かちかち、きりきり。
歯車があなたの頭の中で回ってる気がします。
あなたは、寝ぼけた目を擦って思考のスイッチを入れました。
「おはようございます」
鏡に向かって言いました。鏡の中の貴方は無表情です。
あなたは、服を着替えて、朝食を取ります。
特に何と言うことのない、いつものパンと炒めた野菜の朝食です。
朝食を終えると、あなたは外に出ます。
いつも通り、博麗神社へと向かうためです。
あなたは、空を飛んで博麗神社へと向かいます。
博麗神社に着きました。あなたは、霊夢へと声を掛けます。
「霊夢、おはよう」
「あらアリス、いらっしゃい」
霊夢は、驚いたような表情をして答えます。
あなたは、少し肩をすくめるような動作をして答えます。
「ええ、貴方に会いたくなったのよ」
「それは嬉しいわ」
霊夢は、嬉しそうな表情を貴方に向けます。
あなたは、霊夢のとなりにちょこんと座りました。
「で、最近の調子はどうかしら?」
「別に、いつも通りよ。昨日も会ったじゃない」
「まあそれもそうね。そういえば、昨日は早苗がやって来たわよ」
「そうなの。何か変わった話でもした?」
「大した話はしてないわ」
あなたは、急に会話のネタが無くなったのを感じます。
そういえば、一週間前もこんな会話をしたのを思い出します。
一週間前と同じ話をしては絶対に飽きられる、それだけはいけない。
あなたは、少しずつ焦りを感じ始めます。しかし、焦りにかき乱されるようにあなたの思考はぐしゃぐしゃになります。
霊夢が、まるであなたに何かを期待するような瞳でこちらを見つめています。
いえ、それは期待と言うよりむしろ「急かしている」ような瞳です。
あなたは、散々頭の中を引っ掻き回して解決策を考えて、ついに気が狂ったような行動に出ます。
あなたは、霊夢の顔をまっすぐに見据えました。
「霊夢」
「どうしたの?アリス」
ちゅ。
あなたは、霊夢の唇に自分の唇を重ねました。まるで、時間の止まったような感じがしました。
霊夢は、少し驚いたような表情をしていましたが、すぐに無表情に戻って言いました。
「何か、楽しいことは無いかしら?」
あなたは、霊夢がもしかしたらあなたの期待するような反応をくれるかと思ってましたが、
そうはならなかったという事実に落胆しました。
もしかしたら、ここで霊夢を裸にして陵辱の限りを尽くせば少しは何かが変わるのかも。
そんな思考があなたの頭を過ぎりましたが、すぐに首を振ってそれを打ち消しました。
そして、あなたは霊夢の発した質問に適当に答えました。
「そうね、そろそろ誰かが来るといいわね」
あなたのそんな言葉を待っていたかのように、魔理沙がやってきました。
魔理沙は、明るい挨拶と共に霊夢の隣に座って霊夢と当たり障りの無い話を始めました。
あなたは、その話に聞き覚えがありました。それもそのはずです、その二人の会話は昨日のそれと全く同じでした。
もっといえば、一昨日も、その前もずっと同じ話を繰り返しています。
大体の記憶をたどれば半年ぐらいは同じパターンの会話を繰り返しているような気がしました。
あなたは、当たり前のようにそこにある狂気から逃げるように神社を飛び出しました。
あなたは、家に帰る道でどうしてこうなったのかを考えます。
確か、あなたの記憶が正しければ7ヶ月前に最後の異変があったように思われます。
そして、それから霊夢達の「日常」は繰り返されるようになった気がします。
あなたは、急にどうしようもない衝動に駆られました。
ここで舌を噛み切ったらどうなるだろう。
あなたは、その考えを即座に首を振って否定しました。
大体の予想は付くのです。「永遠亭に運び込まれて助かる」「誰かの薬の力で助かる」。
多分、あなたが何をやってもこの日常は終わらないでしょう。この幻想郷には優秀な役者が揃っています。
その役者達によって、この「日常」を続けられる努力は行われるだろう、と。
あなたは、空を見上げて叫びます。
私たちを見ている誰か、早く私達で何か物語を作ってください。
あなたは、虚空から何も返事が返ってこないのを確認してから家に帰りました。
そして、すぐにベッドの中に潜り込みました。
あなたは、あるお願いをしてから眠りに付きます。この異常に気付いてからずっと繰り返しているお願いです。
朝起きたら私が狂っていますように。
予め結末が決められちゃってる、分岐の無い出来損ないのゲームブックみたい。
もう少し料理して日常と結末との落差で衝撃を与えられていたら
文句なしの満点だったのですが……
これからの氏の前途に期待!
上から全部眺めてる存在(作者と言い変えても良いけど)に小バカにされてる感じがして好きになれん。
これって、祈ってるのは「あなた」で祈られてる方も「あなた」になるんですよね?
祈られても「あなた」が「アリス」という劇中人物であるかぎり、新しい物語なんて作れないのか
最後のお願いも仕方ないかなという思いです。ううん、もどかしい
>アリスのそんな言葉を待っていたかのように、魔理沙がやってきました。
ここだけ「あなた」じゃなくて「アリス」なのは誤字なのかな…二人称はよく分からない
せっかくの二人称だから、最後には狂気と不気味な日常に押しつぶされたい
狂いはすでに救いの言い換えになってるらしい。ただ、怖いw
自分が二人称しか書けない、というのは早いですよ。
「あなた」を固有名詞に変えれば、雑に見えるけれども三人称小説になるし、一人称ならまた一人称小説の基本形になります。
読者に合わせて書き方を変える必要はありませんが、もし自分の二人称の書き方で違和感がある場合は、そうして気分などを変えることは出来ます。
「二人称短編しか書けない」のを諦めにしているなら、ぜひ試してみて下さい。自分もたまにやってみたりします。
(一度書き切ったあとで人称を変えるので、どうしても手間はかかるのですが…
「もう知ってるよ!」「肌に合わないからやってない」などだったらすみません!
次回もひっそりとお待ちします!
語尾が全て丁寧語だからだ。
どうも、単調+作文みたいな感じを受けてしまう。
急かしちゃいけないよ
だからいまはまだくるってて