私、十六夜咲夜は、人里への買出しからの帰り道、偶然、博麗霊夢に出会い、そのまま立ち話となった。
「都市伝説?」
「そう、都市伝説。」
「珍しいわね。霊夢がそういうものに興味を持つなんて。」
「う~ん、興味って言うか、最近、都市伝説と言うより噂を操作すれば自分の力にすることができるみたいなの。だから、使えそうな噂や都市伝説がないかと思って。」
そんなことが起こっていたとは、知らなかった。
なにより、噂と言うものは、恐ろしいもの。尾鰭がつき目に見えないが故に、目に見えない形で人を傷つけていくものだから。
そして、それが実際に力となり振るわれれば、どれだけの凶器となるか。
本当にそんなことが起きて、そして思い通りに扱うことなんてできるのだろうか?
「自分の力することができるってことは、現実の物になるってことよね?」
「まぁ、そうね。」
私の疑問にあっさりと答える霊夢。
「それは異変じゃないの?」
「異変と言うより、まだ怪異ってとこかしら?玩具みたいなものかしら?咲夜も何か考えてみたら?」
「私は止めておくわ。]
「そう?面白いと思うんだけど。」
「霊夢、私の使うスペルカードで、『ジャック・ザ・リッパー』や『夜霧の幻影殺人鬼』って、あるでしょ?」
「うん。」
「あれは現世で実際にあった殺人事件が都市伝説化した物を私がスペルカードの名前にしているの。まだ怪異かもしれないけど、いつ異変になるか分からないわ。そして異変になり、都市伝説が本当に現実化してしまったら、私のスペルカードの元の事件も現実化してしまう恐れがあるの。」
「あぁ~、それは不味いわね。」
「でしょ?だから今回、私はこの件には関わらない事にするわ。」
「うん。その方が良いわね。それで、何か都市伝説だけでも教えてくれない?」
相変わらず能天気で本当に分かっているのか、少し心配になるが、霊夢のことだから大丈夫と思い、記憶を探り、思い出したものがあった。それを少し変えて・・・
「そうね。こう言うのはどう?」
「どう言うの?」
「『赤いメイド』と、『青いメイド』どちらが好き?」
「それって確か、『赤い紙・青い紙』と同じ話?」
「さぁ、どうかしら?それで、答えは?」
「そんなの決まっているじゃない。咲夜が好き。」
「えっ・・・あのね、霊夢。『赤いメイド』・・・」
「咲夜が好き。」
「『赤い・・・」
「咲夜、大好き。」
そう無邪気に霊夢は私に抱きついた。
「ありがとう。私も好きよ。」
抱きついてきた霊夢を抱き返し、答える私。
「それで、さっきのは『赤い紙・青い紙』と同じ都市伝説なの?」
しばらく抱きついていた霊夢が少し離れると私に質問をしてきた。
「私の知っている都市伝説では、『赤マント・青マント』だったわ。」
「結末は?」
「『赤いマント』を選ぶと切り刻まれて血塗れにされてしまい、『青いマント』を選ぶと血を抜かれて真っ青になってしまうの。」
「物騒な都市伝説ね。そんなの使えないわよ。」
「針を使う霊夢にがそんなこと言うの?」
「あれは、妖怪用だから良いの。それ以外にないの?」
「ちょっと、思いつかないわ。」
「う~ん、残念。」
「それより、霊夢の言っていた『赤い紙・青い紙』の結末はどう言うものなの?」
「あれは・・・、じゃぁ、咲夜は『赤い巫女』と『緑の巫女』、どっちが好き?」
先程の私の『赤マント・青マント』アレンジを真似するように霊夢が私に尋ねてきた。
私の都市伝説アレンジを素直な好意であさり無効にしてしまった霊夢に『赤い巫女』や『博麗霊夢』と答えるのは少し悔しい。だから、
「そうね・・・私は『緑の・・・』」
「『緑の巫女』なんていないわ。」
『緑の巫女より赤い巫女である霊夢が好きよ。』と気を持たせる答えをしようとした途端、霊夢の声で答えを中断された。
それと同時に霊夢の言葉に少し驚いた。
「何を言っているの?『緑の巫女』なら、早苗が・・・」
「『緑の巫女』なんて幻想郷のどこにはいないわ。・・・・・・だって・・・早苗は・・・・・・早苗は・・・」
私の疑問に答える霊夢の声が途切れ途切れになり、顔色も悪くなっていく。
私は緊張しながら霊夢の言葉を待つ。
「だって、早苗は・・・・・・『緑の風祝い』ですもの。」
いきなり、悪戯っぽい顔になって答える霊夢に私の緊張も一気に解けた。
確かに早苗は本人、『風祝い』と言っていた。『巫女』とどこが違うのか良く分からないけれど。
「そう言うわけだから、『緑の巫女』は選べないの。」
無邪気で可愛いだけでなく、頭の回転も速い霊夢は、私の答えを予想した上で、少し悪戯をしてきたのだ。
少し悔しい。
「そう。私は『赤い巫女』でも、『緑の風祝い』でもなく、博麗霊夢を愛しているので構わないわ。」
霊夢と同じ答えで返すのは少し悔しいけれど、別に霊夢を好きなのは事実なので構わない。
「そう。じゃぁ。」
そう言いながら、私の腕を摘むと、瞬時にお姫様だっこをする霊夢。
「えっ?」
いきなりの霊夢の行動に嬉しさと恥ずかしさ頬が赤くなる。
「『赤い巫女』を選ばず、私を選んだ咲夜を博麗神社に攫って行くの。」
私の答えを予想はしていたのだろうけれど、やはり少し恥ずかしいのだろう。
そう答えた霊夢の顔も少し赤くなっている。その顔を見て少し冷静になった。
「不束者ですが、末永く宜しく御願い致します。」
私はお姫様だっこされたまま霊夢の首に腕を絡め、頬を寄せ霊夢の耳元で囁く。
「えぇ・・・うん・・・えっと、任せて。」
私のこの答えは完全に霊夢の予想外だったのか、しどろもどろ答える霊夢の頬の温度が高くなる。
そんな、最後の最後で詰めの甘くなる霊夢も、私には愛おしくてたまらない。
「都市伝説?」
「そう、都市伝説。」
「珍しいわね。霊夢がそういうものに興味を持つなんて。」
「う~ん、興味って言うか、最近、都市伝説と言うより噂を操作すれば自分の力にすることができるみたいなの。だから、使えそうな噂や都市伝説がないかと思って。」
そんなことが起こっていたとは、知らなかった。
なにより、噂と言うものは、恐ろしいもの。尾鰭がつき目に見えないが故に、目に見えない形で人を傷つけていくものだから。
そして、それが実際に力となり振るわれれば、どれだけの凶器となるか。
本当にそんなことが起きて、そして思い通りに扱うことなんてできるのだろうか?
「自分の力することができるってことは、現実の物になるってことよね?」
「まぁ、そうね。」
私の疑問にあっさりと答える霊夢。
「それは異変じゃないの?」
「異変と言うより、まだ怪異ってとこかしら?玩具みたいなものかしら?咲夜も何か考えてみたら?」
「私は止めておくわ。]
「そう?面白いと思うんだけど。」
「霊夢、私の使うスペルカードで、『ジャック・ザ・リッパー』や『夜霧の幻影殺人鬼』って、あるでしょ?」
「うん。」
「あれは現世で実際にあった殺人事件が都市伝説化した物を私がスペルカードの名前にしているの。まだ怪異かもしれないけど、いつ異変になるか分からないわ。そして異変になり、都市伝説が本当に現実化してしまったら、私のスペルカードの元の事件も現実化してしまう恐れがあるの。」
「あぁ~、それは不味いわね。」
「でしょ?だから今回、私はこの件には関わらない事にするわ。」
「うん。その方が良いわね。それで、何か都市伝説だけでも教えてくれない?」
相変わらず能天気で本当に分かっているのか、少し心配になるが、霊夢のことだから大丈夫と思い、記憶を探り、思い出したものがあった。それを少し変えて・・・
「そうね。こう言うのはどう?」
「どう言うの?」
「『赤いメイド』と、『青いメイド』どちらが好き?」
「それって確か、『赤い紙・青い紙』と同じ話?」
「さぁ、どうかしら?それで、答えは?」
「そんなの決まっているじゃない。咲夜が好き。」
「えっ・・・あのね、霊夢。『赤いメイド』・・・」
「咲夜が好き。」
「『赤い・・・」
「咲夜、大好き。」
そう無邪気に霊夢は私に抱きついた。
「ありがとう。私も好きよ。」
抱きついてきた霊夢を抱き返し、答える私。
「それで、さっきのは『赤い紙・青い紙』と同じ都市伝説なの?」
しばらく抱きついていた霊夢が少し離れると私に質問をしてきた。
「私の知っている都市伝説では、『赤マント・青マント』だったわ。」
「結末は?」
「『赤いマント』を選ぶと切り刻まれて血塗れにされてしまい、『青いマント』を選ぶと血を抜かれて真っ青になってしまうの。」
「物騒な都市伝説ね。そんなの使えないわよ。」
「針を使う霊夢にがそんなこと言うの?」
「あれは、妖怪用だから良いの。それ以外にないの?」
「ちょっと、思いつかないわ。」
「う~ん、残念。」
「それより、霊夢の言っていた『赤い紙・青い紙』の結末はどう言うものなの?」
「あれは・・・、じゃぁ、咲夜は『赤い巫女』と『緑の巫女』、どっちが好き?」
先程の私の『赤マント・青マント』アレンジを真似するように霊夢が私に尋ねてきた。
私の都市伝説アレンジを素直な好意であさり無効にしてしまった霊夢に『赤い巫女』や『博麗霊夢』と答えるのは少し悔しい。だから、
「そうね・・・私は『緑の・・・』」
「『緑の巫女』なんていないわ。」
『緑の巫女より赤い巫女である霊夢が好きよ。』と気を持たせる答えをしようとした途端、霊夢の声で答えを中断された。
それと同時に霊夢の言葉に少し驚いた。
「何を言っているの?『緑の巫女』なら、早苗が・・・」
「『緑の巫女』なんて幻想郷のどこにはいないわ。・・・・・・だって・・・早苗は・・・・・・早苗は・・・」
私の疑問に答える霊夢の声が途切れ途切れになり、顔色も悪くなっていく。
私は緊張しながら霊夢の言葉を待つ。
「だって、早苗は・・・・・・『緑の風祝い』ですもの。」
いきなり、悪戯っぽい顔になって答える霊夢に私の緊張も一気に解けた。
確かに早苗は本人、『風祝い』と言っていた。『巫女』とどこが違うのか良く分からないけれど。
「そう言うわけだから、『緑の巫女』は選べないの。」
無邪気で可愛いだけでなく、頭の回転も速い霊夢は、私の答えを予想した上で、少し悪戯をしてきたのだ。
少し悔しい。
「そう。私は『赤い巫女』でも、『緑の風祝い』でもなく、博麗霊夢を愛しているので構わないわ。」
霊夢と同じ答えで返すのは少し悔しいけれど、別に霊夢を好きなのは事実なので構わない。
「そう。じゃぁ。」
そう言いながら、私の腕を摘むと、瞬時にお姫様だっこをする霊夢。
「えっ?」
いきなりの霊夢の行動に嬉しさと恥ずかしさ頬が赤くなる。
「『赤い巫女』を選ばず、私を選んだ咲夜を博麗神社に攫って行くの。」
私の答えを予想はしていたのだろうけれど、やはり少し恥ずかしいのだろう。
そう答えた霊夢の顔も少し赤くなっている。その顔を見て少し冷静になった。
「不束者ですが、末永く宜しく御願い致します。」
私はお姫様だっこされたまま霊夢の首に腕を絡め、頬を寄せ霊夢の耳元で囁く。
「えぇ・・・うん・・・えっと、任せて。」
私のこの答えは完全に霊夢の予想外だったのか、しどろもどろ答える霊夢の頬の温度が高くなる。
そんな、最後の最後で詰めの甘くなる霊夢も、私には愛おしくてたまらない。
相変わらず甘くてラブラブな咲霊ごちそうさまです