「今日集まってもらったのは他でも無い」
部屋の中に集まった一同が、息を呑む。
「我々、"裏"Ex3人娘の待遇についてだ」
幻想郷内某所、某人形遣いの宅。
藍が、どこからともなく取り出したホワイトボードに文字を書き出す。
「そう、今までEx3人娘といえばあの狂気の娘フランドールと、無意識少女古明地こいし、正体不明少女ぬえ。
奴等だけが注目されて、私高貴なEx三人娘の我々は何故注目されないのか!!!!」
バン!!!とホワイトボードを砕かん勢いで叩く藍。彼女こそ裏Ex三人娘のリーダーでありブレインであった。
それに賛同するように1人の少女が声をあげる。
「そうよねー、ロリが人気なのになんで私は人気にならないのさー!
早苗は主人公組とかフルーツ(笑)とかそんな理由で、人気になってるしー」
そう言って、口を尖らせるのは裏Ex3人娘ロリ担当の諏訪子である。
「そうですよね、本当に妬ましいですよ」
「藍、それは別のキャラと被ってるよ……。妹紅、貴方も何か言いなさいよ!」
「あー、正直私はどうでもいいんだが……」
「「よくない!」」
二人から突っ込みを入れられ困ったような表情をしているのが裏Ex3人娘突っ込み兼無気力担当の妹紅だった。
ぶっちゃけ外を散歩していたらいきなり変な女の人二人に拉致されたというのが彼女の認識である。
「ていうかさあ、なんでいきなりこんな会を開くかわけわかんないんだけど……」
と、なんど突っ込もうと思ったことだろうか。
しかし、「ていうか」の時点で他の二人がまるで脅迫をかけるかのように目を光らせるため、行動に移せない。
仕方ないので、用意されたコーヒーをちびちび飲んで適当に相槌を打つことにしたのであった。
「あの……そろそろ縄解いてもらえません?」
不意に、椅子に縛られていた人形遣いが口を開いた。
「ていうか何で縄で縛ったまま放置してるんですか?ていうかなんで私縛られてるんですか?」
「いや、特に集まる場所が無かったし、あなた元Exボスでかつ人気のあるキャラとして教えを請おうかと」
藍が理論整然且つ当のアリスにとっては迷惑極まりない理論を振りかざす。
アリスは、大きなため息を吐いた。妹紅も、それに釣られて大きなため息を吐いた。
「なんであなた方はそんなに消極的なのですか?もっとビッグになろうとは思わないのですか?」
「そうだよー、信仰は神様が生きるには大事なんだよ?信仰ってのは即ち人気なんだよ?
私いざとなったら脱ぐからね?もう人気のためには全裸キャラ通す覚悟だからね?」
「なんでそんな割かしどうでもいい決意を披露してるんだよ……ていうかなんで全裸なんだよ。
そんな体型で釣れる奴なんて……居るんだろうな、やはり」
諏訪子の気迫に気圧されて、さらに落ち込みを深める妹紅。
そんな妹紅の様子を見て勝ち誇ったような笑顔を浮かべる諏訪子。
「おっと、諏訪子さん。それは聞き捨てなりませんね。
貴方のその体系を生かすのに必要なのは――チラリズムです」
「な、なんだって……そうか、私は間違っていたのか」
藍の目の奥の輝きを読み取って、自分の考えが目玉焼きにしょうゆを掛けるのと同じぐらい間違っていたことに気付き、
諏訪子は彼女の深い洞察力に感動すると共に今度から目玉焼きには塩をかけることを決意するのであった。
ちなみに、妹紅は目玉焼きには黄身を白身にまぶして食べるのがおいしい派である。
「そうですね、とりあえず議論が収拾つかなくなってきたのでそろそろ本題に入りましょうか」
「わかった。で、本題と言ったら具体的にどういうことよ?」
「さっき私は、Ex3人娘に対して我々のことを"裏"Ex3人娘と言ったのは覚えてますね?」
「それは覚えてるよ」
「実は、Ex3人娘と言う概念はそこまで広く浸透しているわけではないのです。作品もジャンルとしては少ない、つまり!」
そう言ってホワイトボードをばしーん!と叩く藍。
その音の驚いてボーッとしていたアリスが「ひゃひん!」と変な声を上げた。
「このまま我々が勢力を伸ばしていけば私達がEx3人娘として有名になるのは充分に可能、ということです」
「おー」
諏訪子は、感心したという表情でぱちぱちと手を叩いた。
「それでは、まず敵の分析から行きましょう」
藍は、ホワイトボードに大きく「Ex3人娘の大きな特徴」と書いた。
「まず、彼女達には大きな特徴があります。妹紅さん、それが何だか判りますか?」
「えっ、特徴?えーと……全員ロリ?」
突然話を振られて口ごもりながら妹紅は答えた。そして、咄嗟に浮かんだ台詞のあまりの陳腐さに3秒ほど自己嫌悪に陥った。
しかし、藍は妹紅の答えにうんうんと頷きながら言った。
「そうです、全員体型及び性格が非常に幼い。そこが大きな特徴であり共通点と言えるでしょう。
そのため、いわゆる『大きなお友達』に非常に人気が高い。幼さはイコール庇護欲にも繋がりますしね」
「なるほど……それで八雲大先生はどうすりゃいいと思うんだい。私達もロリになればいいと?」
「妹紅、私は元々ロリだよ」
「聞いてねえよ」
諏訪子の横槍をスルーし疑問を呈する妹紅に、藍は少し考え込むような顔をした。
「一応、考えてはいるのですよ」
「ほう、どういう感じだ?」
「それはですね」
藍は、マーカーでホワイトボードに文字を書き出した
『ある時、永遠亭の作った薬で3人がなんとちっちゃく……』
「アウトオオオオオオオオオオオオ!」
「何でですか!普段は偉そうにしている女の子が急に『ち、ちっちゃくなっちゃった』とか言って上目遣いで来たら可愛がるしかないでしょう!?」
「ないでしょう!?じゃないんだよ!いや、なんかこう世界観を完璧に覆すような前提は間違ってるだろ」
「ああ、じゃあこうすればいいんですね。『八雲紫が境界を弄って……』」
「いや、そういう問題じゃねえよ!万能キャラを使って誤魔化してどうするんだよ、絶対に方向性間違ってるってこれ!」
「うるさいですね!じゃあ貴方には何か良いアイデアがあるのですか」
「うっ……」
お互いににらみ合う藍と妹紅。面白いからもっとやれと思いつつ笑顔で二人と見つめる諏訪子。寝てるアリス。
アリス家の食卓の空気は一触即発の様相をしていた。
「あ、いいこと思いついた!」
諏訪子が、その沈黙を破るかのように明るい声を上げた。
「合併しちゃえばいいんだよ!向こうのEx3人娘と」
合併。
それはアイドルグループにとって究極的な決断である。
双方のファンを一気に取り込めるメリットはあるものの、二つのグループの方向性を合わせるに置いて、
下手すればどちらのファンからもそっぽを向かれるいう大きなデメリットもある。
「そうすれば、向こうの固定ファンがついてこっちのメンバーにも眼を向けてくれるはず!」
「くっ、しかも最低でも向こうの人気を落とせれば平均的にはこちらの勝ち。諏訪子さん、恐ろしい子……」
「なるほど、確かに一理あるな。うまいこと行けば6人全員が幸せになれる最良の手段……!」
その時、大きな音を立ててドアが開いた。
「話は聞かせてもらった!我々も混ぜてもらおう!」
そこに立っていたのは、文花帖Exに出演していた八雲紫と伊吹萃香であった。
「ククク……鬼である私を忘れてもらっては困るな」
「藍……私を差し置いて目立とうとは式の恥さらしよ……」
二人ともまるで獲物を狙う野獣の瞳であった。
「くっ、なんてオーラなの……まるで年齢がそのまま霊圧となってくるような……」
「うぐ……頭がくらくらしてきた……」
「諏訪子さん、妹紅さん。気をしっかりしてください!このままでは我々は負けてしまいます!」
文花帖Ex2人衆のすさまじいオーラに押される裏Ex3人娘。
もはやこれまでか、と思ったその刹那――、アリスの家の玄関が白く煌いた。
「待たせたな!」
「私達主人公をスルーしてたツケは重いわよ」
「話は聞きました、幻想郷では常識に囚われてはいけないのですね!!」
盛大にアリスの家の玄関を破壊して現れたのは、文花帖DSのEx3人娘。つまり主人公組の面々であった。
「く、何故お前らがここに!」
「くそ、者共出会え出会えー!」
そう言ってスキマからなんかよくわからない異形のものを出す紫と、大量の分身をばら撒く萃香。
「全員蹴散らしてやるぜ、マスタースパーク!」
「行くわよ、夢想封印!」
「いっけーー!客星の明るすぎる夜!」
思い思いのフレーズを口にしながら応戦する主人公組。
そして、その弾幕が雑魚集団にぶつかり合って爆風の起きたその瞬間。
アリスの家が、爆発した。
原因は、アリスの家の予備の爆弾人形達に着火したことであった。
そして、なんやかんやでEx娘達は和解した後萃香の分身やらアリスの人形やら色々含めて、
48人の幻想郷Ex娘集団、「GEM48」を結成することになり、3日後に「音楽性の違い」で解散することになるのだがそれはまた別のお話である。
あぁん?
一瞬誰かと思ったwww平仮名のし?
>自分の考えが目玉焼きにしょうゆを掛けるのと同じぐらい間違っていた
あぁん?
ツッコミがwwwwww
いやいや妖夢
Ex多いなw
確かに諏訪子が三人娘入りしないのは不思議でもあるなあ
ちょろちょろと誤字があるのが気になったりでした。
いえ、突拍子もなくて面白かったですw
あとぬえはロリというよりお姉さんキャラのほうが(ry
だから人気なんですねわかります。
だが可愛そうな扱いにww
この3人の掛け合いがもっと見てみたい。
「ひゃひん!」が全部もってった件について
脱字がかなり多いことが気になりました。
意外とバランスがとれて?面白かったのですが、目玉焼きには醤油派なので100-10点。
この台詞になんかわからんがめっちゃ吹いた
誤字が多かったのがちょっち残念
みんながんばれーw
ところで
>自分の考えが目玉焼きにしょうゆを掛けるのと同じぐらい間違っていた
オムライスを醤油で食べてから、この台詞をもう一度吐けるかどうか試してみるがいい。
醤油万歳!
てんやわんやで大賑わいな雰囲気、楽しませていただきました
あと諏訪子様、おそらく大多数の方が元々はロリなんじゃないでしょうか
元々は……
幻月「所詮彼女達はEx新米…元祖Ex3人娘である私達に比べれば、弱小に過ぎませんわ」
里香「ふふっ、私達こそが真のEx3人娘である事を知らしめてやるのです!」
そしてアリスは考えることを止めた
拉致誘拐監禁の果てに家主巻き添えで家1棟爆破かいw
あと目玉焼きには醤油派です(キリッ!
テンポ良く読めて面白かったです。
あぁん?
俺は醤油かけますけど何か?
音楽性の違いと言うか分身とか人形とかいれてる時点で間違っているだろうwww
あぁん?
けれど、気になった点が一つあります。
>自分の考えが目玉焼きにしょうゆを掛けるのと同じぐらい間違っていたことに気付き
これは、どういうことなのか、説明して頂きたいですね。はい。