ある日。
妖夢は台所でいつものように食事の準備をしていた。
幽々子は台所の扉の境目から半身乗り出し、そーっと妖夢を見つめる。
「ねぇ妖夢、アレやって欲しいんだけど…」
「…またですか? 幽々子様も好きですねぇ。」
妖夢は振り向かずに返答する。
幽々子もそのままの姿勢で話を続ける。
「…だって、痛いけどすごい良いんだもの。」
「まぁ幽々子様がどうしてもというのならやりますけど。」
「じゃあ、お願いね。妖夢。」
「っ…そう、妖夢…」
「本当に好きですね。これ。」
「いたっ、いっ…」
「そんな呻き声あげても好きなんですよね? 」
「う、うんっ…好き! 好きなの!」
…10分後…
「ふぅ。終わりですよ幽々子様。」
「はぁ~。気持ちよかった。ありがとうね妖夢。」
「いえいえ。またいつでも私に言ってくれればしますので。『指圧』。」
その行為をスキマからこっそり見ていた紫は思わず吼えた。
「指圧かよっ!!」
「五月蝿いです紫様。幽々子様たちにも聞こえてしまうでしょう。」
紫は藍に注意されて声量を少し小さくした。
「…だって、幽々子が変な性癖持ってるかと期待しちゃうじゃないの。」
「私だって期待しましたよ。もし、幽々子様がそれだったとしたら…」
「ね。興奮せざるをえないじゃない。」
「そうですけ」
隣で一緒にスキマを覗いていた藍が突然畳に倒れこむ。
紫はおそるおそる後ろを振り向くと、そこには静かに憤怒の感情を含んだ幽々子と妖夢が立っていた。
妖夢の持っている楼観剣は獲物を欲する獣のように妖しく光っていた、ように見えた。
一方の幽々子は口元を扇子で隠しているのだが、目は笑ってなかった。
…本気で怒っている顔だ。
紫は即座に感じ取った。だがそれは無意味だった。
「最後に言い残すことは?」
幽々子が冷たく言い放つ。
妖夢は既に楼観剣を構えている。
紫は重い口を開いた。
「…こういうの、感動の再開っていうらしいぜ!」
親指を立てて、ウィンクをしながら言った。
しかし、おどけてどうにかなる展開でもなく…
幽々子は妖夢に目で合図し、妖夢は楼観剣の刃を逆にして、紫の首に思い切り振り下ろす。
紫は声も上げられずにその場に倒れた。
紫と藍が起きる頃には外は黒一色に染まっていた。
目の前に立っていたはずの幽々子と妖夢は忽然と姿を消していた。
二人は重々しく立ち上がり、謝りに行くのかと思いきや。
「もっとバレないような方法を考えましょう。」
「ええ。そうですね。紫様。」
…全く懲りていなかった二人だった。
え?
オチは読めましたが面白かったです
CaptivAte2~覚醒~が始まるんですね分かります
この後に「……らしいな」って続くのかと思ったw