※ブラコン気味「だった」聖様がいます。
ごくごくありふれた人間として生を受けた私。
遠い、とおい過去。
今はない、弟の笑顔。
―弟。
「命、蓮…」
老いるのが怖くなった。
皺やしみが増えるのが怖くなった。
声が、体が、自分が…怖くなった。
魔術…魔法を研究しだした。
弟を、命蓮を、失わせた運命。
それを狂わすことができるなら…なんでもよかった。
魔界の神にあった。
名前を神綺といった。
「へえ、寿命を…?」
「弟を失わせたのは人間としての定め、それはわかりきっていることです。ですが、私は失いたくない」
「閻魔や、神様」
「?」
「後は、そうだね、あなたの最愛の人間」
「それが、どうかしたのですか?」
くすり、と神綺は微笑んだ。
「嫌われることになるよ」
―最愛の弟、人間だったんだろう?
微笑みを続け、神綺は問う。
「それでもあなたは、人間としての寿命を、人間を捨てるの?」
「命蓮に、嫌われたくはないです。けれど」
「老いるのも怖い。死ぬのが怖い、だろう?」
私は、すべてが怖い。
「ああでも安心すべきことがひとつある。妖怪はあなたの味方だろうね」
嗚呼、それなら。
それなら、大丈夫だ。
命蓮、命蓮。
愛すべき、弟。
私が妖怪の味方のために、あなた方に嫌われても。
命蓮なら、許してくれるでしょう。
「神綺、ありがとうございます」
ふ、と彼女は首を傾けた。
「気にすることないよ。私は神様だからね」
遠い、とおい過去。
今は、怖くない。
「幻想郷は、すべてを受け入れる。それはそれは、残酷な話ですわ」
「八雲さん、それは―?」
ふふ、とあの魔界の神とは違った微笑み方で、管理人は言った。
「妖怪も、人間も、ほかの種族も。すべて。人間だったあなたも」
「あなたも、“人間”だったのでは―」
「私が生まれたのは遠い昔のことですから、出生のことなど覚えておりませんわ」
そう彼女が言うと、隙間を開いて消えてしまった。
「聖、おゆはんです」
「ああはい、わかりました。今向かいますね」
命蓮、今の世界、とても綺麗だと思いませんか?
―「そう、だね」
ごくごくありふれた人間として生を受けた私。
遠い、とおい過去。
今はない、弟の笑顔。
―弟。
「命、蓮…」
老いるのが怖くなった。
皺やしみが増えるのが怖くなった。
声が、体が、自分が…怖くなった。
魔術…魔法を研究しだした。
弟を、命蓮を、失わせた運命。
それを狂わすことができるなら…なんでもよかった。
魔界の神にあった。
名前を神綺といった。
「へえ、寿命を…?」
「弟を失わせたのは人間としての定め、それはわかりきっていることです。ですが、私は失いたくない」
「閻魔や、神様」
「?」
「後は、そうだね、あなたの最愛の人間」
「それが、どうかしたのですか?」
くすり、と神綺は微笑んだ。
「嫌われることになるよ」
―最愛の弟、人間だったんだろう?
微笑みを続け、神綺は問う。
「それでもあなたは、人間としての寿命を、人間を捨てるの?」
「命蓮に、嫌われたくはないです。けれど」
「老いるのも怖い。死ぬのが怖い、だろう?」
私は、すべてが怖い。
「ああでも安心すべきことがひとつある。妖怪はあなたの味方だろうね」
嗚呼、それなら。
それなら、大丈夫だ。
命蓮、命蓮。
愛すべき、弟。
私が妖怪の味方のために、あなた方に嫌われても。
命蓮なら、許してくれるでしょう。
「神綺、ありがとうございます」
ふ、と彼女は首を傾けた。
「気にすることないよ。私は神様だからね」
遠い、とおい過去。
今は、怖くない。
「幻想郷は、すべてを受け入れる。それはそれは、残酷な話ですわ」
「八雲さん、それは―?」
ふふ、とあの魔界の神とは違った微笑み方で、管理人は言った。
「妖怪も、人間も、ほかの種族も。すべて。人間だったあなたも」
「あなたも、“人間”だったのでは―」
「私が生まれたのは遠い昔のことですから、出生のことなど覚えておりませんわ」
そう彼女が言うと、隙間を開いて消えてしまった。
「聖、おゆはんです」
「ああはい、わかりました。今向かいますね」
命蓮、今の世界、とても綺麗だと思いませんか?
―「そう、だね」
後書きが全部白蓮談ってwww
後書きのブラコンなひじりんに吹いたww