美鈴は考えた、いかにメイド長の妨害を防いで安眠することが出来るかと。そして美鈴は三つの作戦を思いつき、この数日間実行してみることにした。
***
一日目
まず一つ目は、一度寝ているように見せて、実は寝ていないという方法である。こうすれば一回は発覚する。しかしそれ以降、もしメイド長がその状況を見かけたとしても「彼女は寝ていないのかもしれない」と声を掛けるのをためらい、恒久的な安眠を手に入れられる可能性は高い。
早速実行に移してみた。
AM9:00 作戦開始
「よし!これなら成功するに違いない……」
AM9:15 メイド長に発見される
「もう美鈴!何寝ているんですか!あなたがしっかり見張ってないと、もし侵入者が入ってきたら妖精メイド立ちが大変な事になるんですよ! 」
「何言ってるんですか、私はちゃんと起きてここを見張ってますよ。寝ているように見えたのは咲夜さんの勘違いじゃないですか? 」
「ああそう、また居眠りしないようにね」
(やった!これで安心して眠れる! )
その後、うまく行ったか不安な美鈴は何度か同じような行動をとったが、咲夜は何の反応を示さず、完全に安心しきった美鈴はそのまま眠っていた。
AM11:50 ナイフ、刺さる。
<< WARNING! KNIFE! KNIFE! >>
(はっ!まずいっ!グレイズ!グレイズ!あーっ!)
「やっぱり、あなた寝てたわね。」
「いや何言ってるんですか!私はしっかりと門の警備をしていましたよ! 」
「嘘つかないで、今さっきそこを魔理沙が突破して行ったのに、あなた何も行動を起こしてないじゃない。パチュリー様もカンカンに怒るでしょうね」
「いや実はですね、動こうとしたんですよ。でもあまりにもスピードが早すぎて事態を把握するのに非常に時間がかかったんですね。で今行動しようとした矢先に咲夜さんが……」
(ピチューン)
「やはりこうなるのか~」
***
二日目
これでも諦めきれない美鈴は、次の作戦を実行に移した。
その作戦は、メイド長の監視に来る時間を記憶し、その間の時間眠るという作戦である。これなら前回のような不測の事態は起こりえないし、今日計測のために真面目に働くことで、昨日の一件で警戒しているメイド長を安心させることもできる。
そして美鈴は一日しっかり働き、メイド長が見回りにくる時間を完璧に把握した。
三日目
AM10:00
(これであと三時間は見回りに来ない…完璧だ、今度こそ私の勝ちだ…)
しかし現実は美鈴にあまりにも厳しかった。
<< WARNING! KNIFE! KNIFE! >>
「また寝てるんですか、本当に懲りませんね。こんな状況ではあなたに安心して門番を任せられませんね」
「なんでこんな時間に見回りに来るのですか!昨日はこんな時間に見回りに来なかったじゃないですか」
「あなたがそんなふうに安心しないように、毎日見に来る時間を変えているのよ。もうこれで懲りたでしょ、今後こんなことはしないようにね」
(やはり駄目なのか……)
その後仕事を終えた美鈴は、二度の失態を詫びるため、パチュリーに反省文を書くように命じられた。そして夕食時、皆の前で反省文を朗読した。
「この度は、二度の失態を犯してしまい大変申し訳ありませんでした。
この程度のメイド長の見回りなら大丈夫という私の安易な考えが、あなたを傷つけてしまった事を深く謝罪したいと思います。
事の発端は、門の警備をしている際、『春の陽気は暖かいな~眠くなってきちゃった』と思ってしまった事に始まりがあるのです。
そもそも春の陽気からくる眠気というのはというのは、誰も勝てないものでございまして、春の陽気が来たと思ったら「あ~気持ちイイ~寝ちゃいそう~」が何度も押し寄せてきてしまいまして、仕事の終わりまで待てなくなってしまい、居眠りをする事になってしまいました。
さらに警備中、メイド長は私が寝ているのをいちどきがつかなかったので私の中に「意外と簡単かも」とか「なんだこの程度か!」という思いがよぎり、2度目の居眠りをしてしまうという形になってしまいました。
今回、私的には、「このメイド長でもやはりバレてしまうんだな」という事が分かった事は大きな勉強となりました」
(ピチューン)
***
四日目
二度の失敗を犯し、しかもみんなの前で反省文を朗読させられるという辱めを受けた美鈴は考えた。
一人で考えるのがいけないのである。
他人から意見を聞くということは非常にいいことだ。
というわけで美鈴は、自分と同じような境遇にいる小町に、アドバイスを貰うことにした。
「珍しいねえーあんたがこんなところに来るなんて」
「実はですね、折り入って相談があって、かくかくしかじか…と言うわけで、どうにか安全に居眠り出来る方法を一緒に考えて欲しいのです」
「あんたもうるさい上司に悩まされてるんだねえ。あたいはもう諦らめてるよ。変に頭を使うより、仕事していた方が楽だって事に気づいたからね」
「そんなこと言わないで、なにか考えてくださいよー」
「そうだ!わざと倒れてみるってのはどうかな?きっと心配して、その後の仕事の時間が減るかもよ~」
それだ!と美鈴は思った。それなら寝る時間が増える!少しの良心の呵責があるが、明日やってみることにした。
***
四日目
(よし、今日は昨日暖かかったのに急に気温が下がった。これは疲れているものには辛いだろう。決行するのは今日しかない! )
「今日は真面目にやってるようね」
「は……はい……バタッ…」
「ちょっと大丈夫?ねえ!起きて!」
(よし…作戦成功…ちょっと罪悪感あるけど…)
「じゃあいくわよ!1、2の3! 」
(咲夜さんの胸…意外と柔らかい…)
そして美鈴は、咲夜の部屋のベッドに寝かされていた…
しばらくすると、咲夜が部屋に入ってきた。
「本当にごめんなさいね…私がしっかり考えてなかったから…」
(結構事態深刻になってる…)
「べっ、別にアナタのことが好きなわけじゃないんだけど、あなたにはいつも元気である姿を私に見せて欲しい。そんなふうになっている美鈴は嫌いなの。そんな私がこんなふうにしちゃって…」
(こっ、これはまずい。早く本当のことを言わないと。)
「実は今日倒れたのは嘘なんですよ。また居眠りしようと思って…そんなに心配しないでくださいよ」
「なんですって!自分がこれだけ心配していたのに!美鈴のバカっ…バカっ…もう知らないっ!」
(どうしたらいいんだ…)
このとき、なんとなく美鈴も同じような気持ちを感じていた。しかも自分はこんなことで、咲夜を傷つけてしまったのである。やっぱり咲夜さんはいつもしっかりとしていて欲しい。あんな咲夜さんの表情は見たくない。
今美鈴には、今まで感じたこともない気持ちが沸き上がっていた、何とも言えない、モヤモヤとした気持ち。これが恋心というものなのであろうか。
美鈴はなにか分からない力に引き寄せられるように、咲夜のもとへと向かって行った。
「本当に今日はすいませんでした!もし良かったら今度一緒に出かけませんか?良いところがあるんですよ」
「そんなすぐに明るくなれるなんて、本当に美鈴は脳天気ね。全くもう…少しぐらいなら、付いていったっていいのよ」
(良かった…機嫌は直ったみたいだ…)
美鈴は次の日から真面目に働くようになった、しかし三日もたつと、また居眠りをしだすようになった。
「こらっ!又寝るんじゃないの!しっかり起きて、門番の仕事をしっかりとしなさいっ!もうっ! 」
「はい!今度からは気をつけますっ!」
「言葉だけじゃなくてちゃんと行動に移すのよ」
明日は二人で出かける日である。美鈴はどんなことが起こるか、ちょっとだけわくわくしていた。
おわり
***
一日目
まず一つ目は、一度寝ているように見せて、実は寝ていないという方法である。こうすれば一回は発覚する。しかしそれ以降、もしメイド長がその状況を見かけたとしても「彼女は寝ていないのかもしれない」と声を掛けるのをためらい、恒久的な安眠を手に入れられる可能性は高い。
早速実行に移してみた。
AM9:00 作戦開始
「よし!これなら成功するに違いない……」
AM9:15 メイド長に発見される
「もう美鈴!何寝ているんですか!あなたがしっかり見張ってないと、もし侵入者が入ってきたら妖精メイド立ちが大変な事になるんですよ! 」
「何言ってるんですか、私はちゃんと起きてここを見張ってますよ。寝ているように見えたのは咲夜さんの勘違いじゃないですか? 」
「ああそう、また居眠りしないようにね」
(やった!これで安心して眠れる! )
その後、うまく行ったか不安な美鈴は何度か同じような行動をとったが、咲夜は何の反応を示さず、完全に安心しきった美鈴はそのまま眠っていた。
AM11:50 ナイフ、刺さる。
<< WARNING! KNIFE! KNIFE! >>
(はっ!まずいっ!グレイズ!グレイズ!あーっ!)
「やっぱり、あなた寝てたわね。」
「いや何言ってるんですか!私はしっかりと門の警備をしていましたよ! 」
「嘘つかないで、今さっきそこを魔理沙が突破して行ったのに、あなた何も行動を起こしてないじゃない。パチュリー様もカンカンに怒るでしょうね」
「いや実はですね、動こうとしたんですよ。でもあまりにもスピードが早すぎて事態を把握するのに非常に時間がかかったんですね。で今行動しようとした矢先に咲夜さんが……」
(ピチューン)
「やはりこうなるのか~」
***
二日目
これでも諦めきれない美鈴は、次の作戦を実行に移した。
その作戦は、メイド長の監視に来る時間を記憶し、その間の時間眠るという作戦である。これなら前回のような不測の事態は起こりえないし、今日計測のために真面目に働くことで、昨日の一件で警戒しているメイド長を安心させることもできる。
そして美鈴は一日しっかり働き、メイド長が見回りにくる時間を完璧に把握した。
三日目
AM10:00
(これであと三時間は見回りに来ない…完璧だ、今度こそ私の勝ちだ…)
しかし現実は美鈴にあまりにも厳しかった。
<< WARNING! KNIFE! KNIFE! >>
「また寝てるんですか、本当に懲りませんね。こんな状況ではあなたに安心して門番を任せられませんね」
「なんでこんな時間に見回りに来るのですか!昨日はこんな時間に見回りに来なかったじゃないですか」
「あなたがそんなふうに安心しないように、毎日見に来る時間を変えているのよ。もうこれで懲りたでしょ、今後こんなことはしないようにね」
(やはり駄目なのか……)
その後仕事を終えた美鈴は、二度の失態を詫びるため、パチュリーに反省文を書くように命じられた。そして夕食時、皆の前で反省文を朗読した。
「この度は、二度の失態を犯してしまい大変申し訳ありませんでした。
この程度のメイド長の見回りなら大丈夫という私の安易な考えが、あなたを傷つけてしまった事を深く謝罪したいと思います。
事の発端は、門の警備をしている際、『春の陽気は暖かいな~眠くなってきちゃった』と思ってしまった事に始まりがあるのです。
そもそも春の陽気からくる眠気というのはというのは、誰も勝てないものでございまして、春の陽気が来たと思ったら「あ~気持ちイイ~寝ちゃいそう~」が何度も押し寄せてきてしまいまして、仕事の終わりまで待てなくなってしまい、居眠りをする事になってしまいました。
さらに警備中、メイド長は私が寝ているのをいちどきがつかなかったので私の中に「意外と簡単かも」とか「なんだこの程度か!」という思いがよぎり、2度目の居眠りをしてしまうという形になってしまいました。
今回、私的には、「このメイド長でもやはりバレてしまうんだな」という事が分かった事は大きな勉強となりました」
(ピチューン)
***
四日目
二度の失敗を犯し、しかもみんなの前で反省文を朗読させられるという辱めを受けた美鈴は考えた。
一人で考えるのがいけないのである。
他人から意見を聞くということは非常にいいことだ。
というわけで美鈴は、自分と同じような境遇にいる小町に、アドバイスを貰うことにした。
「珍しいねえーあんたがこんなところに来るなんて」
「実はですね、折り入って相談があって、かくかくしかじか…と言うわけで、どうにか安全に居眠り出来る方法を一緒に考えて欲しいのです」
「あんたもうるさい上司に悩まされてるんだねえ。あたいはもう諦らめてるよ。変に頭を使うより、仕事していた方が楽だって事に気づいたからね」
「そんなこと言わないで、なにか考えてくださいよー」
「そうだ!わざと倒れてみるってのはどうかな?きっと心配して、その後の仕事の時間が減るかもよ~」
それだ!と美鈴は思った。それなら寝る時間が増える!少しの良心の呵責があるが、明日やってみることにした。
***
四日目
(よし、今日は昨日暖かかったのに急に気温が下がった。これは疲れているものには辛いだろう。決行するのは今日しかない! )
「今日は真面目にやってるようね」
「は……はい……バタッ…」
「ちょっと大丈夫?ねえ!起きて!」
(よし…作戦成功…ちょっと罪悪感あるけど…)
「じゃあいくわよ!1、2の3! 」
(咲夜さんの胸…意外と柔らかい…)
そして美鈴は、咲夜の部屋のベッドに寝かされていた…
しばらくすると、咲夜が部屋に入ってきた。
「本当にごめんなさいね…私がしっかり考えてなかったから…」
(結構事態深刻になってる…)
「べっ、別にアナタのことが好きなわけじゃないんだけど、あなたにはいつも元気である姿を私に見せて欲しい。そんなふうになっている美鈴は嫌いなの。そんな私がこんなふうにしちゃって…」
(こっ、これはまずい。早く本当のことを言わないと。)
「実は今日倒れたのは嘘なんですよ。また居眠りしようと思って…そんなに心配しないでくださいよ」
「なんですって!自分がこれだけ心配していたのに!美鈴のバカっ…バカっ…もう知らないっ!」
(どうしたらいいんだ…)
このとき、なんとなく美鈴も同じような気持ちを感じていた。しかも自分はこんなことで、咲夜を傷つけてしまったのである。やっぱり咲夜さんはいつもしっかりとしていて欲しい。あんな咲夜さんの表情は見たくない。
今美鈴には、今まで感じたこともない気持ちが沸き上がっていた、何とも言えない、モヤモヤとした気持ち。これが恋心というものなのであろうか。
美鈴はなにか分からない力に引き寄せられるように、咲夜のもとへと向かって行った。
「本当に今日はすいませんでした!もし良かったら今度一緒に出かけませんか?良いところがあるんですよ」
「そんなすぐに明るくなれるなんて、本当に美鈴は脳天気ね。全くもう…少しぐらいなら、付いていったっていいのよ」
(良かった…機嫌は直ったみたいだ…)
美鈴は次の日から真面目に働くようになった、しかし三日もたつと、また居眠りをしだすようになった。
「こらっ!又寝るんじゃないの!しっかり起きて、門番の仕事をしっかりとしなさいっ!もうっ! 」
「はい!今度からは気をつけますっ!」
「言葉だけじゃなくてちゃんと行動に移すのよ」
明日は二人で出かける日である。美鈴はどんなことが起こるか、ちょっとだけわくわくしていた。
おわり
ツンデレ咲夜、素敵だなー。
なんにせよ、美鈴が愛されてて嬉しい。
この美鈴は色々とダメだww