Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

東方で遊戯王10 『オモイカネ・バックコア』

2008/06/25 20:05:20
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注意:前回の続きです。
   


























  ________18:30 博麗神社境内








レミ 「…………」

パチェ「…………」

咲夜 「…………」

レミ 「………………咲夜」

咲夜 「何でしょうか? お嬢様」

レミ 「決勝はまだ始まらないの?」

咲夜 「そのようですね。まだ本部からは待機としか指示が出てませんし」

レミ 「まったく……どれだけ待たせれば気が済むのかしら。紅茶」

咲夜 「……またですか? これでもう22杯目ですけど。
    いや、32杯目だったかしら」

レミ 「心配しなくても、わたしの内蔵はこの程度で根を上げるほど柔ではないわよ。
    硬くもないけど」

咲夜 「きちんと休肝日もとってますしね。
    って、そういうことを言ってるわけではないんですけど」

パチェ「無理もないわ。今日は日が出てるから、レミィはずっとここから動けなかったんだもの。
   深酒もきたすというものよ」

咲夜 「この場合は深茶ですけどね。
    パチュリー様は、お体の具合はもうよろしいので?」

パチェ「ええ。ずいぶん休んだから、めまいも治まったわ。決勝に出る分も問題ないわね。
    今すぐにでもデュエルできるわよ。なんなら、バイクに乗りながらやってもいいわ」

レミ 「これだけバイタリティに溢れたパチェも珍しいわね」

パチェ「そうかしら。でも、やっぱりたまには体を動かさないといけないじゃない」

咲夜 「まあ、今日やるのはカードゲームですけどね」

レミ 「パチェが言っているのは意気込みの話よ。ねえ、パチェ」

パチェ「いや、案外デュエルもやってればいい運動になるものよ」

レミ 「…………まあ、日差しで貧血になるぐらいがちょうどいいかもね」

パチェ「それにしても……少し遅すぎね。もう予選終了の時刻は過ぎてるはずだし。
    何かあったのかしら」

咲夜 「うーん、そうですね。
    こうして見た感じ、決勝の人数には若干足りないようですけど」

レミ 「あのすきま妖怪がいないわね。あと幽霊と半霊も。さっきはいたのに」

咲夜 「あいつらなら、神社の中でくつろいでましたわ。羊羹とか食べながら」

レミ 「なんと。それはいいわね。
    咲夜、わたしたちの分も持ってきなさい」

咲夜 「構いませんけど……たぶんもう全部食べられてるでしょうね」

パチェ「相変わらず、あの亡霊と妖怪は手癖が悪いわね。
    神社は公共の場とはいえ、よくもいつもいつも人様のものを…………って、あれ?
    そういえば霊夢が見当たらないわ。どうしたのかしら」

咲夜 「そういえば見かけませんね。
    スペルカードを全部失って敗退したとしても、あの娘はここにに帰ってくるはずなのに……」

レミ 「あの魔法使い二人組もよ。
    霊夢はともかく、あの娘たちが敗れるとは思い難いけれど」

咲夜 「人形使いの方は負けてましたわ。魔理沙の方はあれから見てませんが」

パチェ「ふむ……なら、ちょうどいいわ。
    咲夜、羊羹ついでに主催に訊いてきてくれない? 
    遅れてる原因と、ついでだからあの娘たちの事も」

咲夜 「わかりましたわ……って、ああ。ちょうどいいところに。
    あなた、ちょっといい?」

文  「何ですか? 写真なら間に合ってますよ」

レミ 「ああ? 写真なんてどうだっていいのよ。わたしを誰だと思っているの?」

咲夜 「なんで喧嘩腰なんですか……」

パチェ「あなた、新聞記者ならそれなりに情報には通じているわよね。
    大会が遅れているみたいだけど、何でか知らない?」

文  「ああ、そのことですか。わたしも今取材で忙しいんですけどね……。
    まあ心配しなくとも、もう少しすれば決勝の組み合わせが決まると思いますよ」

レミ 「どういうこと? 決勝進出者は、もう全員出揃ったんじゃないの?」

文  「そうなんですけどねぇ。
    実際、スペルカードを6枚以上獲得できたのは16名きっかりでしたし」

パチェ「じゃあどうして? よほど運営の段取りがグダグダなのかしら」

文  「まあそれもあるかもしれませんが、決勝に出る選手がまだ全員揃ってないらしいのよ」

咲夜 「……なるほど。そこであの娘達が出てくるわけですね。
    どうせ、またどこぞで油を売ってるんじゃないんですか?」

文  「話によると、スペルカードが集まったのをいいことに、里に降りて食事をとっているらしいわ」

パチェ「じゃあ結局、いつまでも続きが始まらないのはあの娘達のせいなのね。
   やれやれだわ」

レミ 「ったく……あの人間、今度わたしの食事にしてやろうかしら」

パチェ「魔理沙の血はアクが強そうね」

咲夜 「ならわたしが、濾してブルーベリーパイにでもしてしまいますわ」

レミ 「魔理沙パイ…………意外とおいしいかもしれないわね。うなぎパイみたいで」

文  「まああなたたちが憤るのももっともですが、そう先走る必要もないわよ。
    巫女の方はともかく、残りの二人には主催者側から、
    決勝前にペナルティを科すそうですから。公式にね」

パチェ「ペナルティって、どんな?」

文  「決勝前に、あの二人だけ一戦多く試合してもらうらしいです。
    もちろん、それで負けたら終わりとのこと」

レミ 「ふん、なるほど。ペナルティマッチというわけね」

咲夜 「あの娘達にとっては大いに不利ですわね。
    この実力者達が揃った場で、誰よりも先に自分の戦術を晒してしまわなければならない。
    例えこのデュエルに勝てたとしても、このディスアドバンテージは本選で格好の標的になってしまう……」

パチェ「自業自得ね。だいたいなによ食事って。
    余裕ぶっこいてそんなのしてるのが悪いわ」

レミ 「ふふふ、おもしろそうね。
    自分で首を絞めるなんて愚かとしか言いようがないけれど……。
    それなりにいい余興にはなりそうだわ」



    *



霊夢 「…………今日もいい天気ね」

アリス「ねえ霊夢、あなたさっきからどこ見て飛んでるのよ。
    焦点合ってるのかも怪しいじゃない」

魔理沙「組み合わせが悪かったんだろ。
    だから天ぷらそばの後に宇治金時は止めろって言ったんだよ。
    腹下して当然だ」

霊夢 「だって、あの店の山菜そばは前に食べたし…………ああもう静かにしてよ。
    今ようやく波がおさまってきたところなんだから……」

アリス「束の間の天国ね。ほんと、人間って不便」

魔理沙「人間に限らず、季節の移り変わりは激しいからな」

アリス「でもまあ、確かにあそこの白玉はおいしかったわ。
    これからも懇意にさせてもらおうかしら」

魔理沙「うむ。大会終わったら、祝杯上げにもう1回行ってもいいかもな」

アリス「それにしても、だいぶ遅くなっちゃったわね。
    今何時かしら? 決勝は確か夕方からだったと思うけど」

魔理沙「あー、そういえばもう夕日が沈みそうだな。すでに山に半分隠れてるぜ」

霊夢 「山……。ああ、また山が……」

魔理沙「春から冬になったみたいだな」

アリス「こんなのおいてもう先に行きましょうよ」

魔理沙「それもそうだな。遅れたから失格なんて言われたら面倒だし」

霊夢 「は……く情……者…………亀……」

アリス「そんなわけだから、悪いけど先に行かせてもらうわ。じゃあね~
    (……亀って何かしら)」

魔理沙「さて。じゃあわたし達は急ぐか」

アリス「にしても、大丈夫かしらね。なんかもうだいぶ遅刻している気がするけど」

魔理沙「まあ、ちゃんと事情を話せばわかってくれるだろ」

アリス「事情って、お腹空いたからご飯食べてましたとでも言うの? 
    ましてや、相手はあの宇宙人達よ」

魔理沙「なんとかなるって。一応こうして手土産の団子も持ってきたことだし。
    いざとなったらこいつで懐柔すればいいぜ」

アリス「(それわたしが食べたかったのに……)」

魔理沙「……言ってる間に見えてきたな。博麗神社。
    もうすでに何やら賑やかだぜ」

アリス「わたし達以外は集まってるみたいね……。
    ……よっと、着地成功」

鈴仙 「あ」

魔理沙「待たせたな。最後の予選通過者のご到着だぜ」

鈴仙 「師匠ー、やっと来ましたよ。あいつらが」

永琳 「あら、ほんとね。そこで二度と動くなと言っておいて。
    今姫様を呼んでくるから」

鈴仙 「だそうよ」

アリス「ちょっと手を洗ってきていいかしら」

魔理沙「ついでに居間から饅頭持ってきてくれよ」

鈴仙 「……つくづく自分勝手な輩ね、動くなと言っているのに。
    あなたたちの世間を舐めきった態度は、竹林の奥の永遠亭にまで聞こえてきているわよ」

文  「もちろん、教えたのはわたしですよ~」

アリス「新聞記者っ。あんたも勝ち残ってたの」

文  「当然ですよぉ。予選で敗れる程度の成績では、新聞の三面にも載せられません」

魔理沙「お前のパートナーは誰なんだ?
    見たところ、他にあぶれてる奴はいないようだが」

文  「古くから、天狗の友といったら決まっているでしょう。
    なんなら今呼んで差し上げましょうか? おーい、出てきてくださーい」

にとり「……そんな大きな声出さなくても近くにいますよ。まったく」

アリス「わっ……!
    何かと思ったら、河童? 珍しいわね」

魔理沙「おお、いつぞやの河童じゃないか。
    それは例の光学迷彩スーツだな。どうして隠れる必要があるのかは知らないが」

にとり「そういうあんたはいつぞやの人間ね。
    お礼に、今度何かおもしろい機械があったらもらいにいくわ」

魔理沙「……何の礼かわからないし、第一それは礼じゃないぜ」

にとり「では、わたしは引き続き仕事に取り掛かりますね」

文  「ええ。頼んだわ」

魔理沙「仕事って、何させてるんだ?」

文  「写真の撮影よ。透明になれれば、ベストショットも撮り放題だからね」

霊夢 「(それは盗撮っていうんじゃ……)」

アリス「へぇ、透明になれるんだ。話には聞いてたけど、河童って不思議な生き物なのね」

レミ 「……あら。偏屈さで言えば、あなたといい勝負だと思うけど?」

魔理沙「! ……レミリア。
    てことは、紅魔館組も難なく予選通過か。
    ああでも、スペルカードを集めたのはメイドなんだっけか」

アリス「自分達はそこでふんぞり返って、あとは全部小間使いにやらせるなんて。
    少しはしもべにも思いやりを持つものよ」

パチェ「言いがかりは止めてほしいわね。咲夜はわたし達の従者。手足も同然よ。
    それに時間が無限にある咲夜にとっては、これしきのことどうということはないわ」

咲夜 「一日中歩き回って、太ももがパンパンなんですけど……」

レミ 「まあそんな軟弱な咲夜は置いといて……。
    あなた達は、自分の心配をした方がいいわね」

魔理沙「あー? どういう事だよ」

輝夜 「ようやく来たわね。壷中の大罪人共」

アリス「あ、こんにちは。もう時間的にこんばんはかしら?」

魔理沙「悪いな。シエスタしてたら少し遅れたぜ」

永琳 「少し、ねえ。
    17時集合で、到着したのが18時49分47秒。109分47秒の超過ね。
    これが少しというのなら、あなたは神で、わたし達は箱庭の住人かしら」

アリス「(……ねえ、魔理沙)」

魔理沙「(何だ?)」

アリス「(予想通りというか、この人達相当お冠のように見えるんだけど……)」

魔理沙「(うむ。あの満面の笑みはそれに相違無いぜ)」

輝夜 「この事実からもわかるとおり、あなた達が無駄にまったりお茶をしてくれたおかげで、
    大会の進行に大幅な遅れをきたしてしまったわ。
    主催者としては、実に嘆かわしい事態ね」

永琳 「このままでは、今日だけで全てのプログラムが終わらない可能性も出てきましたもの。
    まあ、いつかのように永夜の秘術を使ってもいいのですけれど」

アリス「そんな理由で夜を止めないでよ。迷惑千万」

輝夜 「だったらその分の代償は、あなた達罪人の魂で支払ってもらうのも当然の事。
    月の運命もそう告げているわ」

魔理沙「まだ夕方だけどな」

アリス「それにしても、代償って…………これはもう嫌な予感しかしないわね」

鈴仙 「安心なさい。失格にまではするつもりはないわ。
    でもこれだけの迷惑を生み出した元凶ともなれば、
    多少のビハインドは負ってもらわないとね」

永琳 「うどんげ」

鈴仙 「……えっ。なんです、師匠」

永琳 「あなたは黙ってなさい」

鈴仙 「(なぜ……)」

輝夜 「これよりペナルティマッチを執り行います。
    もちろんこのデュエルで負けたら、その時はもうあなた達に猶予など無い。
    即刻退場してもらうわ。
    デュエリストならデュエリストらしく、自らの手で勝利を掴み取り、道を拓きなさい!」

アリス「ペナルティマッチですって?」

魔理沙「結局はデュエルで決着をつけるってことか。
    というか、あいつは最後のセリフを決めたかっただけじゃないのか」

パチェ「だいたいもう一試合増やしたら、余計に今日中じゃ終わらないしね」

輝夜 「主催者権限は絶対よ。
    何を言おうが、あなた達にはこれからのデュエルを受けてもらう。
    構わないわね?」

アリス「ふん。絶対とか言っておきながら、構わないもなにもないわね」

魔理沙「まったくだ。だいたい、わたし達は嫌だなんて一言も言ってないぜ」

輝夜 「よろしい。でも、反省の色が見えないのはいただけないわね。永琳」

永琳 「元々この者達に、悔い改める心を期待するのが間違いかもしれませんけど。ならば……」

鈴仙 「直接デュエルで教え込むまで、っていうことですね」

魔理沙「……相手はお前達ってわけか」

輝夜 「永琳とうどんげは大会における運営委員。
    本来選手としての登録はしていないけれど、実力は折り紙つきよ」

アリス「月面随一の天才と、そのペット。相手にとって不測はないわね」

永琳 「さあ、検診のお時間よ。
    あなた達が決勝を進むに相応しいか、わたしの医学で診断してあげるわ」

魔理沙「お前の専攻は薬学だろうに……。
    でもまあ、断れないんじゃあ仕方ないよな。
    一足先に、わたし達の実力をギャラリーに見せつけてやるとするか」

アリス「そうね。魔理沙じゃないけど、わたしだって力を誇示するのは嫌いじゃないのよ」

輝夜 「お互い準備もいいみたいね。
    それでは……ペナルティマッチタッグデュエル、開始しなさい!」

魔理沙&アリス&鈴仙&永琳「デュエル!!」






      永琳【流転・蓬莱の薬】 LP8000 鈴仙【月兎遮蔽天星環】

                      VS

    魔理沙【強化ドラゴン襲来】 LP8000 アリス【竜を駆る兵器】





  順番:永琳→魔理沙→鈴仙→アリス





アリス「わたしの先こ……」

輝夜 「運営委員長であるわたしが直々にコイントスをするわ。
    表か裏、選びなさい」

魔理沙「表にしとくぜ」

輝夜 「では………………裏ね。永琳、選びなさい」

永琳 「ならば、我々の先攻で」

魔理沙「上等だぜ!」

アリス「…………」

永琳 「一番手はわたくしから…………ドロー」

永琳 「(……ふふふ。すでにわたしの手札には、圧殺のコンボが揃いつつあるわ)」

永琳 「(大会が長引くのも面倒。こんなところで時間かかってられないし、サクサク終わらせないとね……)」

永琳 「モンスターを裏守備でセット。さらにカードを1枚セットしてターンエンドよ」



永琳  LP8000:手札4:裏守備、伏せ1
鈴仙       手札6
魔理沙 LP8000:手札6:無し
アリス       手札6



パチェ「まずは相手は無難な一手ね。さすがにまだ手の内は読めないわ」

レミ 「そう焦る必要もないでしょう。あまり一気呵成に終わってもつまらないしね。
    このわたしをこれだけ待たせたのだから、相応の余興にしてもらわないと割に合わないわ。
    せいぜい楽しませてほしいものね。ふふふ……」

魔理沙「次はわたしのターンだ。ドロー!」

魔理沙「ランサー・ドラゴニュートを攻撃表示で召喚する」


《ランサー・ドラゴニュート/Rancer Dragonute》 †
効果モンスター
星4/闇属性/ドラゴン族/攻1500/守1800
このカードが守備表示モンスターを攻撃した時、
その守備力を攻撃力が超えていれば、
その数値だけ相手に戦闘ダメージを与える。


永琳 「ふうん。トランプル効果を持っているのね」

魔理沙「うちのイカした尖兵だぜ。
    ランサー・ドラゴニュートで、永琳の裏守備に攻撃!」

永琳 「残念だけど、これはキラー・トマトよ」


《キラー・トマト/Mystic Tomato》 †
効果モンスター
星4/闇属性/植物族/攻1400/守1100
このカードが戦闘によって墓地へ送られた時、デッキから攻撃力1500以下の
闇属性モンスター1体を自分のフィールド上に表側攻撃表示で特殊召喚する事ができる。
その後デッキをシャッフルする。


パチェ「リクルーターか。ということは、今のはわざと破壊させたわね」

永琳 「デッキから、堕天使ナースレフィキュルを特殊召喚するわ」LP8000→7600


《堕天使ナース-レフィキュル/Nurse Reficule the Fallen One》 †
効果モンスター
星4/闇属性/天使族/攻1400/守 600
このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、
相手のライフポイントが回復する効果は、
相手のライフポイントにダメージを与える効果になる。


レミ 「(……! へえ、あのモンスターは……)」

魔理沙「(あいつのデッキは……シモッチバーンか!)」

永琳 「これでわたしのコンボの要は揃った。
    わたしにとって生物を治療するのは造作もないけど、壊す事も同じぐらいに容易い。
    医療において、再生と破壊は同義なの。
    効きすぎる薬は時として、根本から体の組織を蝕んでゆく劇薬となる。
    今からそれを教授して差し上げましょう」

永琳 「リバースカード発動。永続罠、ダークキュアよ」


《ダーク・キュア/Dark Cure》 †
永続罠
相手がモンスターの召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した時、
そのモンスターの元々の攻撃力の半分の数値分だけ相手のライフポイントを回復する。


パチェ「ダーク・キュア……これで、魔理沙側はモンスターを召喚するたびにダメージを受ける。
    いきなりずいぶんなビハインドを背負ってしまったわね」

文  「ほうほう~。ライフ回復の効果がそのままダメージになる、か。
    面白い効果ですね。新聞のネタになるわ」

魔理沙「(く……だが、シモッチバーンはシモッチとレフィキュルとのコンボデッキ。
    一度そのギミックを壊せば戦術は瓦解しやすい。
    今手札には無いが、わたしのドラゴンデッキには魔法・罠カード破壊カードは比較的多い。
    ここは焦るべきじゃないな)」

魔理沙「カードを1枚伏せて、ターンを終了するぜ」



永琳  LP7600:手札4:レフィキュル、ダークキュア
鈴仙       手札6
魔理沙 LP8000:手札4:ランサー、伏せ1
アリス       手札6



永琳 「布陣はすでに整ったわ。うどんげ、あとは手はず通りにね」

鈴仙 「(……師匠も楽しんでるなぁ)
    わかってますよ。ドロー」

鈴仙 「(ふむ……わたしの方も手札はいいみたいね)
    豊穣のアルテミスを召喚するわ」


《豊穣のアルテミス/Bountiful Artemis》 †
効果モンスター
星4/光属性/天使族/攻1600/守1700
このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、
カウンター罠が発動される度に自分のデッキからカードを1枚ドローする。


パチェ「アルテミス……。なるほど、こっちはパーミッションね」

魔理沙「(・・・・・・真っ先に標的にされやすい永琳のキーカードを、カウンタートラップで守る。
    パーミッションならば、まさに水の一滴も漏らさない防御が可能なわけか。
    チッ、理想的な組み合わせだぜ)」

鈴仙 「悪いけど、これから先あなた達に自由は無い。
    わたしの許可無しに思い通りに動けると思わないでね」

永琳 「うどんげ。あなたは余計な事は言わないでいいの」

鈴仙 「(師匠、だからなぜ……)
    リバースカードを4枚セットして、ターンエンドです……」



永琳  LP7600:手札4:レフィキュル、アルテミス、ダークキュア、伏せ4
鈴仙       手札1
魔理沙 LP8000:手札4:ランサー、伏せ1
アリス       手札6



魔理沙「始まったばかりだが、これは早くもまずいぜ。
    これはわたし達も本気になってかからないと…………
    って、何だお前。何ふて腐れてんだよ」

アリス「べつにー……ふて腐れてなんかないし。ドロ~」

魔理沙「(こいつ……俺ルールで先攻取れなかったのがそんなにショックだったのか……)」

アリス「(でもまあ、確かに腐ってる場合じゃないわ。
    尚更、この状況……早めに突破口を開きたいところね)」

アリス「(とはいえ、相手の場には伏せが4枚。
    おそらく何枚かは確実にカウンタートラップ。
    まずは様子見の意味でも、これを使っておきましょうか)」

アリス「手札から、地砕きを発動するわ」


《地砕き/Smashing Ground》 †
通常魔法(制限カード)
相手フィールド上の守備力が一番高い表側表示モンスター1体を破壊する。


アリス「相手フィールドで一番守備力が高いモンスターを破壊する。
    よってアルテミスを破壊するわよ」

鈴仙 「ふん、そんな単純な行動は通じないわよ!
    カウンタートラップ発動、ディストラクション・ジャマー!」


《デストラクション・ジャマー/Destruction Jammer》 †
カウンター罠
手札を1枚捨てる。「フィールド上のモンスターを破壊する効果」を持つ
カードの発動を無効にし、それを破壊する。


鈴仙 「相手がモンスター
    手札のアテナを墓地に捨て、地砕きは無効化。
    そしてアルテミスの永続効果で、わたしはカードを1枚ドローできるわ」

アリス「(やはり防がれたか……でもカード効果が駄目なら、戦闘で破壊するまで。
    多少のコストは払わなければならないけど、仕方ないわ)」

アリス「ならばわたしは手札から、魔鏡導士リフレクト・バウンダーを召喚!」


《魔鏡導士リフレクト・バウンダー/Reflect Bounder》 †
効果モンスター
星4/光属性/機械族/攻1700/守1000
攻撃表示のこのカードが相手モンスターに攻撃された場合、
相手攻撃モンスターの攻撃力分のダメージを相手ライフに与え、
ダメージ計算後にこのカードを破壊する。


永琳 「ふふふ、モンスターを召喚したわね。この瞬間、ダーク・キュアの効果発動。
    レフィキュルとのコンボで、そのモンスターの攻撃力の半分のダメージを受けてもらうわよ」

アリス「(くっ……かなり大きいわね)」LP8000→7150

アリス「でもこれで攻撃ができるわ。リフレクト・バウンダーで、豊穣のアルテミスを攻撃!」

鈴仙 「それも通さない。攻撃の無力化!」


《攻撃の無力化/Negate Attack》 †
カウンター罠
相手モンスターの攻撃宣言時に発動する事ができる。
相手モンスター1体の攻撃を無効にし、バトルフェイズを終了する。


鈴仙 「バトルフェイズは強制終了。
    そしてアルテミスの効果で、カードを1枚ドローするよ」

アリス「(……ムッカ)
    ならメインフェイズ2でサイクロンよ! ダーク・キュアを破壊!」


《サイクロン/Mystical Space Typhoon》 †
速攻魔法(制限カード)
フィールド上の魔法または罠カード1枚を破壊する。


鈴仙 「まるで手玉ね! マジック・ジャマー!」


《マジック・ジャマー/Magic Jammer》 †
カウンター罠
手札を1枚捨てる。
魔法カードの発動を無効にし、それを破壊する。


アリス「(…………ビキビキ)」

魔理沙「おいアリス、もう少し落ち着けよ。手札の乱発は相手の思う壺だぜ」

文  「またしても無効化。本当に、さっきからまるで何もさせてもらえませんねぇ」

パチェ「それがパーミッションたる所以よ。Permissionとは許可の意。
    スペルスピード最速のカウンタートラップを大量に搭載し、相手の行動を徹底的に妨害する。
    安易な行動の一つ一つでも、いちいち相手の許可を仰がなければならないことからそう呼ばれているわ」

咲夜 「なるほど。しかし、思うとおりの行動が全くできなくさせるとしたら、
    それは最強といっても過言ではないような気が……」

パチェ「それは確かに正しいわ。
    実際うまくまわった時のパーミッションは、ほぼ相手に何もさせずに封殺してしまうほど強い。
    でも、このデュエルモンスターズでは受動的なキャンセル系統のカードはコストが高目に設定されているのに対し、
    さっきの地砕きのような能動的な破壊系カードはノーコストのものが横行している。
    だからただ闇雲にカウンターをしていたら、こちら側が先に手札が尽きてジリ貧になってしまうのよ。
    そうならないようにするには、確かなプレイングスキルが必要なの」

咲夜 「ふむ。つまりは、誰でも扱えるデッキじゃないってことですね」

パチェ「そう。しかも手札が減りやすいという欠点は、あのアルテミスが補っている。
    あいつがすでに場に出ているということは、それだけでアリス達は後手を踏まされていることになるわけよ」

レミ 「ふぅん。でもカウンターとはいえトラップはトラップ。
    わたしのお触れホルスの敵じゃないわね」

パチェ「お触れホルスもパーミッションの一種ではあるからね。
    まあ確かに、トラップカードそのものを全て無効化する王宮のお触れがあれば、逆に相手は何もできなくなる。
    その弱点をつければ……なんだけど」

魔理沙「(まああいつらに関しては長々と説明乙というところだが……わたしのデッキにお触れは入ってないんだよな。
    アリスはどうなんだ……?)」

アリス「何をするにもカウンター、カウンター……
    腹立たしいわぁ。イライラするわぁ……ビキビキ」

魔理沙「(そ、それ以前にこいつのキャラが心配になってきたぜ……)
    あのさ、少しは頭冷やせよな。お前のデッキにお触れが入ってれば……」

輝夜 「そこ。パートナー間のアドバイスは禁止よ。今度こそ失格にされたいの?」

魔理沙「ああっと、ちょっと弾幕論議に花が咲きそうになっただけだぜ。
    あれだよな、正直者の死の回り方って、コツを掴めば意外と……」

アリス「わたしなら大丈夫よ、魔理沙」

魔理沙「お?」

アリス「(……そうよ、わたしのデッキにはパーミを打ち破る絶好のカードがあるじゃない。
    あのカード、サイコショッカーさえ手札に来れば、この屈辱も速攻で倍返しよ。くすくすくす)」

魔理沙「(今度は笑ってる…………アイデンティティクライシスってやつか。
    青年期って大変だな……)」

アリス「ランサー・ドラゴニュートを守備表示に変更。ターンエンドよ」



永琳  LP7600:手札4:レフィキュル、アルテミス、ダークキュア、伏せ1
鈴仙       手札2
魔理沙 LP7150:手札4:ランサー、バウンダー、伏せ1
アリス       手札3



永琳 「わたしのターンね。ドローするわ」

永琳 「(何もかもがこちらの思い通り……これはもはや瞬殺コースの手札ね)」

永琳 「カードを1枚伏せて、手札抹殺を発動。3枚捨てて3枚ドローします」


《手札抹殺/Card Destruction》 †
通常魔法(制限カード)
お互いの手札を全て捨て、それぞれ自分のデッキから
捨てた枚数分のカードをドローする。


アリス「わたしも3枚ね」

永琳 「そしてこの瞬間、墓地に置かれた燃える藻の効果発動。
    ライフ反転で、1000ダメージを受けなさい」


《燃える藻/Burning Algae》 †
効果モンスター
星3/炎属性/炎族/攻 500/守1500
このカードが墓地に送られた時、相手は1000ライフポイント回復する。


アリス「(まずいわ……このペースでライフを削られていったら、
    ライフ8000なんてあっという間に尽きてしまう)」LP7150→6150

永琳 「アルテミスを守備表示に変更。最後にカードを2枚伏せて、ターンエンドよ」



永琳  LP7600:手札1:レフィキュル、アルテミス、ダークキュア、伏せ4
鈴仙       手札2
魔理沙 LP6150:手札4:ランサー、バウンダー、伏せ1
アリス       手札3



霊夢 「…………やっと着いた~。
    って……もうデュエルやってるんだ、魔理沙達」

レミ 「あら、霊夢。遅かったのね。何やってたの?」

霊夢 「ああいや、ちょっとね……。
    (二次元キャラがトイレなんて言っちゃだめよね、うん)」

霊夢 「ところで、さすがに決勝が始まってるのね。これは何試合目?」

パチェ「まだよ。これは遅れてやってきたあいつらへの罰則。決勝じゃないわ。
    一試合分多くやることになったの。もちろん、負ければこれで終わり」

レミ 「まあ、自業自得ね」

霊夢 「(わたしも遅れたけど大丈夫なのかなぁ……。
    ま、黙っておくに越したことはないか)」

霊夢 「それで、戦況はどうなの? 魔理沙達、勝ってる?」

パチェ「あまりいいとは言えないわね。
    ライフポイント差もあるけど、開幕から終始向こうのペースだわ」

霊夢 「(ええっと、相手の場にはレフィキュル…………シモッチ型のバーンデッキか。
    今はまだそんなにライフ差は無いけど……)」

魔理沙「わたしのターンだぜ。ドロー!」

永琳 「ストップよ。スタンバイフェイズ前に、場のリバースカードを発動させておくわ。
    真実の眼!」


《真実の眼/The Eye of Truth》 †
永続罠
このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、
相手は手札を公開し続けなければならない。
相手はスタンバイフェイズ時、手札に魔法カードがある限り
1000ライフポイント回復する。


魔理沙「げ……きやがったぜ」

永琳 「この永続罠がある限り、相手、つまりあなた達は手札を公開する必要がある。
    もっとも、その代償として、その手札に魔法カードが混じっていれば、
    あなた達は1000ライフを得ることができるけど……」

アリス「(でも、レフィキュルがいる以上、ライフ回復は反転してダメージになる……。
    手札を見られたうえに、1000ダメージまで受けるなんて……くっ)」

永琳 「さあ、あなたの手札を見せてもらおうかしら」

魔理沙「(ただでさえ身動きがとれてないのに、手札まで見られるのは痛すぎるぜ……
    しかも魔法カードがある限り、毎ターン1000ダメージか)」


手札:ハウンド・ドラゴン、アームド・ドラゴンLV10、スタンピング・クラッシュ、異次元竜トワイライトゾーンドラゴン、ドラゴンの宝珠


永琳 「ほとんどモンスターばかりとは、都合がいいわね。
    でも、スタンピング・クラッシュは通常魔法。
    スタンバイフェイズに、真実の眼の効果で1000ダメージを受けなさい」

魔理沙 LP6150→5150

永琳 「さらに……この贈り物を差し上げるとしましょう。
    リバースカードオープン、ギフトカード」


《ギフトカード/Gift Card》 †
通常罠
相手は3000ライフポイント回復する。


霊夢 「さ、3000ですって!?」

魔理沙「ちょ、こんなのいらな…………うわああぁっ!」LP5150→2150

パチェ「さすがシモッチバーン……。火力はバーン系デッキでも随一の威力ね」

魔理沙「くっ、だが今のドローでこいつを引けたぜ。
    スタンピング・クラッシュを発動! ダーク・キュアを破壊する!」


《スタンピング・クラッシュ/Stamping Destruction》 †
通常魔法
自分フィールド上に表側表示のドラゴン族モンスターが
存在する時のみ発動する事ができる。
フィールド上の魔法・罠カード1枚を破壊し、
そのコントローラーに500ポイントダメージを与える。


永琳 「……ドラゴン族デッキなら3枚積みもあるカード。それを待っていたわ。
    うどんげのカウンタートラップはまだ残っている。
    手札の悪夢の鉄檻を捨て、封魔の呪印!」


《封魔の呪印/Cursed Seal of the Forbidden Spell》 †
カウンター罠
手札から魔法カードを1枚捨てる。
魔法カードの発動と効果を無効にし、それを破壊する。
相手はこのデュエル中、この効果で破壊された魔法カード及び
同名カードを発動する事ができない。


魔理沙「(なっ……しまった!)」

永琳 「封魔の呪印を受けた魔法カードは、もう二度とこのデュエルで同じカードを使うことができなくなる。
    これでもうスタクラは使えない。
    さらにアルテミスの効果でわたしは1枚ドローよ」

魔理沙「(くっ……起死回生のスタクラまで。
    こいつは本当にやばいぜ。なんとかしないと……)」

アリス「落ち着きなさい! 魔理沙」

魔理沙「っ……!? 
    なんだよ、急に……。わたしをおどかしてどうする」

アリス「だから落ち着きなさいと言ってるの。これぐらいで驚くような精神状態ならなおさらよ」

魔理沙「(そりゃ、いつのまにかそんなに毅然となってたら、だれだって驚くぜ……。
    さっきはキャラが崩壊しかかってたのに)」

アリス「シモッチバーンは相手のライフを強引に回復させ、
    その効果を反転させることでダメージを与える完全なコンボデッキ。
    つまりキーカードであるシモッチの副作用かレフィキュルの存在が不可欠。
    でも、逆に言えばそれらが無ければ……と、これ以上は審判の目が光ってるから言えないわね」

輝夜 「もう十分言ってるような気がするけど、まあいいわ」

魔理沙「(それらが無ければ…………そうか! 
    反転させる効果さえ無くなれば、ダークキュアの効果で逆にこちらのライフが回復していく。
    なら、今は多少ライフを失っても、強引に攻めていく方がいい。
    後からいくらでも取り返しがつくからな)」

魔理沙「なら…………よし、こいつを召喚だぜ。ハウンド・ドラゴン!」


《ハウンド・ドラゴン/Hunter Dragon》 †
通常モンスター
星3/闇属性/ドラゴン族/攻1700/守 100
鋭い牙で獲物を仕留めるドラゴン。
鋭く素早い動きで攻撃を繰り出すが、
守備能力は持ち合わせていない。


永琳 「(……ハウンド・ドラゴン。レベルは3か……)」

霊夢 「何やってんのよ、魔理沙! そんなことしたらまたライフが削られて……」

魔理沙「お、霊夢じゃないか。生きてたんだな」

霊夢 「死にはしないわよっ」

魔理沙「まあ心配しなくても、ダークキュアの効果ぐらい承知の上だぜ。
    そんなわけで、バトルフェイズだ。リフレクト・バウンダーで、レフィキュルを攻撃!」
    LP2150→1300

永琳 「トラップ発動よ。グラビティ・バインド!」


《グラヴィティ・バインド-超重力の網-/Gravity Bind》 †
永続罠(制限カード)
フィールド上に存在する全てのレベル4以上のモンスターは攻撃をする事ができない。


魔理沙「予想通りだな。
    バウンダーの攻撃は止められるが、ハウンド・ドラゴンはレベル3だからバインドには引っかからないぜ。
    ハウンド・ドラゴンでレフィキュルに攻撃! バスキースウィーパー!」

永琳 「ならば仕方ないわね。リバースカードオープン、闇霊術-欲!」


《闇霊術-「欲(よく)」/Dark Spirit Art - Greed》 †
通常罠
自分フィールド上に存在する闇属性モンスター1体を生け贄に捧げて発動する。
相手は手札から魔法カード1枚を見せる事でこの効果を無効にする事ができる。
見せなかった場合、自分はデッキからカードを2枚ドローする。


永琳 「レフィキュルをリリースするわ。
    あなたの手札に魔法カードが無いことはわかっている。2枚ドローさせてもらうわよ」

魔理沙「だが、レフィキュルさえいなくなればこっちのもんだぜ。ターンエンドだ」



永琳  LP7600:手札3:アルテミス、ダークキュア、真実の眼、バインド
鈴仙       手札2
魔理沙 LP1350:手札3:ランサー、バウンダー、ハウンド、伏せ1
アリス       手札3



パチェ「ようやくレフィキュルを倒したわね。
    でも、残りライフが危ないわ。下手をすればこのターンで決着がついてしまう」

レミ 「さあ、それはどうかしらね」

咲夜 「……お嬢様?」

レミ 「人間とは不思議な生き物よ。
    肉体も精神も、撫でるだけで崩れるほど脆弱でありながら、生への執着力だけは傲慢なぐらい持ち合わせている。
    その不遜さは時として、自らの運命すらも捻じ曲げる。
    周囲の事象すら巻き込んでね」

咲夜 「(お嬢様の運命談ももう何度目かしら……)
    ああ。そういえば、あの人形使いも元は人間でしたわね」

レミ 「もちろん、ただの人間に運命を変える力などが宿ることなどないわ。
    そんなことがあれば、世界の因果律は輻輳し、一歩先すらも予測できない混沌と化してしまうからね。
    けど一握りとはいえ、運命の力を撥ね退ける人間は確かに存在する。
    いつの昔だったか、わたしという強大な運命を退けた人間がいたように……」

霊夢 「ていうか、それってわたしでしょ。わりと最近じゃないの」

レミ 「ともあれ、これで敗れたら、奴らも所詮それまでの運命だったというだけの話。
    このまま流されるままに坂を転げ落ちていくか、それとも爪をたててしがみつくことができるか。
    すべては神のみぞ知る、ということよ」

永琳 「(レフィキュルを失った…………でも、向こうのライフはあとわずか。
    このターンで倒せば問題は無いわ)」

永琳 「わかってるわね、うどんげ。このターンで終わらせなさい」

鈴仙 「は、はい師匠。ドロー」

鈴仙 「(……とはいったものの、今回のダメージソースは基本的に師匠頼り。
    わたしのデッキは守ることはできても、ダメージを与えるのは得意じゃないのよね。
    というか、バインドがあったらわたしも攻撃できないし……)」

永琳 「…………」

鈴仙 「(そ、そんな目で見られても……)
    モンスターを裏守備でセット。カードを1枚伏せて、ターンエンドです……」



永琳  LP7600:手札3:アルテミス、裏守備、ダークキュア、真実の眼、バインド伏せ1
鈴仙       手札2
魔理沙 LP1350:手札3:ランサー、バウンダー、ハウンド、伏せ1
アリス       手札3



アリス「(攻撃が来なかった……これは流れが変わったかもしれないわ)」

アリス「わたしのターン、ドロー!」

鈴仙 「レフィキュルはいないけど、真実の眼の効果を忘れてもらっては困るわ。
    あなたの手札も見せなさい。ドローカードも含めてね」


手札:サイバー・ダーク・エッジ、古代の機械巨人、収縮


   つ 人造人間-サイコ・ショッカー


鈴仙 「(っ……!? 
    サイコ・ショッカー! あれを手札に加えさせたらまずい!)」

鈴仙 「ドローフェイズでトラップ発動! 強烈なはたき落とし!」


《強烈なはたき落とし/Drastic Drop Off》 †
カウンター罠
相手がデッキからカードを手札に加えた時に発動する事ができる。
相手は手札に加えたカード1枚をそのまま墓地に捨てる。


魔理沙「……はたき落としだと!?」

パチェ「なるほど……。やるわね。
    真実の眼でドローカードを確認し、危険だと思えばそのまま墓地送りにできるわけか」

咲夜 「しかもあのカードはカウンタートラップ。アルテミスの効果でドローもできますわ」

鈴仙 「(ふう、危なかった……)
    せっかく起死回生のドローだったのに、残念ね。
    ショッカーは墓地に捨ててもらうわ」

アリス「でも、スタンバイフェイズに真実の目の効果でライフが回復するわよ」LP1300→2300

鈴仙 「(あう……そうだった。
    でも、サイコ・ショッカーを手札に引き込まれるよりは……)」

アリス「まだよ。わたしは場のハウンド・ドラゴンとリフレクト・バウンダーをリリースし……
    古代の機械巨人を召喚するわ!」


《古代の機械巨人(アンティーク・ギアゴーレム)/Ancient Gear Golem》 †
効果モンスター
星8/地属性/機械族/攻3000/守3000
このカードは特殊召喚できない。
このカードが守備表示モンスターを攻撃した時、
このカードの攻撃力が守備表示モンスターの守備力を超えていれば、
その数値だけ相手ライフに戦闘ダメージを与える。
このカードが攻撃する場合、
相手はダメージステップ終了時まで魔法・罠カードを発動できない。


永琳 「(攻撃力3000の最上級モンスター……)」

アリス「モンスターの召喚が成功したことで、あなた達の場のダーク・キュアが発動するわ。
    ライフ回復ね」LP2300→3800

鈴仙 「くっ、でもバインドがある限り攻撃はできないわよ」

アリス「……ふふふ。ところがそうはいかないのよね。この時を待っていたわ」

鈴仙 「何ですって?」

アリス「今、あなたの場に伏せカードは無い。
    つまりもうわたしのカードをカウンターする事はできないわ」

魔理沙「よし、ここはお前に任せるぜ」

アリス「ええ。魔理沙、あなたのカードを借りるわよ。
    リバースカードオープン、リビングデッドの呼び声! 
    墓地より蘇れ! サイコ・ショッカー!」


《リビングデッドの呼び声/Call of the Haunted》 †
永続罠(本当は禁止カード)
自分の墓地からモンスター1体を選択し、攻撃表示で特殊召喚する。
このカードがフィールド上に存在しなくなった時、そのモンスターを破壊する。
そのモンスターが破壊された時このカードを破壊する。


《人造人間-サイコ・ショッカー/Jinzo》 †
効果モンスター
星6/闇属性/機械族/攻2400/守1500
このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り罠カードは発動できず、
全てのフィールド上罠カードの効果は無効になる。


鈴仙 「(ううっ……しまった……!)」

咲夜 「……ここでサイコ・ショッカー! パーミッションの天敵ですね」

レミ 「ふふ、見なさい。運命が傾きを始めたようよ」

霊夢 「ショッカーが場に出たことで、場のトラップは全てが無効。これで攻撃もできるわ!」

アリス「もう手札を見せる必要もないわね。
    ランサー・ドラゴニュートを攻撃表示に変更。バトルフェイズよ。
    古代の機械巨人で、豊穣のアルテミスに攻撃! アルティメット・パウンド!」

鈴仙 「ううっ……アルテミスが。しかも貫通効果つきなんて」LP7600→6300

アリス「さらにショッカーで裏守備に攻撃よ。電脳エナジー・ショック!」

鈴仙 「でも、これはマシュマロンよ。破壊はされないわ」


《マシュマロン/Marshmallon》 †
効果モンスター(制限カード)
星3/光属性/天使族/攻 300/守 500
フィールド上に裏側表示で存在するこのカードを攻撃したモンスターのコントローラーは、
ダメージ計算後に1000ポイントダメージを受ける。
このカードは戦闘では破壊されない。


アリス「いつつ……効果で1000ダメージか。
    でも、まだランサー・ドラゴニュートがいるわ。マシュマロンを攻撃よ」LP3800→2800

鈴仙 「そういえば、そいつも貫通持ちだったわね・・・・・・」LP6300→5300

アリス「これでターンエンドよ」



永琳  LP5300:手札3:マシュ、ダークキュア、真実の眼、バインド
鈴仙       手札3
魔理沙 LP2800:手札3:古代の機械巨人、ショッカー、ランサー、リビデ
アリス       手札2



永琳 「まったく……ショッカーの召喚を許すなんて、とんだ失態ね。
    やはりまだまだ半人前の域は出ないのかしら。ドロー」

鈴仙 「言葉もないです……」

レミ 「見ておきなさい、咲夜。あれが家畜の調教よ」

咲夜 「はあ……(何でわたしが見ておく必要があるのかしら)」

永琳 「(今わたしの手札に、ショッカーを破壊する手段は無い。
    でも今は、とりあえず攻撃を防ぐしかないわね)」

永琳 「手札から光の護封剣を発動。ターンエンドよ」


《光の護封剣/Swords of Revealing Light》 †
通常魔法(制限カード)
相手フィールド上に存在する全てのモンスターを表側表示にする。
このカードは発動後(相手ターンで数えて)3ターンの間フィールド上に残り続ける。
このカードがフィールド上に存在する限り、相手フィールド上モンスターは
攻撃宣言を行う事ができない。



永琳  LP5300:手札3:マシュ、ダークキュア、真実の眼、バインド、護封剣
鈴仙       手札3
魔理沙 LP2800:手札3:古代の機械巨人、ショッカー、ランサー、リビデ
アリス       手札2



魔理沙「よーし、ようやくこっちのターンだな。ドローするぜ」

魔理沙「(せっかくショッカーを召喚してこちらのペースだと思ったのに、
    護封剣であっさり足止めか。嫌な感じだな。
    だが……)」

魔理沙「ランサー・ドラゴニュートをリリースするぜ。
    わたしはアームド・ドラゴンLV5をアドバンス召喚!」


《アームド・ドラゴン LV(レベル)5/Armed Dragon LV5》 †
効果モンスター
星5/風属性/ドラゴン族/攻2400/守1700
手札のモンスターカード1枚を墓地に送る事で、
そのモンスターの攻撃力以下の相手フィールド上表側表示モンスター1体を破壊する。
このカードがモンスターを戦闘によって破壊したターンのエンドフェイズ時、
このカードを墓地に送る事で「アームド・ドラゴン LV7」1体を
手札またはデッキから特殊召喚する。


魔理沙「優先権を行使、起動効果発動だ。
    手札のトワイライトゾーンドラゴンを墓地に送り、マシュマロンを破壊する。
    ターンを終了するぜ」



永琳  LP5300:手札3:ダークキュア、真実の眼、バインド、護封剣
鈴仙       手札3
魔理沙 LP2800:手札2:古代の機械巨人、ショッカー、アームドLV5、リビデ
アリス       手札2



霊夢 「ここで護封剣か……しばらくこの硬直状態は続きそうね」

パチェ「そうとも限らないわ。
    向こうも天敵とはいえ、ショッカー1枚だけで機能停止するような杜撰なデッキとは思えない。
    明確な弱点があれば、その対策カードも何枚か入れているはずよ」

鈴仙 「次はわたしね。ドローするわ」

鈴仙 「(……よかった。ここでこのカードを引くなんて、なかなかナイスね)」

鈴仙 「手札のヘカテリスを捨て、このカードの効果を発動する。
    デッキから、ヴァルハラを手札に加えるわよ」


《ヘカテリス》 †
効果モンスター
星4/光属性/天使族/攻1500/守1100
このカードを手札から墓地に捨てる。
デッキから「神の居城-ヴァルハラ」1枚を手札に加える。


魔理沙「ヴァルハラだと?」

アリス「橙も使ってたカードね。あの兎のデッキはエンジェルパーミッションだったわけか」

鈴仙 「そしてこのヴァルハラを発動!
    そしてヴァルハラの効果で……煌きの星々より降臨せよ、ザ・スプレンディッド・ヴィーナス!!」


《神の居城-ヴァルハラ》 †
永続魔法
自分フィールド上にモンスターが存在しない場合、
手札から天使族モンスター1体を特殊召喚できる。
この効果は1ターンに1度しか使用できない。


《The splendid VENUS(ザ・スプレンディッド・ヴィーナス)》 †
効果モンスター
星8/光属性/天使族/攻2800/守2400
このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、
フィールド上に表側表示で存在する天使族以外の全てのモンスターの
攻撃力と守備力は500ポイントダウンする。
また、自分がコントロールする魔法・罠カードの発動と効果は無効化されない。


霊夢 「向こうも最上級モンスター! まさか、あれがパチュリーの言っていた対策カード?」

パチェ「どうやらそのようね。粛々」

鈴仙 「女神スプレンディッド・ヴィーナスは、
    その輝かしい後光によって天使族以外の全てのモンスターを圧倒し、攻撃力を500下げる。
    そして、わたしのコントロールする魔法・罠の効果が無効化されることはなくなるわ」

アリス「無効化されない……ということは、ショッカーの効果が効かない?」

鈴仙 「その通りよ。よって、わたしの場のトラップは再び効果を得る。
    まずは真実の眼の効果ね。手札を見せなさい。
    まあ、さっきとそんなに変わってないでしょうけど」

魔理沙「ご自由に、だぜ」


手札:アームド・ドラゴンLV10、ドラゴンの宝珠


永琳 「これで多少は汚名も晴らせたようね。うどんげ、このターンで決めてしまいなさい」

鈴仙 「わかりました、師匠…………といいたいところなんですけど、
    バインドがあって攻撃は……」

永琳 「わかってるわよ。ノリで言ってみただけ」

鈴仙 「…………モンスターを裏守備でセットして、ターンエンドです」



永琳  LP5300:手札3:VENUS、マシュ、裏守備、ダークキュア、真実の眼、
鈴仙       手札1 バインド、ヴァルハラ、護封剣
魔理沙 LP2800:手札2:古代の機械巨人、ショッカー、アームドLV5、リビデ
アリス       手札2



鈴仙 「(何はともあれ、ショッカーの効果はこれで無効化。
    これでまた師匠がレフィキュルかシモッチによる副作用を引けば、ギミックは復活する。
    そしてこの裏守備はメタモルポット。完璧ね)」

アリス「わたしのターンか……ドローするわ」


手札:サイバー・ダーク・エッジ、収縮


アリス「…………ふふふ」

鈴仙 「ちょっと何やってるのよ。
    気持ち悪い笑い方なんかしてないで、ドローしたカードも見せなさい」

アリス「いやぁ、さすがわたしと思ってね。ドローしたカードはこれよ」


  つ 人造人間-サイコ・ロード


永琳 「(な……!?)」

鈴仙 「サイコ・ロードですって!?」

アリス「そう。これはサイコ・ショッカーの上位種。サイコ流最強のモンスターよ。
    すぐにこれを拝ませてあげる」

アリス「スタンバイフェイズで、真実の眼の効果でわたしのライフは回復。
    場のショッカーを墓地に送り、人造人間-サイコ・ロードを攻撃表示で
    特殊召喚するわ!」LP2800→3800


《人造人間(じんぞうにんげん)-サイコ・ロード/Jinzo - Lord》 †
効果モンスター
星8/闇属性/機械族/攻2600/守1600
このカードは通常召喚できない。
自分フィールド上に表側表示で存在する「人造人間-サイコ・ショッカー」
1体を墓地に送った場合のみ特殊召喚する事ができる。
このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り罠カードは発動できず、
全てのフィールド上罠カードの効果は無効になる。
1ターンに1度、フィールド上に表側表示で存在する罠カードを全て破壊することができる。
この効果で破壊したカード1枚につき300ポイントダメージを相手ライフに与える。


パチェ「なるほど……ヴィーナスがいる限り無効にはできないけど、破壊なら可能ね」

アリス「召喚時にダークキュアの効果でさらに回復。
    そして、これでそのうっとおしいトラップ達を破壊できるわ。
    優先権を行使し、サイコ・ロードの起動効果発動! 
    ハイパー・トラップ・ディストラクション!」LP3800→5100

鈴仙 「そんな! 場のトラップが全滅……ライフダメージまで」LP5300→4100

アリス「光の護封剣で攻撃できないのが残念ね。カードを1枚伏せて、ターンエンドよ」



永琳  LP4100:手札3:VENUS、裏守備、ヴァルハラ、護封剣
鈴仙       手札1
魔理沙 LP5100:手札2:古代の機械巨人、サイコロ、アームドLV5、伏せ1
アリス       手札1



永琳 「……わたしのターン。ドロー」

永琳 「(攻撃力はロードやギアゴーレムよりも、うどんげのヴィーナスの方が上……。
    サイコロードは早目に破壊したいところだけど、アリスが今伏せたカードが
    100%収縮とわかっている以上、攻撃はできないわね)」

永琳 「カードを2枚伏せてから、場の裏守備を反転召喚。メタモルポットよ」


《メタモルポット/Morphing Jar》 †
効果モンスター(制限カード)
星2/地属性/岩石族/攻 700/守 600
リバース:自分と相手の手札を全て捨てる。
その後、お互いはそれぞれ自分のデッキからカードを5枚ドローする。


永琳 「効果でお互い5枚ドローするわ」

永琳 「(……よし、来たみたいね)
    手札から、ソウルテイカーを発動。サイコ・ロードを破壊する。
    あなた達のライフは回復するけどね」


《ソウルテイカー/Soul Taker》 †
通常魔法
相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を破壊する。
この効果によって破壊した後、相手プレイヤーは1000ライフポイント回復する。


アリス「本来なら破壊された上にダメージまで与えられるわけか。危なかったわね」LP5100→6100

霊夢 「ロードは破壊されたけど、これでまたライフ回復。よーし、どんどん有利になっていくわ」

永琳 「(ふふふ……それはどうかしらね。
    このカードで着々と進めていくわ……終局に向かってね)」

永琳 「わたしはさらに、手札からタイムカプセルを発動するわ」


《タイムカプセル/Different Dimension Capsule》 †
通常魔法
デッキからカードを1枚選択し、裏側表示でゲームから除外する。
発動後2回目の自分スタンバイフェイズにこのカードを破壊し、
除外されたカードを手札に加える。


魔理沙「タイムカプセルだって?」

永琳 「このカードの効果により、デッキから1枚カードを選択し、
    そのカードを手札に加えることができる……。
    このカードがいいかしらね。ターンエンドよ」

咲夜 「タイムラグはあるけど、万能のサーチカード。
    一体何をもってくるつもりなんでしょう?」

パチェ「おそらくは、シモッチによる副作用かレフィキュル。
    もしくは今伏せたカードの中にすでにシモッチがあるとしたら、ギフトカードでしょうね。
    1枚で3000ダメージは大きいわ」

アリス「(普通に考えれば、確かにそうなんだけど…………
    あいつのあの勝ち誇ったような表情。それだけじゃない気がしてならないのよね。
    何か、もっと決定的に勝負をつけられるもののような……)」



永琳  LP4100:手札3:VENUS、メタポ、ヴァルハラ、護封剣、カプセル、伏せ2
鈴仙       手札1
魔理沙 LP6100:手札2:古代の機械巨人、アームドLV5、伏せ1
アリス       手札5



魔理沙「わたしのターン、ドローするぜ」

魔理沙「(また向こうの魔法・罠ゾーンが埋まってしまったな。
    ああもたくさん伏せられると嫌なもんだぜ…………おっと、きたか)」

魔理沙「ようやくこのデッキの真価を見せられそうだな。
    手札から、レベルアップを発動。アームドドラゴンのレベルを上昇させるぜ。
    デッキから現れろ、アームド・ドラゴンLV7!」


《レベルアップ!/Level Up!》 †
通常魔法
フィールド上に表側表示で存在する「LV」を持つ
モンスター1体を墓地へ送り発動する。
そのカードに記されているモンスターを、
召喚条件を無視して手札またはデッキから特殊召喚する。


《アームド・ドラゴン LV7/Armed Dragon LV7》 †
効果モンスター
星7/風属性/ドラゴン族/攻2800/守1000
このカードは通常召喚できない。
「アームド・ドラゴン LV5」の効果でのみ特殊召喚できる。
手札のモンスターカード1枚を墓地に送る事で、
そのモンスターの攻撃力以下の相手フィールド上表側表示モンスターを全て破壊する。


霊夢 「……来たわ! レベル7!」

アリス「いい感じね、魔理沙。ノッてきたじゃない」

魔理沙「はっは。だがまだこんなもんじゃないぜ。アームド・ドラゴンの進化は究極を目指す!
    場のLV7をリリースし……今こそその姿を現せ!
    アームド・ドラゴンLV10!!」


《アームド・ドラゴン LV10/Armed Dragon LV10》 †
効果モンスター
星10/風属性/ドラゴン族/攻3000/守2000
このカードは通常召喚できない。
自分フィールド上に存在する「アームド・ドラゴン LV7」
1体を生け贄に捧げた場合のみ特殊召喚できる。
手札のカード1枚を墓地に送る事で、
相手フィールド上の表側表示モンスターを全て破壊する。


鈴仙 「レベル10ですって!?」

文  「あんな召喚条件の厳しいモンスターを入れてるなんて・・・・・・あの方らしいですね」

魔理沙「その分効果も強力だぜ。手札のドラゴンの宝珠を捨てて、起動効果発動!
    お前達の場の表側表示モンスターを全て破壊する! アームド・ビッグバン!」

鈴仙 「わ、わたしのヴィーナスが・・・・・・」

魔理沙「これでモンスターゾーンの方はすっきりしたな。
    お前の場の光の護封剣は破壊される。ターンエンドだ」



永琳  LP4100:手札3:ヴァルハラ、カプセル、伏せ2
鈴仙       手札1
魔理沙 LP6100:手札0:古代の機械巨人、アームドLV10、伏せ1
アリス       手札5



鈴仙 「く、よくもやってくれたわね……ドロー!」
 
鈴仙 「護封剣は破壊されたけど…………師匠、これ使わせてもらいますよ」

永琳 「もとよりそのつもりで伏せておいたのよ。存分になさい」

鈴仙 「ありがとうございます。わたしはジェルエンデュオを召喚!」


《ジェルエンデュオ/Gellenduo》 †
効果モンスター
星4/光属性/天使族/攻1700/守 0
このカードは戦闘によっては破壊されない。
このカードのコントローラーがダメージを受けた時、
フィールド上に表側表示で存在するこのカードを破壊する。
光属性・天使族モンスターを生け贄召喚する場合、
このモンスター1体で2体分の生け贄とする事ができる。


魔理沙「戦闘破壊耐性を持つモンスターか。
    だが、そいつは普通守備表示で出すもんだぜ?」

鈴仙 「今にわかるわ。リバースカードオープン、早すぎた埋葬!」


《早すぎた埋葬/Premature Burial》 †
装備魔法(制限カード)
800ライフポイントを払う。
自分の墓地からモンスターカードを1体選択して攻撃表示で
フィールド上に特殊召喚し、このカードを装備する。
このカードが破壊された時、装備モンスターを破壊する。


鈴仙 「墓地のモンスターを蘇生する。わたしは墓地から、アテナを特殊召喚!」
    LP4100→3300


《アテナ》 †
効果モンスター
星7/光属性/天使族/攻2600/守 800
自分フィールド上に存在する「アテナ」以外の天使族モンスター1体を墓地に送る事で、
自分の墓地に存在する「アテナ」以外の天使族モンスター1体を自分フィールド上に
特殊召喚する。この効果は1ターンに1度しか使用できない。
フィールド上に天使族モンスターが召喚・反転召喚・特殊召喚される度に、
相手ライフに600ポイントダメージを与える。


レミ 「ふうん。アテナか、いいカードじゃない」

パチェ「場と墓地の天使族を入れ替えることができるカードね」

鈴仙 「優先権を行使、アテナの起動効果発動。
    これでヴィーナスを蘇生することもできるけど……それはしないでおくわ。
    わたしはジェルエンデュオを墓地に送り、レフィキュルを守備表示で特殊召喚!」

鈴仙 「そしてこの瞬間、アテナの誘発効果発動!
    フィールドに天使族が召喚・特殊召喚するたびに、600ダメージを与えるわ!」

アリス「(なるほど……そういえばレフィキュルも天使族だったわね。
   これを狙っていたのか……)」LP6100→5500

鈴仙 「これでこのリバースカードが使えるわ。2枚目の真実の眼を発動! 
    手札を見せてもらうわよ」

魔理沙「またか。まあ、わたしの手札は0枚だが」

鈴仙 「そういえばそうだったわね。
    でも、これでまたスタンバイフェイズにダメージを受けるようになったわよ。
    カードを1枚伏せて、ターンエンド」



永琳  LP4100:手札3:アテナ、レフィキュル、ヴァルハラ、カプセル、真実の目、伏せ2
鈴仙       手札0
魔理沙 LP5500:手札0:古代の機械巨人、アームドLV10、伏せ1
アリス       手札5



アリス「わたしのターンね。ドロー」

鈴仙 「手札を確認させてもらうわ。ドローカードもね」

アリス「わかってるわよ。はい、どうぞ」


手札:オーバーロード・フュージョン、手札抹殺、サイバー・ダーク・キール、クリッター、封印の黄金櫃


  つ サイバー・ダーク・ホーン


鈴仙 「ちゃんと魔法カードもあるわね。
    スタンバイフェイズで、真実の眼の分1000ダメージよ」

アリス「でも、もうあなた達を守る護封剣の光は無い。
    アームド・ドラゴンLV10の起動効果発動よ。
    手札抹殺を墓地に捨て、アテナとレフィキュルを破壊!」LP5500→4500

アリス「これでモンスターゾーンはがら空き。2体のダイレクトアタックで終わりだわ!」

鈴仙 「甘いわ! メインフェイズ終了前に、場のリバースカードをオープン! 
    光の護封壁!」


《光の護封壁/Wall of Revealing Light》 †
永続罠(制限カード)
発動時1000の倍数のライフポイントを払う。
払った数値以下の攻撃力を持つ相手モンスターは攻撃できない。


咲夜 「……また新たな光の壁が!」

アリス「(護封壁……!? まだ防衛線が残ってたなんて……)」

鈴仙 「3000ポイント支払うわ。これでアームドもギアゴーレムも攻撃できないわね」
    LP4100→1100

魔理沙「ふん。そんなにライフを払って、あとあと後悔しなきゃいいけどな」

鈴仙 「(……ふふふ、余計なお世話もいいところね。
    これで、布石は全て整った。あとは師匠に任せるだけ……)」

アリス「…………」

アリス「(もうカウンタートラップも切れたのに、この差し迫った局面で3000もライフを支払うなんて。
    ……やっぱり何かあるわ。こちらも万全を期しておいて損は無いはず)」

アリス「メインフェイズ2で、封印の黄金櫃を発動するわ」


《封印の黄金櫃/Gold Sarcophagus》 †
通常魔法(制限カード)
自分のデッキからカードを1枚選択し、ゲームから除外する。
発動後2回目の自分のスタンバイフェイズ時にそのカードを手札に加える。


霊夢 「アリスもサーチカード? でも、あれはタイムカプセルとどう違うの?」

パチェ「あれはタイムカプセルと違ってサーチするカードを相手にも知られてしまうけど、カード自体は場に残らない。
    つまり、ほぼ確実に4ターン後手札に加えることができる。ほとんど上位互換ね」

レミ 「この局面でサーチするカードを知られるのもたいしたことではないしね。
    そしてあの手札なら、おそらくは持ってくるのはあのカード、キメラへの布石……」

アリス「わたしはデッキから、未来融合を選択。ゲームから除外する。
    これでターンエンドよ」

鈴仙 「(……狙いはキメラテック・オーバー・ドラゴンね。
    だけど、師匠がタイムカプセルで除外したあのカードは、次のターン手札に戻ってくる。もう遅いわ。
    そして、これが最後のパーツ……)」

鈴仙 「エンドフェイズにもう一つトラップを使っておくわ。拷問車輪」


《拷問車輪/Nightmare Wheel》 †
永続罠
このカードがフィールド上に存在する限り、
指定した相手モンスター1体は攻撃できず、表示形式も変更できない。
自分のスタンバイフェイズ時、このカードは相手ライフに
500ポイントのダメージを与える。
指定モンスターがフィールド上から離れた時、このカードを破壊する。


鈴仙 「(もはやどっちでもいいんだけど、とりあえず・・・・・・)
    ギアゴーレムを指定するわ」



永琳  LP1100:手札3:ヴァルハラ、カプセル、護封壁、真実の眼、拷問車輪
鈴仙       手札0
魔理沙 LP4500:手札0:古代の機械巨人、アームドLV10、伏せ1
アリス       手札4



霊夢 「このタイミングで車輪?」

パチェ「ダメージを与えるためでしょ」

永琳 「わたしのターン、ドロー。
    ……まずは、拷問車輪の効果で500ダメージよ」

アリス「これぐらい、なんてことないわね」LP4500→4000

永琳 「ふふふ、その口がいつまでもつかしら。
    タイムカプセル発動から、2回目のスタンバイフェイズよ。
    除外したカードが、わたしの手札に戻ってくる」

永琳 「……このカードが何か、知りたいでしょう? 
    すぐに見せて差し上げるわ。わたしは、場の永続罠3枚を墓地に送り……」

霊夢 「トラップカードを、墓地に……?」

咲夜 「(しかも3枚も……ということは)」

永琳 「仄暗き深淵より、紫炎を纏いて出でよ……。神炎皇、ウリア!!」


《神炎皇(しんえんおう)ウリア/Uria, Lord of Searing Flames》 †
効果モンスター
星10/炎属性/炎族/攻 0/守 0
このカードは通常召喚できない。
自分フィールド上に表側表示で存在する罠カード3枚を
墓地に送った場合のみ特殊召喚する事ができる。
このカードの攻撃力は自分の墓地の永続罠カード1枚につき
1000ポイントアップする。
1ターンに1度だけ、相手フィールド上にセットされている
魔法・罠カード1枚を破壊する事ができる。
この効果の発動に対して魔法・罠カードを発動する事はできない。


魔理沙「ウリアだと!?」

パチェ「三幻魔の一体! これを狙ってたのね……」

レミ 「……なるほどね。こいつがあのデッキのフィニッシャーってわけか。
    シモッチバーンでトラップの対処におわれたところで、ウリアが神出鬼没に出現し奇襲を仕掛ける。
    そのまま勝負を決めるわけね」

永琳 「原作と比べて遥かに弱体化したとはいえ、幻魔は本来神のカードと並ぶクラスのモンスター。
    並のカードなどウリアの足元にも及ばないわ。
    神炎皇ウリアは、墓地の永続罠カード1枚につき攻撃力が1000ポイント上昇する。
    わたしの墓地の永続罠は6枚。よって、ウリアの攻撃力は……」


    神炎皇ウリア 攻撃力6000


霊夢 「い、いきなり6000ですって!?」

永琳 「優先権を行使し、ウリアの起動効果を発動! 
    相手の場のセットされた伏せカード1枚を破壊する。
    そして、この効果に対してチェーンはできない! 本家トラップ・ディストラクション!!」

アリス「(く、収縮が……)」

永琳 「これで心置きなく攻撃ができるわね。
    ウリアでアームドドラゴンLV10を攻撃! 火葬してさしあげなさい!
    秘術……天文密葬法!!」


アリス「……きゃあああぁっ!!」LP4000→1000

魔理沙「……アリス!」

アリス「うう…………やっぱり、神の炎は伊達じゃないわね。
    生き残ったのが不思議なぐらいだわ」

永琳 「ふむ。虫の息ながらも生きながらえているようね。
    ならば次は、魂まで焼き尽くしてあげましょう。
    カードを1枚伏せて、ターンエンドよ」



    *






  ________18:50 博麗神社宿舎内





幽々子「……ふぅ。食べた食べた」

妖夢 「食べすぎですよ……それも他人の家の物をこんなに」

幽々子「あら、わたしは死人よ? 死者の魂は何よりも優先されるの。
    わたし達を縛るものなどありはしないのだからね」

妖夢 「いや、そういう問題では……」

幽々子「いいのよ。どうせ、犯人は紫ってことになるんだろうし。ねえ?」

紫  「まあねえ。どうしていつもいつもわたしが犯人扱いされるかわからないけど……まあ悪い気はしないし。
    というか、わたしも食べたしね」

幽々子「…………今回も、そうなんでしょ? 犯人」

紫  「犯人? ちょっと違うわね。主催者とはいうかもしれないけど」

幽々子「一緒じゃない。一応、真の主催者さんに、その目的も訊いておこうかしら。
    何でデュエル大会なんか催したの?」

紫  「まあデュエルじゃなくてもよかったんだけどねぇ……そろそろあの季節から」

幽々子「そうよね。もうそんな時期だし……。
    早いものね。前は180年前だったかしら?」

妖夢 「(…………?)
    あの……お二人とも、何の話をしておられるのですか?」

幽々子「たいした話じゃないわ。まあ、紫もこう見えて大変なのよ」

妖夢 「???」

紫  「別にあなたは知らなくてもいいことよ。
    いや、知らない方がいいと言った方がいいかしら。どうせ話しても話すだけ無駄なのだし」

幽々子「妖夢は自分のデュエルの事だけ考えなさい。
    まあ、あなたならそうそう負けることなどないでしょうけど……。
    今日はせっかくの宴なのだから、存分に楽しまないとね」

妖夢 「はあ。宴」

幽々子「それにしても、さっきから表が騒がしいわね。
    もう決勝が始まってるのかしら?」

妖夢 「どうなんでしょう? 
    一応、始めるときは呼びに来てくれることになってますし……
    さっき言っていたペナルティ戦の方じゃないですか?」

藍  「そのようですね。今、アリス魔理沙組が、永琳うどんげ組と対戦しています」

紫  「これだけ盛り上がっているということは、デュエルも佳境に入ったようね。
    さてと……ではわたし達も、そろそろ行くべきかしら」

幽々子「いいところを見過ごすのももったいないしね……。
    紫は、どっちが勝つと思う?」

紫  「…………さあ? 
    でも、未来はあえて予測しないからこそ、味が出るというものじゃない?」



    *









  ________同刻 博麗神社境内






永琳  LP1100:手札3:ウリア、ヴァルハラ、伏せ1
鈴仙       手札0
魔理沙 LP1000:手札0:古代の機械巨人
アリス       手札4
 


魔理沙「(まさかウリアが出てくるとはな……どうするか)」

魔理沙「わたしのターンだ! ドロー!」

魔理沙「(…………よし、これなら!)
    手札から、ボマー・ドラゴンを召喚だ!」


《ボマー・ドラゴン/Exploder Dragon》 †
効果モンスター
星3/地属性/ドラゴン族/攻1000/守 0
このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、
このカードを破壊したモンスターを破壊する。
このカードが攻撃を行う場合、
お互いのプレイヤーが受ける戦闘ダメージは0になる。


魔理沙「ボマー・ドラゴンで、ウリアに攻撃だ!」

霊夢 「攻撃って、何やってんのよ! 自滅する気?」

魔理沙「テキスト読めばわかるぜ。
    このカードが攻撃するとき、わたしは戦闘ダメージを受けない。
    そしてこのカードが戦闘で破壊された時、相手モンスターを破壊することができる!」

永琳 「単純ね。そんな攻撃が通ると思ってるの? 
    ダメージステップでカウンター・トラップ発動。天罰よ」


《天罰/Divine Wrath》 †
カウンター罠
手札を1枚捨てる。
効果モンスターの発動と効果を無効にし、そのモンスターを破壊する。


永琳 「手札を捨てて、ボマー・ドラゴンの効果は無効となるわ」

魔理沙「(くっ、駄目だったか……。あとはアリスに任せるしかないな)
    ギアゴーレムを守備表示に変更。ターンエンドだ」



永琳  LP1100:手札2:ウリア、ヴァルハラ
鈴仙       手札0
魔理沙 LP1000:手札0:古代の機械巨人
アリス       手札4



咲夜 「いよいよ最終局面ですね」

文  「そのようですねぇ。といっても、どちらが優勢かは火を見るより明らかですけど」

パチェ「アリス側の唯一の望みは、未来融合からのオーバーロードフュージョンでキメラの融合召喚。
    攻撃力を最大限に上げたキメラならば、ウリアにも勝てるかもしれない…………でも」

レミ 「その前に、このターンでモンスターカードを引かれたらそれでおしまい。
    あるいは、バーローをカウンターするカードが来ても希望は潰える……」


レミ 「(またしても、あいつらの運命が秤にかけられることになったわね。
    果たして、針はどちらに傾くのやら……ふふふ)」

霊夢 「アリス……。魔理沙……」

鈴仙 「わたしのターン、ドロー!」

鈴仙 「(くっ、モンスターカードは引けなかったか……悪運の強い)」

鈴仙 「(でもこのカードなら、バーローは防げるわ……。大丈夫なはず)
    バトルフェイズよ。ウリアでギアゴーレムに攻撃!」

魔理沙「くっ、破壊されたか……」

鈴仙 「ターンエンドよ。次はあんた達の最後のターンね」



永琳  LP1100:手札2:ウリア、ヴァルハラ、伏せ1
鈴仙       手札0
魔理沙 LP1000:手札0:無し
アリス       手札4



永琳 「(うどんげはモンスターは引けなかったみたいだけど……
    どうやらカウンタートラップは持ってこれたみたいね。十分だわ)」

永琳 「(これでこの娘達の代わりに、わたし達が決勝へ出場できる。
    あとは姫様かわたしがトーナメントを制すれば、
    わたしも余計な薬の調合で無駄な労力を費やさずに済む……
    わたしは天才だからどんな薬でも作れるけど、面倒なものは面倒なのよねぇ)」

レミ 「(…………あの蓬莱人はもう勝ったと思っているようね。
    だけど、こういう一瞬の油断になりふり構わず噛み付いてくるのが、
    人間というもの……)」

レミ 「(……そう、あいつはまだその牙をおさめていない。
    運命が変わるとしたら、この瞬間をおいて他には無い……)」

アリス「望みどおり、最後のターンにしてやるわ。
    あなた達を倒してね! ドロー!」

アリス「スタンバイフェイズに、封印の黄金櫃の効果で除外した未来融合を手札に加える。
    そしてこのカードを発動! わたしが指定するのは、キメラテック・オーバー・ドラゴン!」


《未来融合-フューチャー・フュージョン/Future Fusion》 †
永続魔法(制限カード)
自分のデッキから融合モンスターカードによって決められたモンスターを
墓地へ送り、融合デッキから融合モンスター1体を選択する。
発動後2回目の自分のスタンバイフェイズ時に選択した融合モンスターを
自分フィールド上に特殊召喚する(この特殊召喚は融合召喚扱いとする)。
このカードがフィールド上に存在しなくなった時、そのモンスターを破壊する。
そのモンスターが破壊された時このカードを破壊する。


《キメラテック・オーバー・ドラゴン/Chimeratech Overdragon》 †
融合・効果モンスター
星9/闇属性/機械族/攻 ?/守 ?
「サイバー・ドラゴン」+機械族モンスター1体以上
このモンスターは融合召喚でしか特殊召喚できない。
このカードの融合召喚に成功した時、
このカード以外の自分フィールド上のカードを全て墓地へ送る。
このカードの元々の攻撃力と守備力は、
融合素材にしたモンスターの数×800ポイントの数値になる。
このカードは融合素材にしたモンスターの数だけ
相手モンスターを攻撃する事ができる。


アリス「デッキから、サイバー・ドラゴンとその他もろもろの機械族10枚を墓地に送るわ。
    そして、手札からオーバーロード・フュージョンを発動!」


《オーバーロード・フュージョン/Overload Fusion》 †
通常魔法(制限カード)
自分のフィールド上または墓地から、
融合モンスターカードによって決められたモンスターをゲームから除外し、
闇属性・機械族の融合モンスター1体を融合デッキから特殊召喚する。
(この特殊召喚は融合召喚扱いとする)


アリス「このカードは場と墓地から決められた融合素材を除外することで、
    エクストラデッキから融合モンスターを特殊召喚するわ!
    わたしはキメラテック・オーバー・ドラゴンの素材を指定する!」

霊夢 「墓地の機械族はこれで16体! 
    バーローで全部除外してキメラを召喚すれば、攻撃力はウリアを越すわ!」

鈴仙 「残念だったわね! カウンタートラップ発動、魔宮の賄賂!」


《魔宮の賄賂/Dark Bribe》 †
カウンター罠
相手の魔法・罠カードの発動と効果を無効にし、そのカードを破壊する。
相手はデッキからカードを1枚ドローする。


咲夜 「バーローが……カウンターされた!?」

パチェ「……終わったようね。
    このターンにキメラが召喚できなければ、あの手札ではもう勝ち目はない」

鈴仙 「オーバーロード・フュージョンは無効よ。命運尽きたわね」

幽々子「さて、それはどうかしらね」

霊夢 「って……幽々子!? 
    いつの間に…………それに、紫も……」

紫  「そのようね。魔宮の賄賂は、コストとして相手に1枚のドローを許してしまう。
    あの手札に足りないパーツが組み込まれるならば……
    自ずと一つの方程式は、収束された答へと帰結するでしょう。
    あるモンスターの姿となってね」

霊夢 「あるモンスター?」

紫  「そういえば、あなたは知らなかったのよね。
    大会前に、わたしが藍に命令して奪ってこさせたカード。
    結局アンティで返しちゃったらしいけど」

魔理沙「(……そうか! このドローで、あのカードさえ引ければ……)」

魔理沙「アリス!」

アリス「わかってるわ。元より、わたしの狙いは初めからそっちの方。
    今こそ、わたしの真の力を見せてあげる! ドロー!!」

アリス「…………来たわ! 
    手札から、早すぎた埋葬を発動! 
    わたしが蘇生するのは……サイバー・ダック・エッジ!」LP1000→200


《サイバー・ダーク・エッジ/Cyberdark Edge》 †
効果モンスター
星4/闇属性/機械族/攻 800/守 800
このカードが召喚に成功した時、
自分の墓地に存在するレベル3以下のドラゴン族モンスター1体を
選択してこのカードに装備カード扱いとして装備し、
その攻撃力分だけこのカードの攻撃力をアップする。
このカードは相手プレイヤーを直接攻撃する事ができる。
その場合、このカードの攻撃力はダメージ計算時のみ半分になる。
このカードが戦闘によって破壊される場合、
代わりに装備したモンスターを破壊する。


永琳 「(なっ!? まさか……)」

鈴仙 「エッジですって? あれは特殊召喚じゃあ効果は発動できないんじゃ……」

アリス「そんな必要はないのよ。わたしはさらに、パワー・ボンドを発動!」


《パワー・ボンド/Power Bond》 †
通常魔法
手札またはフィールド上から、
融合モンスターカードによって決められたモンスターを墓地へ送り、
機械族の融合モンスター1体を融合デッキから特殊召喚する。
このカードによって特殊召喚したモンスターは、
元々の攻撃力分だけ攻撃力がアップする。
発動ターンのエンドフェイズ時、このカードを発動したプレイヤーは
特殊召喚したモンスターの元々の攻撃力分のダメージを受ける。
(この特殊召喚は融合召喚扱いとする)


霊夢 「……パワー・ボンド!?」

アリス「手札のサイバー・ダーク・ホーン、エッジ、キールを融合し……
    出でよマイフェイバリットカード!」


アリス「特殊召喚……! 鎧黒竜、サイバー・ダーク・ドラゴン!!」


《鎧黒竜(がいこくりゅう)-サイバー・ダーク・ドラゴン/Cyberdark Dragon》 †
融合・効果モンスター
星8/闇属性/機械族/攻1000/守1000
「サイバー・ダーク・ホーン」+「サイバー・ダーク・エッジ」+「サイバー・ダーク・キール」
このモンスターは融合召喚でしか特殊召喚できない。
このカードが特殊召喚に成功した時、自分の墓地に存在するドラゴン族モンスター1体を選択してこのカードに装備カード扱いとして装備し、その攻撃力分だけこのカードの攻撃力をアップする。
自分の墓地のモンスターカード1枚につき、このカードの攻撃力は100ポイントアップする。
このカードが戦闘によって破壊される場合、代わりに装備したモンスターを破壊する。


パチェ「な、ここでサイバー・ダーク……!?」

レミ 「…………なるほどね。やはりそういう運命、か」

アリス「パワー・ボンドの効果で、攻撃力は2倍になるわ!」

霊夢 「3体融合は凄いけど……
    でも元の攻撃力が1000じゃあ、倍になったって到底ウリアには勝てないわよ?」

アリス「あなたはいちいち事を急かしすぎなのよ。
    サイバー・ダーク・ドラゴンの誘発効果発動! 
    このカードが特殊召喚した時、墓地のドラゴン族を装備し、その攻撃力を吸収する!
   レベル制限は無いわ。わたしは、アームド・ドラゴンLV10を装備!!」

鈴仙 「い、一気に3000も攻撃力が……」

アリス「そしてさらに永続効果。
    このカードは、墓地のモンスターカード1枚につき、攻撃力が100アップする! 
    わたしの墓地のモンスターは22体。
    よってもろもろの効果で、最終的な鎧黒竜の攻撃力は……」


    鎧黒竜-サイバー・ダーク・ドラゴン   攻撃力7200


永琳 「(馬鹿な……ウリアの攻撃力を上回るなんて)」

霊夢 「攻撃力7200! これで決まりね!」

鈴仙 「し、師匠ぉ……」

アリス「待たせたわね。では、バトルフェイズといくわよ。
    サイバー・ダーク・ドラゴンで、神炎皇ウリアを攻撃!」

アリス「砕け散りなさい! フル・ダークネス・蓬莱人形!!」

鈴仙  LP1100→0























                                             ・・・・・・To be continued
第十話です。前回コメント下さった方々、ありがとうございましたm(_ _)m

永琳→シモッチバーン、うどん→天使パーミです。
うどんがパーミッションなのは、やはり幻想ノ宴の影響です(ノ∀`)
永琳はキュアバーンかこれかって感じで、ほとんど即決でした。


ようやく十話まできました。ここまで付き合ってくれた読者の方々に、改めてお礼を申し上げますm(_ _)m

お礼ついでにお知らせが。
今までだいたい一週間毎にうpしてきたのですが、最近執筆速度に投稿が追いつきそうになってきて少し焦ってます。
あまりこちらの都合で執筆の時間もとれなくなってきているので、これからは次の投稿までにもう少し時間をおくようになるかもしれません。
楽しみにされてる方々には本当に申し訳ないのですが、容赦いただけると助かりますm(_ _)m

次回はよ~やく決勝トーナメントです。まだまだ長くなりそうですが、なんとか完結を目指したいと思います。



<以下コメントへの返信>
>>1
ご指摘ありがとうございました~。我ながらひどいミスだorz
ゲームに支障が出ない程度に修正完了しました。
クラミ痔あ
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
闇霊術発動時に魔理紗の手札にレベルアップ!(魔法)がありますよ?
2.名前が無い程度の能力削除
ずっと読んでますよー。完結まで頑張ってください。
3.名前が無い程度の能力削除
次回もたのしみにしてます。無理しないで頑張ってください。
4.名前が無い程度の能力削除
デストラクション・ジャマー発動時に変な一文が

相手がモンスター
手札のアテナを墓地に捨て、地砕きは無効化