Coolier - 新生・東方創想話

爆走二人乗りーズ

2010/05/02 12:28:00
最終更新
サイズ
6.8KB
ページ数
1
閲覧数
1298
評価数
15/52
POINT
2910
Rate
11.08

分類タグ


幻想郷において最強の座に付いているものは多い。
代表的なのは戦闘においての風見幽香だ。
普段の彼女をみたらただの弱小妖怪にしか見えないが、それは力を隠しているだけであり。
あの八雲紫でさえ戦闘で負けたことがあるほどだ。
そのため最強を求めるものは彼女に挑戦するのだが、向日葵畑や花畑で戦闘を仕掛けると無抵抗のことが多い。
殺し合いが大好きな幽香も、本気を出せば花畑が吹き飛んでしまうため自重しているらしい。
しかも彼女は普段は花畑から離れず、花畑で戦闘を仕掛けてきた者を嫌い以後まったく戦闘する気を見せないところが困り者である。

このような代表的な最強のほかにも色々な最強がいる。
例えば妖精のチルノ
彼女は頭が悪く、普段から最強を名乗っているが誰も信じるものはいない。
いや一人だけ信じる者がいる。
「チルノにだけは敵わない」といってるのは、八雲紫だ。
理由を聞いても秘密といわれ知るものはいないが、彼女とチルノの間に何があったのだろうか。

次にアリス・マーガトロイド。
彼女は最強の人形使いである。
内容については触れないことにしておく。

最近幻想郷を騒がしている、邪気眼、スタンド、機関の一員等も忘れてはならない。
私達常人の間には見えない何かがあるらしいが、外の世界からやって来た人間が。
それを見た瞬間苦しみだした所から恐らく、呪術に似た何かなのだろう。

他にも、歌や毒電波やカエルや恋愛や貧困や将棋など様々な最強があるのだが、それは後の機会に語るとしよう。
今回話す内容は速さに魅入られた者の話である。








私霧雨魔理沙は普通の魔法使いだ。
妖怪のように魔力が強いわけでも無く、霊夢のように特別な存在でなく、実家の道具屋から勘当されたただの小娘だ。

私が魔法使いを夢見たきっかけは。
魔法の箒で空を飛んだときだ。
地面を歩いていては決して味わえない感覚に、空を飛ぶという開放感。
風を感じ、空を感じ、何より速さを感じる。

そう速さを感じるのだ。

人間というものは遅い。
歩いても走っても、とても空を飛ぶ鳥の速さには敵わない。
今まで私は何故あんなにも遅い生活で満足できていたのだろう。

この世は速さだ。
速さで全てが決まるといっても過言では無い。

例えば遅く歩く人間と早く走る人間、どちらが有能かと言われたら後者だ。
前者は誰にでもできるが、後者は選ばれた人間にしかできない。

私は速さに恵まれた人間なのだ。
人間には真似することのできない魔力を運良く授かり、魔法を覚えたのはこの速さを追求するためにあったんだ。
この風、この肌触りこそ、速さの源だ。
私の人生はこの速さを追求する事に決めた。
初めて空を飛んだ日から私は速さを追い求めることにした。


その結果が店からの勘当である。
跡継ぎの勉強を全て断り、道具を勝手に使い。
何をどうしたら、早くなれるか、それを追い求めた。

そうして香霖に作って貰ったのが八卦炉だ。
外の世界にはエンジンというものがあるらしい。
大規模な火力を一定方向に発射させることにより、速さが増す、そう考え実行に移したところ家が吹き飛んだのだ。
どうやら調整をミスってしまったらしい。
その結果、というよりつもりに積もった結果家を追い出され魔法の森に住むことにした。

勘当されてから研究したのが光と熱の魔法だ。
むしろそれのみしか研究していない。
香霖の店で発見した本には、光がこの世の中でもっとも早く一秒間に地球を7回半回る速さを持つらしい。
なんと素晴らしい響きか。
あいにく幻想郷から出たことは無いので地球が今ひとつわからないが、文字にするとよくわかる。
時速299792458キロだ、二億九千九百七十九万二千四百五十八キロ。
想像もできない世界だ、しかしとにかく速いってことがわかる。

私の生涯の目標は光の速さを超えることだ。
そうして、空気抵抗とやらのためになるべく空気を受けない格好で飛ぶようになり。
回転を加えることにより均等に空気を受け流し、更に早く飛ぶ。

少しずつ早くなっていたが、ある時からまったく速さが伸びないようになっていた。
色々な理論を実践し、飛び方も変えたのだがどうしても壁が越えられないのだ。
そうして悩んでいる時、彼女に出会った。




「あやややや、噂の人間を見にきたのですが中々やりますね」
「誰なんだぜ」
「清く正しい新聞記者にして、天狗の中で最も速い射命丸文と申します」
「最も速い?」
「ええ、最も速いのです」

にやりと笑う彼女を見て、私は確信した。
この天狗は私の同士であり、ライバルにして、親友になれるだろう、と。
速さを追い求める同士にして親友の射命丸文だ。

「速さを追い求めて勘当された人間がいる、そう聞いてインタビューに参ったのですが思ったより収穫がありましたね」
「そうか」
「人間の身でここまでの速さに到達した、誇って良いと思います」
「いやまだだこの程度で誇ってはいけない、まだ速さが足りない」
「そうですか…貴方とは仲良くなれそうです」
「こちらもだ、射命丸文」
「文で良いですよ」
「ならこちらも魔理沙でいい」

そして人間と天狗の種族の差を越える友情が生まれた。
がっちりと握手をして、早速速さについて語ることにした。

私達はお互い知ってることと、知らないことにはだいぶ差があったのだ。
射命丸は風を使う程度の能力により、風を絶妙に操作することにより速さを追い求めた。
対する私は魔法と、外の世界の科学とやらを組み入れることに速さを追い求めた。
速さを追い求める志が同じでも方法がまったく違ったのだ。

「空気抵抗や回転ですか、そんな考えは浮かびませんでしたね」
「私も風を操るという考えにはいたらなかったぜ…」
「あまりに方向が違いすぎて協力はできなさそうですね」
「ああ残念…あっ」

協力という言葉を聞き、思い出した。
ある外の世界の本の存在を。

「文!文!良い物があるんだぜ」
「何ですか?」

床が見えないほど散らかった部屋から目的の本を探し、あの伝説のページを開く。
光の速度に到達した偉人の姿を。

「この本を見てくれ」
「ふむ…こ、これは!」
「外の世界の本なのだが、これを使えば私達も…」
「ええ試してみる価値はありそうですね」

その本には、力無き物が強者に勝つために
片手の武器を両手に装備し、いつもより高く飛び、
いつもより回転を加えることにより光の速度に到達する人間の姿が書かれていた。

すぐにでも実行に移したいため、即座に魔法の箒と八卦炉を持ち外にでる。
文も期待に満ち溢れた目をしている。

「先ほど会ったばかりだが…、私はお前の事を親友と思ってるぜ」
「ええ、速さを追い求める志、先ほど会ったばかりですが私もそのように感じます」
「じゃあ行くぞ!」
「ええ!」

箒を使い浮かび上がり、文の下に位置する。

「私と文が合体することにより、いつもの二倍の速度に!」
「魔理沙が私の足をつかみ合体することにより二倍の速度に!」

文の足をつかみ合体し、上空にめがけて飛ぶ。
いつもの地点より大分高い、風を操る力とはこのような場所まで到達できるのか。

「いつもより四倍近く高く飛ぶことにより、八倍の速度に!」
「こんな高くまで飛べるなんて…八卦炉とやらは凄いですね」

文の風を操る能力でいつもより、高く高く飛ぶ。
おまけに八卦炉を地面に打ち、その力でいつもより遥かに高い場所に到達する。

「そうしていつもより五倍の回転を加えることにより四十倍の速度に!」
「あややややや、目が目が…」
「我慢しろ!」
「はいぃぃぃ」

私は茸やら魔法の影響で狂うことには慣れているため、回転の影響で狂わないように気をしっかり保つ。
回転することになれていないためか文は目を回している。

「そして文の風の力と、私の八卦炉で二倍の力の八十倍の速度に!」

地面に発射していた八卦炉を一度止め、後方に向かってぶっ放す。

「行きますよ魔理沙」
「ああ任せろ文」


「そして私の百万キロと文の百万キロの速度を加えれば…
光よ!お前を超える八十億キロの速さだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」



移動を始め一瞬でいつもの何百、何万倍もの、速さを感じ。
これだ、私が追い求めていたのはこれなんだ。
地面を歩いているだけの人間には決して得られない、この最高の気分。

私は光を超えたんだ!
本日正午頃、幻想郷中に強大な衝撃波が襲い史上稀に見る大災害となった模様です。
容疑者は人間の霧雨魔理沙氏と、天狗の射命丸文氏。
彼女達二人は速さの限界に挑戦中、体が衝撃によりバラバラになり、その肉片が恐ろしい速度で幻想郷を襲い大災害となった模様です。
死者は数百名を記録しましたが、全て蘇生され
それらを治療した八意永琳氏は「肉片がちょっとでもあれば再生は可能」と二人を修復中であり
二人の修復次第余罪を追求して…
                                    里の新聞より抜粋


読んで頂きありがとうございます。

かなり昔の作品なので大幅推敲して真面目な作品にしようと思ったのですが、
勢いがなくなるかなぁと思いそのまま投下することにします。
確か、かえるげこげこの二つか三つあとに書いた作品だったような
投下していない作品や他の作品のネタがちらほらまじっていますが、読んで無くてもまあ大体意味がわかると思います。
作品自体が意味不明と言われたらあまり否定できませんが。

私が小説書くときって、タイトルだけ決めたとか一言だけのネタをそのまま使用するためカオス作品が多くなります。
ちなみにこれはタイトルだけ決めて、内容作った作品です。

思うがままに書く、小説の楽しさいったらたまりません。
最高です。

誤字や指摘や評価をよろしくお願いします。

※誤字訂正しました。いつもありがとうございます。
ケチャ
簡易評価

点数のボタンをクリックしコメントなしで評価します。

コメント



0.1570簡易評価
4.90名前が無い程度の能力削除
クソっ…こんな予想できたオチにやられるなんて……
えーりんのチートっぷりが素晴らしいな
8.100拠点防衛型コンビニ店員削除
ウォーズマンのアレは、子供ながらに「そのりくつはおかしい」と思っていました。
12.90ワレモノ中尉削除
返る恋愛→カエルとの恋愛、でしょうか。貴方の過去の話を見る限り。

あとがきに思いっきり吹いたw
それと、チルノと紫の間に何があったのか、気になるところ。
13.90ぺ・四潤削除
だから何をどうすればコレが真面目な作品になるんだよ!!!!
読んで無くてもまあ大体意味がわかると思います。アンタの場合他の作品読まねえとわかんねえから!
「最近幻想郷を騒がしている、邪気眼、スタンド、機関の一員等も忘れてたならない。」とかwwww
大災害になるような肉片が降り注ぐ前に空気摩擦で二人とも燃えて蒸発してるんじゃないのかwwww

ちなみに二人は空気抵抗を極限まで減らすため全裸なのですね! わかります。
15.100名前が無い程度の能力削除
「最強の人形使い」で吹いたw
ナニをどう使うのか気になるww
そのあと魔理沙は世界縮めたり、文化の真髄を見つけたりするんですね、わかります。
16.80名前が無い程度の能力削除
この世の心理、それすなわち速さだと思いませんか?
17.100名前が無い程度の能力削除
こういう勢いの良い作品は大好物です。
紫とチルノの関係が気になるので、是非その作品も投稿してください。
20.100名前が無い程度の能力削除
細かいけどスピード的な意味では×早い○速い
21.80賢者になる程度の能力削除
レスの中に兄貴がいる…

とりあえずアリスは淑女であり我々のよき同士だということだけはわかった。
27.100v削除
いやいやいや、いやいや(繰り返しなので中略)いやいやwww

先生、ゆかりんとチルノの関係が気になって眠れません。
29.80葉月ヴァンホーテン削除
起承転爆みたいな印象を受けましたw
30.90名前が無い程度の能力削除
冒頭の自分で書いたSSじゃないかwww
大結界よりえーりんが駄目になったらケチャさんの幻想郷終わるな

葉月さんの起承転爆で吹いたw
31.70即奏削除
なるほど、爆走とは上手く言ったものですね。
おもしろかったです。
41.70ずわいがに削除
よし、これを「ケチャ理論」と名付けることにしよう!
50.100名前が無い程度の能力削除
なんというゆで理論。
それでも幻想郷なら…幻想郷ならきっとなんとかしてくれる…