うどんげの紅魔館メイド採用試験
永夜異変以降、ここ永遠亭は幻想郷の様々な人妖との交流も始まり新しい風が吹き込み始めていた。もっとも姫様に至ってはネット回線の開通により引きこもりレベルが上がっただけであるが……
「うどんげ、ちょっといいかしら?」
そんなある日のこと、いつものように雑事をこなしている私に師匠が声をかけてきた。
「なんでしょう? 今から姫様に頼まれた新作ゲームの買出しと姫様に頼まれた旧作ゲームの中古屋への転売と姫様に頼まれた特注コントローラーバッドを受け取りと姫様に頼まれた徹夜用インスタント食品セットの買出しと姫様に頼まれた妹紅さんの家でのピンポンダッシュと姫様に頼まれた……」
「ごめんなさい! 本当にごめんなさい! 姫にはちょっと自重させるから」
姫様に押し付けられた雑用の数々に思わず頭を下げて謝ってしまう師匠、こんな申し訳なさそうな師匠を見たのは初めてのような気がする。それにしても姫様のゲームの楽しみ方も困ったものである。新しいゲームを朝一で購入したかと思うと次の日の朝にはフルコンプして中古屋に出す、という流れが続いている。永遠の命を持っているのに娯楽の楽しみ方が実に刹那的だ。
「それならいいんですが……ところで師匠は何の御用なんですか?」
「ええ、これを見て欲しいの」
そう言って師匠が差し出したのは天狗の発行している新聞だった。
「ふむふむ……『湖の氷精チルノ、ついに10以上の数を数えることに成功』か、確かに大ニュースですねこれ」
確かあの氷精は⑨以上の数を数えることはできなかったはずだ、たいした進歩である。
「いやいやそこじゃないわよ、ここよ、ここ」
そう言って師匠が指を指したのは新聞の隅にある広告欄だった。
「えっと……『紅魔館メイド募集』って、これがどうかしたんですか?」
「単刀直入に言うとね、あなたにこれに応募して欲しいのよ」
「はっ!?」
これは遠まわしに「あんたなんかもういらない、クビにするから紅魔館なりどこにでも行きなさいよ」と言われているのだろうか? いったい何がいけなかったのか? 薬売りの代金をちょろまかしておやつのにんじんを買い食いしていることがばれたんだろうか? それとも月の豊姫と依姫さまに頼まれて師匠の下着を月に送ったことだろうか? いやいや、うっかり姫様のドラクエのセーブデータを消してしまって三日三晩不機嫌にさせてしまったことかもしれないし他には……やべえ、心当たりが多すぎる。
「あの……うどんげ、聞いてる?」
「はい、すみません! もうお金を誤魔化したり師匠の下着を盗んだりしません、だからクビだけは勘弁してください!」
「いきなり何を言っているの!? 別にあなたをクビにしたりなんかしないわよ」
え? そうなの? じゃあどうして紅魔館のメイドに行けなんてことになっているんだろう?
「まあ誤魔化したお金や私の下着に関しては後でじっくり話を聞かせてもらうとして……」
うわお♪ 超やぶへびだったよこれ。下手すれば明日には命は無いかもしれない。だけど必ず生き延びてみせる! あの北斗七星の脇で淡く輝く蒼い星に誓って!
「あなたには紅魔館にメイドとして侵入して紅魔館が人里を始めとする幻想郷全域とどのように付き合っていっているかを調べてきて欲しいのよ」
「なるほど、そういうことでしたか」
「ええ、永遠亭がその存在を明らかにして幻想郷の住民達と付き合い始めたのはいいんだけどまだまだ私達はここの新参者で周りからよそよそしい扱いを受けているわ。確かに私の回診やうどんげの行商、姫のゲーム屋への売り上げ貢献なんかで少しずつ幻想郷に打ち解けてきているのはいいんだけどうちにはまだまだ人手……というか兎手が余っているからね」
いや、私や師匠はともかく姫様のはなんか違うだろ。
「そのあまっている兎たちの労働力の有効利用のノウハウを古参の有力組織から学んで来い、というわけですね」
「ええ、そういうことよ。話が早くて助かるわ」
しかしそこで私はあることに気づく。
「でもこのメイド募集って『長期働ける人求む』ってありますよ。ノウハウ学んでさっさとおさらばしますってわけにはいかないのでは?」
「あら、調べることを調べたらさっさと抜け出してきたらいいのよ」
さらりと言ってくれるがことはそう簡単ではない。
「いや、しかし私は永夜異変でレミリアさんやメイド長の方に顔が割れてますし薬の行商で対応してくれている門番の方とはそれなりに世間話もする間柄ですし……」
ちなみに世間話の内容は大体が主人に対する不満、愚痴の暴露大会だということはここだけの秘密である。
「そのことに関しては対策を考えてあるわ」
そう言って師匠が出したのは眼鏡と黄色い帽子だった。
「……これは?」
「つけてみなさい」
言われるままに帽子を被り眼鏡を掛けてみる。どうやら眼鏡には度が入ってないようだがこれはいったいなんなのだろうか? まさか天才の師匠がこれを変装とか言うことはないだろうけど……
「うん、思ったとおり完璧な変装ね」
どうやら師匠は⑨と紙一重の天才だったようだ。
「ちなみにコードネームは『コンバットうどんげ』よ」
何そのクソダサいコードネーム? それにコードネームに本名混ぜたらコードネームの意味まったくないですから。
「いやいや、絶対無理、無理ですから!」
そもそも悪魔の住む館に兎一匹の潜入捜査なんてサバトに生贄が飛び込むようなものではないのだろうか? あの永夜異変の時の残酷なまでに手強かった吸血鬼のお嬢様を思い出すだけでもぞっとする。しかも見た目がかわいらしいお嬢様だけに性質が悪い。
そういえばこの間、人里で迷子になっていた日傘を差して「うーうー」泣いていたお嬢さんなんかもあの吸血鬼とそっくりだったけどあのお嬢さんは吸血鬼とは無関係だろう、イメージが違いすぎる。
「そう? なら白玉楼のほうでもいいんだけど……」
「白玉楼ですか?」
あそこなら住んでいるのは亡霊のお嬢様と庭師の娘だけだ。お嬢さんの方は穏やかそうな性格だし庭師の方は真面目そうだから紅魔館よりは安全かもしれない。
「求人内容が『ミスティア・ローレライor永遠亭のイナバ求む(鍋持参歓迎)』ってなってるのよね」
「紅魔館ですね? おまかせください!」
なにその食う気満々の求人!? それもう求人じゃなくて食材募集の間違いでしょ! そんな死亡フラグ立ちまくりの白い館なんていけるはずが無い。
というわけでせっかくだから私はこの紅い館の方を選ぶぜ! By コンバットうどんげ
「ちょっと待って!」
「なんでしょう?」
眼鏡と帽子を身につけて紅魔館に向かおうとした私の肩を師匠がしっかりとつかんで呼び止めた。
「その前にあなたがちょろまかした薬の代金と盗んだ私の下着についてゆっくり聞かせてもらえるかしら?」
その日、私は生まれてはじめて人を殺せる笑顔というものを生で見ました。
任務があるからとかろうじて命だけは助けてもらった私は紅魔館に来ていた。
「あら、うどんげさんじゃないですか、今日はお薬の売り込みですか?」
いつもの行商の時と同じように美鈴さんが迎えてくれるがこちらはいつもの用件ではない。
「いえ、私はコンバットうどんげです」
美鈴さんが一瞬何が起きたのかわからないといった表情で硬直する。
「あの……ですからうどんげさんですよね」
「いえ、ですから私はうどんげでなくコンバットうどんげなんです……師匠がこう言えって」
最後に付け加えた一言で全てを理解したのか慈愛に満ちた聖母のような笑みで私を見つめる美鈴さん、普段ならともかく今はその優しさが逆に辛い。
「それでその……コンバットうどんげさんはどのようなご用件で?」
「はい、実はこの公募をみて是非こちらで採用させていただけないかと思いまして……」
そう言って私は天狗の新聞の広告欄を美鈴さんに見せた。
「公募ってもしかして……ひょっとしてメイド志望ってことですか!?」
「ええ、そうですけどなにか?」
ひょっとして紅魔館の人たちに兎は嫌われているとかそんなことでもあるのだろうか? 美鈴さんの取り乱しようはちょっと半端じゃない。
「うどんげさん……じゃなかった、コンバットうどんげさん、メイドで働くってことはあの咲夜さんの元で働くってことですよ?」
「それはあの人がメイド長だからそういうことになるんでしょうね」
メイドとしてメイド長の元で働く、ごく普通のことのはずなのにどうして美鈴さんは屠殺場に送られる家畜を「ああ、この子が今からお肉になるのね。何も知らずにかわいそうに」といった目で私を見るのだろう? いったい十六夜咲夜とはどんな人物なんだろう? 正直逃げたくなってきた。
いや、負けるな私、まだ紅魔館の中に入ってもいないのにくじけそうになってどうする! 心を奮い立たせろ! 姫様と妹紅さんの喧嘩に巻き込まれた時のことを思い出せ! てゐがいたずらで仕掛けたクレイモア地雷で吹き飛ばされた時のことを思い出せ! 師匠の新薬の人体実験で木人形(デク)として扱われた時のことを思い出せ! 私はできる! 私はやれる子なんだ!
「……まあそこまで決意が固いのなら仕方ないですね。これが入館証と名札です」
美鈴さんに渡された入館証を首から下げて、渡された名札にマジックで『コンバットうどんげ』と記入。よし、これで準備は万端だ!
「後は私から個人的にこれを……」
「これは……飴玉ですか?」
面接前の緊張をほぐすため、といったところだろうか? 流石は“気を使う程度の能力”の持ち主の美鈴さんだ。
「いえ、いざという時の自決用の毒薬です」
奮い立たせた心が根元からへし折れそうになった。
何とか心を立て直した私は妖精メイドの案内で紅魔館の一室に案内されていた。
「いらっしゃい、あなたが今日最後の希望者よ」
そこには何人かのメイド希望者と面接官であろう十六夜咲夜が待っていた。
「え~っと、コンバットうどんげさん? あら? あなたひょっとして月の兎の……」
私の顔を怪訝な顔で見つめる咲夜さん、やっぱりばれてるよな。いくらなんでもこの変装とコードネームは無理がありますよ師匠、美鈴さんにも一目で見抜かれたし……
「血縁の方かしら? いとこか妹さん?」
ばれなかった! この人がメイド長で大丈夫か紅魔館!
「え、ええ、そんなところです」
「そう、まあいいわ。とりあえずそこに座って」
言われるままに長机においてあるパイプ椅子に腰掛ける。するとふと隣のメイド希望者の人と目が合った。
「あら? あなたはたしかあの時の月の兎……」
そう言ってこちらを見つめる女性は……間違いない、大妖怪の八雲紫だ! どうしてこんな大物がこんなところに!?
「の妹さんか何かかしら?」
……こんなのばかりか幻想郷、それとも私や美鈴さんの方がおかしいのだろうか?
「あの……大妖怪の八雲紫さんですよね?」
「あら? よく知っているわね」
「それはもう有名な方ですから。それであなたほどの方がどうしてここに……?」
そもそも働くことなんかほとんど無くて寝てばかりだともっぱら評判な人だったはずだ。労働者であるメイドとは対極にあるような人がどうしてここに?
「ここのメイド服ってかわいいわよね~ふふふ♪」
「着たかったの!?」
ただそれだけのために妖怪の賢者様がメイドの求人に応募!? 自分の歳を……じゃなかった、立場ってものをちょっとは考えてくださいよ! 私の脳裏に彼女の式の九尾の狐が泣きながら彼女を引き止めた情景がありありと浮かんだ。なんとなくだがあの狐さんとも話が合いそうだ、今度飲みに誘ってみよう。
「はい、おしゃべりはそこまでよ、今から紅魔館のメイド採用試験を行います」
咲夜さんが手をパンパンと叩いて騒ぎを鎮めた。って試験? 面接だけじゃないの!?
「あらあら困ったわ~勉強なんか全然してきてないもの」
そう呟いた紫さんの目元をよく見ればしっかりとくまが浮かんでいた。いやいや、勉強してないってレベルじゃないよ! 寝ぼすけの癖に徹夜で勉強してきてるよこの人! クラスに一人はいる「俺って全然勉強してきてないんだよね~」って言っているガリ勉君だよ! というかそこまでしてメイド服が着てみたいの!?
「いきなりテストと言われても戸惑う人が多いかもしれませんがごくごく一般常識を問うものですのでご安心してください」
一般教養か、それなら何とかなるかも。
「常識問題ね、それなら大丈夫かも、ゆかりんちょっと安心♪」
あんたもう黙れよ。
「問題数は少ないので一問ごとに採点していきます、制限時間になって私が「止め」と言ったら手元にあるボードに書いた答えを前に向けて見せてください」
なるほど、人数も少ないし問題数が少ないのならそれもいいのかもしれない。しかし逆に言えば手元にあるボードはそんなに数があるわけじゃない、一問一問の成否が結果を分けることになると言うわけか。
「それでは第一問です!」
咲夜さんがホワイトボードに大きく問題の書かれた紙を貼り付けた。
第1問 これはなんと読むでしょう?
紅美鈴
どんな問題が出るのかと構えていたが出てきた問題を見て胸をなでおろした。これくらいのレベルの問題なら一安心だ。私は手元の回答ボードに『ホンメイリン』と書いた。
「止め、第一問はそこまでです」
比較的短い時間で咲夜さんの号令がかかる。
「第一問は小手調べ的な問題だったから全員に正解しておいてもらいたいところね。正解は……こちらです」
咲夜さんが解答の書いてある大きな紙をホワイトボードへ貼り付けた。
回答 ちゅうごく
「正解は「ちゅうごく」です。簡単すぎましたね? あとは次点として「本みりん」でも正解とします」
なんじゃそりゃああ!? イジメ? 美鈴さんイジメでも受けてるの!? なんだよ中国って! しかも「本みりん」でも正解ってことはあんた本名知ってて言ってるでしょ!?
「あらあら、引っ掛け問題だったのね」
そう呟いた紫さんの回答ボードには「かんこく」と書いてあった。いやいやいや、引っ掛け云々以前にかすりもしてないですから、と言うかあんた本当に妖怪の賢者様? うちの師匠といいこの人といい頭がいいと言われている人というのはみんな常識部分のネジが緩んでいるんだろうか?
「それでは第二問です」
第2問 これはなんと読むでしょう?
八雲紫
今度も人の名前か、しかしさっきの問題の美鈴さんは身内だ。ひょっとしたら咲夜さんにとって「ちゅうごく」は愛称なのかもしれない、いや、きっとそうだ。ならば大妖怪で幻想郷の重鎮である紫さんなら……
私は一問目が一問目だったのでそのまま素直に書くことがはばかられたがおとなしく回答ボードに「やくもゆかり」と記入した。
「これも幻想郷に住んでいる者にとっては常識問題ですので正解しておいて欲しいところね。ちなみに正解はこれよ」
回答 すきまババア
「正解は「すきまババア」これも簡単でしたね? 他には「靴下ババア」や「ババア」だけでも正解とします」
ちょっとまったあああ! 本人ここにいるんですけど!? ひょっとして気づいてないの!? やばいよ、紅魔館に血の雨降っちゃうよ! 私は怒りに震えているであろう紫さんのほうを恐る恐る振り返った。
「ゆかりんババアじゃないもん、ゆかりん少女だもん……グスン」
……当の本人は「やくもゆかりん」と書かれたボードを抱きしめて泣いていた。意外とナイーブな性格だったようだ。
「さて、次の問題よ。読み仮名の問題はこれで最後なので少しばかり上級問題よ、頑張ってね」
第3問 これはなんと読むでしょう?
八意永琳
今度は師匠の名前か……しかし今までの二問が二問だしこれも何らかのひねりがあると見るべきだ。少し考えて私はボードに「ヤク漬けババア」と記入した。本人に見られたら殺されかねない回答だ。でも違うんです師匠、これは私がこう思っているわけでなくこうでもしないと試験に合格できないからなんです。
「さて、そこまで。正解はこれよ」
回答 やごころえいりん
「正解は「やごころえいりん」ね。「八意」とかいて「やごころ」って読むのが難しかったかしら?」
どストレートだったよ! 今までの二問はなんだったんだよこんちきしょう!
「なかなか難しいものねえ」
ちなみに紫さんの回答は「やごころめーりん」だった。あんたもう賢者名乗るのやめろ。
「なお、この問題における皆さんの回答は永遠亭の八意永琳さんの下に送らせてもらいますわ」
ちょっと待て、それどんな嫌がらせ? ピンポイントに私に対するイジメにしか見えないんですけど!?
何故だか頭上で輝く北斗七星の脇にある蒼い星の輝きが増したような気がした。
「さて、次からはちょっとした応用問題になるわ。皆さんの良識や常識をより謙虚に測ることになるから高配点な問題よ、今までの失点の挽回も充分にありえるわ、頑張ってね」
第4問
あなたが里を歩いていると小さな女の子が迷子になって「うーうー」と泣いていました。さてここであなたがとるべき行動を答えなさい。
なるほど、メイドに必要なのは知識以上に社交性や常識というわけか。まあこの場合だと「一緒に親御さんを探してあげる」が妥当なところかな? なにはともあれ今まで全問不正解と言うのは紛れも無い事実、ここはなんとしてでも正解を取っておきたいところだ
「さて、そこまでよ。模範解答はこれね」
回答例 はぅ~♪ お~持ち帰り~♪
「まあこれはかわいい幼女を見た時の反応としては至極当然の行動と言えるでしょう、他には「さらう」「ハァハァする」「チュッチュする」なども正解とします」
それ犯罪! 全然当然でも妥当な行動でもないですから! むしろ一番とっちゃいけない行動ですから! 今ここに来て美鈴さんが危惧していたことの意味がようやくわかったような気がする。
「また間違えちゃったわぁ」
ふと紫さんの回答を見ると「お菓子をあげて泣きやました後で肩車してあげながらお家まで送っていく」と書いてあった。意外といい人なのかもしれない。
「じゃあ次の問題ね。あなた達がこのお屋敷で働いているものと想定して答えてね」
第5問
あなたがメイドとしてお掃除をしている時、ふと外を見ると門番が昼寝をしてサボっているのが見えました。ここであなたがとるべき行動を答えなさい。
この屋敷の門番……ということは美鈴さんか、確かよくサボっているとナイフを投げつけられるとか言っていたっけ? まあこの問題なら自分がここのメイドだと言うことを想定して考えると……。私はボードに「弾幕をぶつけて起こす」と記入した。美鈴さんには悪いが今までの回答から判断する咲夜さん基準での回答となるとこんなところだろうか?
「はい、そこまで。今回の模範解答はこれよ」
回答例 揉みしだく
「だってあんなに無防備な姿をみせられたら……ねぇ? 他にも「撫でる」「ももチラを拝む」「愛でる」なども正解とします」
美鈴さぁーーん!!! あなた今日から絶対仕事中に居眠りしちゃダメです! 寝ている間に色々大事なものが奪われていってますよ! というかなんなのこのメイド長によるセクハラ公認の職場!?
「あらあら、うちとは随分違うのねぇ」
ちなみに紫さんの回答は「おはようのキッス☆」だった。……あなた自分の式や式の式にそんなことしてるんですか!? これまた意外すぎる八雲家の教育方針だった。
「さて、次が最後の問題よ」
次で最後か……もうここまで全問不正解だし今更最後の問題だけ正解したとしても無理だろうなぁ。
「最後の問題は3万点のボーナス問題よ。ここまでの失点を全部取り返すチャンスだから正答率の低い人も諦めないでね」
何そのベタなクイズ番組みたいな配点? というか今までの問題はなんだったの? いや、しかしここは冷静に考えればチャンスだ、成り行きとはいえ師匠の悪口を告げ口された上に任務も失敗でしたじゃ命がいくつあっても足りない、ここはなんとしても採用だけはとっておかないと!
「さあ、この問題はあなた達のメイドという仕事に対する意気込みを見るための問題よ、それだけに厳しい問題だけどこれができればまずメイドとして採用できるわ、頑張ってね」
最終問題
あなたが紅魔館でメイドとして働くにあたっての意気込みを書きなさい
* ただしメルラン語で
書けるかぁーーーーっ! なんなのメルラン語って!? そもそも何でそんな言葉で解答を書かなきゃいけないのよ! そもそもその言葉とメイドがなんの関係があるって言うの!?
……もうだめだ、諦めよう。師匠にはよくて半殺し、場合によっては腕の一本二本はへし折られるのは覚悟しなきゃいけないけどいつものことだし、なによりこんな問題答えられる訳ないもの。とりあえず無駄な足掻きとは思いながらもボードには「めるぽ☆」と書いておいた。
「はい、そこまで。……やっぱりこの問題は難しかったみたいね。みんな回答がボロボロですもの」
そりゃあそうでしょう、隣の紫さんなんか「いらない子じゃないよ!」とか書いてるし……というかそれリリカさんでしょ? 姉妹の区別ついてないんですか?
「だけど驚くことに一人だけメルラン語で解答できた方がいたわ。名前は……コンバットうどんげさんです!」
マジですか? というかあれでよかったの!? なにはともあれやったわ! これで何とか任務を達成できる!
「さて、これがコンバットうどんげさんの回答「めるぽ☆」ですがこれを日本語に訳しますと……」
翻訳結果 氏ねよ、偽乳メイド!
「……さて、何かこの世に言い残すことはありますか?」
私は何も答えずその場から脱兎の如く逃げ出した!
「逃がすな! メイド総員に告ぐ! メイド志望者コンバットうどんげを捕らえよ! ただし命はとるな、とどめは私が刺す! 生きてさえいれば手足の一本二本は引きちぎっても構わん!」
「殺されてたまるかぁーーーっ!」
紅魔館は想像以上の魔窟でした。コンバットうどんげ、任務失敗。
なんとかメイド達の追跡を振り切って永遠亭に戻ってきたら、永遠亭のあった場所が更地になっていました。
「……なんなのこれ?」
「お師匠様が姫様を自重させるために部屋のネット契約を解約したんで姫様がブチきれて大暴れしたんだウサ」
……月に帰ろうかなぁ
~おしまい♪~
そして最後に時事ネタとはww
笑わせてもらいました^^
ただ展開が単調であること、ちょっと無理やり感が払拭できていないこと、ネタがコテコテっぽい感じがすること、一貫して『幻想卿』という誤字を貫き通したこと、オチが投げやりだった点等がマイナスポイントかな。
いわゆる『マンガだと面白い』ってタイプかもしれない、とも思った。よくわかんないけど。
鈴仙かわいいよ鈴仙
あと某魂思い出した
>永夜事件
永夜異変
>幻想卿
幻想郷
>パッドを受け取り
パッドの受け取り
>自愛
慈愛
永夜事件はそのままでもいいかも
ゆかりんは少女だよ!
ゆかりんは少女だよ!
換骨奪胎というよりは、そのまま元ネタをなぞっていると私は感じましたね。
あとは、まあギャグなのですから、お話の中にキャラを貶める表現があっても良いとは
思うのですが、その根底に愛情が無いと感じられるものは受け付けられないなぁ。
文章はお上手でテンポも良かっただけに、ちょっと残念でした。