Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

星をこの手に

2011/12/12 00:01:31
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※注意※
なんか違う東方です。
きれいなゆかりん注意。
ベースは枕中記。知ってないと意味が分からないかも…
シリアスっぽいの目指した試験的なもの。

※注意終了※












あるところに、八雲紫という境界を操れる妖怪がいた。
彼女はこの幻想郷を管理する大役を務めている大妖怪なのだが、よく訪れるおかげか里の人間は誰も彼女のことを怖がらない。
そんな彼女が茶店で休憩していたところ、ふと見覚えのある少女を見た。
それは友人の従者である魂魄妖夢だった。
いつものように黒いカチューシャを頭に着け、緑を基調とした服装をしている。
妖夢も紫を見つけると、茶店に立ち寄って一緒に話をしていた。

しばらくして妖夢は、紫に相談を持ちかけた。

「幽々子様の護衛と白玉楼の庭師を兼任しているのはもうご存知だと思うのですが、どうも最近このように困窮しているのです。」

それに対して紫は、

「貴女の姿を見ると、そう困っているようには見えないけどね。それなのに、困窮ってどういうこと?」

妖夢は俯きながら言う。

「私は、ただ幽々子様の隣にいるだけです。何かと幽々子様の手を煩わせてばかり…これがどうして良いと言えるでしょうか。」

紫はため息まじりに、

「幽々子には貴女が必要なの。幽々子からしたら貴女は妹みたいなものなんだから。」

妖夢はそれに答える。

「魂魄家の人間たるもの、生まれながらにして幽々子様を、いえ、西行寺家をお守りしなければならない使命があり、敵が来ればそれを斬り潰し、来客ならば手厚くもてなす。どんなことがあっても幽々子様の命には応えなければいけないのです。それが理想の姿だと思います。しかし、幽々子様の下に仕え始めてもう数年経とうとしています。これが困窮でなくてなんでしょうか。」


妖夢は長々と言葉を紡いだ後眠気を催して、そのまま眠ってしまった。





………
……

妖夢が目を覚ますと、そこは白玉楼の一室だった。
頭をわしゃわしゃと軽く片手で整えて起きると、目の前には彼女の父であり師である魂魄妖忌が立っていた。

「妖夢。修行の時間じゃ。早く用意せい。」

そう言い放つと部屋を出て行ってしまった。
妖夢は、それを言われて急いで着替えて愛用の刀を二振り腰に携え、師がいる庭に向かった。


~少女修行中~


「…なんで…?」

妖夢はとても驚いていた。
幽霊が出たとかそんなチャチなものでは断じてない。
…妖夢が妖忌に勝ってしまったのだ。
こんなことは普通ではありえない。
妖忌の剣の腕は常人を遥かに凌駕するほどの技量なのだ。
そんな妖忌に、赤子の手をひねるように勝ってしまったのだ。

「妖夢…いつかはわしを越えられると信じておった。もうわしから教えることは何もない。一人で十分幽々子様を守れるだろう。」
「し、師匠…」
「いや、言わなくとも良い。大丈夫だ。不安が付きまとうかもしれないが、お前には守る力がある。それを信じて剣を使えば良い。」
「えと、いやだから…」
「―――」

全く妖夢の話を聞かない妖忌は数日後知らぬ間にどこか遠い地へ行ってしまった。
妖夢からしたら、開いた口がふさがらない出来事である。
あんぐり口を開けっ放しにしている妖夢を見て、彼女の主である西行寺幽々子はほわほわと語りかける。

「妖夢、寂しい気持ちも分かるけど私の事忘れてもらっちゃ困るわよ~。」

妖夢は我に返って、幽々子の朝餉を急いで作った。
幽々子が食べ終わって、食器の片付けをしている時に妖夢はこの空間に疑問を抱き始めていた。

(何だろう…これ…現実ではないことは分かるけど…)
(さっきの幽々子様の食べ終わった後の満面の笑顔とお礼はいつもの事だけど、いつもより私を頼ってくれている感じがする。)
(というより、ちょっと無理がある…)

ため息を一つつく。

その時。

「ん…」

妖夢の視界がしだいに狭くなり、闇に支配され、またも眠ってしまった。





……
………

「ぅむ。…む。よ…む。ようむ。妖夢!」

しきりに彼女の名前を呼ぶ。
妖夢がその声に応えるように起きると、目の前には涙をほろほろと流している幽々子の姿があった。
状況が全く読めない妖夢は紫に事情を聞いてみると、突然倒れて意識を失ったところを幽々子に助けてもらったらしい。

「わっ、わたっ…わたし…妖夢がもう二度と、起きてくれないんじゃないかって…心配で、不安で…うあぁぁ…」

幽々子はそれを言うと、妖夢の胸で泣いていた。
泣いている幽々子をよそに紫は微笑みながら妖夢に語る。

「ね? こんなに幽々子に想われているのに困窮しているだなんて贅沢な悩みだったのよ。 貴女は確かにまだ未熟で頼りが無いけど、今こうやって幽々子を慰めることは出来るじゃない。だから、今の貴女にしか出来ない事もあるってことよ。分かった?」

これを聞いた妖夢は、小さく「ありがとうございます。」と呟いて涙を流しながら幽々子を慰めていた。
妖夢と幽々子の絆が深まったことと、妖夢が従者として一回り成長したことを祝うように紫は静かに、静かにその部屋から退出した。


「妖夢。これからも幽々子をよろしくね。」


それからも部屋からは長い間静かに泣き声が聞こえていた。
テスト勉強してるときに思いついてしまったもの。
急いで書き上げてしまったので、いろいろ違う…

…本当は、おぜうやゆかりんがゆゆ様を弄る内容だったはずなのにどうしてこうなった…。
suraime
コメント



1.奇声を発する程度の能力削除
展開が少し早い感じがしましたが良かったです
2.名前が無い程度の能力削除
これはきれいなゆかりん