Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

Are you happy?

2010/08/17 04:12:08
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トランペットを構える




息を吸う


それだけで十分





"Party Time!"







     *     *     *     


妖怪の山を降りて人里へと向かう途中、割と鬱葱と茂る森を横目にひとり歩いてるときの話でした。
この道を歩いていると、しばしば、森の中からかすかにトランペットの音が聞こえてきます。
ぼんやり耳を傾けているとすこし楽しい気分になれたりもするのですが

「…………ああもう、うるさい!」
その時は丁度、旱り続きの所もあって相当苛々していました。どの位苛々していたかというと、異変が起こったときの霊夢さん並です。要は"相当"です。

頭の中に響いてくる能天気なトランペットの音に痺れを切らし、私は用事も忘れて森の中に突入していきました。
音の主を退治するために。



「あら?お客さんかしら?」
能天気な音の主は、やっぱり能天気な声色でそういったのです。誰が「お客さん」ですかっ。そんなことを思って、苛々はつのるばかりです。

「ちょっとその能天気な音、やめてもらえませんか?」
「あらあら怖い。そんな怖い顔してたら幸せも逃げちゃうわよ?」
「知らないですよそんなの。もうとっくに逃げてるんじゃないですか?」
「なら今すぐにでもハッピーにする必要があるわね。」
「トランペット1本でそれほどのことができるのですか?」

………私の苛々は最高潮に達していました。というかついでに色々溢れ出てしまいました。
「そもそもどうして私が苛々してるかなんて知らないでしょう貴方。知ってもどうせ理解なんてしてくれないんでしょう?そんな能天気にラッパ鳴らしてるような人が私の悩みなんて解る筈もないですもんね。そうなのよそして私は一人割を食わなきゃいけないのよっ。なんですか皆してヘラヘラして。生真面目な人は愚か者とでもいうつもりですか。おかげで頑張っても頑張っても何も報われなくて、それで悪い結果を皆で肩組んで共有するんですよ!そんな事してだらだらだらだら『黙りなさい』

そのときの眼差しは、忘れようがありません。
「貴方が何を悩んでるかなんて、私には関係ないわ。もちろん痛みや苦しみを知っていないと、解ることはできない。でもね。私の躁の音はそんな事、関係ないし、必要ないのよ。」
そしてその人――メルランさんのことですが――は私の腕を掴んで、
「私の能力をフル稼働させてあげるわ。あなたはただ、私の音でハッピーになればそれで解決なのよ!」

刹那舞い込む音の洪水とともに、メルランさんは私の腕を掴んだまま走り出しました。
厳密に言えば宙には浮かんでいるのですが、それはまあ、この際いいです。

「え、ちょっと、どこへ?」
メルランさんは私の腕をしっかりと掴んで、離せそうにありません。私もつられて、駆け出すしかありませんでした。
すると次第に、流れていく森の色が、緑から黄色に変わり、明るい原色のフルコーラスに変化していきました。

短調なメロディもいつの間にか明るく変貌して、私の心をダイレクトに揺らしていきます。
「I'm so happy!」
メルランさんはそう高らかに宣言します。

彼女にはそれだけで十分だったのです。
金管のメロディにキックドラムが参加して、いよいよ曲も最高潮に達する頃には、私の心は「楽しい」に支配されていました。

気がつけば私たちは森を駆け野を駆け、大勢のモノを巻き込んでいたようでした。
私の手をとりながら踊るようにくるくる走るメルランさんは最後に、開いていたもう片方の手もとって、ぎゅっと抱き寄せ、
「貴方は最初から十分ハッピーなのよ、気付きなさい!」
といったかと思うと、私のことを突き飛ばしました。

空中で突き飛ばされた私は、そのまま落ちて行くしかなく。

ヒュ~↓



ぼふ。

ぼふ?
「やれやれ、手間のかかる娘だこと」
そこに居たのは、神奈子様と諏訪子様でした。

どうやら私は、森を駆け野を駆け、山を駆けて自分の神社に戻ってきていたようでした。
先ほどまでの躁の音色で夢現になっていた私のそばで、諏訪子様はこう言いました。

「私たちの仕事の分までアンタが悩んでどうすんだい。私たちの保護者でもないのにさ。アンタはアンタの分だけを考えてればいいんだよ。あとは私たちがやるんだから。」

………いくら現人神だなんだとは雖も、私もまだまだ子どもでした。
このとき、おそらく生まれて初めて、あぁ、私は幸せなんだなぁと思いましたね。



さて、




"Are you happy?"
いや、私と入れ替わりくらいで筐体の前に立ってた高校生がずっとI'm so happyやってたから。なんか俺もやってみようと思って、頑張りました。
頑張ったんですけどどうなんでしょう。当初の目標が達成できたようなできていないような。まだまだ修正できた気もします。

テンポよく行こうとした記憶はあるんですが、文章がなんだかおかしなことに。
あと描写力もたりないというか、もっと映像か漫画くらいにやりたかったというか。
短く纏めようとしすぎてるんでしょうかね?アドバイスお願いします。
喇叭吹きは休日でした。

P.S.ヒント 壁|∀・)つhttp://www.nicovideo.jp/watch/nm11679811
喇叭吹きは休日
http://twitter.com/merliborn
コメント



1.奇声を発する程度の能力削除
>加奈子様
神奈子様

とても面白かったです!
2.少女化した万 すなわち万k(ry削除
音楽にインスピレーションを感じて書いたのね。


最初にちょっときついこと言うわ。

語り手が、中盤までなかなか早苗さんだって分かりづらいと思うの。
序盤の文に、「妖怪の山を降りて」「霊夢さん並」とか、結構ヒントになる描写はちりばめているようだけど……
残念ながら、早苗さんだと言う決定的な描写ではないのよねぇ……

そうね、例えばこのSSだと、早苗さんがイライラしてる理由ってのが特にないじゃない?
なら、「神奈子『様』が酔って人里で脱いだ」とか「諏訪子『様』が仕事サボってる」とか書けば、一発で語り手が早苗さんだって分かると思うの。
その点、メルランちゃんの描写はグーね。
登場した時点で、リリカきゅんでもルナサちゃんでもなく、メルランちゃんだってこと、分かっちゃったもの。


あと、もひとつ。
早苗さんとメルランちゃんって、このときは初対面なのかしら?
残念ながら、その辺り、ちょっと気になっちゃったわ。
初対面なら、早苗さんはメルランちゃんの名前を知らない訳よね?
でもね、二人が出会った場面なんだけど、私は初対面の二人が出会ったと思ってその辺りのセリフを読んじゃったのよ。
だから、「――メルランさんのことですが――」って出てきた時点で、『あれ? この二人は知り合いなのかしら?』と、判断に困っちゃったわけ。
これは私の読解力が足りない所為なのかもしれないけれど、出会いのセリフの辺りで、早苗さん視点の描写をもう少し足して欲しかった気がするわ。


全体的に、詩的ね。
このSSを書いたとき、貴方は言葉を論理的に選択するのではなく、全体的な雰囲気を重視して言葉の持つイメージやパワーを重視したのじゃないかしら?

それが、後半の曲が流れる辺りは、すごくイイ感じに表現できていると思うわ。
メルランちゃんはただ、「楽しい」騒霊ではなく、「躁の」騒霊ですものね。
その彼女が、ぐいぐい早苗さんを引っ張っていく感じが、とても良く読み取れました。
こういった流れだと、下手に地の文を多くすると、興が冷めちゃうわね。


ただ、前半。ちょっとセリフの量に関して地の文が少ない印象を受けてしまったかしら。
早苗さんがその場で見たこと、感じたこと。あるいは、肌で感じた風の強さ。暑さ寒さをちょっと書き加えるだけで、このSSはずいぶんと良くなると思うわ。


ちょっと小言くさくなっちゃったけど、ごめんなさいね。


あと、教えてくれた笑笑動画のサイトがどうにも重くて見づらいのだけれど、ようつべとかにもあがっているのかしら? 教えて頂けるとうれしいわぁ。
3.喇叭吹きは休日削除
>奇声氏
あ。
訂正しました。ありがとうございます~

>万氏
わわっ、こんな長文で批評&アドバイスありがとうございます。
動画はつべにも上がってました。↓
http://www.youtube.com/watch?v=l3mTNtL5UAg