小熊館ロビー。
「メリークマリスス!」
「……くまりすす?」
ぱぁん、と弾けるクラッカーの紙吹雪。
その中で、パチュリーはぽかんと周囲を見回した。
見渡せば、3頭の熊と2頭のパンダ。あとメイドと、なぜか人形使いがいる。
「遅いわよパチュリー、食べちゃうわよ? ぎゃおー」
「食べちゃいますよー、がおー」
レミリアとこあ熊が、いつものようにパチュリーにまとわりつき。
「めーりん、笹たべるー?」
「……はい、喜んで食べさせていただきます……」
パンダになった美鈴は、はらはらと涙を流しながらフランの差し出す笹を食んでいた。
もう一頭のパンダの方は、ちびちびと杯の酒を舐めている。というかあのパンダはいつまでフュージョンしているのだ。
「で、パチュリー。なんで私がここに呼ばれてるのかしら」
「私に聞かれても知らないわよ」
手持ち無沙汰な様子のアリスに訪ねられても、パチュリーも首を傾げるしかない。
「あらアリス、貴女は知らないのかしら? 今日はクマリススなのよ」
レミリアが熊の格好のまま無い胸を張る。
「クリスマスの間違いじゃなくて?」
「熊栗鼠ス、即ちクマとリスの日なの。この小熊館が祝わないわけにいかないでしょう?」
「だからどうして私なの」
「ア栗鼠だからに決まってるじゃない」
胡桃を手渡されて、アリスは硬直。
「いい? アリス。貴女は昔は『ロリス』と呼ばれ、今もそのヤクザキックから『蹴リス』と呼ばれているわ」
「どこの話?」
「すなわち――アリス、貴女の本体は『リス』の部分にあるの。つまり貴女は私たち『あ熊』と同じ――『あリス』なのよ!」
「な、なんですってー!?」
アリス、衝撃。
その隙に咲夜が音もなく近づき、紫色のリスの着ぐるみをアリスに着せた。
「~のでぃす」とか語尾につきそうな着ぐるみである。
「よく似合っているわ、アリス。ぎゃおー、食べちゃうぞー」
「……い、いぢめる?」
「いぢめないわ。ぎゃおー」
胡桃を抱えて首を傾げるアリスは、もはやあリス以外の何物でもなかった。
「おねーさま、おねーさま」
そこへ、美鈴に笹を食べさせるのに飽きたのかフランが寄ってくる。
「なに、フラン」
「アリスがあリスなら、おねーさまはこうすべきだと思うの」
そう言ってフランが差し出したのは、バットと背番号25の赤いユニフォームだった。
「新井ぐまー」
スピア・ザ・グングニルがフランの頬を掠めて壁に突き刺さった。
「何を言っているのかしらフラン? 広島の背番号25はタクローよ?」
「ご、ごごご、ごめんなさいおねーさま……」
「お嬢様、こちらをどうぞ」
咲夜がそう言って差し出したのは、近鉄のレッドショルダーの背番号9だった。
「ナイスだわ咲夜」
宏昌はOKらしい。
かくしてあ熊は新井熊になった。
「あリス、あばばばばば」
「あ、あばばばばば」
「あばばばばば」
「あばばばばば」
芥川龍之介か。
「レミィ、それならラッコが足りないわ」
「そういえばそうね」
しかし、幻想郷にラッコはいない。
「こあ熊、ラッコ」
「こ、コアラ」
「ラッコ」
「コアラ」
「ラッコ」
「コアラ」
「ラッコ」
無限しりとりを始めるレミリアとこあ熊。
「か、かくなる上は私がこあラに!」
そしてこあ熊はこあラになった。パチュリーにしがみついた。うっとうしい。
「私はユーカリじゃないわよ」
「こあラは鳴かないので返事ができません、がおー」
してるがな。
「ユーカリ……そうだわ咲夜! 風見幽香を呼んでらっしゃい」
「かしこまりました」
ユーカリんと申したか。パチュリーがツッコミを入れる間もなく咲夜は姿を消す。
後に残されるのは、笹を食むパンダと、それにじゃれつくあ熊の妹。酒を舐めるパンダと、胡桃を抱いて「いぢめる?」と首を傾げるあリスに、素振りをする新井熊。
どうしてくれようこの館。パチュリーはこあラに耳をはぐはぐされながら溜息をつく。
「呼ばれて飛び出て~」
胡散臭い声。どこからともなくスキマが開いて姿を現したのは八雲紫だった。
こあラに与えるユーカリは必要だが、ゆかりは必要ない。
「げぇっ、ババ――」
レミリアが言い終える間もなく、その足元にスキマが開き、その姿はスキマに吸い込まれた。
「悪い子はどんどんしまっちゃいましょうね~♪」
ああ、とパチュリーは悟った。
幻想郷にラッコがいないのは、つまりこのスキマ妖怪のせいだったのだ。
「そうだったのね、八雲紫。貴女がしまっちゃうおばさ――」
暗転。
あリス可愛い!
あとあ栗鼠はクリスマスプレゼントとして頂いていきます
きっとしまっちゃうおばさんにしまわれちゃったんだ。
アリスが恐ろしくかわいいが隙を見せた途端にちょっとしたいたずらしてくるんだろうなww
私は一向に構わんからお持ち帰りするけどなあっ!
ネタの飛ばし方が反則なんですけどー!w
それはともあれこれはひどいww
>新井ぐまー
ぎゃぁぁぁぁあぁぁ
…何を思い出させてくれるだァー!!
ちょっとアライグマくんの着ぐるみを着てア栗鼠を可愛いがってきます。
いぢめないよー。
(この人間はしまわれました。)
あばば……
あばばばばばあ――
暗転。
新井は……いや、言わないでおきましょう
しまっちゃうおばさん吹いたwwww
すごいぼ□ぼのした作品だwwww
ぼの△のネタをふんだんに使いすぎるw