Coolier - 新生・東方創想話

野球しようよ! SeasonⅤ

2010/04/08 20:49:35
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昨日の予想外の雨も朝方には上がり、この日の幻想郷は空一面に清々しい秋晴れが広がっている。
そんな青空の下を、目にも止まらぬ速さで駆け回る影が二つ。

「号外! ごうがーい!」

「ごっ、ごっ号外っ、ですよーっ……!」

そう、彼女達は新聞屋。昨日仕入れた極上のネタを各地に届けるために、こうして幻想郷を飛び回っているのである。

「椛、そっちは終わった?」
「はっ、はいっ、なんとか……っ!」
「だらしないですねえ、この程度で息を切らすなんて」
「はっ、はっ、あ、文様がっ、異常、なんですよっ……!」
「異常とは失礼な。私は単に張り切ってるだけですよ。こんな十年に一度の大スクープを独占できるんですからね!」
「はっ……たっ、確かに、凄いネタ、ですけどねっ……」
「そういう事。さ、分かったら次行きますよ!」
「あっ、まっ、待って……すっ、少し、やっ休ませて……」
「もう、しょうがないなあ。十秒だけですよ? じゃ!」

かれこれ一時間以上も凄まじい速さで動き続けているというのに、彼女――射命丸文はなおも疲れを見せずに空を駆けていく。
それ程までに、今回のネタは彼女にとって心踊るものなのだ。

「ふぅ、ふぅ……」

そして、そんな彼女の相方の犬走椛は、軽い気持ちで普段はやらない配達を手伝ってしまった事を今になって後悔していた。
幻想郷最速とも言われる文の、しかもやる気満々の配達――それに付いて行くというのは、妖怪の山の大瀑布を泳いで登るのに等しい程の苛酷さである。
ただ、稀に見る輝いた顔の文を見ていると、後悔しつつも少し嬉しかったりする椛。
たまには頑張るか、などと自分を鼓舞して、彼女も再び配達に戻って行くのだった。

「号外! ごうがーい!」

「号外ですよーっ!」

朝の日差しが心地いい幻想郷の、北は北の果てまで、南は南の果てまで、一軒の家も見落とす事なく彼女達は飛び回る。
そんな具合で湯水のように配られていく新聞――その一面には、太く大きな文字でこう書かれていた。



『近日開催決定! 幻想郷野球フレンドリーマッチ!』




















 野球しようよ! SeasonⅤ




















こちらは竹林の外れにひっそりと建つ藤原邸。昨日の雨によって帰れなくなったフランドール達が宿泊していた場所である。
その藤原邸の庭先、いち早く目を覚ました妹紅と慧音が、グラブを嵌めて立っている。
昨日フランドールチームへの加入が決まった妹紅が、久し振りだから、と慧音をキャッチボールに誘ったのだ。
水はけのいい庭の土のおかげで泥濘は殆どなく、さんさんと降り注ぐ陽気のおかげもあってキャッチボールをするには絶好の朝である。

「んん、こりゃいい天気だ」
「うん。それより悪かったな、私まで泊めてもらって」
「なんのなんの。逆にお前さんが、帰る、とか言いだしたら無理矢理にでも止めるつもりだったよ」
「ん? どうしてだ?」
「敵の一派に吸血鬼の嬢ちゃん達……とてもじゃないが一人じゃ安眠なんて出来やしない」
「はははは、私は安眠枕か。……っと」
「お、悪い悪い」

雑談を交しながら、二人はゆったりとしたペースでボールを投げ合う。
久し振りという言葉どおりか少し荒れ球の妹紅と、綺麗なフォームに正確なコントロールの慧音。しかし二人のリズムは良く、互いの「スパン」という小気味いい捕球音が心地よく響き渡っている。
と、そんな折――



「ごっ……号外ですよー……!」



何だか頼りない声が、上空から聞こえてきた。
不審に思い攻撃態勢を取る妹紅と慧音。しかし声の主を発見すると、すぐに構えを解く。

「んだよ、ブン屋の天狗か。にしても、こんな奥地まで来るなんて珍しい」
「ふむ。しかし、疲労困憊のようだが」

やがて、新聞を背中の笈に積んだ天狗――椛は、ふらふらと二人の前に降り立ち、力なく新聞を差し出した。

「号外……っ、です……!」
「おー、ご苦労さん。水でも飲んでくか?」
「くっ、下さい……!」
「私が持ってこよう」
「お、悪いな」
「はっ……はっ……ありがとう、ございます……っ」

椛がその場にへたり込み、慧音が家の中へ水を取りにいく中、妹紅は手渡された新聞をちらと眺めてみた。
その一面記事には、太く大きな文字で一文が記されている。

「……へえ。近日開催、野球フレンドリーマッチ、か。こんなにでかい話だったとはねえ」

派手な記事を見ながら妹紅は苦笑する。昨日さらっと受けた話がここまで大きな物だとは、流石に思っていなかったのである。
並行して載せられている巨大なドーム球場の写真を見ても、このイベントがいかに大々的な物かが一目で分かる。

「待たせた。さ、これを」
「はっ……ありがとうございますっ! ぴちゃぴちゃ……」
「なんか犬っぽい水の飲み方だな」
「ぴちゃ……白狼ですっ! ぴちゃぴちゃ……」
「ははは、どっちも変わんないよ。それより慧音、これ見てみ」
「ん? これは……」

水を飲むのに夢中の椛を横目に、妹紅は手に持った新聞を慧音に見せた。

「へえ、凄いな。これはキングドームじゃないか」
「キングドーム?」
「ああ。外の世界のベースボールチーム、シアトルマリナーズがホームスタジアムとして使っていたボールパークさ。その歴史は西暦1972年の起工から始まり……」
「あー、了解了解。難しい話は私にゃ分からん。ようは超一流の球場だ、って話だろ?」
「超一流も超一流さ。しかし……ここは2000年の3月に爆破解体されたはずだ。なぜそれがこうして……」
「ああ、それは八雲さんが用意した物だそうですよ」

首を傾げていた慧音に、水を飲んで復活した椛が説明を入れる。
記事を書いているときの文の独り言を否応なしに聞かされたため、大概の情報は知っているのである。

「成る程、確かに八雲紫なら出来なくもなさそうだな」
「でも、すごいですよね。こんな大きな建物、私初めて見ますよ。まあ、写真ですが」
「そうだな。何しろ六万人弱の収容力を誇る球場だからな」
「はー、六万。想像出来ないねえ」

呆れたように肩を竦める妹紅。しかし、それも当然の反応だ。
百人ですら大集団のこの幻想郷に於いて、六万である。そこまで行くと、もうこれは夢物語に等しい数字といえよう。

「何にしても、これは気を引き締めないといけなさそうだな、妹紅」
「まあね。てか、あんたも出ればいいのに」
「いや、私は子供達と応援に回るよ。そういう役柄も必要だろう?」
「そうかねえ。ま、取り敢えず続きやるか」
「ああ」
「あ、じゃあ私はここで失礼します。もう一件回らないといけないので」
「ん? もう一件、ていうと、永遠亭か?」
「あ、はい」
「だったら行く必要ないよ。あそこの馬鹿当主は今そこで寝てるから」

妹紅はそう言って自分の家を指差す。

「ああ、丁度いい。渡すついでに薄ら長い黒髪の馬鹿を叩き起こしといてくれ。そんでもって、とっとと帰れ、ってな」
「え? あ、分かりました。じゃあお邪魔させて頂きます」

妹紅に向かってぺこりと一礼し、椛は藤原邸に入って行った。
それを見届けて再びキャッチボールを再開する妹紅と慧音だったが、しばらくして聞こえてきた輝夜の悲鳴に揃って動きを止めて、顔を見合わせる。

「今のは……」
「輝夜の?」

そう、その悲鳴の原因は、椛が文字通り「叩き起こした」為だった。犬走椛――彼女はどこまでも素直で誠実ないい子なのである。
その後、叩き起こされた輝夜と、それを知って爆笑していた妹紅が喧嘩を始め掛けたが、それぞれ永琳、慧音の両名によって治められ、結局椛を含めた全員での食事となるのだった。










 ◆










雨上がりの白玉楼の庭は、水に濡れた数多くの草花が陽光を反射し、大変美しい風景を造り出す。
優秀な庭師が毎日せっせと働いている成果もあって、この日の四百由旬の庭も例に漏れず見事な景色である。
そんな風流のある風景の中を、元気よくランニングする妖怪が二人。
胸元にある第三の目、一人は開いたそれを、もう一人は薄く閉じたそれを揺らしながら、まだ少し水を含んだ土を踏みならすように、軽快に駆け抜けていく。

「いーっちにー、いっちに!」
「そーれ!」
「いっちにーさんしっ!」
「にーにっさんしっ!」

掛け声のリズムもぴったり合い、なによりも楽しげである。
また、結構なハイペースで走っているにも関わらず、二人の息は殆ど乱れていない。

「いーっちにー、いっちに!」
「そーれ!」
「いっちにーさんしっ!」
「にーにっさんしっ!」

景色は少しずつ移り変り、やがて白玉楼の屋敷がうっすらとその姿を現した。
ここら辺りには優秀な庭師が暇潰しに造り上げた数々のトピアリーが立ち並んでおり、二人の仲良し姉妹を出迎える。
犬、猫、鹿、象、キリン、麒麟、カイザードラゴン、マッスルポーズの筋肉男など様々な動物を型取られたトピアリー。中でも筋肉男は、雨に濡れた姿がまるで滴る汗のようで、改めて庭師の優秀さを物語る出来栄えだ。

「さあ、ラストスパートよ!」
「オッケー! じゃあ……」
「用意……」

「「ドンッ!」」

ここに来て二人は更にペースを上げる。ランニングの締めの競争である。
ここまで長い距離を走ってきた事を感じさせない力強いダッシュで、屋敷に向かって颯爽と駆けていく。





「DOPE! CRAZY! BLAST!」
「ふッ! ふッ! ふッ!」
「ALRIGHT! SWEET! SSHOWTIME!」
「ふッ! ふッ! ふッ!」

一方こちらは白玉楼の屋敷前。本日も主従揃っての素振りが行われている。
相変わらずの珍妙な幽々子の掛け声だが、昨日あった違和感が綺麗さっぱりなくなっている事に妖夢は気付いていた。
その事に嬉しさを感じ、自然と自らのスイングも鋭さが増す。

「SSSTYLISH! SSSTYLISH! SSSTYLISH!」
「ふッ! ふッ! ふッ!」
「SSSTYLISH! SSSTYLISH! SSSTYLISH!」
「(ループ……?)ふッ……! ふッ! ふッ!」
「ふぅ、いい感じだわ。少し休憩を入れましょうか」
「畏まりィ」
「でも貴女、ラス3で僅かに集中が乱れたわね。まだまだ修業が足りないわよ?」
「――! っし、追加三本ッ! ふッ! ふッ! ふッ!」
「うふふ、中々いいスイングになってきたわね」

幽々子もまた、そんなひた向きな妖夢を見て表情を綻ばせる。慈愛に溢れたその顔は、「上様」というよりも「お母さん」である。
と、そんな微笑ましい光景が広げられている中、こちらに向かって駈けてくる影が三つ。

「あ、二人共戻ってきましたね。……あれ?」
「あらあら、いつの間にお客さんを迎えたのかしらね」

早朝にランニングへと出ていったさとり、同じくこいし、そしてもう一人は――



「さ、後少しですよッ! ファイトファイト!」



幻想郷伝統のブン屋、射命丸文。
背中に新聞が入れられているであろう笈を背負って、姉妹と並走しながら檄を飛ばしている。
ただ、さり気なくパシャパシャと写真を撮ったりしているからか、姉妹は何だか迷惑そうである。

「ふふ、お客というより、招かれざる客、という感じね」
「確かに。でも、相変わらず器用ですねえ。かなり速く走ってるのに、カメラは全然ブレてませんよ」
「そうね。……さて、それじゃあこっちも出迎える準備をしなくちゃ」
「準備というと……って、何やってるんですか!?」

いきなり帯紐を解き、その片側を妖夢に渡す幽々子。どうやらゴールテープ代わりにするつもりのようだ。

「中々いい趣向でしょう? ほら早く、もたもたしてると来ちゃうわ」

そう言って楽しそうに幽々子は笑う。
着物がはだけないかを気に掛けつつも、妖夢はそれを受け取って横に広がった。
そして……



「「「ぐえ!!?」」」


ゴールイン。
しかし帯はゴールテープと違って頑丈である。
加えて、幽々子達はそれを強く握っていたため、跳ね返される形で二人はどてっと尻餅を付いたのだった。
因みに文は帯を軸に一回転。しかし華麗な着地を決めていたりする。

「いたたた……」
「あらあら、大丈夫?」
「もう! 分かっててやったでしょ!?」
「誤解よ誤解。妖夢がどうしてもって言うから……」
「なっ!? ち、違いますよ!」

そんな中、さとりの第三の目がじろりと光る。

「――こんなに上手くいくなんて、大成功だわ――かしら?」
「あらやだ、用事を思い出したわ。それじゃ、ごきげんよう」
「こらー!」

おっとりとした口調からは想像も付かない俊敏な動きで、颯爽と屋敷の中へ消えていく幽々子。また、こいしも全力疾走の後とは思えない元気さでそれを追っていった。
半ば呆れ顔でそれを見届けた妖夢は、土を払っているさとりに頭を下げる。

「申し訳ない。ほとほと困った主ゆえ」
「ふふ、構いませんよ。こいしがあんなに明るくなれたのも、あの方と貴女のおかげですから」
「え、いやいや、私達は別に大した事はしてませんよ」
「こいしから聞きました。野球がしたい、という唐突な話を、貴女方が快く受けて下さった、と。改めてお礼を言います。ありがとうございました」
「い、いやあそんな……。単に私達も野球がしたかっただけですから。……ん?」

「ふむ、それで?」

「「………」」

メモ帳を構え、鋭い眼を光らせながら、文が話の続きを催促する。
その姿は、獲物を前にした猛禽類に似ていた。

「――ホラ! 早く言っちゃいなよ! 減るもんじゃないんだしさ! ホラホラ――ですか。申し訳ないけれど、これ以上新聞の記事になるような話題は持ち合わせていませんよ?」
「おっとっと、失礼失礼! 職業病というやつなのでご勘弁を!」
「それはそうと、こんなに早い時間に何か御用で?」
「おっ、いい事を聞いてくれましたね妖夢さん! 昨日紫さんに伺った事を早速書かせて頂いたので、いの一番にここへお届けに来たわけですよ! さ、どうぞ!」

そう言ってにかっと笑うと、文は笈から二部の新聞を取り出して二人に渡した。
因みに、いの一番どころかここへの配達が最後だったりするのだが、そんなことを二人が知る由もないため、特に何の不思議(というより関心)も持たずに渡された新聞を眺める。

「……へえ、これは凄い」
「でかでかと載せましたねえ、キングドーム」

記事で目を引くのはやはりキングドームの写真。その存在感は群を抜いている。

「……? この『アルティメットブラッディローズ』というのは……」
「あー……とうとう正式名になっちゃったのか……。ダッサいですけど、うちのチーム名です。それ」
「……素敵……」
「はい?」
「素敵な名前じゃないですか! かっこよくて、勇ましくて!」
「……!」

妖夢は思った。ああ、この人もそっちのグループなのか……と。
その事に少々落胆しつつ、妖夢は再び新聞に目を落とす。

「ん? 何だこれ?」
「ああ、それは紫さんに頼まれて書いた文章ですよ。あれ? 聞かされてませんでした?」
「いや、初耳……。何々、只今アルティメットブラッディローズ九人目のメンバー(ライト)を募集中……本日午前、白玉楼にてテストを行いますので、参加希望者は――」





「「「「たのもーっ!!」」」」
「た、たのもー……」





「………」

妖夢は思った。はは、また私の知らないところで話が勝手に進んでるよ……と。










 ◆










楽しくも殺伐とした朝食を済ませたフランドール達は、メンバーを召集して全体練習を行うべく藤原邸を後にした。
昨日加入した妹紅と鈴仙は勿論、寺子屋が休みということで臨時コーチを買って出た慧音、取材を申し出てフランドールに快諾された椛、更に――

「ちっ、永琳はいいとして、なんでお前も来んだよ……」
「何度も言わせないで。暇だからよ」
「帰れェェェェェェェェェェェェ!!」
「あら、貴女にそんな権利はないでしょう?」

鈴仙の様子が見たいと言う永琳、暇だからと言う輝夜――ようは藤原邸にいた全員を引き連れての出発となった。

「ねえねえ! なんでウドンゲインはウドンゲインって呼ばれるの嫌がるの?」
「師匠が付けてくれた名前なの。だから、師匠専用。フランも鈴仙の方の名前で呼んでよ」
「えー、いいじゃん! ウドンゲインて、何か響きがかっこいいしさ!」
「そ、そう?(かっこいいなんて言われたの、初めてかも)」
「そうだよ、ウドンゲイン!」

占めて八人という大人数での移動に、フランドールは早くも興奮気味のよう。鈴仙と面白おかしく会話を交わしながら、落ち着きなく飛び回っている。
因みに、流石にこの人数の前でおぶわれるのは恥ずかしいのか、パチュリーは単独飛行である。

「ふう……」
「辛そうだけど、平気?」
「ええ、このくらいの飛行ならね」

久々の自力飛行な上に結構なハイペースでの飛行のため少々疲弊気味のパチュリーを、永琳が優しく気遣っている。
流石は医に携わっているだけあって、体のみならず心のケアも心得ているようだ。

「それはそうと永琳さん、見たところ永遠亭の運営をしているのは貴女とうどん……いえ、鈴仙と見るけど、ほったらかしにしていて大丈夫なの?」
「永琳でいいわ、パチュリーさん。それと、永遠亭に関してはてゐという優秀な因幡がいるから問題ないわ。貴女も図書館の方は大丈夫?」
「図書館には優秀な司書がいるから。それと、パチュリーでいいわ。永琳」
「了解。パチュリー」

七曜の魔女と月の頭脳――幻想郷屈指の知識人同士、二人は気が合う様子。
また、その少し後ろを飛ぶ慧音と椛も、将棋の話で盛り上がっている。どうやら目隠し将棋をしているらしいが、椛の余裕のない表情を見るに慧音はかなりの実力者である模様である。

そうして四者四様の会話をしながら飛ぶうちに、やがて一行は広大な竹林を抜け、最初の目的地がその姿を現した。

「わあ、綺麗!」

そこは『太陽の畑』と呼ばれる一帯。一面に向日葵の花が咲き乱れるフラワーパークである。
そしてこの畑の中心部にて、向日葵が描かれた派手な日傘を差した人物が花に水をやっている。

「おーーーい幽香ーーー!」

「……フン、随分ワラワラと連れて来たわね」

その人物は、フランドールチームのセンター、風見幽香。
相変わらずの突き刺すような笑顔で、降り立とうとするフランドール達に目を向ける。

「おはよう幽香!」
「おはよう。メンバーが揃ったの? ……ああ、花を一本でも踏んだら殺すから、気を付けることね」
「心配しないで! こんな綺麗なお花、踏むわけないよ!」
「……!」

フランドールの綺麗すぎる言葉に少し戸惑う幽香だったが、気を取り直してここまでの詳しい状況をパチュリーに聞いた。





 説明中……





「――という按配よ」
「ふうん。こちらの方々はメンバーじゃない、という事」
「ええ、新しく入ったのはこっちの二人」
「……そこの人はかなりの実力者と見るけど。今すぐ勝負したいくらいの、ね」

笑顔のまま、幽香は永琳に対して鋭い視線を向ける。どうやら永琳の力量を『闘うに値する』と見たようだ。

「まあまあ。何にしても、一旦練習場所に行きましょう。勝負をするにしても、環境が整っていた方がいいでしょう?」

しかし、そこは知識人のパチュリー。こういう展開になる事も予想済みで、狼狽える事なく話す。
因みに永琳はそんなパチュリーの考えを見抜いていたのか、幽香の視線にも眉一つ動かさず、表情は優しい笑顔のままだ。

「どうかしら?」
「フン……まあ、それでいいわ。行くならさっさと案内して頂戴」

そう言って悪戯っぽく笑うと、幽香は花柄の道具袋を肩に掛けてふわりと浮き上がった。
何だかんだ言って、久し振りの野球を楽しみにしていたのである。

「よーし、それじゃあ出発ー!」

幽香を加えて九人になったフランドール一行の次の目的地は、魔理沙とアリスの待つ魔法の森。
野を越え川を越え、いつもは絡んでくる悪戯妖精が身振り構わず逃げていったりで、晴れ渡る幻想郷を横断していく。

「全速前進ー!」

「………」

嬉しさを一切隠そうとせずに先頭を飛んでいくフランドールを、パチュリーはじっと見つめていた。
見ている方まで嬉しくさせるような笑顔、しかし、パチュリーの顔には僅かに杞憂ともとれる表情が浮かんでいる。
元々表情を崩さない彼女の、しかも極々些細な変化。気付いたのは、平行して飛ぶ永琳のみだった。

「どうしたの?」
「……いえ、大した事じゃないわ」

掛けられた言葉に反応するかのように、表情は元に戻っていた。










 ◆










只今アルティメットブラッディローズ九人目のメンバー(ライト)を募集中。
本日午前、白玉楼にてテストを実施するので、希望者はお集まり下さい。
なお、グラブ等はこちらで用意致します。

――これが新聞に小さく記されていた一文である。

「「「「たのもーっ!!」」」」
「に、二回言うことじゃないよ、みんな……」

そして、ここにいるやたらと声のでかい面々は、どうやらその記事を見てやってきたらしい。
一人を除く全員が偉そうに腕を組んで更に大股で立っていて、声だけでなく態度もでかい。

「えーと……」

「「「「たのもーっ!!」」」」

「わかったわかった……」
「す、すみません騒がしくしちゃって……」
「あー……はい」

対応する妖夢だが、記事にあったメンバー募集の話は一切知らされていなかった。
昨日加入したばかりの隣にいるさとりは勿論、恐らく幽々子すら知らない事のようである。
先程の文の話だと紫のやった事らしいが、それにしても――

「「「「たのもーっ!!」」」」

「だああっ! 五月蝿いッ!」

――妖精二匹、黒いの、雀、虫。こんなんで大丈夫なのか? と妖夢が思うのも当然の面子なのであった。
と、そんな中、

「……この頭の悪そうな連中は何なの?」
「どれもこれも一度は見た事のある顔触れですね」

朝食後の軽いキャッチボールでも、と考えていた紅魔主従がやってきた。
二人とも怪訝な表情をしているところを見るに、やはりメンバー募集の事は知らなかったようだ。

「おはよう、さとり。貴女の妹が幽々子と騒いでたわよ」
「おはよう。ごめんなさいね、騒がしい妹で」
「ふふ、お互い妹には苦心させられるわね」
「可愛さゆえに、ですね」
「ええ。難儀な事にねえ」

集まった五人を特に気に掛ける様子もなくさとりと談笑するレミリア。我関せずという気丸出しである。
しかし、同じ従者のよしみか、困っている妖夢に咲夜が助け船を出す。

「何となくだけど、状況は把握できたわ。任されようか?」
「お願いできますか?」
「ええ」

ワンダーランド紅魔館の妖精達をたった一人で纏める瀟洒な従者、十六夜咲夜。
こういう場面ではこれ以上ないくらい頼りになる存在に、妖夢は胸を撫で下ろしかけた。

「十秒で終わらせる!」
「!? 何やってんですか咲夜さん!?」

だが次の瞬間、無数のナイフを今にも投げようとする咲夜を止めねばならなくなり、結局妖夢の心が休まる事はなかったのだった。
また、ナイフを構える咲夜の絵になる姿をカメラに収めたりしていた文は何だか満足そうである。

「え? 侵入者を排除してくれ、って事じゃないの?」
「違いますよ!」
「じゃあ、こいつらは何なの?」
「何、って言われると……うーん、なんていうか――」



「――チームメイトになるかもしれない子達よ」



「……! 紫様!」
「……チームメイト?」

と、そこへふらりと現れたのは、記事を書かせた張本人の紫。集まった面々を見渡して、楽しそうに笑っている。

「ちょっと紫……話が見えてこないんだけど」

『チームメイト』というその発言に、先程にも増して怪訝な表情でレミリアが問う。
紫は笑顔のまま文の新聞を渡して、件の箇所を指し示した。

「メンバー募集……? こんな話、私は一言も聞いてないわよ?」
「誰にも言わなかったからね。サプライズ、ってやつよ」
「成る程。でも、こんな烏合の衆じゃ話にならないわね」
「まあまあ。そう判断するのはテストをしてみてからでも遅くないんじゃない?」
「この面子だけで始める気? もう少し待てば少しは骨のある奴も来るかもしれないじゃない」
「この時間に来ることに意味があるのよ。先着順、というやつね」
「先着順、ねえ……」

まだ少し納得がいかなそうだったレミリアは、鋭い眼差しで五人を一瞥した。
強大な力を持つ吸血鬼の視線は、それだけで力の弱い者が昏倒する程の威力を持つ。



「「「「たのもーっ!!」」」」
「よ、よろしくお願いします……!」



しかし、彼女達がそれに怯む事は無かった。
それを跳ね返そうとするかのような声を張り上げ、懍とした表情でどっしり構える。

「……一応やる気だけはあるようね」
「どう?」
「いいわ。貴女の話に乗ってあげる。ただし、私もそのテストに立ち合わせて貰うわよ?」
「ええ。さてと、それじゃあ各自支度をして頂戴。ちょっと早いけど、テストを始めるわ」
「「「「たのもーっ!!」」」」
「が、頑張りますっ……!」





屋敷に駆け込んだ後、プロレスごっこをしてじゃれ合ったこいしと幽々子は、藍と橙を加えて四人で入浴を済ませていた。
疲れを取るはずが、結局風呂の中でもプロレスごっこになったりしたこいしと幽々子。その為、流石の二人も風呂を上がる頃には少々疲弊気味である。

「全く元気な方達だ。運動してきた後とは思えない」
「運動した後じゃなければあと二、三十分はいけたんだけどねえ」
「だね。久し振りの長いランニングだったから、私もちょっと疲れちゃった」
「すごーい……」

言葉を交わしながら着替えを済ませ、四人はコーヒー牛乳を片手に玄関へ向かって歩いていく。
昨日練習後の話で今日は休みということになっているが、四人とも自主トレをする気なのだ。
特に橙は誰よりもやる気をたぎらせている様子。というのも、今日は藍に付いてもらって色々な野球の基礎を教えてもらう事になっているからである。
もっとみんなの力になりたい――代走の為のトレーニングをこなす傍ら、ずっと橙はそう心に秘めてきていた。
そして、そんな橙の思いを感じ取った藍が、それに応えてコーチを買って出たのであった。

「橙、ファイトー!」
「おー!」

「そうだったの。親子でトレーニングとは仲睦まじいこと」
「はは、親子ですか。やっぱりそう見えます?」
「なーに照れてるのよ。本当に貴女は親馬鹿ねえ」
「ッハー! そんなに誉めないで下さいよ幽々子様!」
「ふふ……(紫も何だかんだで苦労してそうね。にしても……)」

歩いていて、屋敷内に全く人気のないことに幽々子は少し違和感を覚えるが、大方皆が皆自主トレをしているんだろうと思い、特に気にすることなく廊下を進んでいく。
そして、玄関を開くと――



「そんなイージーボールも捕れないの!? やる気がないなら今すぐ帰りなさい!」
「ハァハァ、も、もう一本なのかーッ!」



全体練習ですら聞けないような怒号を放ちながら、紫が得体の知れない五人に対して激しいノックを繰り広げていた。
傍らでは、レミリアを始めとするチームのメンバー達が真剣な眼差しでそれを見守っている。

「これ……どういう展開?」
「いや、私にもさっぱり……」
「ゆ、紫様……」

「………」

予想だにしていなかった光景に、三人は戸惑っている。しかし幽々子はすぐに状況を把握した。
そして、紫の普段では見られない鬼の形相に怯える橙に対し、静かに言った。

「橙、上手くなりたい?」

「え……?」










 ◆










 キィン!

「っ!」

 パシッ!

「っしゃあ! 十本ノーエラー!」
「よォーし、やればできるじゃないか! 流石はあたしの弟子だ!」

魔法の森にある秘密の練習場では、この日も朝早くから師弟による練習が行われている。
相変わらず魅魔の放つ打球は凄まじい速さだが、昨日とは違い、打球音と捕球音が少しづつ均等になり始めていた。
そう、それは紛れもなく、魔理沙の上達の足音である。

「さあ、次の十本行くよ! 今のがまぐれじゃないって事を証明して見せな!」
「ッし! 来いッ!」
「一本目ェ! ……ん?」

ふわりと浮かせた球を打ち出そうとした魅魔は、ふと感じた複数の気配に動きを止めた。
距離はかなり離れているものの、その進路は真っ直ぐ魔法の森へと向けられていて、尚且つかなりの高速だ。

「魅魔様?」
「魔理沙、どうやらお迎えが来たみたいよ」
「――! ま、まだ死にたくないぜ……!」
「馬鹿っ面。そっちじゃないよ」
「魅魔様が言うと冗談に聞こえないんだよ……」
「ほら、間の抜けた事言ってないでさっさと家に戻りな。こうして練習してるのを知られたくないんだろ?」
「ああ、それじゃ――」

佇まいを整え、魔理沙は魅魔に正対した。

「ありがとうございましたッ!」

そして大きな声で礼を述べると、箒に跨り颯爽と飛び去っていった。

「頑張りなさい、我が最愛の弟子よ。……って、なーに言ってんだかね私は」

可笑しそうに笑い、茶でもしばきに行くかねえ、などと言いながら魅魔もその場を後にするのだった。





 キン!

 バシッ!

「グラブは立てる! もう一球行くわよっ!」
「ハイッ!」

 キン!

 パシッ!

「よし……っ!」
「それよアリスちゃん! ナイスキャッチ!」

こちらはマーガトロイド邸の庭。
フランドールチームのライトを任されているアリスが、赤いコートを着た白い髪の女性にノックを受けている。

「アリスちゃん、少し休憩を入れる?」
「ううん、平気!」
「……わかったわ! 次行くわよっ!」

 キン!

野球の経験がなく、今回の話もどうせお遊びみたいな物だと思い、話を受けた当初のアリスは適当にやるつもりでいた。
しかし先日、魔理沙の家に仕掛けてあったパチュリー印の盗聴器によって、その考えは覆されることになる。そう、魔理沙は本気だったのである。
そして彼女は決意した。だったら私も力を尽くそう、と。
誘ってくれたフランドール達の期待に応え、そして何よりも魔理沙に認めて貰いたい、――そんなスウィーティーな思いが、彼女を動かす原動力だ。

 バシッ!

「つッ……!」
「あ! 大丈夫!?」
「平気平気! さぁ、もう一本!」
「ア、アリスちゃん……立派に成長して……」
「ちょっ、泣かないでよお母さん……」

そんなアリスのひた向きな姿に、彼女の母であり魔界の創造神である神綺は目頭を熱くさせた。
野球は、人(神)の心を動かすのである。

「ぐす、ごめんなさい……! 次行くわよっ!」
「ハイッ!」

神綺は涙を拭い、再びノックが行われる。
高くなり始めた朝日が心地よく、小鳥の鳴く声が優しく響く中、延々と続けられるノック。
そうして、三十分程経った頃だろうか。



「シャンハーイ!」



玄関の前に座っていた上海人形が可愛らしい声をあげる。
この人形には、パチュリーかフランドールの魔力が近隣に来た時、それに反応する術式が組み込まれている。

「あら?」
「うん、お迎えが来るみたい」
「――! そ、そんな、アリスちゃんまだ若いのに……」
「ああ、違う違う。そっちじゃなくてね」
「うふふ、冗談よ。それより、怪我だけは気を付けてね」
「うん! お母さんありがとう!」

スカートの両端を摘んでお辞儀をすると、アリスは用意してあった道具袋を持って上空へと飛んでいった。

「頑張ってね、私の可愛いアリスちゃん……ぐすっ」

優しく微笑んでアリスを見送った神綺。巣立ちする雛鳥とそれを見届ける親鳥のシチュエーションを何となく想像し、再び目頭を熱くさせるのだった。





昼前の博麗神社。魔理沙のコーチングを終えた魅魔とアリスのコーチングを終えた神綺は、ここに至る道中で出会って昔話などをしながらのんびり飛び、やがて境内へと降り立った。
かつて霊夢にのされた経験のある二人だが、同じようにのされた他の人妖と変わらず怨みやら何やらは一切ない様子。
それどころか教え子の良き友人(決め付けている節もあるが)としてかなり好意的であり、暇になったらこうして暇潰しに来るのだった。

「お?」
「あら?」

神社の裏手から聞こえる、パシッ、という捕球音。
二人が音の方へ回ってみると、

「何だ何だ……幻想郷は野球ブーム到来かい」

霊夢と萃香の二人が、庭でキャッチボールをしているのだった。

「あら、お早よう。二人一緒なんて珍しいわね」
「お早ようさん。キャッチボールなんて光景の方が、あたしゃ珍しいと思うがね」
「ははっ! みーちゃんも交じりたいんだろ?」
「コラ萃香、その呼び方やめろって前から言ってんでしょ。それにあたしらはもうやってきたからいい」
「やってきた?」
「そう。弟子やら娘やらに乞われて、ね」
「あらあら、魔理沙ちゃんに口止めされてたんじゃないの?」
「ありゃ。固有名詞出しちゃったよこの魔界神は」

てへ、などと舌を出して苦笑しながら自分の頭に軽く拳骨を食らわせる魔界神。
歳を考えろ、と言いたくなる魅魔だったが、難儀なことに外見と見事なまでにマッチしているため、やれやれ、などと言いながら肩を竦ませるにとどめた。
そんなコントまがいの事をしている二人に、ボールを放りつつ霊夢が質問を投げ掛ける。

「……ていうかあんた達、野球経験なんてあったの? 全く初耳なんだけど」
「ああ、あるよ。ちょいと昔の話だけどねえ」
「霊夢ちゃんがまだオギャーと産まれる前よ」

わざわざ擬音とジェスチャーを交える魔界神。特に突っ込むことなく、霊夢は会話を続ける。

「ふうん。だったらあんた達もやればいいじゃない。もしその気なら、私が格安で仲介してあげなくもないわよ」
「はは、相変わらずがめついねえ。悪くない話だけど、あたしらはもう引退した身だ。今更現役に復帰する気はないよ」
「そうね。それに、コーチっていうのもなかなか面白いものよ? だってアリスちゃん、どんどん上達するんだもの!」
「あーあー、まーた固有名詞出しちゃって」
「はっはっはっは! しーちゃんに秘め事は教えられないねえ!」

その後、何の拍子にそうなったのか、数々の暴露話(主にアリスと従者の)を一切の悪意なしに繰り広げ始める神綺。中には「何でそこまで知っている?」と言いたくなるような物も含まれており、聞く側の三人は笑ってはいるものの段々と恐怖感を隠せなくなってくる。流石、魔界神はそんじょそこらの神とは格が違うのである。
晴れ渡った空の下の博麗神社、心地よく響く捕球音と、おぞましい暴露話。暫くそんな時間が続く中、何かに気付いた魅魔が南の空を見上げた。

「ん? どしたい?」
「ふむ……。へえ、こりゃ面白い」
「?」
「それでね、あの子ったら可愛いのよ? 私がプレゼントしたチュパカブラの模型を……」
「ハイハイ、おぞましい話はそこまで。そろそろあたしらはおいとましようじゃないか」
「あらあら、急にどうしたの?」
「向こうの方角に意識を集中させてみな。何か感じないかい?」

魅魔は南の方角を親指で指し示し、言われるがままに神綺はそちらに意識を向けてみた。
神社に向かってくるいくつもの躍動的な気配。そしてその中には、最愛の娘のものもはっきりと感じ取れる。

「てなわけさ。さ、行くよ」
「ええ。でも、アリスちゃんにもう一目だけ……」
「相変わらず親馬鹿だねえ。その気持ちは次に会う時まで取っときな。……さて」

コートの襟を軽く直し、魅魔は名残惜しそうな神綺と共にふわりと浮き上がった。

「それじゃあね。霊夢、萃香。魔理沙によろしく言っといてくれ」
「アリスちゃんにもねー」
「ああ! また来なよー!」
「なんであんたが家主みたいに言ってんのよ。まあ取り敢えず、適当に伝えとくわ」

霊夢達に手を振り、二人は相変わらずのんびりした動きで博麗神社を後にした。目的地は特になく、晴天の幻想郷を彷徨うように飛行していく。
そして、二人が神社から離れて一分程経った頃だった。

「……ふふ、アリスちゃんも魔理沙ちゃんも、ホントに嬉しそう」
「はは、みたいだねえ」

その場にいなくても感じる、愛する者達の笑顔――自分達まで嬉しくなり、二人は優しい顔で笑い合うのだった。










「こ……これは……!」

「おーい早苗ー。庭の掃除終わったらロクヨンのマリカー……って、どうしたのさ?」

「あ、諏訪子様! これ見てください! これ!」

「ん? 天狗んとこの新聞じゃん。どれどれ……幻想郷、野球フレンドリーマッチ? へえ、こっちにも野球の文化があったんだねえ」

「いやいや、問題はそこじゃありませんよ!」

「問題? 問題って何さ? ……ああ、野球見るならホークスじゃなきゃ嫌だ、って事か。好きだもんねえ、あぶさん」

「いやいや、そういうことじゃなくて!」

「じゃあ、どういう事?」





「私達も出ましょうよ!」

























 ■暫定メンバー



 《アルティメットブラッディローズ(こいしチーム)》

 投手:古明地 こいし(左投左打)
 捕手:古明地 さとり(右投左打)
 一塁手:八雲 紫(右投両打)
 二塁手:十六夜 咲夜(右投右打)
 三塁手:レミリア・スカーレット(右投右打)
 遊撃手:西行寺 幽々子(右投右打)
 右翼手:
 中堅手:魂魄 妖夢(左投左打)
 左翼手:八雲 藍(右投両打)

 代走要員:橙(右投右打)

 《フランドールチーム》

 投手:フランドール・スカーレット(右投右打)
 捕手:パチュリー・ノーレッジ(右投右打)
 一塁手:伊吹 萃香(右投右打)
 二塁手:紅 美鈴(右投右打)
 三塁手:霧雨 魔理沙(右投右打)
 遊撃手:鈴仙・優曇華院・イナバ(右投左打)
 右翼手:アリス・マーガトロイド(左投左打)
 中堅手:風見 幽香(右投左打)
 左翼手:藤原 妹紅(右投右打)

 マネージャー:博麗 霊夢(右投右打)
 臨時コーチ:上白沢 慧音(右投両打)
 見物人:蓬莱山 輝夜(右投右打)
 見物人2:八意 永琳(右投両打)










 続く
ここまで読んで頂き、ありがとうございました。投稿第八作目、『野球しようよ!』の第五話です。
ついに出してしまった風神組。まあ、出す予定でしたが。因みに地霊組も出す予定だったりします。キャラは総勢何人になるんだ……?
……とまあ、けっこう無計画にキャラが出てきますが、構想自体は概ね固まっているので、極端に投稿が遅れる事はない……と思います。そして、次回はようやく試合形式の内容が多いものになると思いますので、どうぞご期待ください^^
最後に、この作品を読んで少しでも楽しかったと思って頂けたなら嬉しい限りです。
機会があったらまた会いましょう。では……
和坊
[email protected]
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コメント



0.910簡易評価
4.100名前が無い程度の能力削除
いやあ、今回も楽しく読ませてもらいました!

>>マッスルポーズの筋肉男
みょんなにやってんだwwwww
6.100名前が無い程度の能力削除
>>ついに出してしまった風神組(中略)因みに地霊組も出す予定だったりします。
なん です と
7.100名前が無い程度の能力削除
おいおい、もう2チームぐらい編成してトーナメント戦にしちゃどうだい。
天界組も出てこないかなと期待してるんだぜ。
8.100名前が無い程度の能力削除
おぉ、更に面白くなりそうw
9.90名前が無い程度の能力削除
DMCネタにやられたwww
SSS維持とかゆゆ様どんだけスタイリッシュなんですかー!
10.50名前が無い程度の能力削除
早く試合がみたいな
15.100名前が無い程度の能力削除
白玉楼の庭は四百由旬ではなく二百由旬ではないか?

風神チーム……今からチームを集めるにはもう秋の神様くらいしか……

地霊チームは鬼の球が唸りを上げそうですねえ。
投球「壊滅の暴投」
使用者 星熊勇儀
17.無評価名前が無い程度の能力削除
↑ 雛様を忘れちゃあイカンぞ~
19.100名前が無い程度の能力削除
スタジアムも用意できたし、次回から試合開始か?
楽しみになってきた。
20.90名前が無い程度の能力削除
野球はあんま詳しくないけど、何気に毎回楽しみにしてます
25.100名前が無い程度の能力削除
ええい、試合はまだか!?いや、普通に面白いですが!
にしてもこれはものすごい高レベルな試合になるそうだ..
26.80ずわいがに削除
ハッハッハ、いやぁ……試合は、まだかorz
引っ張りますねぇ、期待させますねぇ、ハードル上げますねぇ、下準備に力を入れますねぇ。ようやく守矢参戦フラグに俺、歓喜!
妥協を許さない展開、期待してます。