フランドールは、幸せいっぱいであった。
五百歳の誕生日パーティー。えらくキリの良い数字であっただけに、幻想郷の人妖がこれでもかという程に招かれ、盛大に催された。
宴は終わり、彼女は自分の部屋のベッドに寝転がっていた。物の少ない地下室も、今日だけは、山のようなプレゼントで埋め尽くされている。
控えめに、ノックの音がした。
「だあれー?」
「私よ」
「お姉様!」
跳ね起きるフランドール。少し服を整え、慌ててドアを開けた。
「パーティーの時も言ったけど、お誕生日おめでとう、フラン」
「ありがと」
五百五歳になった姉の言葉を受け、彼女は、はにかんだ。
「ちょっと話があるのだけど、かまわない?」
「うん。ごちゃごちゃしてるけど」
「いいわ。幸せな証拠だもの」
フランドールは近くにあった椅子をとり、レミリアにすすめる。
自分も向かいに座った。
「珍しいね、咲夜つれてないの?」
「ええ、二人きりで話をしたくてね……真面目な話をしましょう」
穏やかだったレミリアの雰囲気が変わった。どこか悲しげだった。
「昔話なのだけれどね」
レミリアは語りはじめる。
ずっと昔、それはそれは仲の良い五姉妹がいた。
彼女らは吸血鬼、忌み嫌われる者たちだったが、太陽より明るく楽しく過ごしていた。
――だがある日、姉妹の一人が大変な秘密に気付く。
その秘密に絶望した姉妹たちは、日光の元に身投げした。
一人は助かった。だが、残り四人は、手遅れだった。
そんな話だった。
「つまらない話だと思う?」
レミリアが、どこか疲れた笑みを見せながら、フランドールへ尋ねた。
なんと答えていいか分からず、黙り込む。
「でも、つまらない話だと思ってはいけないの」
「お姉様、生き残った一人って」
「ええ、私ね」
フランドールは驚愕した。
それが事実なら、彼女には本来、姉が五人いることになる。だが、彼女はそんなこと、知りもしなかった。
「悲劇だったの。あまりに悲劇だったから、六人目の女の子には知らされなかった」
「ねえ、……秘密って言ってたよね、それって何?」
ある秘密を知った五人は、自殺した――その秘密がフランドールの気に掛かった。
「ええ――姉妹の名前は、上から、レ光年ア、レ里ア、レ尺ア、レ寸ア、……そして、レミリア。わかる? この共通点が。この共通点に気付いてしまったが為に、私の、あなたの姉たちは……ッ」
そして、フランドールを見据えて言う。
「貴女は本来、レマイクロメートルアになるはずだったのよ……!」
「そんなっ……!!」
突如、部屋の入り口が、大きな音とともに開かれた。
「だぁぁぁぁいッ、成ぃぃぃ功ォォォォげほっげほっ!」
「こんなときだけ動き回る大図書館」ことパチュリーが先陣を切り、その他紅魔館の面々が部屋に雪崩れ込む。
パチュリーは「ドッキリ大成功! ヤッタネ!」と書かれた、妙に腹のたつ看板を掲げていた。
「え? え?」
「私からの誕生日プレゼントは、ドッキリよ」
してやったりな笑顔で、レミリアが言う。
「え? えっ?」
フランドールは、ただ目を丸くする。
状況が飲み込めていなかった。
「いやいやフラン、驚かせたわね。大丈夫大丈夫。古今東西、全国津々浦々、出前迅速落書無用、あなたの姉はこの私だけよ」
そういったレミリアの吐く息からは、わずかにアルコールの香りがした。
その段になってから、フランドールは、ようやく状況を把握した。
そしてワナワナと震えだす。
「お、お姉様ァ」
「ふ、フラン? もしかして気に入らなかった? いや、悪気は無いのよ、ねぇ皆……あ! 逃げてやがる!」
癇癪玉が破裂したフランドールは叫ぶ。
「フランドールよりレマイクロメートルアの方がよかったのにーッ!!」
「ちょ、そっちぬふぅッ」
笑い話ではよくあることだが、地下室もろとも紅魔館は爆発した。
五百歳の誕生日パーティー。えらくキリの良い数字であっただけに、幻想郷の人妖がこれでもかという程に招かれ、盛大に催された。
宴は終わり、彼女は自分の部屋のベッドに寝転がっていた。物の少ない地下室も、今日だけは、山のようなプレゼントで埋め尽くされている。
控えめに、ノックの音がした。
「だあれー?」
「私よ」
「お姉様!」
跳ね起きるフランドール。少し服を整え、慌ててドアを開けた。
「パーティーの時も言ったけど、お誕生日おめでとう、フラン」
「ありがと」
五百五歳になった姉の言葉を受け、彼女は、はにかんだ。
「ちょっと話があるのだけど、かまわない?」
「うん。ごちゃごちゃしてるけど」
「いいわ。幸せな証拠だもの」
フランドールは近くにあった椅子をとり、レミリアにすすめる。
自分も向かいに座った。
「珍しいね、咲夜つれてないの?」
「ええ、二人きりで話をしたくてね……真面目な話をしましょう」
穏やかだったレミリアの雰囲気が変わった。どこか悲しげだった。
「昔話なのだけれどね」
レミリアは語りはじめる。
ずっと昔、それはそれは仲の良い五姉妹がいた。
彼女らは吸血鬼、忌み嫌われる者たちだったが、太陽より明るく楽しく過ごしていた。
――だがある日、姉妹の一人が大変な秘密に気付く。
その秘密に絶望した姉妹たちは、日光の元に身投げした。
一人は助かった。だが、残り四人は、手遅れだった。
そんな話だった。
「つまらない話だと思う?」
レミリアが、どこか疲れた笑みを見せながら、フランドールへ尋ねた。
なんと答えていいか分からず、黙り込む。
「でも、つまらない話だと思ってはいけないの」
「お姉様、生き残った一人って」
「ええ、私ね」
フランドールは驚愕した。
それが事実なら、彼女には本来、姉が五人いることになる。だが、彼女はそんなこと、知りもしなかった。
「悲劇だったの。あまりに悲劇だったから、六人目の女の子には知らされなかった」
「ねえ、……秘密って言ってたよね、それって何?」
ある秘密を知った五人は、自殺した――その秘密がフランドールの気に掛かった。
「ええ――姉妹の名前は、上から、レ光年ア、レ里ア、レ尺ア、レ寸ア、……そして、レミリア。わかる? この共通点が。この共通点に気付いてしまったが為に、私の、あなたの姉たちは……ッ」
そして、フランドールを見据えて言う。
「貴女は本来、レマイクロメートルアになるはずだったのよ……!」
「そんなっ……!!」
突如、部屋の入り口が、大きな音とともに開かれた。
「だぁぁぁぁいッ、成ぃぃぃ功ォォォォげほっげほっ!」
「こんなときだけ動き回る大図書館」ことパチュリーが先陣を切り、その他紅魔館の面々が部屋に雪崩れ込む。
パチュリーは「ドッキリ大成功! ヤッタネ!」と書かれた、妙に腹のたつ看板を掲げていた。
「え? え?」
「私からの誕生日プレゼントは、ドッキリよ」
してやったりな笑顔で、レミリアが言う。
「え? えっ?」
フランドールは、ただ目を丸くする。
状況が飲み込めていなかった。
「いやいやフラン、驚かせたわね。大丈夫大丈夫。古今東西、全国津々浦々、出前迅速落書無用、あなたの姉はこの私だけよ」
そういったレミリアの吐く息からは、わずかにアルコールの香りがした。
その段になってから、フランドールは、ようやく状況を把握した。
そしてワナワナと震えだす。
「お、お姉様ァ」
「ふ、フラン? もしかして気に入らなかった? いや、悪気は無いのよ、ねぇ皆……あ! 逃げてやがる!」
癇癪玉が破裂したフランドールは叫ぶ。
「フランドールよりレマイクロメートルアの方がよかったのにーッ!!」
「ちょ、そっちぬふぅッ」
笑い話ではよくあることだが、地下室もろとも紅魔館は爆発した。
てっきり怒り任せだけの爆発オチかと思いきや、そういうオチがあるとは。
面白かったです!
タイヤも翼もないのにロケット積んでるんですね、わかります。
しかしそのオチは重要だ……。
あとがき前の時点で、そのように脳内補完してた俺がいるんだ。間違いない。
誕生日おめでとうフランちゃん、いっそこの機会に改名しても(ry
……素敵!
いやむしろレフィートア レインチア
変わり種ではレキュビトアとかレオングストロームアとか
あ……レhydeア、とk
うわまてなにをすr
そしたらレミさんだってレミリメートルアになっちまうじゃないッスかww
でもってちょいとなまらせてレミクロナ・スカーレット
白玉楼っぽくレ由旬アがいてもおかしくないな