「と、いうわけで紫様の主は子豚なんですよね?」
「なんでそうなるのよ!?」
「いやだって、紫様って狸の妖怪ですよね? なんかもう全体的にそんな感じですし。だからあのしりとり的な歌の流れでいくともう子豚じゃないですか」
「いやそもそも私に主なんていないでしょ!? ていうか誰が狸じゃい!!」
「何言ってんですか紫様。客観的に見たら狸以外に選択肢が見当たらないですよ。それに、主観的に見たらショッキング・ピンク・ドラゴン・ミリピードなんだからまだましじゃないですか」
「え、なんて?」
「ショッキング・ピンク・ドラゴン・ミリピード」
「ショッキング・ピンク・ドラゴン・ミリピード!? いやなにそれ!? もはやそれが生き物なのかすら私にはわからないけど、なんか馬鹿にされてる気がする!! あなたの言外と言内に潜まずに仁王立ちしている悪意によって、それがありありと伝わってくる!!」
「仮にも主なんですから、馬鹿にするわけないじゃないですか(CV.ゆっくり)。あと生き物ですよ、ショッキング・ピンク・ドラゴン・ミリピード。東南アジアの。スキマで見てみたらどうですか?」
「……じゃあ見てみるわ、ひらけ、スキマ!」クパァ
「相も変わらず卑猥な形状ですね」
「えっどこが?」
「わからないんならいいです」
「そう? 変な藍! ってショッキング・ピンク・ドラゴン・ミリピードあれぇぇ!? 私の想像を遥かに超えたものがきた!! すごい! ピンクのヤスデとか初めて見た!! ってあなたの主観ではわたしはあんなうじゃうじゃにうつってるの!?」
「はい」
「シンプルイズザ゛ベスト!? グサッときた!」
「まあそれはいいとして、狸ですよ狸。というか紫様、本当空気読んでくださいよ。なんで子豚に式付けてもらわなかったんですか?」
「好き好んで子豚に師事する奴なんてそうはいないわよ! というか私もう狸の妖怪決定!?」
「私てっきり、紫様がこぶたぬきつねこの法則にのっとってると思って、わざわざ猫の式探しにいったんですよ?」
「すごくその法則にはまってるように思えるのが甚だ遺憾!!」
「まあ橙が見つかったから結果オーライでしたけどね。あ、ちなみに始めはコモドドラゴン式にするつもりだったんですよ?」
「コモドドラゴン!?」
「ええコモドドラゴン」
「なんでよりにもよってコモドドラゴンなのよ!? そしてさっきのショッキング・ピンク・ドラゴン・ミリピードといいあなた実はドラゴンフェチ!?」
「いいえ、太ももです」
「どうでもいいわ!!」
「ダメですか? コモドドラゴン。ちなみ東南アジア分布です」
「そりゃ嫌よ! そんな異国情緒溢れる式の式! そしてこれも東南アジア!? まさかの東南アジアフェチ!? なに!? あなた日本だけじゃなくて東南アジアも我が物にしたいの!? 太平洋に出るのに邪魔なものはみんな俺のものにしたいの!?」
「紫様、そこは確かに私の出身国ですが、流石にとばっちりも甚だしいです。とっとと頭冷やしてください。ついでに画鋲踏んでください」
「私の式が反抗期!!」
「はあ、にしてもコモドドラゴンの良さがわからないんなんて、紫様大丈夫ですか?」
「あなたこそ、コモドドラゴンに一体なにを見出だしているというの!?」
「そんなに言うなら、橙にも意見を聞いてみましょうか。おーーーーい、橙」
「はーい、何ですか、藍様?」
「おお橙、今日も可愛いなあ」
「えへへ~」
「この待遇の差っ!!」
「なあ橙、突然なんだかコモドドラゴンが式ってどう思う?」
「すごくいいと思います!」
「まさかの四面楚歌!!」
「そうかそうか、流石は橙だ。ほら聞きましたか紫様、橙もこう言ってますよ。ほんと、橙は溢れ出すセンスが止まりませんよね」
「コモドドラゴンを式にすることがハイセンスになるような幻想郷を作った覚えはないわ!!」
「全く、いい加減うざ――うざいですよ、紫様」
「いやそこは言い直しなさいよ!? ちゃんと思考を経た上での発言がそれとか!!」
「口でいくら言ってもわからないようなので、実際に見て納得してもらいましょう」
「……もう、次は一体なんなの――」
「……シャー」
「ってええええええええええ!?!?!? ここでまさかのリアルコモドドラゴン!? というかどっからつれてきたの!? そしてこれ、妖獣でもなんでもないノーマルコモドドラゴンじゃない!! これで心動かされるなんて、それこそムツ○ロウさんクラスの猛者でもない限り無理よ!!」
「ノーマルだなんだってアブノーマルな性癖をお持ちの紫様には言われたくないですね」
「ここで性癖の話持ち出す!? いやけしてアブノーマルな性癖してるわけではないけれども!! というかそれよりなんでコモドドラゴン連れて来ちゃってんのよ!? 純和風建築の我が家に対するミスマッチ具合はなかなかのものよ!! さながら納豆にチーズを入れたかのよう!!」
「いやあれ結構おいしいですよ」
「マジで!? こんどやってみよ!!」
「あ、紫様、念のため言っときますけど、コモドドラゴンは牙の辺りに毒持ってるんで、近付いてみて下さい」
「文脈崩壊!! 隊長、それキャベツじゃありません!! ゴムボールです!!」
「それは作画崩壊です」
「○夢!! そういえば東方的な社名!! ってコモドドラゴン毒持ってるの!? じゃあこんな所に放しといたら普通に危ないじゃない!!」
「シャーうっせーんだよこのババアが。てめーのそのとちくるった思考の方がよっぽど危ねえんだよ。ババアはババアらしく茶でもしばいてろタコ」
「毒はいたああああああああああぁぁぁ!!!!!! てかしゃべったああああああああぁぁぁ!!!!」
「シャーしゃべっちゃいけねえのかよ年増」
「毒は毒でも毒舌!? ある意味どんな毒よりも恐ろしい、心を深くえぐる、人類のみに使用を許された猛毒!! それを爬虫類の身でいて使いこなすなんて!?」
「紫様ってズレてますよね」
「おお、橙、的確なツッコミが出来るようになったな。さりげなく阿婆擦れとかけるなんてテクも使いこなして、えらいぞ」
「そんな他意なくなかった!?」
「シャーインドネシア帰る」
「ふう、やっと行ったか」
「それ私の台詞じゃない!?」
「あーいいなーコモドドラゴン。藍様、私、コモドドラゴンの式欲しいです」
「この一連の流れを持ってしても、この子の感性を正すことは適わなかった!! なに!? 一体コモドドラゴンのなにがあなた達をそこまで引き付けてやまないの!?」
「「左鼠径部です」」
「ディープ!!!!」
「それにしても橙、わかってるな。ネコモドドラゴンでしりとり的にもバッチリだ」
「ってちょっと藍!! あなたそれ、狙ってたでしょ!? 式選ぶときコモドドラゴン諦めたみたいなこと言ってたくせに、しっかりネコからのコモドドラゴン繋がり狙ってたでしょ!?」
「そりゃあね」
「遂にタメ口!! でも甘いわね藍!! 残念ながらコモドドラゴンの語尾は“ン”!! あなたの信ずるこぶたぬきつねの法則では、その後式が作れなくなってしまうわ!!」
「ゴン中○式にするんで大丈夫です」
「ゴン中○!? その発想は無かった!! まさかの派生ルール使用!! 語尾二文字しりとりとか確かにやったことあるけれども!!」
「ちなみにあれ、いろいろ呼び方あるんですよ? 二文字しりとりとか、語尾二文字とりとか」
「微々たる差!! 別にそんなのどうでもいいわよ!!」
「は? 本当なに言ってるんですか紫様。しりとり馬鹿にしてるんですか?」
「なにその食いつき!? さっきからのあなたのそのしりとりに対する執着は一体なんなの!? BLでも好きなの!? しりだけに!!」
「紫さま?」ニコッ
「ひぃ!! ごっごめんなさい!! ってどうして謝る私!! っというか藍!? 流石にゴン中○は無理があるんじゃない!? 一応一般ピーポーよ!?」
「東方サッカー活躍しますよ?」
「ちょっと古い!! それにあのサッカーに普通の人間が参加したら軽く逝けるわよ!? 流石に活躍は望めないわ!!」
「はあ、じゃあ八雲の式はどうすればいいんですか……」
「しりとりやめれば万事解決だというのに!!」
「あのー藍様、紫様。私、コモドドラゴン式にするのは諦めます」
「なに言ってるんだ、橙。まさか紫様に気を遣っているのか? そんな無駄なことをするくらいなら、せっかく進んでいた八○場と普○間をぶち壊してきたらどうだ。そっちの方がまだ建設的だぞ?」
「クルックー!! 無駄を通り越してもはや損失!! 私に気を遣うという行為はもはや損失だというの!? この世知辛い世の中だからこそ、互いに手を取り合い、袖すすりあうところから、その袖のほつれを縫ってあげるところまでいく程、支え合って生きていかなければならないというのに、私には誰も優しくしてくれないというの!? ふん、助け合いだ協力だって美辞麗句並べ立てても、所詮決められた線の内側の者しか守らないのね!! そんなのただの身内の傷のなめあいよ!! その輪からはじかれた者が一体どうなるのか、考えたことがある!?」
「紫様ってちょっといっちゃってるところありますよね」
「おお、橙、辛辣なツッコミが出来るようになったな。さりげなく歳いってるとかけるなんてテクも使いこなして、えらいぞ」
「流石にそれは苦しくない!?」
「それはそうと藍様。私、別に紫様に気を遣っているわけではありませんよ? ただ、ちょっと思い付いちゃったんです」
「ほお、なにをだい?」
「私が子豚を式にして、その子豚が紫様を式にすればいいんです!!」
「なにその超理論!?」
「おおなるほど、完璧だ。紫様が空気読めないせいでおこった主の不在も、それなら解決する。空気読めない紫様のカバーまでするなんて、えらいぞ」
「それ大事なこと!?」
「えへへー、それ程でもないですよ」
「いや、そんなことはない。ほんと、橙はセンスの宝石箱だな」
「それ幻想入りしてたんだ!! ってちょっと待てい!! いろいろおかしいでしょ、その子豚のくだり!! 一見すごく綺麗に纏まりました感あるけど、実質意味不明だからね!? 私嫌よ!? そんな並列感漂う主従関係!!」
「じゃあ私、早速子豚探してきますね。藍様、行ってきまーす!」
「華麗にスルー!! え、というかもう探しにいくの!? これって、今後のことを語ってたんじゃなかった!?」
「猫三日会わざれば刮目して見よ、か……」
「ちょっと格好いいこといったつもり!? 嫌!! 子豚の主が俄然、現実味を帯びてきた!!」
「別にいいじゃないですか。子豚でも。私なんて紫様が主ですよ? それに比べたらよっぽどましじゃないですか」
「それ私にだけは使えない台詞の筈だよね!?」
「それにしても紫様、今までの文末、見事に感嘆符と疑問符で統一されてますよね。もはや尊敬に値しますよ。というか、どんだけ驚愕と疑問を胸に秘めて生きてるんですか。あれですか、あなたは厨二ですか」
「エクスクラメーションマーク!! 原因であるあなたがそれを言っちゃう!?」
「読点に恨みでもお持ちで?」
「そんな稀有な恨みないわよ!! 地底の橋姫でさえ、流石に読点は妬まないと思うわ!! ああ妬ましい妬ましいその圧倒的な使用回数が妬ましい、とかもはやギャグよ!?」
「ぱるぱるぱるぱるああ妬ましい妬ましい不等号(<>)が妬ましいその数学における必要性が妬ましいシャープなラインが妬ましい小学校で習われるとか妬ましいてかお前ロリコンか妬ましいいやもしかしてショタ?妬ましい」
「さすがパルスィ! おれたちにできない事を平然とやってのけるッ! そこにシビれる! あこがれるゥ! って違うわ!! なんであなたがここにいるのよ!? しかも不等号とか!! 読点を遥かに超える妬みにくさ!!」
「ふ、橋姫はどんなものであろうとも、己が妬みの対象とする。それが物であろうと、文字であろうと……そう、概念であろうと、だ。たとえ、この世の全てがソイツを蔑んでいようが、忘れ去っていようが、私だけはソイツを妬んでやる。長所がないなら作ってやる。短所も長所に変えてやる。妬むためであるならば、固定観念なんぞそこいらの狗にでも食わせてやろう。それが私、水橋パルスィの生き様だ。いいか、八雲の。妬めねえ橋姫は、ただの橋姫だ」
「アネキ!! ついていきます!!」
「妬みの道は、修羅の道。お前さんを巻き込むわけにはいかねえな。だがその気持ちは、有り難く受け取っておこう。じゃあな、八雲の。その純粋な心、妬ましいぜ」ヒュン
「き、消えた……!!」
「はいはい、もういいですよね紫様」
「冷たい!!」
「藍様ー! ただいま帰りました!」
「おお橙、早かったな。ちゃんと見つかったのか?」
「はい! バッチリです!!」
「え、もう見つけてきちゃったの!? ちょっと早過ぎない!? 子豚の妖獣なんてそんなにいる!?」
「橙の能力が高いから、という発想はないんですか、紫様」
「いや仮にそうにしたってあまりに早過ぎない!? これなんか、妖獣でもなんでもないノーマル子豚落ち臭がぷんぷんする!! というか橙! その見つけてきたという子の姿が見えないのだけど、一体何処にいるの!?」
「あ、今ちょっと庭で待ってもらってます」
「庭!? ああもう、しょうがないわね!! なにか凄く、凄く嫌な予感がするけど、行きましょう!!」
~アラサー(アラウンドトゥーサウザンド)移動中~
「諏訪子、今日という今日は絶対にゆるさなえ!!」
「それはこっちの台詞だよ、神奈子!! 」
「あれは八坂神奈子に洩矢諏訪子!? なんであの二人がここにいるのよ!? ちょっと橙、これはどういうこと!? 子豚はどうしたのよ!?」
「えへん、大丈夫ですよ、紫様。ちょっとこれを読んでみてください」
「なによ、この紙? まあいいわ、えっとなになに――ねえ聞いてよ!! わたし、この間また早苗にのろけ話されちゃったんだ!! なんでも、落ち込んでいるときには、神奈子が何も言わずに、ギュッと抱きしめてくれるんだって!! いいよね~!! しかもそれだけじゃなくて、諏訪子にはよく甘えられて、ひざ枕とかしてあげるんだって!! あの二人、仲がいいんだね!! それにしてもほんと、あの一家熱いわよね~!! 聞いてるこっちが恥ずかしくなっちゃったわよ!! ――ってなにこれ!?」
「な、なにー!! 神奈子、私がいないところで、早苗にそんなことをしていたの!? ゆ、ゆるさなえ!!」
「諏訪子だって、ひざ枕だなんて、羨ましいことを!! わ、私だって、早苗に甘えてみたいわよ!!」
「ふう、神奈子、どうやらやるしかないようだね……」
「ああ、そのようだな。諏訪子……いざ!!」
「「早苗を一番愛しているのは私だ!!!!」」
ドゴーン!!
「え、えええええ!? なんか戦闘が始まった!! 子豚を見るつもりが、神々の争いを見ることになってしまったわ!! ちょっと橙!? これは一体どういうことなの!? 子豚はどうしたのよ!?」
「あ、今紫様が切って落としたものです」
「それ火蓋ぁぁぁぁぁ!! 橙、それ子豚ちゃう!! 火蓋や!! 今、白いお粥さん作ってやるからな、待っとき!!」
「ばーちゃん……」
「ちょっと藍!? そこは原作遵守のにーちゃんでいいじゃない!! リグルの墓、映画館まで一緒に見に行ったでしょ!! 忘れたとは言わせないわ!!」
「すみません、忘れました」
「ですよね!!」
ドゴーン!!
「ハア、ハア、なかなかやるな、諏訪子」
「ハア、神奈子こそ、やっぱり一筋縄ではいかないね」
「早く終わってよ!! 我が家が危うい!! というかあれ!? あの二人マフラーしてる!! いつもマフラーなんて巻いてたっけ!? ってなにあのマフラー!! 自己主張激しっ!! あれはウケ狙い!? ツッコミ待ち!?」
「「このマフラーを馬鹿にするんじゃねえ!!!」」
「ひぃ、ご、ごめんなさい!! ってあれ!? なんで二人とも泣いてるの!? それになに、その愛しさと切なさが入り混じった、面倒臭い涙は!?」
「「うるせえ!! 早苗は天然なんだよ!!」」
「どういうこと!?」
「紫様が新興宗教にはまってしまう、ということかと」
「少なくともそのニュアンスは含まれていなかったと思う!!」
「まあいい、神奈子。次で終わりにしてあげるよ。この洩矢のフラフープの力、見せてやる!!」
「フラフープ!? 鉄輪じゃなくて!? あ、本当だ!! あれよく見たら、鉄輪じゃなくてフラフープだ!! なんて、なんてシュールなの!! ってなんでフラフープ!?」
「私達が本気で戦ったら、周囲の地形が変わっちゃうからね。鉄輪の代わりに、て早苗に持たされたんだよ」
「常識あるんだか、ないんだか!!」
「ふ、諏訪子!! あんたの技でこの私を倒せるとでも思ってんのかい!!」
「言ってくれるねえ、まあ確かにあの大戦の中、あんたの蔓(つる)によって、鉄輪は錆びつき、私は敗れた。あのときはあんたの方が強かった。それは認めよう。だが、それはあくまでも過去の話!! 今の私の武器、このフラフープは、決して錆びることはない!! プラスチック製のやつだから!! よってこの勝負、私が勝つ!! いくよ!! 必殺、“腸捻転”!!!!」
「ゆかりんその必殺技わからない!! 平成生まれだから!!」
チョネーン!!
「どうだ!! 神奈子!!」
「腸を攻める攻撃とはな。相変わらず、見かけに反してえぐいことをしてくる。だがしかし、最近プレーンヨーグルトを砂糖入れずに食べられるようになった私に、そんな攻撃が効くものか!! なんか甘く感じることさえある!! 舌狂ったわけじゃないよね!?」
「私、ブル○リアがお気に入り!!」
「そんな、効いていない……だと」
「今度は私の番だ、諏訪子。」
「……!? 八坂神奈子が武器を構えた!! 確か、あいつの得物は御柱のはず――ってえええええ!? あれ、ジョン・カ○ラだ!! 御柱じゃ無くて、まさかのジョン・カ○ラだ!!」
「御柱の代わりに、て早苗に持たされたんだよ」
「早苗すげえ!!」
「まあいい、さあ諏訪子、お前に私の攻撃が耐えられるかな?」
「ああ、耐えてみせるさ。神奈子も私の一撃を受けきったんだ。私も耐えられなきゃ、嘘ってもんだろう?」
「よくぞ言った!! ならば受けよ、我が渾身の一撃!! たとえ、我が力の象徴たる御柱がジョン・カ○ラに形を変えようとも、我が信仰の力が形を変えることは無い!! 私を信ずる民草の想い、そして私の、愛する風祝への想い、全ての想いを、今ここに示そうぞ!!」
「護れ無かった故郷あり。護れ無かった想いあり。八坂の神に排されど、追われぬこの身で何想う。後悔、屈辱、渦巻けど、時が戻るわけも無し。かつて護った国は無く、かつて護った民も無い 。護りを与えぬこの身には、神の生はちと永過ぎた。されども風は吹き抜ける。我が血を継ぎし、風の子が、この身に風を吹き掛ける。永く篭りしこの身には、それのなんと心地好いことか。そしてこの身は誓いを立てる。この風に添い、護らんと。この身を投げても護らんと。愛するものを失う痛み、二度と味わってなるものか!! 来い、神奈子!! 護るということは、愛するということ!! この世で一番早苗を愛しているのは、この私だ!!!!」
「なにこのシリアス!? ギャグ漫画の最終回直前によくある急なシリアス展開みたい!!」
「紫様にシリアスは無理ですよね。なにやってもネタになっちゃいそうですし」
「違うぞ、諏訪子!! 早苗をこの世で一番愛しているのは私だ!! いくぞ、勝利を持って、そのことを証明してやる!! はああああああああぁぁぁぁ!! エクスバンデッド――――ジョン・カ○ラァァァァァァァァ!!!!!!!!」
ゴォォォォォル!! ゴォォォォォル!!
ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォル!!!!!!!!
こうして、幻想郷に第二次サッカーブームが到来した。
「なんでそうなるのよ!?」
「いやだって、紫様って狸の妖怪ですよね? なんかもう全体的にそんな感じですし。だからあのしりとり的な歌の流れでいくともう子豚じゃないですか」
「いやそもそも私に主なんていないでしょ!? ていうか誰が狸じゃい!!」
「何言ってんですか紫様。客観的に見たら狸以外に選択肢が見当たらないですよ。それに、主観的に見たらショッキング・ピンク・ドラゴン・ミリピードなんだからまだましじゃないですか」
「え、なんて?」
「ショッキング・ピンク・ドラゴン・ミリピード」
「ショッキング・ピンク・ドラゴン・ミリピード!? いやなにそれ!? もはやそれが生き物なのかすら私にはわからないけど、なんか馬鹿にされてる気がする!! あなたの言外と言内に潜まずに仁王立ちしている悪意によって、それがありありと伝わってくる!!」
「仮にも主なんですから、馬鹿にするわけないじゃないですか(CV.ゆっくり)。あと生き物ですよ、ショッキング・ピンク・ドラゴン・ミリピード。東南アジアの。スキマで見てみたらどうですか?」
「……じゃあ見てみるわ、ひらけ、スキマ!」クパァ
「相も変わらず卑猥な形状ですね」
「えっどこが?」
「わからないんならいいです」
「そう? 変な藍! ってショッキング・ピンク・ドラゴン・ミリピードあれぇぇ!? 私の想像を遥かに超えたものがきた!! すごい! ピンクのヤスデとか初めて見た!! ってあなたの主観ではわたしはあんなうじゃうじゃにうつってるの!?」
「はい」
「シンプルイズザ゛ベスト!? グサッときた!」
「まあそれはいいとして、狸ですよ狸。というか紫様、本当空気読んでくださいよ。なんで子豚に式付けてもらわなかったんですか?」
「好き好んで子豚に師事する奴なんてそうはいないわよ! というか私もう狸の妖怪決定!?」
「私てっきり、紫様がこぶたぬきつねこの法則にのっとってると思って、わざわざ猫の式探しにいったんですよ?」
「すごくその法則にはまってるように思えるのが甚だ遺憾!!」
「まあ橙が見つかったから結果オーライでしたけどね。あ、ちなみに始めはコモドドラゴン式にするつもりだったんですよ?」
「コモドドラゴン!?」
「ええコモドドラゴン」
「なんでよりにもよってコモドドラゴンなのよ!? そしてさっきのショッキング・ピンク・ドラゴン・ミリピードといいあなた実はドラゴンフェチ!?」
「いいえ、太ももです」
「どうでもいいわ!!」
「ダメですか? コモドドラゴン。ちなみ東南アジア分布です」
「そりゃ嫌よ! そんな異国情緒溢れる式の式! そしてこれも東南アジア!? まさかの東南アジアフェチ!? なに!? あなた日本だけじゃなくて東南アジアも我が物にしたいの!? 太平洋に出るのに邪魔なものはみんな俺のものにしたいの!?」
「紫様、そこは確かに私の出身国ですが、流石にとばっちりも甚だしいです。とっとと頭冷やしてください。ついでに画鋲踏んでください」
「私の式が反抗期!!」
「はあ、にしてもコモドドラゴンの良さがわからないんなんて、紫様大丈夫ですか?」
「あなたこそ、コモドドラゴンに一体なにを見出だしているというの!?」
「そんなに言うなら、橙にも意見を聞いてみましょうか。おーーーーい、橙」
「はーい、何ですか、藍様?」
「おお橙、今日も可愛いなあ」
「えへへ~」
「この待遇の差っ!!」
「なあ橙、突然なんだかコモドドラゴンが式ってどう思う?」
「すごくいいと思います!」
「まさかの四面楚歌!!」
「そうかそうか、流石は橙だ。ほら聞きましたか紫様、橙もこう言ってますよ。ほんと、橙は溢れ出すセンスが止まりませんよね」
「コモドドラゴンを式にすることがハイセンスになるような幻想郷を作った覚えはないわ!!」
「全く、いい加減うざ――うざいですよ、紫様」
「いやそこは言い直しなさいよ!? ちゃんと思考を経た上での発言がそれとか!!」
「口でいくら言ってもわからないようなので、実際に見て納得してもらいましょう」
「……もう、次は一体なんなの――」
「……シャー」
「ってええええええええええ!?!?!? ここでまさかのリアルコモドドラゴン!? というかどっからつれてきたの!? そしてこれ、妖獣でもなんでもないノーマルコモドドラゴンじゃない!! これで心動かされるなんて、それこそムツ○ロウさんクラスの猛者でもない限り無理よ!!」
「ノーマルだなんだってアブノーマルな性癖をお持ちの紫様には言われたくないですね」
「ここで性癖の話持ち出す!? いやけしてアブノーマルな性癖してるわけではないけれども!! というかそれよりなんでコモドドラゴン連れて来ちゃってんのよ!? 純和風建築の我が家に対するミスマッチ具合はなかなかのものよ!! さながら納豆にチーズを入れたかのよう!!」
「いやあれ結構おいしいですよ」
「マジで!? こんどやってみよ!!」
「あ、紫様、念のため言っときますけど、コモドドラゴンは牙の辺りに毒持ってるんで、近付いてみて下さい」
「文脈崩壊!! 隊長、それキャベツじゃありません!! ゴムボールです!!」
「それは作画崩壊です」
「○夢!! そういえば東方的な社名!! ってコモドドラゴン毒持ってるの!? じゃあこんな所に放しといたら普通に危ないじゃない!!」
「シャーうっせーんだよこのババアが。てめーのそのとちくるった思考の方がよっぽど危ねえんだよ。ババアはババアらしく茶でもしばいてろタコ」
「毒はいたああああああああああぁぁぁ!!!!!! てかしゃべったああああああああぁぁぁ!!!!」
「シャーしゃべっちゃいけねえのかよ年増」
「毒は毒でも毒舌!? ある意味どんな毒よりも恐ろしい、心を深くえぐる、人類のみに使用を許された猛毒!! それを爬虫類の身でいて使いこなすなんて!?」
「紫様ってズレてますよね」
「おお、橙、的確なツッコミが出来るようになったな。さりげなく阿婆擦れとかけるなんてテクも使いこなして、えらいぞ」
「そんな他意なくなかった!?」
「シャーインドネシア帰る」
「ふう、やっと行ったか」
「それ私の台詞じゃない!?」
「あーいいなーコモドドラゴン。藍様、私、コモドドラゴンの式欲しいです」
「この一連の流れを持ってしても、この子の感性を正すことは適わなかった!! なに!? 一体コモドドラゴンのなにがあなた達をそこまで引き付けてやまないの!?」
「「左鼠径部です」」
「ディープ!!!!」
「それにしても橙、わかってるな。ネコモドドラゴンでしりとり的にもバッチリだ」
「ってちょっと藍!! あなたそれ、狙ってたでしょ!? 式選ぶときコモドドラゴン諦めたみたいなこと言ってたくせに、しっかりネコからのコモドドラゴン繋がり狙ってたでしょ!?」
「そりゃあね」
「遂にタメ口!! でも甘いわね藍!! 残念ながらコモドドラゴンの語尾は“ン”!! あなたの信ずるこぶたぬきつねの法則では、その後式が作れなくなってしまうわ!!」
「ゴン中○式にするんで大丈夫です」
「ゴン中○!? その発想は無かった!! まさかの派生ルール使用!! 語尾二文字しりとりとか確かにやったことあるけれども!!」
「ちなみにあれ、いろいろ呼び方あるんですよ? 二文字しりとりとか、語尾二文字とりとか」
「微々たる差!! 別にそんなのどうでもいいわよ!!」
「は? 本当なに言ってるんですか紫様。しりとり馬鹿にしてるんですか?」
「なにその食いつき!? さっきからのあなたのそのしりとりに対する執着は一体なんなの!? BLでも好きなの!? しりだけに!!」
「紫さま?」ニコッ
「ひぃ!! ごっごめんなさい!! ってどうして謝る私!! っというか藍!? 流石にゴン中○は無理があるんじゃない!? 一応一般ピーポーよ!?」
「東方サッカー活躍しますよ?」
「ちょっと古い!! それにあのサッカーに普通の人間が参加したら軽く逝けるわよ!? 流石に活躍は望めないわ!!」
「はあ、じゃあ八雲の式はどうすればいいんですか……」
「しりとりやめれば万事解決だというのに!!」
「あのー藍様、紫様。私、コモドドラゴン式にするのは諦めます」
「なに言ってるんだ、橙。まさか紫様に気を遣っているのか? そんな無駄なことをするくらいなら、せっかく進んでいた八○場と普○間をぶち壊してきたらどうだ。そっちの方がまだ建設的だぞ?」
「クルックー!! 無駄を通り越してもはや損失!! 私に気を遣うという行為はもはや損失だというの!? この世知辛い世の中だからこそ、互いに手を取り合い、袖すすりあうところから、その袖のほつれを縫ってあげるところまでいく程、支え合って生きていかなければならないというのに、私には誰も優しくしてくれないというの!? ふん、助け合いだ協力だって美辞麗句並べ立てても、所詮決められた線の内側の者しか守らないのね!! そんなのただの身内の傷のなめあいよ!! その輪からはじかれた者が一体どうなるのか、考えたことがある!?」
「紫様ってちょっといっちゃってるところありますよね」
「おお、橙、辛辣なツッコミが出来るようになったな。さりげなく歳いってるとかけるなんてテクも使いこなして、えらいぞ」
「流石にそれは苦しくない!?」
「それはそうと藍様。私、別に紫様に気を遣っているわけではありませんよ? ただ、ちょっと思い付いちゃったんです」
「ほお、なにをだい?」
「私が子豚を式にして、その子豚が紫様を式にすればいいんです!!」
「なにその超理論!?」
「おおなるほど、完璧だ。紫様が空気読めないせいでおこった主の不在も、それなら解決する。空気読めない紫様のカバーまでするなんて、えらいぞ」
「それ大事なこと!?」
「えへへー、それ程でもないですよ」
「いや、そんなことはない。ほんと、橙はセンスの宝石箱だな」
「それ幻想入りしてたんだ!! ってちょっと待てい!! いろいろおかしいでしょ、その子豚のくだり!! 一見すごく綺麗に纏まりました感あるけど、実質意味不明だからね!? 私嫌よ!? そんな並列感漂う主従関係!!」
「じゃあ私、早速子豚探してきますね。藍様、行ってきまーす!」
「華麗にスルー!! え、というかもう探しにいくの!? これって、今後のことを語ってたんじゃなかった!?」
「猫三日会わざれば刮目して見よ、か……」
「ちょっと格好いいこといったつもり!? 嫌!! 子豚の主が俄然、現実味を帯びてきた!!」
「別にいいじゃないですか。子豚でも。私なんて紫様が主ですよ? それに比べたらよっぽどましじゃないですか」
「それ私にだけは使えない台詞の筈だよね!?」
「それにしても紫様、今までの文末、見事に感嘆符と疑問符で統一されてますよね。もはや尊敬に値しますよ。というか、どんだけ驚愕と疑問を胸に秘めて生きてるんですか。あれですか、あなたは厨二ですか」
「エクスクラメーションマーク!! 原因であるあなたがそれを言っちゃう!?」
「読点に恨みでもお持ちで?」
「そんな稀有な恨みないわよ!! 地底の橋姫でさえ、流石に読点は妬まないと思うわ!! ああ妬ましい妬ましいその圧倒的な使用回数が妬ましい、とかもはやギャグよ!?」
「ぱるぱるぱるぱるああ妬ましい妬ましい不等号(<>)が妬ましいその数学における必要性が妬ましいシャープなラインが妬ましい小学校で習われるとか妬ましいてかお前ロリコンか妬ましいいやもしかしてショタ?妬ましい」
「さすがパルスィ! おれたちにできない事を平然とやってのけるッ! そこにシビれる! あこがれるゥ! って違うわ!! なんであなたがここにいるのよ!? しかも不等号とか!! 読点を遥かに超える妬みにくさ!!」
「ふ、橋姫はどんなものであろうとも、己が妬みの対象とする。それが物であろうと、文字であろうと……そう、概念であろうと、だ。たとえ、この世の全てがソイツを蔑んでいようが、忘れ去っていようが、私だけはソイツを妬んでやる。長所がないなら作ってやる。短所も長所に変えてやる。妬むためであるならば、固定観念なんぞそこいらの狗にでも食わせてやろう。それが私、水橋パルスィの生き様だ。いいか、八雲の。妬めねえ橋姫は、ただの橋姫だ」
「アネキ!! ついていきます!!」
「妬みの道は、修羅の道。お前さんを巻き込むわけにはいかねえな。だがその気持ちは、有り難く受け取っておこう。じゃあな、八雲の。その純粋な心、妬ましいぜ」ヒュン
「き、消えた……!!」
「はいはい、もういいですよね紫様」
「冷たい!!」
「藍様ー! ただいま帰りました!」
「おお橙、早かったな。ちゃんと見つかったのか?」
「はい! バッチリです!!」
「え、もう見つけてきちゃったの!? ちょっと早過ぎない!? 子豚の妖獣なんてそんなにいる!?」
「橙の能力が高いから、という発想はないんですか、紫様」
「いや仮にそうにしたってあまりに早過ぎない!? これなんか、妖獣でもなんでもないノーマル子豚落ち臭がぷんぷんする!! というか橙! その見つけてきたという子の姿が見えないのだけど、一体何処にいるの!?」
「あ、今ちょっと庭で待ってもらってます」
「庭!? ああもう、しょうがないわね!! なにか凄く、凄く嫌な予感がするけど、行きましょう!!」
~アラサー(アラウンドトゥーサウザンド)移動中~
「諏訪子、今日という今日は絶対にゆるさなえ!!」
「それはこっちの台詞だよ、神奈子!! 」
「あれは八坂神奈子に洩矢諏訪子!? なんであの二人がここにいるのよ!? ちょっと橙、これはどういうこと!? 子豚はどうしたのよ!?」
「えへん、大丈夫ですよ、紫様。ちょっとこれを読んでみてください」
「なによ、この紙? まあいいわ、えっとなになに――ねえ聞いてよ!! わたし、この間また早苗にのろけ話されちゃったんだ!! なんでも、落ち込んでいるときには、神奈子が何も言わずに、ギュッと抱きしめてくれるんだって!! いいよね~!! しかもそれだけじゃなくて、諏訪子にはよく甘えられて、ひざ枕とかしてあげるんだって!! あの二人、仲がいいんだね!! それにしてもほんと、あの一家熱いわよね~!! 聞いてるこっちが恥ずかしくなっちゃったわよ!! ――ってなにこれ!?」
「な、なにー!! 神奈子、私がいないところで、早苗にそんなことをしていたの!? ゆ、ゆるさなえ!!」
「諏訪子だって、ひざ枕だなんて、羨ましいことを!! わ、私だって、早苗に甘えてみたいわよ!!」
「ふう、神奈子、どうやらやるしかないようだね……」
「ああ、そのようだな。諏訪子……いざ!!」
「「早苗を一番愛しているのは私だ!!!!」」
ドゴーン!!
「え、えええええ!? なんか戦闘が始まった!! 子豚を見るつもりが、神々の争いを見ることになってしまったわ!! ちょっと橙!? これは一体どういうことなの!? 子豚はどうしたのよ!?」
「あ、今紫様が切って落としたものです」
「それ火蓋ぁぁぁぁぁ!! 橙、それ子豚ちゃう!! 火蓋や!! 今、白いお粥さん作ってやるからな、待っとき!!」
「ばーちゃん……」
「ちょっと藍!? そこは原作遵守のにーちゃんでいいじゃない!! リグルの墓、映画館まで一緒に見に行ったでしょ!! 忘れたとは言わせないわ!!」
「すみません、忘れました」
「ですよね!!」
ドゴーン!!
「ハア、ハア、なかなかやるな、諏訪子」
「ハア、神奈子こそ、やっぱり一筋縄ではいかないね」
「早く終わってよ!! 我が家が危うい!! というかあれ!? あの二人マフラーしてる!! いつもマフラーなんて巻いてたっけ!? ってなにあのマフラー!! 自己主張激しっ!! あれはウケ狙い!? ツッコミ待ち!?」
「「このマフラーを馬鹿にするんじゃねえ!!!」」
「ひぃ、ご、ごめんなさい!! ってあれ!? なんで二人とも泣いてるの!? それになに、その愛しさと切なさが入り混じった、面倒臭い涙は!?」
「「うるせえ!! 早苗は天然なんだよ!!」」
「どういうこと!?」
「紫様が新興宗教にはまってしまう、ということかと」
「少なくともそのニュアンスは含まれていなかったと思う!!」
「まあいい、神奈子。次で終わりにしてあげるよ。この洩矢のフラフープの力、見せてやる!!」
「フラフープ!? 鉄輪じゃなくて!? あ、本当だ!! あれよく見たら、鉄輪じゃなくてフラフープだ!! なんて、なんてシュールなの!! ってなんでフラフープ!?」
「私達が本気で戦ったら、周囲の地形が変わっちゃうからね。鉄輪の代わりに、て早苗に持たされたんだよ」
「常識あるんだか、ないんだか!!」
「ふ、諏訪子!! あんたの技でこの私を倒せるとでも思ってんのかい!!」
「言ってくれるねえ、まあ確かにあの大戦の中、あんたの蔓(つる)によって、鉄輪は錆びつき、私は敗れた。あのときはあんたの方が強かった。それは認めよう。だが、それはあくまでも過去の話!! 今の私の武器、このフラフープは、決して錆びることはない!! プラスチック製のやつだから!! よってこの勝負、私が勝つ!! いくよ!! 必殺、“腸捻転”!!!!」
「ゆかりんその必殺技わからない!! 平成生まれだから!!」
チョネーン!!
「どうだ!! 神奈子!!」
「腸を攻める攻撃とはな。相変わらず、見かけに反してえぐいことをしてくる。だがしかし、最近プレーンヨーグルトを砂糖入れずに食べられるようになった私に、そんな攻撃が効くものか!! なんか甘く感じることさえある!! 舌狂ったわけじゃないよね!?」
「私、ブル○リアがお気に入り!!」
「そんな、効いていない……だと」
「今度は私の番だ、諏訪子。」
「……!? 八坂神奈子が武器を構えた!! 確か、あいつの得物は御柱のはず――ってえええええ!? あれ、ジョン・カ○ラだ!! 御柱じゃ無くて、まさかのジョン・カ○ラだ!!」
「御柱の代わりに、て早苗に持たされたんだよ」
「早苗すげえ!!」
「まあいい、さあ諏訪子、お前に私の攻撃が耐えられるかな?」
「ああ、耐えてみせるさ。神奈子も私の一撃を受けきったんだ。私も耐えられなきゃ、嘘ってもんだろう?」
「よくぞ言った!! ならば受けよ、我が渾身の一撃!! たとえ、我が力の象徴たる御柱がジョン・カ○ラに形を変えようとも、我が信仰の力が形を変えることは無い!! 私を信ずる民草の想い、そして私の、愛する風祝への想い、全ての想いを、今ここに示そうぞ!!」
「護れ無かった故郷あり。護れ無かった想いあり。八坂の神に排されど、追われぬこの身で何想う。後悔、屈辱、渦巻けど、時が戻るわけも無し。かつて護った国は無く、かつて護った民も無い 。護りを与えぬこの身には、神の生はちと永過ぎた。されども風は吹き抜ける。我が血を継ぎし、風の子が、この身に風を吹き掛ける。永く篭りしこの身には、それのなんと心地好いことか。そしてこの身は誓いを立てる。この風に添い、護らんと。この身を投げても護らんと。愛するものを失う痛み、二度と味わってなるものか!! 来い、神奈子!! 護るということは、愛するということ!! この世で一番早苗を愛しているのは、この私だ!!!!」
「なにこのシリアス!? ギャグ漫画の最終回直前によくある急なシリアス展開みたい!!」
「紫様にシリアスは無理ですよね。なにやってもネタになっちゃいそうですし」
「違うぞ、諏訪子!! 早苗をこの世で一番愛しているのは私だ!! いくぞ、勝利を持って、そのことを証明してやる!! はああああああああぁぁぁぁ!! エクスバンデッド――――ジョン・カ○ラァァァァァァァァ!!!!!!!!」
ゴォォォォォル!! ゴォォォォォル!!
ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォル!!!!!!!!
こうして、幻想郷に第二次サッカーブームが到来した。
特に後半何なんだよwwwwwwww
いいぞ、もっとやれ!
スキマ落ち着いてwww
僕は来ます、それだけです
諏訪子様の台詞格好いいwww
ツン:デレ成分が9:1どころか99:1くらいの藍様に賞賛を
今すぐにでも八雲の姓を名乗れそうな橙に祝福を