Coolier - 新生・東方創想話

東方葬送花 ~陸~

2010/04/07 03:10:59
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重ねて再び博霊神社。
朝飯までには戻るという口約束を破って翌日の昼。
低速飛行で昼飯前を見計らって到着した魔理沙が見たものは、結局人物が多少替わっているだけの混沌とした酒宴の後だった。
霊夢一人とっても、怒り疲れたような顔をしてまだ怒っていた。
それこそ間合いに入ったが最後、夢想封印しかねないほどの怒りようだ。
ずっと神社に入り浸っていたらしい萃香は、たんこぶが倍に増えているのにも関わらず、性懲りもなく瓢箪から酒を飲んでいた。
図太い神経もここまでくると学習能力がないのだと確信したくなってくる。
畳をまた一枚御釈迦にしたらしい。今度は畳が二つ折りに畳まれていた。
まあ角が折られなかっただけましか。
そしてその隣ではまたしても星熊勇儀が自前の盃で酒を飲んでいた。
あれから一人で戻ってきたらしい。
何時戻ってきたのかわからないが、酔っ払っている気配もなければ頬が紅潮する素振りもない。口から入った酒はいったい何処に行ったのだろうか。
つくづく不思議なことをする奴だ。
鬼っていうのはどうも変な方向に狂っているようだ。
紫は霊夢の向かい側でお茶を飲んでいる。側頭部にかなり大きなたんこぶができているあたり、酔っ払って寝たところを肘鉄に襲われたのだろう。
いつか霊夢に殴り殺されるんじゃないかと思う。
そしてしつこくも何でいるのかわからないアリスは、鬱になって居間の端で体育座りして静かにシクシク泣いていた。
何でだろう。意味がわからない。

他に混じっていたのは昨日いなかった連中だ。
そのうち二人は潰れていた。十中八九宴に付き合わされた二人だろうが、何でいるのかわからない。
山の頂上に神社ごと引っ越してきた連中のうち、二柱の神の巫女を努めている東風谷早苗と、最近引っ越してきた命蓮寺の雑事全般を引き受けている寅丸星がうつ伏せで倒れていた。
いや、星だけはわかるか…
最後の一人…、目下霊夢の機嫌が頗る悪いのはこの女性のせいだ。
寅丸星や数人の妖怪と一緒に命蓮寺に住んでいる、その寺を建立した本人である聖白蓮が、一週間ぶりに神社に来ていた。
きれいに拭かれた食卓を中心として、紫と霊夢の間に挟まれて、出涸らしのお茶をさもおいしそうに啜っている。何でいるのかは聞く必要がない。霊夢が怒っているのが証拠と言っても過言ではないからだ。
鹿威しが石を打ち鳴らす程の間を空けて、
「…どうですか…?」
白蓮が下心の一切入る余地のない、徳の高い笑顔を霊夢に向けている。
関係がないからそそくさと鬼のいるほうに引っ込むことにした。
昨日と同じように萃香はまともに話をしないだろうから、その隣の素面に状況説明を求めた。
「…んっ? ああ、昨日白黒のと入れ違いに萃香と晩酌しようと戻ってきたんだが、もうそのときにはそこの潰れている二人と尼さんが来ていてな。熱心に布教戦争おっぱじめてたんだ。面白そうだったんで先に神道説き終わったそこの青白のと、御付きの黄黒のに酒煽りながら細々と宴会して、今やっと尼さんの説法が終わったところだ。」
どうも昨日の深夜からぶっ続けで情熱的な仏法を聞かされていたらしい。
紫は面白そうだからとこの二次会に参加していたようだ。
話の途中でキレなかった霊夢の神経に拍手喝采を送りたくなってきたが、実行すると殺されるので空気を呼んだ。
「後、そこの人形のはあんた待ちだ。」
アリスを指さして勇儀は笑った。
魔理沙は余裕が無いので聞き流した。
「いや…、それどころじゃないだろ? 霊夢がキレたら鬼でも只じゃ済まないから逃げたほうがいいと思うぜ? あたしは止める自信が無い。」
そう言った矢先に霊夢がやおら立ち上がった。
勇儀を促してべそを掻いているアリスの服の襟を引っ掴むと、慌てて襖の奥へ退避した。萃香は勇儀が抱えて持ってきた。
「あの二人は連れてこなくてよかったのか…?」
「いいんだよ、霊夢だって寝てる奴に危害は加えないだろ。…ていうか元々当事者だぜ? 巻き込まれたって文句は言えないぜ。」
「スキマのはいいのか?」
「霊夢に巻き込まれて死ねるなら本望だろうぜ?」
「いやいや死んでもらっちゃ困る気がするんだが…?」
鬼のくせに冷静にツッコんだ。

「「 … 」」

「…ど・う・で・す・か~…? 今どうですかって言った、あんた…?」
肩をワナワナ震わせて、昨日の今日で溜まりに溜まった怒りの塊が今まさに弾けようとしていた。
一気に襖を開いて霊夢目掛けて飛び掛る魔理沙と勇儀。
白蓮に飛び掛ろうとしていた霊夢を間一髪羽交い絞めにして制止させることに成功した。
「だぁ~っ!! は~な~せ~っ!! 一発っ、いいや拳が砕けるまでな~ぐ~ら~せ~ろ~っ!!」
「おっ、落ち着けっ!! 落ち着け霊夢っ! 自分の家を、自分で壊す気かぁっ!?」
「そんなこと知ったことかぁっ!! こんな一人暮らしじゃ広過ぎる家があるから傍迷惑が湧いて出てくるのよぉ~っ!! いっそのことこの家ごとぶっ殺してやるぅ~っ!」
「おいおい、そんな物騒なこと言いなさんな、赤白の。奴さんも悪気があったわけじゃあないんだからさぁ?」
「悪気どころか悪意を感じるわぁ~っ!! 休憩時間が厠に行くぐらいしかないのよぉっ!? お風呂に入れなくて…布団敷いて寝ることもできなかったのよぉっ!? おまけに一週間前とおんなじことをその四倍ぐらいの時間掛けてピーチクパーチク…何なのよもう~っ!!」
前で魔理沙が押し止め、後ろから勇儀が引き止めているにも関わらず、少しずつ前進していっている。魔理沙の後ろはすぐ食卓で、挟まれていてとても痛い。
「ゆ~か~り~っ! 何か貸せっ!」
にこにこしながらお茶を飲んでいるだけの紫に助け舟を求めてみる。
「何かってな~に?」
「何でもいいから止められる物出せっ!」
「仕方ないわねぇ。」
振り返らずに伸ばしている右手の中へ納まる位置に、食卓の表面から何かが飛び出してきた。引っ掴んで何なのかを確認する。
四角いビンに入った得体の知れない透明な液体。
アルファベットで銘柄が書かれているが、文字の配列がいまいちよく分からないから読むことができない。
「紫っ、コリャ何だっ!?」
「飲み物よぉ。少なくとも死ぬようなもんじゃないから。」
「ふんぬぅ~っ!! ふんぬぅ~っ!!」
どんなものだろうが四の五の言っていられない。
霊夢の顔が直視できないくらいの形相になっているからだ。
鬼と般若は昨日見たが、今日は阿修羅か不動明王の如き。
抑えられているのが不思議なぐらいだ。
白蓮は霊夢が何で怒っているのか分かりかねるといった表情でおろおろしているだけだ。ボコられたときに気付けばいいのに…
「もうどうにでもなれっ! 勇儀っ!!」
「あいよっ!」
剥き出しの腋下に腕を回している勇儀が器用に霊夢の鼻を摘まむ。
口を開けさせるためだ。
それを見計らって素早くビンの栓を片手で抜く。
「これでも飲んで落ち着くがいいぜっ!!」
開いた口の中へビンの口を滑り込ませ、押さえつけたまま頭を上に向けさせた。
ゴポゴポゴポッ!
巫女の口の中に正体不明の液体が流し込まれた。
「ンッ!? ゴプッ!!」
半分もいかないうちに霊夢がバタンとあっさり倒れてしまった。
あまりの不味さか何なのかは分からないが、霊夢を止めるにはとんでもなく効果的だったようだ。ますます中身が気になって仕方が無い。
「…」
どれだけ見ても銘柄が読み取れない。
「…なあ、止まったのはいいんだが…、結局何飲ませたんだ?」
紫は笑顔を崩さず、勿体ぶりもせずに液体の正体を口にした。
「ラベルにはスピリタス・ウォッカって書いてあるわ。外から仕入れた取って置きのお酒でね、アルコール度数九六度よ。これ薄めずに飲んで止まらない奴はいないわ。」

「ちょっ、ちょっと待て紫っ! おまえ霊夢を殺す気かっ!?」
足元には陸に上げられ水を求めてのた打ち回る人間大の赤白魚が一匹…
「ああ、こりゃあ何だっけ? 急性アル何とかってやつじゃないか?」
勇儀が慌てず騒がず冷静に分析した。
「おっかしいわねぇ。人間の飲み物だからいけると思ったんだけど…」
紫もかなり落ち着いている。境界を弄れば酒精をきれいさっぱり分解することができるからだが、止めるだけならもう散らしてもいいはずだ。
何か霊夢の痙攣が徐々に激しくなってきている気がする。
「おいおいおいおいっ! もういいって、どうにかしてやれよ!」
「はいはい、…そぉいっ!」
紫が指を打ち鳴らすと途端にさっきまで死に掛けていた霊夢がおとなしくなった。
とはいえ、中毒状態が長かったことが響いているのか気絶したまま動かない。
念のため医者に見せたほうが良さそうだ。
「紫…とりあえず霊夢をやぶ医者のところまで連れて行ったほうがいいぜ。」
「心配しなくたって大丈夫よ…。それより私はあなたが心配よ、魔理沙…」
「はあっ? 何でお前に心配されなきゃなんないんだ?」
「まあ、いいけどね…」
急に真剣な顔つきになって妙なことを言った紫に怪訝な顔を向けた。
「私も心配です。」
さっきまで困惑してばかりだった白蓮が本当に心から心配そうな顔をしていた。聖人君子の如き完璧な表情に気圧されそうになる。
魔法使いは得てして自らの研究に没頭するあまり自己中心的な思考になりがちだが、聖白蓮という尼僧は人も妖怪も平等に助けることを目標とし、嘗てそれが原因で魔界に封印されたお人好し過ぎる、他人のためにしか生きない魔法使いだ。
人と妖怪の距離が昔よりずっと近くなった今は、その教義が人里問わず森にも広がり始めている。
始めから八坂の神と守矢の神を祭っている早苗や、妖怪を半ば趣味で退治する霊夢にとっては、全く理解できない教義だったが…。
ただ人間の魔理沙や魔法使いのアリス、紅魔館のパチュリー・ノーレッジにとっては魔法使いの先輩のような存在のため、魔理沙や同種族同士とは比較的いい関係を築けてもいた。
「白蓮もか…。心配されるようなことは何にもしてないぜ。」
「それならいいのですが…」
長く生きているためか時々鋭い。
先輩であっても対等に話をすることで普通だと誤魔化す。
「それより白蓮、昨日の夜からってことは里のことは知らないんだな?」
「里のほうで何かあったのですか?」
心配そうな顔を少しだけ引っ込めて聞く姿勢に切り替わった。
そもそも関係した者しか知りえない情報を紫達が教えない限り分からないし、知っているのは数人だ。
どうせ後になって知れることだが、いつまで神社にいたところで説法する相手は軒並み倒れている。それなら潰れている星を連れて帰ってもらったほうがすっきりするし、何より白蓮にとって教義を広める機会になるかもしれない。
「もうすぐな、里のほうで葬式があるんだが、確かそこはまともな葬式するか分からん家なんだ。特定の宗教にも入ってなかったはずだしな。お前が行ってきちんと供養してやってくれないか?」
「誰かがお亡くなりになられたのですね? …あなたからの申し出、承りました。」
若干迷ったものの、すぐに気持ちを切り替えて立ち上がる。
「紫さん、星をお願いできないでしょうか?」
直接行くことにしたらしく、星をこのまま置いておくのも忍びなかったため、命蓮寺へ先に帰らせることにしたようだ。
さっきと同じように紫が天高く腕を伸ばして指を打ち鳴らすと、うつ伏せになっている星は畳みの隙間に消えていった。
紫がおちゃめを働かせない限り命蓮寺に送られたことだろう。
「ありがとうございます。…それでは行ってまいります。」
昨日の夜から一睡もしていないのに、やけにきびきびと歩いていって靴を履いた。
聖女は振り返る。
阿弥陀如来のような、清らかさとほんの少しの悲しさを湛えた微かな笑顔を魔理沙に向ける。
「…あまりご無理をなさらないでくださいね?」
そう言い残して行ってしまった。
それ以降振り返ることは無かった。
まるでその役目は自分ではないと示すように…
「…それじゃあ、私もお暇するわ。山の巫女はさっき送ったし、霊夢も一応医者に診せなきゃいけないしね。」
言われてみれば東風谷早苗が何処にもいなかった。
山の守矢神社に帰したんだろう。潰れている早苗を見てあの過保護な二柱がどんな反応をするのか見てみたい気もしたが、良からぬ方向に暴走されたらとばっちりをくらいそうで怖い。
見に行こうか迷っているふりをしている間に、紫もスキマを開いて姿を消した。
霊夢もそのスキマに吸い込まれていった。
正直紫を信用していいんだか分からないが、それでも永遠亭へ見舞いに行くには、もう少し待たなければならない。
「そんじゃあ、家主もいなくなったことだし、私らも戻るとするかねぇ。…萃香、地底に新しい飲み屋ができたんだ。いい肴が揃ってるから三次会に行こう!」
「にゅひゃひゃひゃひゃっ! 行こう行こうっ!」
鬼は鬼同士仲良く地底で徹夜するらしい。
萃香はずっと酔っていたが、結局勇儀は今まで一度も酔った顔を見せなかった。
言い知れぬ不思議を持つということが、ここまで出鱈目なのかどうかは分からないが、人間である魔理沙には脳と胃袋と肝臓が異常に強いぐらいにしか理解できない。
高低差の激しい二人は連れ立って鳥居のほうへ、地底へ帰っていった。

戸が開け放たれた居間に一人佇む。
大きな魔女帽子が、外から来たそよ風にゆらゆら揺れる。
飛ぶほど吹いてもいないのに、つばを指で摘まんで押さえ込んだ。
「…心配、か…。」
…これからどうしようか…。
やることなんて…一つしかない。
奥の廊下につづく戸越に、もう一人だけ神社に残っていた者が、魔理沙と同じように佇んでいた。
「アリスか…?」

人形遣いは一瞬だけ動くのを躊躇う。
「…泣いてるの、魔理沙…?」
絶えられると思っていたのだろうか?
親から勘当された娘に、

『あいつがどう思っていようが、私は自分に恥じぬ生き方をしようとする奴を止める義理はない。…だがな…、親より先に死ぬなよ、魔理沙…』

そう言って、決別した日に送り出してくれた男の死に…

「…泣いてないぜ…?」
口元は微かに笑っている。
そんなものが通用するほど短い付き合いはしていない。
「嘘ね…」
頬を濡らしているそれを隠すことなどできるはずが無い。
「…ハハっ…、只の汗だぜ。」
「嘘っ!」
しらばっくれる魔理沙を一気に後ろから追い抜き、真正面に回りこんで対峙した。
帽子で顔を隠す魔理沙。
「そんな分かりやすくて、くさい嘘…、吐いてどうするのよ?」
こんな魔理沙は見たくない、見たくないけど…
魔理沙が先へ進めない。
素通りしていいわけが無い。
「嘘を吐いたって…、自分の気持ちが紛れるわけ無いじゃない…。私をさえ納得させられないのに…。一人で塞ぎ込んでんじゃないわよっ!」
顔を隠していた帽子が落ちた。
下におろしていた腕は震えている。
「…だったら…、どうしろってんだ…」
涙に濡れたくしゃくしゃの顔を、眼を逸らさずに受け止める。
精一杯の笑顔で…、
「…頼りなさいよ。一人で抱え込む必要ないじゃない…。魔理沙が泣いても泣ききれないなら…、私がその分一緒に泣いてあげる。そのために私はここにいる。」
妙なところで頑固になる親友に、変なところで独りになろうとする思い人に…、
「…私は…、あなたの傍を、離れないから。」
魔理沙を受け入れる。
自分の胸で、魔理沙の頭を包み込む。
恋人のように…
母親のように…

「…でもな…」
魔理沙は嗚咽を漏らしながらも、はっきりと口にする。
「…わたしのもんは、わたしのもんだ。…わたしだけで、十分だ。」
先へ進もうとしている。
それこそが、いつもの魔理沙だ。
「…ありがとう。」
自分の分まで泣いてくれる魔理沙に礼を言う。
「だけど…、今は…」
せき止められた思いを受け止めよう。
服が濡れようが知ったことか。

「うっ、うぅぅっ…、うああああぁぁあああっ、ああああああああっ!!」

ただ…両親がいなくなったとき、魔理沙は今程、いや今以上に泣くのだろうか。
それを癒すことが、自分にできるのだろうか。
その穴を、埋めることができるのだろうか。

だが今は…あなたの思いで、心を満たそう。
もう残すところ後1つです。
最後までお付き合いください。
お願いします。

博麗神社で起こることは、幻想郷の日常を体現するものだと思います。
それ故、本作品におけるちょっとしたバカ騒ぎは神社に限定させていただきました。
いかがだったでしょうか?

構想は去年の春から…
少しずつ書き加え、何とか始末をつけられた頃には何となく1年経ってました。
全体的には短かったかもしれませんが、私の幻想を感じていただければ幸いです。

今度はそれほど時間をかけず始末まで書き、推敲に時間をかけていきたいです。

それでは、東方葬送花 ~漆~ を、
いえ、本作品全体をお楽しみください。

※ちょっとしたネタバレはそのときに…
E-
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コメント



0.210簡易評価
1.90不動遊星削除
 まさにクライマックスですね。涙が止まりません。
 人生で一番失いたくない物について小考させてくれる良い作品です。
 ラスト、楽しみにしております。では。
5.100ピエロ削除
この作品にはやはり引き寄せられますね。           アリスのくだりがいいですね。年甲斐もなくうるっと来ました。 そして早苗さんと星ドンマイです。 
6.80ずわいがに削除
ここまでオリキャラを魔理沙や妖怪たちに深い影響を及ぼし、それを納得させられるようにした話の運びは本当に凄いです。
魔理沙にとって、少なからず心の支えにもなっていたんでしょうね、あの人は。アリスも、魔理沙を支えられるようになれるでしょうかね。