・・・全く、いつもここは埃っぽい所だ。
いくら私でも、これは流石に辛いもの。
主人ももう少しこの辺を考慮してくれると嬉しいんだけど・・・。
・・・おっと、自己紹介が遅れたね。
私の名前は上海、上海人形。
私はここ幻想郷で、とある人形遣いに仕えている身だ。
もっとも仕えているといっても、一般的な家事とか身の回りの手伝いをしているだけ。
決して血生臭いこととかやってる訳じゃない。
そもそも、動かしているのは主人なんだけどね。
「上海ー、上海ー!」
おっと、主人が呼んでいるようだ。
私は人形だから、主人の呼びかけに答える事は出来ない。
それにもかかわらず、主人はいつも私や私たち人形に話しかけてくれる。
主人の趣味・・・、って所もあるのだろうけど、やっぱり嬉しいよね。
「あー、いたいた。さぁ上海、今日はもう出かけるわよ」
やれやれ、ようやく動く事ができる。
今私を動かしているこの少女。
彼女が私の主人、アリス・マーガトロイドだ。
「折角のいい天気だもの、丁度いいから図書館へ行くわよ」
主人は今日は機嫌が良い。
もっとも、ここ最近雨が続いていたからだろうか。
久しぶりの快晴に、気持ちが高ぶっているのだろう。
この辺り一体は魔法の森と呼ばれていて、普段から湿度が高い場所だ。
そんなところに雨が降ったとなると、湿度は一気に高くなる。
そんな日の主人はあまり機嫌が良くない。
・・・まぁ、表に出られないのが一番の理由だろうが。
だから今日の主人の機嫌が良いのは当たり前だ。
「さ、出発よ」
主人が今向かっているのは、湖の畔にある洋館。
その名も、紅魔館。
そこには恐ろしいほどに大きな図書館があって、主人や他の魔法使いがよく利用している。
「はいはい、ストーップ」
「・・・何よ、別に怪しいもんじゃないわ」
「いやいや、門番の仕事として、来訪者は一応チェックしなきゃいけないからね」
主人を呼び止めたのは、紅魔館の門番である紅美鈴。
ここ紅魔館での彼女の地位(職業)は決して良いものではないが、実は相当な実力者らしい。
彼女の弾幕は威力だけでなく美しさも兼ね備えており、その虹色の弾幕は美しさなら右に出るものは居ないと言えるだろう。
「はいはい・・・、んじゃ図書館利用で」
「ほいほいっと・・・。じゃ、通って良いわよ」
「全く、来るたびに呼び止められなきゃいけないこっちの身にもなってよね」
「形式的でも、来客全員呼び止めなきゃいけないこっちの身にもなって欲しいわ」
「そもそも、門番の仕事ってそんなもんなわけ? 来客者を呼び止めるだけの退屈な仕事にしか見えないけど」
「何言ってるのよ。私がここ紅魔館の安全を確保しなきゃいけないのよ。そもそも、貴方達の知り合いの白黒魔が盗人みたいなことしなければ、もっと楽なのに・・・」
「それを私に言わないで欲しいわね。そもそも、みたいなじゃなくて実際に盗んでるじゃない」
「そういう辛口評価が、同時に門番の評価も落とすんだけれど・・・」
おっと、今話の中に出てきた白黒魔、上から進入していく所を見たのが私だけって言うのは内緒だよ?
ちょっと面白い事になりそうだからね、今日は。
・・・って、人形がこんな事を言うのも変な話だね。
「それじゃ、行かせて貰うわ」
「パチュリー様によろしくね」
さて・・・、さっきの白黒魔は一体どうなった事やら。
え? 面白そうな事って何かって?
それはお楽しみさ。
「入るわよー」
「あらアリス、丁度良いときに来たわね」
主人を迎えたこの少女。
彼女はここ紅魔館大図書館の管理者とでもいう人物、パチュリー・ノーレッジだ。
・・・で、彼女の隣で拘束魔法に見事捕まっている白黒少女。
彼女が普通の魔法使い、霧雨魔理沙だ。
「あらら・・・、ものの見事に捕まったわね」
「小悪魔の新作トラップ型地雷式魔術が、思ったより効果があってね」
ほら、面白い事が起こったでしょう?
いつもは颯爽と本を奪って逃げ帰るはずの魔理沙が、こうも簡単に捕まるとはね。
主人が門番と話している時、館の中から微弱な魔力反応があったのさ。
そもそもトラップ型魔術というのは、仕掛けたことすら勘付かせないように、術発動時に発生する魔力の放出を極力抑えるように設計してある。
上級の魔法使いになると、術発動時の魔力の漏れでどういったタイプの魔術かなどが分かるからさ。
しかしこの術を発動させた小悪魔が、トラップ型の方面でかなり腕の立つ人物だったのだろう。
主人ですら美鈴と話してたとはいえ、発動に気付かなかった。
もっとも、私は人形だ。
魔力で動いている人形は、そういう魔力の流れに敏感なのさ。
まぁしかし、それを主人に伝える事は出来ないのだけれどね。
「さて・・・、このネズミはどう調理しようかしら・・・?」
「んーっ! むーっ!」
「あのさ、こんなのはどうかしら?」
「何?」
「今から魔理沙の○○を×××して咲夜に△△△△するのよ」
「!!!!!!!!!!」
「あら、それいいわね。じゃあ早速・・・」
・・・悪趣味な人たちだ。
本を盗もうとした罰とはいえ、同情するよ魔理沙・・・。
「あっ、そうだわ。小悪魔! アレ持ってきて!」
「アレって、まさか・・・?」
「そう、アレよ」
「し、しかしパチュリー様! いくらお仕置きとはいえ、それはあまりにも非人道的すぎるのでは・・・?」
「あら、貴方だって試したいって思ってるんじゃないかしら?」
「・・・ごめんなさい、魔理沙さん」
「ねぇ、アレって何かしら?」
「この前永遠亭の一行が来た時に、永琳から貰った薬よ」
「!」
「うわぁ、いかにも怪しそうね・・・。で、どんな効果なわけ?」
「ふふふ・・・。その薬を使うと急に×××になって○○するのよ」
「!!!!!!!!!!」
「うはぁ、凄い薬ね・・・。って、誰か来たわよ」
・・・カツカツカツカツ
「パチュリー様、新作のスイーツをお持ちしましたわ。お1ついかがです?」
「あら、ありがとう咲夜」
今やってきたのは、ここ紅魔館のメイド長である十六夜咲夜だ。
彼女もまた相当な実力者で、紅魔館でのあらゆることは実質彼女が取り仕切っている。
まさに完全で、瀟洒という言葉が似合う人物だね。
「あら、貴方も来ていたのね、アリス」
「お邪魔してるわ。あっ、私もお菓子貰うわね」
「そうそう咲夜、ちょっと訊きたいのだけれど」
「何でしょうか?」
「今から魔理沙にするお仕置きを考えているのだけれど、丁度良いから咲夜に決めてもらおうと思うの」
「ふむ」
「で、1つ目は魔理沙の○○を×××して咲夜に△△△△するっていうの。もう1つは、永琳作の急に×××になって○○する薬を使うっていうの。どっちが良いかしら?」
「ふむふむ、確かに魔理沙の○○を×××してそれを私が△△△△するっていうのも面白そうですが・・・。月の天才が作ったっていう薬ってのも興味ありますね」
「・・・・・・・・・・(汗だく)」
「じゃあ、薬にしましょう」
「!!!!!!!!!!」
「じゃあ、早速やりましょうか」
・・・鬼だ。
人形の私でも分かる、彼女たちは鬼だ。
あぁ魔理沙、短い付き合いだったけど元気でね・・・。
私は貴方の事を忘れないよ・・・。
「ほい、じゃあ口の拘束解除っと。さて魔理沙、言い残した事はあるかしら?」
「ぷはっ! 待て待て待て落ち着け! なぁ話せば分かるって、な! 今日はまだ私何もしてないんだし・・・」
「さてと・・・。うふふ、まーりーさーっ。覚悟は良いかしらー?」
「だーっ! やめやめやめやめちょちょちょちょ待て待て待て! 来るな来るなって来る」
ぷすっ
「いやぁ、久しぶりに凄いもの見たわね・・・」
全く、主人の言うとおりだ。
とんでもないものを見させられた気分だよ・・・。
因みに魔理沙はしばらく紅魔館にお泊りだそうだ、いろんな意味でね。
しかし、あの館には色々と危ないのが多い気がする。
さっきなんて薬を打つの反対していたはずの小悪魔が一番楽しそうだったし・・・。
主人が被害に遭わないように祈るばかりだよ。
私? 私は人形だから関係ないさ。(←のんき)
いくら私でも、これは流石に辛いもの。
主人ももう少しこの辺を考慮してくれると嬉しいんだけど・・・。
・・・おっと、自己紹介が遅れたね。
私の名前は上海、上海人形。
私はここ幻想郷で、とある人形遣いに仕えている身だ。
もっとも仕えているといっても、一般的な家事とか身の回りの手伝いをしているだけ。
決して血生臭いこととかやってる訳じゃない。
そもそも、動かしているのは主人なんだけどね。
「上海ー、上海ー!」
おっと、主人が呼んでいるようだ。
私は人形だから、主人の呼びかけに答える事は出来ない。
それにもかかわらず、主人はいつも私や私たち人形に話しかけてくれる。
主人の趣味・・・、って所もあるのだろうけど、やっぱり嬉しいよね。
「あー、いたいた。さぁ上海、今日はもう出かけるわよ」
やれやれ、ようやく動く事ができる。
今私を動かしているこの少女。
彼女が私の主人、アリス・マーガトロイドだ。
「折角のいい天気だもの、丁度いいから図書館へ行くわよ」
主人は今日は機嫌が良い。
もっとも、ここ最近雨が続いていたからだろうか。
久しぶりの快晴に、気持ちが高ぶっているのだろう。
この辺り一体は魔法の森と呼ばれていて、普段から湿度が高い場所だ。
そんなところに雨が降ったとなると、湿度は一気に高くなる。
そんな日の主人はあまり機嫌が良くない。
・・・まぁ、表に出られないのが一番の理由だろうが。
だから今日の主人の機嫌が良いのは当たり前だ。
「さ、出発よ」
主人が今向かっているのは、湖の畔にある洋館。
その名も、紅魔館。
そこには恐ろしいほどに大きな図書館があって、主人や他の魔法使いがよく利用している。
「はいはい、ストーップ」
「・・・何よ、別に怪しいもんじゃないわ」
「いやいや、門番の仕事として、来訪者は一応チェックしなきゃいけないからね」
主人を呼び止めたのは、紅魔館の門番である紅美鈴。
ここ紅魔館での彼女の地位(職業)は決して良いものではないが、実は相当な実力者らしい。
彼女の弾幕は威力だけでなく美しさも兼ね備えており、その虹色の弾幕は美しさなら右に出るものは居ないと言えるだろう。
「はいはい・・・、んじゃ図書館利用で」
「ほいほいっと・・・。じゃ、通って良いわよ」
「全く、来るたびに呼び止められなきゃいけないこっちの身にもなってよね」
「形式的でも、来客全員呼び止めなきゃいけないこっちの身にもなって欲しいわ」
「そもそも、門番の仕事ってそんなもんなわけ? 来客者を呼び止めるだけの退屈な仕事にしか見えないけど」
「何言ってるのよ。私がここ紅魔館の安全を確保しなきゃいけないのよ。そもそも、貴方達の知り合いの白黒魔が盗人みたいなことしなければ、もっと楽なのに・・・」
「それを私に言わないで欲しいわね。そもそも、みたいなじゃなくて実際に盗んでるじゃない」
「そういう辛口評価が、同時に門番の評価も落とすんだけれど・・・」
おっと、今話の中に出てきた白黒魔、上から進入していく所を見たのが私だけって言うのは内緒だよ?
ちょっと面白い事になりそうだからね、今日は。
・・・って、人形がこんな事を言うのも変な話だね。
「それじゃ、行かせて貰うわ」
「パチュリー様によろしくね」
さて・・・、さっきの白黒魔は一体どうなった事やら。
え? 面白そうな事って何かって?
それはお楽しみさ。
「入るわよー」
「あらアリス、丁度良いときに来たわね」
主人を迎えたこの少女。
彼女はここ紅魔館大図書館の管理者とでもいう人物、パチュリー・ノーレッジだ。
・・・で、彼女の隣で拘束魔法に見事捕まっている白黒少女。
彼女が普通の魔法使い、霧雨魔理沙だ。
「あらら・・・、ものの見事に捕まったわね」
「小悪魔の新作トラップ型地雷式魔術が、思ったより効果があってね」
ほら、面白い事が起こったでしょう?
いつもは颯爽と本を奪って逃げ帰るはずの魔理沙が、こうも簡単に捕まるとはね。
主人が門番と話している時、館の中から微弱な魔力反応があったのさ。
そもそもトラップ型魔術というのは、仕掛けたことすら勘付かせないように、術発動時に発生する魔力の放出を極力抑えるように設計してある。
上級の魔法使いになると、術発動時の魔力の漏れでどういったタイプの魔術かなどが分かるからさ。
しかしこの術を発動させた小悪魔が、トラップ型の方面でかなり腕の立つ人物だったのだろう。
主人ですら美鈴と話してたとはいえ、発動に気付かなかった。
もっとも、私は人形だ。
魔力で動いている人形は、そういう魔力の流れに敏感なのさ。
まぁしかし、それを主人に伝える事は出来ないのだけれどね。
「さて・・・、このネズミはどう調理しようかしら・・・?」
「んーっ! むーっ!」
「あのさ、こんなのはどうかしら?」
「何?」
「今から魔理沙の○○を×××して咲夜に△△△△するのよ」
「!!!!!!!!!!」
「あら、それいいわね。じゃあ早速・・・」
・・・悪趣味な人たちだ。
本を盗もうとした罰とはいえ、同情するよ魔理沙・・・。
「あっ、そうだわ。小悪魔! アレ持ってきて!」
「アレって、まさか・・・?」
「そう、アレよ」
「し、しかしパチュリー様! いくらお仕置きとはいえ、それはあまりにも非人道的すぎるのでは・・・?」
「あら、貴方だって試したいって思ってるんじゃないかしら?」
「・・・ごめんなさい、魔理沙さん」
「ねぇ、アレって何かしら?」
「この前永遠亭の一行が来た時に、永琳から貰った薬よ」
「!」
「うわぁ、いかにも怪しそうね・・・。で、どんな効果なわけ?」
「ふふふ・・・。その薬を使うと急に×××になって○○するのよ」
「!!!!!!!!!!」
「うはぁ、凄い薬ね・・・。って、誰か来たわよ」
・・・カツカツカツカツ
「パチュリー様、新作のスイーツをお持ちしましたわ。お1ついかがです?」
「あら、ありがとう咲夜」
今やってきたのは、ここ紅魔館のメイド長である十六夜咲夜だ。
彼女もまた相当な実力者で、紅魔館でのあらゆることは実質彼女が取り仕切っている。
まさに完全で、瀟洒という言葉が似合う人物だね。
「あら、貴方も来ていたのね、アリス」
「お邪魔してるわ。あっ、私もお菓子貰うわね」
「そうそう咲夜、ちょっと訊きたいのだけれど」
「何でしょうか?」
「今から魔理沙にするお仕置きを考えているのだけれど、丁度良いから咲夜に決めてもらおうと思うの」
「ふむ」
「で、1つ目は魔理沙の○○を×××して咲夜に△△△△するっていうの。もう1つは、永琳作の急に×××になって○○する薬を使うっていうの。どっちが良いかしら?」
「ふむふむ、確かに魔理沙の○○を×××してそれを私が△△△△するっていうのも面白そうですが・・・。月の天才が作ったっていう薬ってのも興味ありますね」
「・・・・・・・・・・(汗だく)」
「じゃあ、薬にしましょう」
「!!!!!!!!!!」
「じゃあ、早速やりましょうか」
・・・鬼だ。
人形の私でも分かる、彼女たちは鬼だ。
あぁ魔理沙、短い付き合いだったけど元気でね・・・。
私は貴方の事を忘れないよ・・・。
「ほい、じゃあ口の拘束解除っと。さて魔理沙、言い残した事はあるかしら?」
「ぷはっ! 待て待て待て落ち着け! なぁ話せば分かるって、な! 今日はまだ私何もしてないんだし・・・」
「さてと・・・。うふふ、まーりーさーっ。覚悟は良いかしらー?」
「だーっ! やめやめやめやめちょちょちょちょ待て待て待て! 来るな来るなって来る」
ぷすっ
「いやぁ、久しぶりに凄いもの見たわね・・・」
全く、主人の言うとおりだ。
とんでもないものを見させられた気分だよ・・・。
因みに魔理沙はしばらく紅魔館にお泊りだそうだ、いろんな意味でね。
しかし、あの館には色々と危ないのが多い気がする。
さっきなんて薬を打つの反対していたはずの小悪魔が一番楽しそうだったし・・・。
主人が被害に遭わないように祈るばかりだよ。
私? 私は人形だから関係ないさ。(←のんき)
『幻想郷観察』と言いながら出てくるのは紅魔館だけだし
話の半分は上海と関係ない魔理沙へのお仕置きの話だし
小悪魔の設定とか、人形の魔力云々なんかは別に問題ないと思います。
東方の細部の解釈は人それぞれですし、少なくとも私は違和感なく読めました。
それと、どうしても気になってしまったのが、「・・・」の多さです。
「・・・」は「……」にして使いましょう、と言うのは簡単ですが、納得できない方もいらっしゃるので、個人的な見解を少しばかり。
「・」は他の文字に対して、線(点ですが)が太すぎるので、周りの文字を差し置いて、どうしても目立ってしまうと思うのです。
会話や地の文に間を持たせるために使用される「・」ですから、余り自己主張が強すぎてはいけません。下手をしたら他の文字を食ってしまいます。
それから内容ですが、個人的にこういった話は好きなのですが、いかんせんオチが弱すぎると思うのです。
永遠亭という単語と、ぷすっという擬音から察するに、魔理沙が何をされたかは明白ですが、そういった場面をここで描く場合、天森さんの使った手法、○○や××、△△で伏せるというのが必要になってきます。
しかし、それをされてしまうと読者は置いてけぼりにされてしまいます。何をされたかは明白だけど、具体性がない。
言いえて妙ですが、少しでも参考になればと思います。
>「全く、来るたびに呼び止められなきゃいけないこっちの身にもなってよね」
>「形式的でも、来客全員呼び止めなきゃいけないこっちの身にもなって欲しいわ」
ここの掛け合いは物凄く東方らしくて良いと思いました。
長文失礼いたしました。
上海がまず楽しくなさそうだし
17氏に同意