賑やかな旧地獄街道へと続く道を通る途中に存在する橋、そこに私はいる。
特に何もすることがないので、適当にぶらぶら歩き回ることが多いのだけど。
要するに暇なのだ、何もやること無いもん、仕方ない。
橋の手すりに凭れかかる、これもいつものこと。
ふぅ、と一つ溜息をしたところに、
「にゃぁん」
首だけそちらの方を向けば、真っ黒な猫がこちらをじっと見ている。
尻尾は一本、地霊殿のところにいる猫とは違うみたいだ。
子猫と言うには大きかった。
「何、迷子?」
答えるはずがないのに何を問いかけているんだろうと、少し可笑しく感じた。
すると、黒猫は私に頭を擦りつけてくる。
「毛が付くからやめなさいよ」
そうして黒猫をひょいと掴んでこちらと目を合わせる。
「あら、お揃いね」
目の色は、綺麗な緑色をしていた。
潤んだその瞳はこちらをじっと見ている。
「何よ」
「にゃぁ」
「貴方はいいわよね、気楽で。ご飯食べて寝るだけで幸せなんでしょう?妬ましい」
無意味な嫉妬、無意味な問いかけ。
すると、猫は爪を立てて私の頬を引っ掻いた。
「痛っ…。何よ、ご飯食べて寝るだけじゃないって言いたいの?」
「にゃぉん」
何と答えているか分からないけど、何となく、「そうだ」と答えている気がした。
何でか知らないけど、直感ってやつ。
「で、あんたいつまでここにいるのよ」
暇つぶしになるだろうと思い、私は猫に問いかけてみる。
するとどうだろう、私の膝の上に丸まって離れようとしない。
「…ここに住むの?」
猫は、緑の瞳をこちらに向け、一言。
「にゃぁ」
なんと迷惑な…。
猫の餌なんてないし、私の食べる物…まぁ、食べなくても生きていけるんだけど。
とりあえず、時々食べたくなるから食べる物をあげるのはどうも気に食わないので、おとなしく旧地獄街道で買い物をすることにする。
「おとなしく待ってなさいよ。私があんたの為に餌を買ってくるんだから」
すると、そっぽを向いてくるっと丸くなって寝始めた。
やっぱり食っちゃ寝で幸せなんじゃないか。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
「おや、橋姫がこんなところでなにしてるんだい」
面倒くさい奴に会ってしまった。
なんでよりにもよってこのタイミングなの?何なの?狙ってたの?
星熊勇儀
身長が高いし、力強いし、人気者だし、感情豊かでいろいろとおせっかい。
あと胸がでかい。
何これ、妬む要素しかないじゃない、妬ましい。
「ちょっと買い物よ」
「何を買うんだい?私でよければ手伝いよ?」
あぁもう、何でこんなに優しくするんだろうか。
それでも、今は頼らせてもらうことにしよう。
「猫の餌ってどこで売ってるの?」
「猫の餌?お前さんが食うのかい」
はは、面白い冗談を言う。
キッと強い目線を送ると、勇儀は苦笑いを浮かべた。
「冗談さ。そうだね、それじゃあついてきな」
そう言って、勇儀は私の前を歩いていく。
それについていくと、何ということだろう、なんでも揃っているような店に着いた。
こんな店があったのかと私は少しばかり驚いた。
酒ばっかり飲んで笑ってるだけじゃないんだなぁと少し関心。
「忘れないようにこの場所書いたメモも渡しとくよ。それじゃ、私は用事があるから行くよ」
用事があったのに私の為に時間を割いてくれたの?どんだけ優しいのよあんた、妬ましい。
「あ、ありがと」
「困った人がいるなら、助ける。それが鬼さ」
自分でそう言って豪快に笑うと、去っていった。
「…とりあえず、買い物ね」
猫をペットとして飼う奴って、地霊殿のさとりだけだと思ってたけど、まさか私が同じことになろうとは…
しかし、何気に猫の食べ物だったり、グッズっていうのが多い。
結構ペットとして飼ってる人っているんだなぁ。
とりあえず、さっさと帰りたいので、適当に選んで会計を済ませた。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
橋が見えてくるにつれて、何やら座ってこちらを見ている姿が見える。
緑の目でこちらを見据えている。
私の帰りを待っていたのだろうか、可愛らしいところもあるものだ。
「ただいま」
「にゃぁん」
私の足に頭を擦りつけ、小さくにゃぁんと鳴く姿は見ていて和む。
先ほど買ってきた、餌を入れる容器に餌を入れてやる。
すると、食べることをせず、こちらを見つめている。
え?餌いらないの?せっかく買ってきたのに?
「食べてもいいのよ?」
「にゃあ」
その言葉を待っていたのか、返事をして食べ始めた。
がっついている猫の頭を、そっと撫でてやる。
「あんた賢いのね、人の言葉が分かるみたい」
無言で食べ続ける黒猫を見て、私はくすりと笑った。
「お~、いつの間に猫なんて飼ってたんだぜ。可愛らしいなぁ」
いきなりの声に驚き、ビクッと跳ねると、猫もビクッと驚く仕草を見せる。
めんどくさい奴2号の登場である。
霧雨魔理沙
なれなれしいのに、結構色んな人と知り合いだし、男っぽい口調。
妙に清々しいし…何これ、こっちも妬む要素満載じゃない。
こっちおいで~、と笑顔で言うと、黒猫もそっちの方へふらふらと歩いていく。
「賢い奴だぜ。どっちが飼い主にふさわしいかわかってるようだな」
「ちょっと、勝手に決めないでよ」
…あれ、何で対抗してるんだろ。
別に私の猫でもないのに、あれ、何これ。
もしかして、猫を取られることにジェラシー感じちゃってる?
「まぁ、冗談だぜ。今日は宴会に誘いに来たんだがなぁ。猫がここにいるんじゃ…あ、そうだ」
あ、この顔知ってる。
良くないことを考えている時の顔だわ。
「ここで宴会しようぜ」
ほら、予想通り。
「何考えてんのよ、こんな場所でやるなんてどうにかしてるでしょ」
「いいじゃないか。猫だって沢山いた方が寂しくなくて済むはずだぜ、なぁ?」
「にゃぁ」
こら、返事するんじゃないわよ。
これはどうしても避けられない感じがする。
「…勝手にしなさいよ」
「よぅし、決まりだぜ!それじゃあ早速こっちに来るように皆に言ってくるぜ!」
そう言うと、箒に乗って行ってしまった。
忙しい奴だなぁ…。
そして、私と黒猫が残された。
「あんた、何で返事したのよ」
「にゃぁ?」
首をかしげるような仕草を見せる。
可愛い奴め、妬ましい。
「あんた、名前決めてなかったわね。どうしよっか」
「にゃぁん」
少し考えて、しばらく考えて、ずっと考えて…。
「にゃぁ~」
待ちくたびれたのか、あくびをしている。
「じゃあもうあんた、にゃぁでいいわね。面倒だし」
私は黒猫を持ち上げると、また頬を引っ掻かれた。
こんな名前じゃ不服なのだろうか。
…全く、わがままな子ね。
特に何もすることがないので、適当にぶらぶら歩き回ることが多いのだけど。
要するに暇なのだ、何もやること無いもん、仕方ない。
橋の手すりに凭れかかる、これもいつものこと。
ふぅ、と一つ溜息をしたところに、
「にゃぁん」
首だけそちらの方を向けば、真っ黒な猫がこちらをじっと見ている。
尻尾は一本、地霊殿のところにいる猫とは違うみたいだ。
子猫と言うには大きかった。
「何、迷子?」
答えるはずがないのに何を問いかけているんだろうと、少し可笑しく感じた。
すると、黒猫は私に頭を擦りつけてくる。
「毛が付くからやめなさいよ」
そうして黒猫をひょいと掴んでこちらと目を合わせる。
「あら、お揃いね」
目の色は、綺麗な緑色をしていた。
潤んだその瞳はこちらをじっと見ている。
「何よ」
「にゃぁ」
「貴方はいいわよね、気楽で。ご飯食べて寝るだけで幸せなんでしょう?妬ましい」
無意味な嫉妬、無意味な問いかけ。
すると、猫は爪を立てて私の頬を引っ掻いた。
「痛っ…。何よ、ご飯食べて寝るだけじゃないって言いたいの?」
「にゃぉん」
何と答えているか分からないけど、何となく、「そうだ」と答えている気がした。
何でか知らないけど、直感ってやつ。
「で、あんたいつまでここにいるのよ」
暇つぶしになるだろうと思い、私は猫に問いかけてみる。
するとどうだろう、私の膝の上に丸まって離れようとしない。
「…ここに住むの?」
猫は、緑の瞳をこちらに向け、一言。
「にゃぁ」
なんと迷惑な…。
猫の餌なんてないし、私の食べる物…まぁ、食べなくても生きていけるんだけど。
とりあえず、時々食べたくなるから食べる物をあげるのはどうも気に食わないので、おとなしく旧地獄街道で買い物をすることにする。
「おとなしく待ってなさいよ。私があんたの為に餌を買ってくるんだから」
すると、そっぽを向いてくるっと丸くなって寝始めた。
やっぱり食っちゃ寝で幸せなんじゃないか。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
「おや、橋姫がこんなところでなにしてるんだい」
面倒くさい奴に会ってしまった。
なんでよりにもよってこのタイミングなの?何なの?狙ってたの?
星熊勇儀
身長が高いし、力強いし、人気者だし、感情豊かでいろいろとおせっかい。
あと胸がでかい。
何これ、妬む要素しかないじゃない、妬ましい。
「ちょっと買い物よ」
「何を買うんだい?私でよければ手伝いよ?」
あぁもう、何でこんなに優しくするんだろうか。
それでも、今は頼らせてもらうことにしよう。
「猫の餌ってどこで売ってるの?」
「猫の餌?お前さんが食うのかい」
はは、面白い冗談を言う。
キッと強い目線を送ると、勇儀は苦笑いを浮かべた。
「冗談さ。そうだね、それじゃあついてきな」
そう言って、勇儀は私の前を歩いていく。
それについていくと、何ということだろう、なんでも揃っているような店に着いた。
こんな店があったのかと私は少しばかり驚いた。
酒ばっかり飲んで笑ってるだけじゃないんだなぁと少し関心。
「忘れないようにこの場所書いたメモも渡しとくよ。それじゃ、私は用事があるから行くよ」
用事があったのに私の為に時間を割いてくれたの?どんだけ優しいのよあんた、妬ましい。
「あ、ありがと」
「困った人がいるなら、助ける。それが鬼さ」
自分でそう言って豪快に笑うと、去っていった。
「…とりあえず、買い物ね」
猫をペットとして飼う奴って、地霊殿のさとりだけだと思ってたけど、まさか私が同じことになろうとは…
しかし、何気に猫の食べ物だったり、グッズっていうのが多い。
結構ペットとして飼ってる人っているんだなぁ。
とりあえず、さっさと帰りたいので、適当に選んで会計を済ませた。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
橋が見えてくるにつれて、何やら座ってこちらを見ている姿が見える。
緑の目でこちらを見据えている。
私の帰りを待っていたのだろうか、可愛らしいところもあるものだ。
「ただいま」
「にゃぁん」
私の足に頭を擦りつけ、小さくにゃぁんと鳴く姿は見ていて和む。
先ほど買ってきた、餌を入れる容器に餌を入れてやる。
すると、食べることをせず、こちらを見つめている。
え?餌いらないの?せっかく買ってきたのに?
「食べてもいいのよ?」
「にゃあ」
その言葉を待っていたのか、返事をして食べ始めた。
がっついている猫の頭を、そっと撫でてやる。
「あんた賢いのね、人の言葉が分かるみたい」
無言で食べ続ける黒猫を見て、私はくすりと笑った。
「お~、いつの間に猫なんて飼ってたんだぜ。可愛らしいなぁ」
いきなりの声に驚き、ビクッと跳ねると、猫もビクッと驚く仕草を見せる。
めんどくさい奴2号の登場である。
霧雨魔理沙
なれなれしいのに、結構色んな人と知り合いだし、男っぽい口調。
妙に清々しいし…何これ、こっちも妬む要素満載じゃない。
こっちおいで~、と笑顔で言うと、黒猫もそっちの方へふらふらと歩いていく。
「賢い奴だぜ。どっちが飼い主にふさわしいかわかってるようだな」
「ちょっと、勝手に決めないでよ」
…あれ、何で対抗してるんだろ。
別に私の猫でもないのに、あれ、何これ。
もしかして、猫を取られることにジェラシー感じちゃってる?
「まぁ、冗談だぜ。今日は宴会に誘いに来たんだがなぁ。猫がここにいるんじゃ…あ、そうだ」
あ、この顔知ってる。
良くないことを考えている時の顔だわ。
「ここで宴会しようぜ」
ほら、予想通り。
「何考えてんのよ、こんな場所でやるなんてどうにかしてるでしょ」
「いいじゃないか。猫だって沢山いた方が寂しくなくて済むはずだぜ、なぁ?」
「にゃぁ」
こら、返事するんじゃないわよ。
これはどうしても避けられない感じがする。
「…勝手にしなさいよ」
「よぅし、決まりだぜ!それじゃあ早速こっちに来るように皆に言ってくるぜ!」
そう言うと、箒に乗って行ってしまった。
忙しい奴だなぁ…。
そして、私と黒猫が残された。
「あんた、何で返事したのよ」
「にゃぁ?」
首をかしげるような仕草を見せる。
可愛い奴め、妬ましい。
「あんた、名前決めてなかったわね。どうしよっか」
「にゃぁん」
少し考えて、しばらく考えて、ずっと考えて…。
「にゃぁ~」
待ちくたびれたのか、あくびをしている。
「じゃあもうあんた、にゃぁでいいわね。面倒だし」
私は黒猫を持ち上げると、また頬を引っ掻かれた。
こんな名前じゃ不服なのだろうか。
…全く、わがままな子ね。
お話も優しい雰囲気で良かっんだけど、最後がなんか物足りないと言うか、これで終わり?って感じで残念。
でも、ほのぼのしたお話は大好きです、次作も楽しみにしてます。
評価ありがとうございます!
確かに、物足りない終わり方になってますが…。
一応続きも考えておりますので、頑張ります。
>6
評価ありがとうございます!
頑張って続きかくよ!
頬をひっかかれた。
続き求む。
ついでに15氏のレスも
続き御願いしまするっ!
パルスィが可愛いくて気になりますwww
起承だけじゃなく、転結も含めた一作品に……
付けたことなかったので……
評価ありがとうございます!
フーミン…ってなんでしょうか?
続きは書かせていただきます!!
>16
評価ありがとうございます
パルスィと猫の戯れる姿とか可愛すぎて妬ましいですね。
>17・18
評価ありがとうございます!
基本コメントをしないのにわざわざしてくださるとは…嬉しい限りです!
また続編として書かせていただきますので…
評価ありがとうございます。
もうどっちも可愛くて生きるのが辛い。
でもなんでこんなに自然なんだろう。
げろしゃぶフーミンは『すごいよ!マサルさん』です。
テレビ放送ももう10年ほど前だし原作はもっと前だし、
へたれ向日葵さんは小学校前とかだもんな……複雑な気分……
評価ありがとうございます。
今更ながらペルシャ猫とかければ良かったなと思う限りです。
すごいよ!マサルさんってなんか名前は聞いた事ありますねぇ……。
まだ小学校前か……若いなぁ、俺。