昼、人里
「みなさーん!!妖怪の山の八坂様と洩矢様!!二柱の神様の信仰をお願いしまーす!!」
今日も人里で勧誘をしている風祝がいる。
「あ~!巫女のお姉ちゃんだ~!!」
「ホントだ!おーい!巫女様~!!」
すると周りの子達も集まってきてワイワイと騒ぎ始める。
「巫女じゃなくて風祝ですよ!」
「そうだっけ?」
「巫女様とどう違うの~?」
「うっ…、それを言われると説明しにくいのですが…」
「巫女様、今日はどうしたの?」
「だから私は風祝…、いや、今日は八坂様と洩矢様の信仰の勧誘と晩御飯の買い物に」
「かみさま達はどうですか?」
「ええ、皆さんが信仰してくれたお陰で八坂様も洩矢様も大変お元気です」
「良かったー、それじゃあ家のお米も元気に育つかな?」
「ええ、きっと」
「●●、そろそろ行くわよ?」
「あ、お母さん。巫女様、さようなら~」
「あ…、はい、さようなら」
そう言って女の子の一人が母親に連れられ家に帰って行った。
「…かぜはふりだって言ってるのに…」
「それじゃあ私達もこれから行くところがあるのでさよならです」
「はい、さようなら」
「またねー」
「ばいばーい」
こうして他の子たちも帰って行った。
「さて…私も移動しましょうか」
そう言って傍に立てかけていた茄子色の傘を持ち、人が次に多く通る道に移動を開始した。
…移動した道には霊夢がいた。
「あら、久しぶりね、あんた」
「ええ、お久しぶりです」
「で、巫女…ごめんごめん、解ったから泣きそうな顔しないで。えーっと…、風祝としての信仰集めの具合はどうなの?」
「えっと…、里の人の約60パーセントから信仰をいただいてます」
「へえ、結構集まっているじゃない」
「ええ、あの後かなり頑張りましたから、あの子には負けますけど。それに、あの子との約束でもありますから」
「そう…、それじゃあ頑張ってね、二人によろしく」
「はい、ありがとうございます。霊夢さん」
そうして霊夢は帰って行った。
「さて、私も仕事をしますか」
「みなさーん!!妖怪の山の八坂様と洩矢様!!二柱の神様の信仰をお願いしまーす!!」
夕方、人里
「ふう、今日は3人も勧誘出来ました」
「あら?こんにちは」
「あ、こんにちは、咲夜さん」
「今日も勧誘?」
「はい、そうです。そうだ、レミリアさんは最近どうですか?」
「レミリア?最近は…というよりずっとだけど寝坊癖が抜けないのよね…、まあ可愛い寝顔が見れたり出来るからいいんだけど」
「ふふ、楽しそうでなによりです」
「まあね…、そっちは?」
「私の方は…あの時から全然変わってません。あっても八坂様達がよくケンカしたりして遊んでるくらいですかね」
「そう…ところでもうあれから何年経ったのかしら?」
「…今年でもう五十年になります」
「…もうそんなになったのね」
「ええ、時が経つのは早いです」
「そうね…。あ、もうこんな時間。レミリアが待っていると思うからそろそろ私は帰るわね」
「はい、さようなら」
「さて、私も買い物を済まして帰りましょう」
同刻、妖怪の山、麓付近
「おーい!おーい!」
「この声は…魔理沙さん?」
「おお!なんだ、今帰りか?」
上を見上げるとそこには魔理沙がいた。
「はい、魔理沙さんは何故妖怪の山に?」
「ん?ああ、最近香霖と朱鷺子の子供が生まれただろ?だから何を贈ればいいかをさ、はたてに相談しに行ってたんだ」
「あ、そうなんですか。ところではたてさんのクッキーは美味しかったですか?」
「おう!何というかサクサクしててさアリスと同じかそれ以上に美味k…ってなんで知ってるんだ!?」
「当たったんですか?まさに奇跡ですね!」
「そんな奇跡はいらん!うぅぅ…」
「まあまあ…、それで何処までいったんです?キスはもうしちゃいました?」
「き、ききき、キス!?」
「…あの、もしかしてまだキスもしていないとか?」
「し、ししし仕方無いだろ!?はたて一緒にいると…、その…」
「そんな事だとはたてさんを文さんとか椛さんに盗られちゃいますよ?」
「うー…、さでずむめ…」
「まあ、頑張ってください」
「ああ、そうだな…。それじゃあな!」
「はい!ぐっどらっく!です。魔理沙さん」
「おう!」
そう言って魔理沙は去って行った。
同刻、守矢神社
「ただいま帰りました」
「お帰り」
「お帰り。あ、そうだ、さっき文が来てたよ。何か包みを渡してくれって言われたから早苗の部屋に置いておいたよ」
「本当ですか!?ありがとうございます神奈子様!!」
そう言って私は部屋に向かって駈け出した。
『それ』は机の上に在った。
「ついに出来たのかー…、何というか寂しい感じがするけど…」
そして包みを開けると中から本が出てきた。
本の名前は―――
幻想郷縁起 著、阿燈
「ついに御阿礼の子、十代目の幻想郷縁起が出ました!さて、早速見てみましょう!」
博麗 霊夢
職業、巫女
種族、人間(?)
能力、空を飛ぶ程度の能力
先代阿礼乙女、阿求の時代から生きてている博麗神社、第13代目の巫女。
聖蓮船異変の後いくつかの異変を解決していくうちに能力が完全に開花、もはや法則からも解き放たれ寿命などでは死なない体になった。
現在も異変解決や賽銭箱を覗く事を仕事としている。
よく地底の橋守の水橋パルスィといるところを良く見かける。…付き合っているのだろうか。
性格は超マイペース。
霧雨 魔理沙
職業、魔法使い
種族、魔法使い
能力、魔法を使う程度の能力
博麗の巫女と同じく先代の頃から生きている霧雨魔法店の店主。
数十年前に七色の魔法使いのアリス・マーガトロイドの協力で種族、魔法使いになる。
現在は異変解決の他に里の依頼で妖怪退治なども請け負っている。
魔法の森で店を開いているが香霖堂より奥に建っているため客が来ない以前に入れないし行けない。ちなみに本人は気にしていない。
性格は上に同じく超マイペース。
十六夜 咲夜
職業、メイド
種族、吸血鬼
能力、時を操る程度の能力
やはり先代の頃から生きている紅魔館のメイド長。
数十年前に紅魔館の主、レミリア・スカーレットと婚約し吸血鬼になった。
現在は妻のレミリアと幸せに(このバカップルめ)暮らしている。
ちなみに血は霊夢と取引で霊夢から直接買っている。
性格は瀟洒で大人びているが子供っぽい所もある。
「この三人完全にちーとですよね…」
森近 霖之助
職業、香霖堂店主
種族、半妖
能力、道具の名前と用途が判る程度の能力
魔法の森の入口近くに在る香霖堂の店主。
先代が生きている時よりも前から営業しており外の世界の物以外にも妻の森近朱鷺子と一緒に人里まで赴き自分たちが作った絵や彫刻などを販売したり寺小屋で授業を行うなど動かない道具屋を返上するような活動もしている。
天狗の新聞記者、射命丸文によると数年前に店主から告白、そして最近、森近朱鷺子に新たな命が宿った。この書が出ている頃にはもう生まれているかもしれない。
性格は冷静沈着、朴念仁(?)
「相変わらずですね、あの人も…。あ、天子さんも英雄伝に載ってる」
比那名居 天子
職業、天人
種族、天人
能力、大地を操る程度の能力
数十年前に起きた大地震を止めた英雄の一人。
いまだに不良天人と呼ばれているがそれは天人らしくない振る舞いから言われているだけなので現在ではあだ名のようなものである。
天界では周りから認められており先代の御阿礼の子が生きていた時のような扱いは受けていないと思われる。
現在は妖精を統べる氷精のチルノと現在一緒に暮らしている。
性格は明るく好奇心旺盛
「結構みんなすごいです!さて、東風谷、東風谷…あった!!」
東風谷 早苗
職業、巫女(風祝)
種族、人間、現人神
能力、奇跡を起こす程度の能力
「おーい、小傘~、ご飯が出来たよー」
「あ、ハーイ」
そう言って私は幻想郷縁起を閉じ居間に向かって歩き始めた。
五十年前に病で死亡した風祝。
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…最初は信じたくなかった。
いつも早苗は優しそうに笑ってくれてた。
たまに私を困らせて泣きそうになるのを嬉しそうにしてたけど
楽しかった
さでずむだったけどそれ以上の優しさを持っていた
嬉しかった
私が嬉しいときは一緒に喜んでくれた
誰も驚いてくれくれないと怒っていたら早苗は何だかんだで一緒に驚かせる方法を考えてくれた
私が泣きそうになった時は優しく抱きしめて背中をさすってくれた
私が退屈そうにしているときは一緒に買い物に行ったりして私を楽しませてくれた
私の喜怒哀楽の中にいつも早苗が居た
だからその時になるまで考えもしなかった
早苗が居なくなるなんて
後半が楽しみです!あと、他のシリーズも!
何でか分からないけど画像が見れない…orz
後編にも他の話にも超期待!
結構頑張ってみました。
画像は見れましたでしょうか。
唯 様
はた魔理は珍しいからこそ面白いんですよね。
そろそろよっちゃんだそうかなぁ…。
ご期待下さいwww
小傘がさでずむと呼ばれるとは