛られることなく自由に成長していくことを望んでいて、最近では母に頭の上がらない父は私を放って従業員の育成に力を注いでいる。特に昔から家で働いている森近という男を目にかけているようだった。
そして、私は母の教育の元、自由な毎日を謳歌している。今日のように門限も多めに見てもらえるし、お小遣いも父より頻繁で、より額が大きい。そのお陰で私はクラスメイトと円滑な関係を築いている。
そう、私は"自由"なんだ―――


そして、そんな私の"自由"はある日、脆くも打ち砕かれる。
母が、亡くなったのだ―――

                                    To the next story→
此処まで読んで頂いて感謝です。今回初投稿のUGAと申すものですm(_ _)m
この話は某同人描きの先生の呟きから天啓を受けて、一気に書き上げてみた物です。
ところで……

初投稿で東方女子高生ものってどういうことなの…
まぁ気にしないで上げてください。
正直2話目もセットでよかったかも知れませんが、なんとなく区切りがいいので二本立てにしようと思いました。
という訳でして、次回『自由な霊夢と不自由な魔理沙』に乞うご期待!
UGA
[email protected]
http://twitter.com/UGA_MM
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コメント



0.560簡易評価
1.20名前が無い程度の能力削除
貧乏ネタにはすでに飽きがきているが、どうなることやら
とりあえず続くなら読んでみようかな程度
2.無評価名前が無い程度の能力削除
まぁまぁ、先を待っております
6.無評価名前が無い程度の能力削除
まあ、よくあるドラマみたいな展開になることだけは勘弁な。
7.80名前が無い程度の能力削除
霊夢が不憫すぎw
15.60名前が無い程度の能力削除
もう少し霊夢と魔理沙の幼なじみとしての雰囲気が欲しかったな…
あと名前を真理沙みたいちょっと現代的にしてみてもとか個人的に思うかな
なんにせよ続編に期待
17.100名前が無い程度の能力削除
これは期待
18.20名前が無い程度の能力削除
作者は金持ちを何か勘違いしているように思うな
俺がそういう家に生まれたからわかるけど、金持ちの親ってのはよっぽどボンクラ(成金とか)でもない限り、子供に過剰な金を持たせないよ
あんなのは漫画とかドラマの世界だけ
今作品中で厳しい親って設定だったらなおさらね

あと天啓ってのは文字通り天から授かるもんだから、他人に影響された時に使う言葉じゃないよ

作品自体は、まだ起承転結の起だからなんとも言えないけど、ハッピーエンドにしてもバッドエンドにしてもろくな最後にならないような気がするなぁ
22.無評価名前が無い程度の能力削除
>この話は某同人描きの先生の呟きから天啓を受けて、一気に書き上げてみた物です。
恭しく言ってるけど要はネタかっさらっただけだよね
25.10名前が無い程度の能力削除
行空けとかの推敲位はしてくださいな。
ネタパクリしてるならなおさら、見せ方に気を使うべき。