無縁塚で珍しい魔道具を拾った。
なぜこんな所に捨てて会ったかはしらないが。
これは便利なものだと思った。
見た目では普通の眼鏡だが、
それは生き物の全ての心の中を見る事ができるのだそうだ。
実際にはその者の声が僕の頭の中で響くのだが。
さらに、この眼鏡は普通の眼鏡としても使える。
僕の目と度が会う為。今日は良い日だと機嫌が良くなった
僕は香霖堂に戻ると、
狙ったかのように魔理沙が僕の店の中に入ってきた
『よう香霖ー!!今日も商品借りてくぜー。』
それは心の声ではなく、口から堂々と言っている。
ちなみに、心の声では
≪さて、今日は何を貰って行こうかなー≫
だった。
こいつは商品を永遠に借りていくつもりだ。
だが、まぁいつもの事なので大目に見た。
どうせ拾い物だ。非売品以外ならギリギリ大丈夫だろう。
『んじゃ、これ貰うぜー。』
『それは非売品だ』
僕がそう言うと。魔理沙は軽く舌打ちをした
≪『じゃぁ、これでも貰ってくかな。』≫
心の声と口から発した声が同時に聞こえた。
どうやら魔理沙は結構素直な性格らしい。
いや、自分のやりたい事をやっているだけかもしれないが
その後、魔理沙は商品を持ったまま店の中に居座り続けていた
毎度の事だが、これは一体何の嫌がらせだろうか。
理由はなにか、心を覗いてみた
だが、頭の中には何も響かなかった。
魔理沙は僕の店に居る時は何も考えていないのだろう。
商品を持ちながら段差に座り続けていた
『そういえば香霖、お前眼鏡変えたのか?』
魔理沙がそう言うと、僕は返事を返した
『ああ。無縁塚にあった代物でね。折角だから付けてみたんだ』
僕はその眼鏡の能力について何も言わなかった。
だが、魔理沙はその後、何も言わなかったが
≪だっせー眼鏡≫
と心の中で呟いていた。
それは堂々と口で言ってほしかった
その後、霊夢も僕の店の中に入ってきた。
≪さて、棚の2段目にある高級そうなお茶を貰おうかしらね。≫
今日初対面でその言葉が脳に響いた。
一体彼女はその情報をどこで聴取したのだろうか
僕はバレずにゆっくり立ちあがり、棚の2段目にあるお茶をそっと懐に入れた
『霖之助さん、何してるの?』
霊夢がそう言うと、僕は棚の2段目にあった本を一冊取り
『本を取っていただけだよ』
と言った。
霊夢はふぅんと納得したような態度をとり、僕が取った棚の本の段を調べ始めた
しばらく探していると、探すスピードが速くなっているのを感じた
『何をしている』
僕はそう言うと霊夢は、なんでもないわ とその場しのぎで言っていた
≪おかしいわね。確かここに置いてあったはずなのに≫
霊夢の心の中でそう聞こえた。
僕は心の中で ざまあみろ と大声で言った
その後、霊夢はがっかりしたような状態で棚からトボトボと離れた。
少し可哀想だったが、いつもツケを溜めている上に僕のお茶を勝手に飲んだりしたのだ。
これは当然の報いだ。いやむしろ足りないくらいだ
『何笑ってんのよ』
霊夢がいきなり僕の方を見て、僕の笑顔を指摘した。
その上、また霊夢の心の声が聞こえた
≪くっそー。やっぱりバレてたのね。私がいちいちそのお茶の場所を変えていた事を≫
これは初耳だった。
霊夢は僕の高級そうなお茶を僕に見つからない様にわざわざ場所を変えていたのだ。
僕はそう言う物は大体とっとくからだ。悪知恵が働く奴だ
僕は呆れながら読書をまた読んだ。
だが、霊夢は執念深くまだ高級そうなお茶を探していた。
正直早く帰ってほしかったが、結局なかなか帰ってくれなかった。
一体、どんだけそのお茶が大切なんだ。
陽が沈んでも帰らなかったので、
僕は懐から高級そうなお茶を取りだした。
それを見た霊夢は、驚いた表情を浮かべた
『一杯だけ飲ますから、それ飲んで帰れ』
僕はそう言うと、霊夢は怒ってそのお茶を乱暴そうに取った。
≪結構、姑息な事があるのね。霖之助さんは≫
霊夢の心の中からその声が聞こえた。
誰が姑息だ。君が勝手に僕の大切なお茶を移動したりするからじゃないか
僕は苛立ち、さっさと飲んで帰れと言わんばかりに茶菓子も出してやったが、
これで少しは帰ってやるという優しさが出てくれると思っていたが、
≪少しは悪いと思ってるみたいね。ならこの姑息な手を使った理由に今日の晩御飯もおごってもらおうかしら≫
完全に裏目に出た。
僕はさらに自分の店の入り口を開けて帰って欲しいというアピールをしたのだが、
『寒いから閉めて』
と言われた。
そういえば魔理沙が居なかった。
霊夢がお茶の葉を探しているときに帰ったのだろう。少し楽になった気分だ。
『霖之助さん。私お腹がすいちゃった』
扉を閉める寸前に、霊夢は僕が作るのを当然のように言ってきた。
≪料理するのもめんどくさいわ。霖之助さんに任せましょう≫
と霊夢の声が頭に響いた
よし。なんとかしてこいつを追い出そう
僕は霊夢に反論の言葉をぶつけた
『腹が減ったなら帰ればいい。僕は食べ物を食べなくても良い生物だから今日は何も食さないよ』
と言ったら、霊夢はしかめっ面して反論した
『今日、いろいろ動き回って疲れたわ。疲れ過ぎて動けないわ。朝から何も食べてないし』
『僕の店の中をうろうろしただけじゃないか』
僕がそう言うと、霊夢は動くもんか!と言うばかりに床に伏せた
≪今日はキムチ鍋がいいかしらねー≫
完全に僕の店で食べるつもりだ
霊夢の目はいつも以上に鋭く光っていた
『なんだか辛い鍋でも食べたいわー。食べたら元気が出て真っ先に帰れそうな気がするー』
僕はため息をつきながら台所に向かい、土鍋を用意して倉庫にあった白菜などを取りだした。
鶏肉も鍋の中に入れ、酒のつまみにしようとしていたキムチを丸ごと鍋の中に入れた。
『あら、美味そうな臭いね』
僕の後ろで、霊夢がよだれをたらしながら鍋の方を見ていた。
動けないんじゃなかったのか。
僕は心の中でそうつぶやいた
≪霖之助さんは良い旦那さんになれそうね≫
そんな心の声が聞こえた。
ああそうかい。と僕は少し苛立ちながら心の中でまたつぶやいた
『おい香霖ー!!また邪魔するぜー!!』
まるで飯の臭いをかぎつけたかのように魔理沙が僕の店の扉を開けて居間に向かってきた
≪うっしゃぁ!!メシだメシィ!!!≫
魔理沙の心の声が聞こえた
『おっ!ちょうどいい所に来たなぁ私。私もちょうど腹減ったし大勢で食った方が美味いからしょうがなく参加させてもらうぜー!』
白々しいんだよ。と僕は心の中で思った
まぁ、この量を二人で食うのは多すぎる為少し安心したが。
というよりも、どうせ来るだろうと思っていたから作ったのだが。
そして鍋が始まった、バトルが始まった
≪肉!!一週間ぶりの肉!!!≫
≪えのき!!細長くて束になってるえのき!!≫
もっとゆっくり食えないのだろうか。
いつの間にか、僕は全く鍋に箸をつけられずに居た
霊夢が白米のおかわりを言ってきた。
ツケを溜めているくせによく僕にそんな要求ができるもんだ。
だが、僕は霊夢の茶碗に白米をそそぎ、魔理沙からも要求された。
二人分の白米をよそった時、第2ラウンドが始まった
結局、僕は白菜4切れくらいしか食べる事ができなかった。
鍋というバトルが終わってから、彼女達は畳の上で寝転がっていた
≪あー。腹いっぱい。幸せ。これでまた布団があったらもっと幸せ≫
という心の言葉が頭に響いた。
吐き気がした
『ほら、もう沢山食べただろう。これで元気が出たはずだ。だから帰ってくれ』
僕はそう言うと、霊夢は立ちあがろうとせず僕の方を向いた
『腹が一杯で動けないわよ』
言うと思っていた
僕は鍋の後片付けをした後、押し入れを開けて布団を敷いた
『あ、香霖。私のも頼むわ』
お前たちはこれが僕の布団を轢いているとは微塵とも思っていないんだね。
晩飯を食った上に泊まるとは、しかも僕に布団を敷かせるとは、なんという非常識な奴らだ
僕はため息をつきながらもう一つの布団を敷いた
その後、とても動けない状態とは思えない程はしゃいで布団の上に飛び乗った
そう言えば、食ったのはキムチ鍋で二人は汗もかいているはずだった。
そんな状態で布団に入ってほしくないな。
だが、僕の心を読んだかのように霊夢が心の中で何かをつぶやいた
≪でも、さすがにこの汗だらけの状態で寝るのは霖之助さんも嫌よね≫
さすがに分かってくれたか、僕は少しほっとした
≪なら、霖之助さんの風呂に入れてくれればいいわ≫
前言撤回。最悪だ
誰が火を起こすと思ってんだ。
『霖之助さん。お風呂借りるわね。』
霊夢は、清々しいほど堂々と僕に言ってきた
『僕は火を起こさないぞ
『あら、その点は大丈夫よ。魔道具で火を出し続ける物があるでしょう。それ使うから』
霊夢はそう言って、魔道具を僕に見せびらかした
『なんなら霖之助さんも一緒に入るかしら?』
『冗談じゃない』
僕は軽く払って霊夢をこの場から追い出した
≪つれないわねぇ。照れなくてもいいのに≫
また言葉が頭に響いた
もし僕が承諾したら君はなんと言うのだ。
どうせ引くだろう。それに僕は照れていない。めんどくさいんだ
僕は霊夢に向かって心の中でそう愚痴を飛ばした。
≪よっしゃ!!私も風呂に入るぜ!!≫
という言葉が心の中で響いた。
その瞬間、魔理沙は笑顔で風呂場に向かった。
風呂場ではしゃぎ声と笑い声と悲鳴が聞こえたが、
耳ざわりだったので耳栓をして本を読んだ。
いつの間にか二人は僕の居る部屋に立っていた
まぁ、ここに布団を敷いたからなんだが、
霊夢は僕の服を勝手に着て寝巻代わりにしていて
魔理沙は下着姿のままうろうろしていた
≪えっと、私も香霖の服着るか≫
他人の家だと言うのにこの子たちは実にフリーダムだ
当然、けなし言葉で言っている。
二人とも僕の服を着て布団にもぐりこんだ
そして4秒も経たないうちに彼女らは眠りについた。
やれやれ、これでも僕もゆっくりできる。
この眼鏡は本当はあまり良い品物ではないな。
彼女らの次の行動が分かるが、結局1日何も変わらない。
それどころか僕がお茶を隠したせいで晩飯をおごらされることになった。
『捨てるか』
僕はそう思い、眼鏡の淵を握った瞬間
後ろの空間が切り裂かれた音がした
『ごきげんよう霖之助さん』
紫は後ろで僕の後頭部近くに息を吹きかけていた
『何の用ですか』
僕がそう質問すると、紫はこう返して来た
『灯油代を徴収しに来ただけよ』
彼女がそう言うと、僕は
『勝手に持ってってくれ』
と言った。
すると、彼女は分かったようにスキマから体を乗りだし部屋の中に入ってきた。
その瞬間、また頭の中に言葉が響いた
≪さて、霖之助さんの服はどこにあるかしら≫
正直、僕の服を何につかうか分からないが
今持っていかれると正直困るので、僕は商品棚の方に向かって紫に商品を突き付けた
『これなんかどうだい?こういう機械物は君も結構好きだろう?』
僕が手に持ったのは、真中に長方形の硝子が埋め込んであり、所々ボタンがある物だった。
僕が調べたところでは、上のスイッチらしきものをひねるとパカッと後ろのふたが開く。
正直、どこに電源のスイッチがあるのかは分からないが、これなら承諾してくれるだろう
紫は、その商品を見て口を開いた
『要らない』
だが、そんな期待もすぐに打ち消された。
紫がそう言った後、今度はタンスに向かって行った
『僕の私物は非売品だよ』
僕はそう言うと、紫は僕の方に振り向いた
≪別にいいじゃないのよオケチ≫
そう言って、紫はしぶしぶ商品の中から3つくらい取っていき、スキマへ帰って行った。
初めてこの眼鏡が役に立った気がする。
そう思って僕は眼鏡を捨てるのを止めた
陽が昇ってきた。
霊夢と魔理沙の部屋から唸り声が聞こえる。
もうすぐ起きてくるのだ。
また騒がしくなるのか。僕はそう思うと憂鬱になった。
とりあえずギャーギャー言われない様に朝ごはんは作っておこう。
霊夢の心の声が聞こえてきた。
≪卵、朝から卵料理かぁ。霖之助さん気がきくわね≫
僕はまだ料理を作って居ない。
と言う事は夢でも見てるのだろう。
僕がまた料理を作っているのか。まぁ今はそんな事言えないが
≪海苔、醤油と海苔とごはんが一杯………≫
二人一緒に食い物の夢を見ているとは。
正直心底あきれさせる。
だが、朝ごはんは何にするか迷わずに済む為、結構ありがたかった。
白米と、目玉焼きと、味付けのりと、しょうゆ
朝飯を一通り終わらせた僕は、店を開けた。
もう開店時間だ。
店の扉の鍵を開けた瞬間、目の前には
紫の髪をして帽子をかぶっており、赤と白のフリルのような服を着て、それと同じような布の羽衣を着けて黒いスカートを穿いている少女がいた。
目の前に居たので驚いたが、
開店前にここに居たのだろうか。
『いらっしゃい。何がお求めだ?』
僕がそう聞くと、彼女は何も答えなかった
だが、僕の頭に言葉が響いた
≪絶命まであと2日≫
その言葉が響いた後、彼女は言った
『なんでもありません。ごきげんよう』
彼女はそう言うと、どこかへ去っていった。
さっきの言葉の意味はなんなんだ?
そう考えていると、後ろから霊夢と魔理沙の歓喜の声があがっていた
なにそれこわいw
終わり方も気になるこわさw
気長に続き待ってるよ
誤字修正しました。ありがとうございます。
そして後編できました。良かったら見てください。