Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

なぞなぞ

2010/08/01 16:26:01
最終更新
サイズ
3.29KB
ページ数
1

分類タグ

地霊殿。
一室。

「問題です。朝には四本足、昼には二本足、夜には三本足になる生き物なーんだ。答えは人間です。それでは朝にはこいしちゃん、昼にはこいしちゃん、夜にはこいしちゃんになる生き物なーんだ」
「そういうもの」
「答えはお姉ちゃんです」
「はあ」
「反応が薄いなー。そんなんでは滑った私が気まずいわ、お姉ちゃん! なにかつっこんでよ、お姉ちゃん! 愛とかまいとかみいとか全身で感じさせてよ、お姉ちゃん! お姉ちゃん! お姉ちゃん! え? 死ね? お姉ちゃん……」
「自分で勝手に滑ったんでしょう……」
「こいしちゃんは飲み物。間違えた。滑るもの」
「え? 踏め?」
「こいしちゃん!? それでは鳥は鳥でも川を泳ぐ鳥は?」
「空想の動物」
「答えは河城にとりです。それでは黒くて背が小さくて速くて飛ぶ。これなーに」
「ゴキブリ」
「正解です。それではおくうはおくうでもすごく物覚えがよくてお利巧さんなおくうはなーんだ」
「化けられるようになる前のおくうはあそこまで物忘れしなかったし悪い子でもなかったと思うけど……」
「正解はそんなものはありえないです。それではある男の人が小さい女の子に手錠をかけました。さあどうなるでしょう」
「逮捕される」
「正解は笑ってかるくひきちぎられました。鬼だったので」
妹が言う。さとりはげんなりして、ため息をついた。
「……あのね。なぞなぞを出すならもう少し一般的な答えにしなさいよ。適当言ってないで」
「適当なのは私でなくてなぞなぞのほうだし私に言われてもな」
「妹が会話できなくて話すのが辛い」
さとりは言ったが、妹は一顧だにしない。
「それでは問題です。好きの反対の意味は何?」
「無関心」
「それでは嫌いの反対は?」
「愛しい」
「悲しむの反対は?」
「諦める」
「怒るの反対は?」
「憎む」
「笑うの反対は?」
「肩をすくめる」
「殺戮の反対は?」
「抱き寄せる」
「逃げるの反対は?」
「立ち尽くす」
「知らないの反対は?」
「答えない」
「知ってるの反対は?」
「教えられない」
「無知の反対は?」
「蔑む」
「生きるの反対は?」
「泣かない」
「無意識の反対は?」
「嘆く」
「死ぬの反対は?」
「耐える」
「愛するの反対は?」
「寂しい」
「泣くの反対は?」
「楽をする」
「狂うの反対は?」
「つまらない」
「涙の反対は?」
「自尊心」
「楽しいの反対は?」
「妬ましい」
「質問の反対は?」
「愚か者」
「意味の反対は?」
「明日」
「ごまかすの反対は?」
「殺す」
「キスの反対は?」
「微笑む」
「恋の反対は?」
「叫ぶ」
「それではおねえちゃんの反対は?」
「母親」
「すごいわね! 全問正解とは、流石はお姉ちゃんだわ! ご褒美に私をぎゅってしていいわよ。あ、しないならこっちからしますね。ぎゅっ」
「え? あんなのでいいの?」
「いやなんかノリで」
「ノリでね」
さとりは言って、ため息をついた。とりあえず、脇から引っ付いてくる妹をちょっと押しやって、ひっぺがしにかかる。
本をのページをめくるのに、猫のようにすりよってくる妹が邪魔だったからだ。
「ああ。ところでお姉ちゃん」
「なに?」
さとりが聞くと、妹はにこにこと笑った。無邪気な様子で聞いてくる。
「お姉ちゃんにとって、私の反対は何?」
「宝物」
さとりはすぐに言った。妹は、それを聞くと、無邪気に笑った。
さとりは、それからまたみじろいで少し抵抗したが、やがてあきらめた。しかたなく、こいしの好きなようにさせて、本のページをめくる。
こういうときの妹は、妙に怪力なので、さとりの力ではひっぺがせない。
(嘘の反対は何?)
さとりは、ふとそう思った。横で幸せそうにしている妹を見ていると、なぜかそんな言葉が浮かんできた。
ただ口に出しては言わなかった。代わりに、妹のやわらかい髪を梳いて、やわらかそうな額に、そっと唇を押し当てた。
「ん」
妹はくすぐったそうに目を細めて、うれしそうな顔をした。さとりは、その鼻の頭にもついでに唇を当ててやった。
コメント



1.桜田ぴよこ削除
こいしちゃんかわいい!
2.奇声を発する程度の能力削除
質問の応答が凄いw
3.名前が無い程度の能力削除
これは面白い
4.名前が無い程度の能力削除
反対が面白いのう
「宝物」と聞いて「価値のあるもの」程度の観念しか思い付かない俺には全く理解できんがw
5.名前が無い程度の能力削除
この姉妹可愛い
6.名前が無い程度の能力削除
凄い。