Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

平行世界

2010/08/07 00:11:39
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「こ、コッペパンが迫って来る!?」

そう叫びながら、勢いよくカウンターから飛び起きる森近霖之助。
最初はぼーっとしていたが、しばらくして先程まで見ていたものが夢だと認識する。意識がハッキリとしてきた証拠だ。
それにしてもさっきの夢は何だったのだろうか。森近は考える。
腕で輪を作った人間が「コッペパン、コッペパン」と言いながら自分に迫ってくるのだ。
後数秒起きるのが遅かったら腕の輪に入ってしまい、自分もコッペパンへと成り果ててしまっていただろう。この男、寝起きの頭でそんな事を考えていた。
とそんな時、扉の鈴が鳴った。客が来た事を知らせるその音に霖之助は反応する。そして扉に目を向けると、そこに居たのは

「森近、居るかしら?」

「りんのすけー!遊びに来たー!」

七曜の魔女パチュリー・ノーレッジと、悪魔の妹フランドール・スカーレットだ。
フランドールは最近、紅魔館の誰かが付き添うなら自由に外出して良いと許可が下りた事は霖之助を始め幻想郷住民の全員が文々。新聞で知っている。

「やぁ、いらっしゃい……と、珍しい組み合わせだね」

「私は本を買いに来ただけなのに……」

「別に良いじゃない。私に付き合う訳じゃないんだし」

「それはそうだけど……」

そんな事を言いながら、パチュリーは本棚に向かう。フランドールは水煙草に興味を持ったらしい。霖之助は何か本の鑑定をしている。

「森近、何か面白い本とかは入荷していないのかしら?」

本棚を漁るパチュリーが霖之助に尋ねる。言われて霖之助は

「そうだな……そうだ。確か君とフランドール嬢にピッタリの本があった」

そう言って、立ち上がる。

「私と妹様に?」

「あぁ、取ってくるから少し待っていてくれ」

「分かったわ」

奥に向かう霖之助にそう答え、パチュリーは三○矢サイダーを振って遊ぶフランドールの相手をし始めた。





***





「待たせたね、これだよ」

奥から戻ってきた霖之助が持ってきたのは、一冊の本。

「それがそうなの?」

「あぁ。長年道具屋をやってきたが、こんな道具は初めて見たね」

「ただの本じゃないの?」

パチュリーがそう言う。フランドールは三ツ○サイダーでにちゃにちゃになった手で携帯電話を弄っている。

「パチュリー、君は本の用途とは何だと思う?」

「本の用途?……読む事でしょう?」

「普通の本に限ってはね。だがこの本は違う」

「どういう事?」

「この本の名称は『絵本』。用途は『パチュリー・ノーレッジが読み、フランドール・スカーレットの反応を確かめる』という物なんだ。ここまで用途が限定されている道具は始めて見たよ」

「何よそれ?どういう事?」

「僕にもさっぱりさ。……だが、仮説を立てた」

「聞かせてもらえる?」

「あぁ」

二人は先ほどとは違い、一気に知識人モードになっていた。一方フランドールはお腹を押すと「土器!」と叫ぶ土偶で遊んでいた。

「この本、著者が『ジューリーノ・パレッチ』とある」

「ふんふん」

「この文字をアナグラム変換すると『パチュリー・ノーレッジ』となるんだ」

「あら、ホントね」

「だが、この絵本は君が書いた物じゃない。この本を初めて見たという目をしていたからね」

「えぇ」

「だから僕はこの本を別世界から偶然流れ着いた物だと推測する。此処に近い世界……恐らく、パラレルワールドから」

「ふぅん?」

「ねーねー、パラレルワールドって何?」

フランドールが土偶の腹を一秒間に十六連打しながら尋ねる。土偶が「土器!土器!土器!土器!土器土器土器土器どきどきどきどきドキドキドキドキドドドドドドドドdddddddddddddddd(ry」と非常に五月蝿い。

「フム……そうだね」

問われた霖之助は、懐から一つの飴玉を取り出した。

「ここに一つの飴玉がある」

「うん」

「この飴玉を……例えば、パチュリーにあげたとしよう」

「私は?」

「フム、じゃあ君にあげようかな?」

「わーい☆」

「いや、パチュリーにあげたほうがいいのか……?」

「えー!?」

わざとらしく悩む霖之助を見て、フランドールの手の中の土器が、dddd叫びながら文字通り腹筋崩壊。

「……と、こうやって今悩む僕には選択肢が二つある。パチュリーにあげるか、君にあげるかだ」

「うにゃ」

「ここで君に飴玉をあげたとしよう。すると必然的に『パチュリーにあげる』という選択肢が消える事になる」

「うにゃうにゃ」

「だが、僕が選択肢を選んだ瞬間、その世界は分岐し、『君に飴玉をあげた』世界と『パチュリーに飴玉をあげた』世界が創られる。その二つの世界は決して交わる事はなく、存在の確認すらできない。これが平行世界、パラレルワールドだよ」

「ふーん……要するに、別の世界ってこと?」

「平たく言えばそうなるね」

「あ、後……」

「ん?」

「霖之助は、どっちの選択肢をとるの?」

「あぁ、この飴玉かい?」

「うん」

そう問われた霖之助は

「こうするだけさ」

物凄く良い笑顔で、掌中の飴玉を握り潰した。

「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえええ!!??」

「五月蝿いわよ妹様」

「あ、うんごめん……って、そうじゃなくて、何で!?」

「何がだい?」

「何で握り潰したの!?」

「あぁ……この飴玉、実はとんでもない劇薬なんでね」

「ゑ?」

「これの名称は『やごころを、君に』、用途は『若返る』なんだが、成分を計算した所約サッカリン一t分の糖分が含まれているんだ。そんなものを摂取すれば体に害でしかないからね、握り潰したというわけさ」

「だから何で握り潰したの!?そこがわかんない!」

「ほら、何と言うか……こけし?」

「何が!?」

霖之助が暴走する中、パチュリーは件の絵本を読んでいた。

「森近」

「ん、何だい?」

「今この本をざっと見たんだけど」

「あぁ」

「とても妹様に読ませて良い物じゃないわ」

「そうなのかい?」

「えぇ。だからこれは処分しておいて頂戴」

「あぁ、わかっ――――」

わかったよ。そう言おうとした霖之助の口からその言葉は出なかった。何故なら――――

――――――ドォオン!!!――――――

店の奥から、何かしらの爆音が聞こえてきたからだ。

「な、何!?」

「爆発……?そんな類の物は置いていないんだがな……?」

「行ってみよう!」

フランドールの言葉に背中を押され、三人は店の奥に向かった。





***





「やった!やったわ妹ちゃま!!遂に別世界への時空移動魔法が完成したわ!」

「だからって何で私まで連れて来たのさ!?」

「知りたい?知りたい?知りたい?」

「まぁどちらかと言えば」

「何だ、知りたくないのね」

「知りたいよ!」

「しょうがないわね。じゃあ教えてあげるわ。こうなった経緯を――――」

◇◇◇























◇◇◇

「まぁ別に回想シーンなんて入らないけどね」

「入らないの!? 流れ的に回想シーンでしょ!?」

「まぁまぁ、ほら、賢者の石でも食べて落ち着いて」

「使用方法がおかしいよ!」

「とにかく落ち着きなさい二人共」

「一人だけど!? 何が見えたのさ!」

「あぁ、ごめんなさい。妹様には見えないのよね」

「何が!?」

「こけし」

「意味分かんない!」

「まぁまぁ、そんなにニュリニュリしないで」

「カリカリしてるの!何ニュリニュリって!?」

「聞きたい? 後悔しない? 泣かない?」

「ぅ……やめておくよ」

「そう。それが賢明ね」

「「「……」」」

奥に向かった三人を待ち構えていたのは

「あら、私がもう一人」

やたらとテンションの高いパチュリーと

「あ、私も……」

何故か亀甲縛りにされているフランドールだった。







「……えーと……」

霖之助は何か言葉を探すが、中々見つからない。

「ちょっとパチュリー、あれがこっちの世界の私?」

「いや、ひょっとしたら妹様を殺そうと企む悪魔かもしれないわ」

「私も悪魔だよ?」

「知ってる。だってノーレッジだもん」

「……そう。あ、じゃああっちのパチュリーはこっちの世界のパチュリーだよね?」

「いえ、ひょっとしたらあれはパかもしれないわ」

「え、また分身したの?じゃあ今そっちはチュリーなの?」

「えぇそうよ。そんな事より此処凄い埃で喘息が……ゴホッゴホッ」

「分身してないじゃん!あぁもう大丈夫!?」

「だっ……大丈夫。賢者の石を使えばあっというまに元通り!」

「おぉ、色々ツッコミどころはあるけどこの際無視しよう」

「……になれば良かったんだけど……」

「大丈夫じゃなかったー!?」

「「「…………」」」

異常なテンションのパチュリーと、それに的確なツッコミを入れるフランドールを前に、三人は呆然としていた。
どうしたものかと内心戸惑う霖之助だったが、助け舟は向こうからやって来た。

「あら?貴方、その本!」

「……え?あ、あぁ……これかい?」

「そう!何で私が書いた本を持ってるのよ!?」

「いや、先日無縁塚で拾ったんだが……?」

「こんな所にあったのね!作品No.876324!」

「書き過ぎだよ!時間の無駄使いすぎるよ!」

「何を言っているの妹様!私はこれを楽しみに生きているとまではいかないけど、数ある趣味のうち下から数えて一つ目に入るぐらい好きかもしれないと一時期思ったけどそんな事は無かったと思ったら実は好きだった事なのよ!?」

「下から数えて一つ目って最下位だし、普通に好きって言えば良いのに何その無駄な言い回し!?文字数考えなよ!?あぁもうツッコミに疲れる!」

「あら、ツッコんで疲れるなんて妹様は大胆ね」

「何の話!?」

「まぁそんな話は神棚にでも置いといて」

「罰当たりな」

「その本返してくれるかしら?小野妹子様に読んであげたいの」

「漢字が三つ余計だよ! 別人だよ!」

「五月蝿い! 行け賢者の石(先端が少し膨らんだ棒状)、君に決めたっ!」

「え、ちょ、ん、んむーっ!んー!」

「亀甲縛りで身動きが取れない所に、口に棒状のモノを突っ込まれてもがく妹様……レミィが見たら狂喜乱舞して押し倒して朝まで不夜城レッドしそうだわ」

「んー! んむぁっ、んんっ……んむっ……」

「……さて、返してもらうわよ」

「あ、あぁ……」

持っていた本を問答無用で奪われる霖之助。この男絶対尻に敷かれるタイプである。あとの二人は……未だ呆然としている。

「さぁ妹様、今からじっくりご本を読んであげまちゅかりゃにぇぇ……ふ、ふへへ……」

「む゛ーっ!  む゛ぅ゛ーーっ!!」

必死に口の中の異物を慣れない舌使いで押し出そうと体をもじもじさせながら口を動かすフランドール。
そんなフランドールの頭の中には、選択肢が浮かんでいた。

1.やられちゃう。
2.逆にパチュリーをやっちゃう。
3.このままおとなしく絵本を読んで貰う。
4.パチュリーをキュッとしてドカーン。
5.むしろ自分をキュッとしてドカーン。
6.メラミ。
7.インパス。
8.(∵)

ロクな選択肢が無い。賢者の石を舐めている間に、脳が暴走し始めたようだ。
今のフランドールに出来る事は、少し膨らんだ先端部を押し出そうと慣れない舌使いでペロペロするだけだ。
ペロペロ。ペロペロ。ペロペロペロペロ。ペロペロペロペロ。そう赤い舌でペロペロペロペロペロペロペロペロ

「ん゛ん゛ーーーーーっ!(訳:ペロペロ煩いよ!)」

「あぁ、これがあったらツッコミが聞けないわね。失念していたわ」

「ぷぁっ! 苦しかった……」

「ンゴメンゴメ」

「メンゴだよ!
……じゃない!ゴメン!ゴメンだよ!」

「はいはい、わかりましたよーぅ」

「その言い方ウザいよ!」

「仕方ないじゃない、発情期だもん」

「えぇぇぇぇ!?」

「まぁ嘘だけど」

「だよねー」

「ねー」

「ねー」

「ねー?」

「ねー?」

「ねー!」

「ねー!」

「ねー☆」

「ねー☆」

「妹様、病気?」

「突然の突き放し!? てゆうかそれはパチュリーにだけは言われたくないよ!」

「………………」

「……パチュリー?」

「………………」

「ねぇ、何で黙るの?」

「………………」

「………………」

「………………」

「………………」

「ニョホ」

「ニョホ!? どうしたのパチュリー!?」

「妹様にそんな事酷い事を言われるとは思ってなかったわ!」

「え……ご、ごめん」

「私は妹様の事、どれだけ狂っても人の悪口だけは言わない美幼女だってずっと思ってた!」

「幼女って……ごめん……」

「私妹様の事信じてたのに! 『愛』の『形』と書いて『あいかた』と読む仲だと信じてたのに! 『堅い氷』と書いて『あずきバー』と読む仲だと信じてたのに!」

「そんな仲になった覚えは無いけど、信頼を裏切ったのは御免なさい……」

「うっ……グスッ……」

「あぁもう、泣かないでよ……」

呆然とする三人。
泣いているパチュリー。
亀甲縛りのまま謝るフランドール。
ジャンケンをしている美鈴と小悪魔。
香霖堂の外は平和でぃす。

「グスッ……」

「ゴメン、許して! この通り!」

言って、フランドールは土下座をする。亀甲縛りのまま。

「はいはい、それじゃあ読むわね」

「嘘泣き!?」

一瞬で泣き止んだ。魔女って怖いね☆

「もう、今から読むんだから静かにしなさいよ! 読んであげないわよ!?」

「個人的にはそっちの方が大変に有難いよ!」

「じゃあ私が個人的に読みたいから読んであげるわね」

「……まぁこうなるものだとは思ってたよ」

「じゃあ始めるわよ?
『そして誰もいなくなったかもしれない』」

「何でそこが曖昧なの?」








『ある日とある場所にある館に、名前も歳も職業も性癖も全く違う十人が集められました』

「性癖いる?」

『その場所はどこなのか誰も知らず、又どうして連れて来られたのかも分からない為、十人は帰る事が出来ませんでした』

「うみゃ」

『その日の夕食、河童製の蓄音機から謎の声が聞こえてきました』

「にゅう」

『その声は十人の過去の罪を言った後、一人一人の初めてを細部に至るまで忠実に再現しました』

「何でそんな恥ずかしい事するの!? 罪だけで良いじゃん!!」

『え?初めてこの世に生を受けた時ですが?』

「え?……あー……」

『……えっち』

「う、うるさいなぁ!」

『とそんな時!一人の少女が苦しみだした!』

「あぁ一人目の犠牲者が!」

『グ……苦しい……!』

「まぁ毒だしね。助からないか……」

『おい!誰か飲み物を! きっと何か喉に詰めたんだ!』

「おぉ、助けようとはするんだ」

『ほ、ほら早くこれを!』

「おぉ、まともまとも」

『ゴクゴクゴク……ぶはぁっ!!!』

「あ、噴いた」

『渡されたお茶は、ぬちゃぬちゃしてました』

「それお茶なの!? ぬちゃぬちゃしてるって何!?」

『まぁそのぬちゃぬちゃも手伝って、その少女は死んでしまいました』

「お茶が手伝うって何なの?」

『最初に毒殺された遊び好きの死神こと小町は』

「死神が死んだの!?」

『昔船で幽霊二たまを轢き殺していたそうです』

「幽霊轢き殺すって何!? 二回も死ねるの!? 後何その数え方!」

『その日の夜』

「うにゅ」

『寝室に一人の完全で瀟洒なメイドがいました』

「咲夜?……いや、まだ決まってない」

『お嬢様……お嬢様……お嬢様お嬢様お嬢様お嬢様お嬢様お嬢様お嬢様お嬢様お嬢様お嬢様お嬢様お嬢様ァァァァァァァァァァァァ!!!』

「何があったの!?」

『翌朝、寝室で咲夜は死んでいました』

「咲夜だったーー!?」

『死因は、愛しいお嬢様を思う余りに鼻から大量に噴出した忠誠心による出血死でした』

「オーエン関係無い!」

『ここで残りの八~九人?は、ある事に気付きました』

「八人だよ!誰が何と言おうが八人だよ!! 自信持って!!!」

『これは、とある歌になぞって殺されているのだと!』

「おぉ」

『その歌を皆で歌いました』

「何で!?」

『熊の子見ていたhide-and-seek!』

「English!?」

『お尻を出した子(略)トメさん(略)!』

「(略)の所為で色々とおかしくなってるよ!」

『曲名:パチュリー・ノーレッジマーチ』

「嘘をつけ!!!」

『そして八人はもう一つの事に気付きます』

「おぉ、人形の下りだ」

『十個あった十王像が八つになっていたのです』

「十王像!?」

『八~九人は特に気にしませんでした』

「だから八人! 後気にしろ!!!」

『まぁまぁ』

「何で私が窘められてるの!?」

『そしてその次の日』

「うみゅ」

『紫の唐傘を持った少女が何者かにタコ殴りにされたのが見つかりました』

「死んでない!?」

『よく見ると、指先には血で書かれた文字が!』

「おぉ」

『 う ら め し や ー は い り ま せ ん か ? 』

「何それ!?」

『そして、十王像は七体になっていました』

「死んでないのに!?」

『その事から、残された八人は気付きました』

「まぁ死んでないからね。八人であってるよ」

『この十王像は、一人死ぬ度に一体無くなっているのだと』

「死んでないけどね」

『それから残された七人は疑心暗鬼になりました』

「あぁ、傘の子は死んだんだね」

『ある日、薪割の最中に一人の少女が言いました』

「うみゃうみゃ」

『妖怪が鍛えたこの白楼剣に……斬れぬものなど、あんまりない!』

「冥界の庭師じゃん!」

『そう言って、自分の半霊を薪割りの斧で一刀両断』

「刀じゃなーーーい!?何で!?」

『半身を斬った事で、血を吐きながら妖夢は倒れました』

「何で斬ったの……」

『妖夢は最後にこう言いました。「私が死んでも、第二第三のみょんが……みょふっ」』

「第二第三!?」

『その次の日、信仰のあつい風祝は蜂の巣で遊んでいました』

「あぁ、刺されるよ!」

『ブスリ』

「いかれた!」

『蜂に刺されたら死ぬ……そんな常識には囚われません!』

「囚われろ!話進まない!」

『ハッハッ(ブスリ)ハ、こ(ブスリ)れが洩(ブスリ)矢の(ブスリ)奇(ブスリ)跡のち(ブスリ)(ブスリ)(ブスリ)(ブスリ)(ブスリ)』

「メチャクチャいかれてるー!!!」

『愚かな早苗は体の色んな所、主に向こうじゃないと言えない様な所を集中的に刺され、ヘブン状態になりました』

「向こうって何処!?後ヘブン状態って何!?」

『蜂の毒で早苗は死んでしまいました』

「あーあ」

『まぁどうでもいいですね』

「よくない!!!」

『その次の日、一人の少女が言いました』

「にゅう」

『私これから是非曲直庁に行かないといけないんです。もうすぐ小町が裁かれるんです!私が裁かないで誰が小町を裁くんですか!』

「閻魔様!?」

『蓄音機にそう言うと、浄水器がこう言いました』

「浄水器!?浄水器がしゃべるの!?」

『ぅえ?あぁ、帰りたいんスか?まぁ別にー、オレ的にはー、別に帰っても良いんスケドー』

「この浄水器ウザイよ!」

『アンタ等帰したらオレと蓄音先輩多分改造されるんでー、ミサイルとかドリルとか。だから無理ッス!ちゃす!』

「河童は浄水器や蓄音機に何を求めてるの!?」

『まぁまぁ』

「だから何で私が窘められてるの!?」

『まぁ、なんだかんだアナコンダあって、映姫は天に召されました』

「もの凄いハショった!?そして閻魔が死んだぁぁぁぁあ!?」

『そして残った少女達は、気晴らしに出歩きました』

「わーお、死亡フラグが凄いね」

『一人の少女……もとい少女が水際に行きました』

「何で言い直したの?」

『水の中から、突如何かが飛び出しました!』

「うわぁ!」

『燻製の幽々子です』

「どういう事!?」

『突如現れた幽々子に対応が遅れたミスティアは、幽々子に抱きつかれてしまいました』

「丸呑みじゃないの!?」

『噛んだり舐めたり首の辺り吸って、ミスティアの反応を楽しんでいる幽々子』

「う、うん」

『た、助け……くぅ、ふぁっ!? そ、そこは本当に駄目だってばぁ!』

「……ん?う、うん」

『ミスティアの服の中に手を滑り込ませ、撫で回す幽々子』

「も、もういいよ?」

『ひ、ひゃぁあ!そ、そんなトコ、さわらっ、ないでっ!……ん、ふぁあ!』

「もういいってば!恥ずかしいよぉ……」

『「フフフ……そんな事言っても、ココはもうこんなになってるじゃない……」そう言うと幽々子はミスティアの下着の中に手を※1』

「※1!?」

『ぱっくんちょ』

「食われたーーー!」

『幽々子は、お腹も性欲も満たされたので帰っていきました』

「何があったの!?」

『あら、知りたいの?妹様は大胆ね』

「パチュリー、それホントに朗読?」

『勿論よ』

「……ならいいや。何かもう行動が先読みされてる事が逆に清清しいよ」

『んぼぉぉぉぉぉ!』

「い、いきなりどうしたの!?」

『………………』

「え、な、何で黙るの?」

『まぁそんな事がありまして』

「今の無言の時間と謎の奇声は一体何!?」

『十王像は、四つになっていた』

「多い!?一つ多いよ!?」

『まぁなんやかんやあって、最後の一人になりました』

「またハショった。これ書いてる時パチュリーもう面倒くさくなってたよね?」

『まぁね』

「認めた!?」

『最後の一人は、考えました』

「うんうん」

『自分は犯人ではない。なら誰が九人を殺していたのか』

「そうそう」

『考えても仕方ないので首吊って死にましたとさ』

「諦めたーー!?『とさ』じゃないよ!!!」

『MEDETASI☆MORODASI♪』

「何をモロ出ししたの!?」





***





「妹様、どうだった?」

「めでたくないしハショりすぎだし事件解決のエピローグは!?」

「無い!」

「うえぇ!?」

「ラストなんて無いわよ!」

「じゃあ何で描いたの!?」

「人生というミステリーのラスト……ハッピーエンドは自分達で作るものよ!」

「パチュリー……」
















「フランドール・妹・スカスカレット……」


「台無しだよ!いい事言ったつもりのドヤ顔してたから何時もツッコんでばかりじゃ可哀想かなって思って感動したフリしてあげたのに!!その結果がコレなの!?えぇ!?何時も何時も訳の分からない絵本作って、宴会じゃ奇声を上げてるらしいし、ホッピングじゃないと遊ばないとか言い出すし!何だよもう!私を困らせて何がしたいの!?私が困ってるのを見るのが好きなの!?何とか言ってよパチュリー!?」

「まぁね」

「三文字ーーーーーーーーーーーーーッッッ!!??」

「満足した?」

「あぁはいはい満足しましたよ!」

「満足した所で妹様、帰るわよ」

「えっ!?」

「何?」

「わざわざ異世界に来たのに、聞きたくも無い絵本聞かされただけ!?」

「大丈夫よ。データは取ったわ」

「何時の間に……」

「賢者の石とか、賢者の石とか、表じゃ言えない様なしっぽりムフフな技術という名の賢者の石とかで」

「要するに賢者の石だよね。うん」

「さ、帰るわよー」

「ハイハイ……あ、すいませんでした」

ペコリと三人に向かって御辞儀をする、亀甲縛りのフランドール。
三人は思わず御辞儀をしていた。

「仏説摩訶般若波羅蜜多心経~」

「ねぇ、詠唱が般若心経なのは変更できないの?」

「羯諦羯諦波羅羯諦波羅僧羯諦菩提薩婆訶。般若心経!」

「この短時間でそこまで言うって、絶対喘息じゃないよね?」

その言葉を最後に、二人の姿は消えていた。

「何だったんだ……」

「別世界の私って、あんなに暴走してるのね……」

「私は縄で縛られてた……」

「どうやら、僕の仮説は正しかったようだね」

「そうね。……ちょっと面白かったわ」

「うん!ついてきて良かった!」

「さて小野妹子様、そろそろ帰りましょうか?」

「ちょっとパチュリー、感染(うつ)ってるよ!」

「フフッ……」

外は、すっかり茜色に染まっていた。

「……さて、そういえば昼食を食べていなかったな。今から何か作るか」

「あー!私もお腹空いたー!」

「ちょっと妹様……!」

「ハハハ……何なら食べていくかい?」

「あら、良いの?」

「構やしないさ」

「……そうね。じゃあ頂くわ」

「そうか、じゃあ少し待っていてくれ」

「えぇ」

選択した瞬間に創られる平行世界。今現在、私があのまま帰った世界も創られたのだろうか?
なら、私はこの世界を選ぼう。
彼と少しでも長く、一緒にいられるこの世界を……
七曜の魔女は、そんな事を考えていた。




















◇◇◇


「どうだった妹様?作品No.3988893、『平行世界』は?」

「何を言っても無駄なんだろうけど一つだけ聞かせて。何で私はずっと亀甲縛りだったの?」

「レミィが血涙を流して懇願したからよ」

「OK。後でお姉様ボコってくる」

「ところで今回の絵本はどうだった?」

「キュッとしてドカーン」

「そんな!?」

紅魔館は今日も平和じゃけぇ。
※1 続きは省略されました。続きを見る場合は『こいさと! こいさと!』と書きましょう。


「あとがきでまでツッコミ所残さないで!」



めめめめ、めめめめ♪
という訳で、喉飴様の紅魔館でぃす。
喉飴様の作品の魅力と面白さを自分なりに出し切ったつもりです。

この作品を面白いと思った方。
私の作品が面白いのではなく、喉飴様の作品が面白いのです。

この作品をつまらない、くだらない、時間の無駄だったと思った方。
コメントで私を罵るなり何なりして、喉飴様の原作を見て下さい。面白さと甘さでその気分を忘れられる事でしょう。

この作品に入っている喉飴様のネタが分からなかった方。
作品めぐりをして、元ネタを探してみてください。

この作品に入っている喉飴様のネタが全部分かったって方。
貴方は相当な喉飴様ファンの筈、これからも共に喉飴様を応援しましょう。

そして、喉飴様お誕生日おめでとう御座います。
これからも頑張って下さい。陰ながら応援しています。


この作品は、喉飴製薬撲滅国際自由束縛民権運動の提供でお送りしました。
以下製作スタッフ一同

プロデューサー:射命丸文&博麗霊夢
ディレクター:ルーミアと愉快な仲間達
アシスタントディレクター:小悪魔とめざせ甲子園なチビ小悪魔ーズ(一名欠員)
音響:河城にとりと不愉快な仲間達
照明:永江衣玖と滑稽な龍神達
BGM:亡き幼女の為のポリデント
BGM演奏:プリズムリバー三姉妹(長女は林檎を買いに行かされた為欠場)
脚本:藤原妹紅
編集:蓬莱山輝夜
監督:洩矢諏訪子
応援:紅美鈴、レミリア・スカーレット
野次馬:魂魄妖夢、魂魄妖忌(5)
馬:ひひーん
三時のおやつ:梅干、かすていら
夕食:マスターおかーゆ
被害者:小野塚小町、十六夜咲夜、多々良小傘、魂魄妖夢、東風谷早苗、四季映姫・ヤマザナドゥ、ミスティア・ローレライ、鈴仙・U・イナバ、風見幽香、上白沢慧音
加害者:西行寺幽々子、四季映姫・ヤマザナドゥ
ゲスト:水橋パルスィ
場所提供:法界
資金提供:博麗神社
その他提供:慧音の寺子屋(有)、スキマ運送(株)、こいしちゃんうふふ(無)


最後に、ここまで読んで下さり、有難う御座いましたー!
ましたー!
たー!

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コメント



1.奇声を発する程度の能力削除
>宴会じゃ奇声を上げてるらしいし
おや?呼ばれたような気が…

すげーwww喉飴さんのネタがてんこ盛りだ!!www
2.名前が無い程度の能力削除
なんでしょうこの化け物みたいな作品は…。喉飴氏の集大成みたいな。

すごすぎる。
3.名前が無い程度の能力削除
実に喉飴さんのノリでした…
作者名を見なければ喉飴さんご本人かと間違うほどに!
4.華彩神護削除
此処までリスペクト出来るのはすごい…。
5.名前が無い程度の能力削除
俺も喉飴さんの作品好きですー。でも唯さんも名前読みしてます。
6.名前が無い程度の能力削除
新旧入り混じったネタの宝庫だwww
7.削除
喉飴様誕生日おめでとう御座いました。

コメ返しで~す。

>>奇声を発する程度の能力 様
えぇ。盛り込ませていただきましたw

>>2 様
化け物みたい……褒め言葉と受け取らせてもらいますw

>>3 様
わわわ、勿体無いお言葉、有難う御座います!

>>華彩神護 様
喉飴様大好きなもんでwSS書く切欠の御方でしたしw

>>5 様
な、名前読み!?有難う御座います!

>>6 様
昔のネタを引っ張ってきましたw

読んでくれた皆様と、喉飴様に感謝!