今、目の前には囲炉裏に掛けられた鍋がぐつぐつと音を立て煮込まれている。
さて頃合いかと見極め蓋を開け今さっき刻んだ鷹の爪を入れると一気に空腹を呼びこさせる刺激的な匂いが広くも狭くも無い部屋に広がった。
「……味は、良し」
さて、腹減らしを呼びに行くかと腰を上げる。
白玉楼の長い廊下から見える葉を枯らした桜もそろそろ花が咲くだろう。
「幽々子様、お夕食の準備が出来ました」
障子の前で片膝を付き、向こうに居るであろう主人に声をかける。
『分かった、今行くわ』
と同時にスッと障子が開き、桃色の髪をふんわりとたなびかせた女性と、私と同じ銀の髪を短く切りそろえた少女が出て来た。
「おししょうさま、見て下さい、ゆゆこさまにつるのおり方を教えてもらいました」
「そうか、それは良かった」
満面の笑みを浮かべ折り鶴を披露する弟子の頭を撫でつつ廊下を歩く。
「妖忌、今日のご飯は何かしら」
「もう冬の終わりに近いですから最後に鍋物でも」
「それは良いわね、楽しみだわ」
「おししょうさまのおなべは大好きです!」
「そうかそうか、それは良かった」
先程の囲炉裏に皆して座り、蓋を開けた。
「わぁ、いいにおい~」
「美味しそうね、妖夢」
「幽々子様、まだ箸をつけてはいけませぬ」
「分かったわよぅ」
さて、皆で一緒に手を合わせて。
「「「いただきま~す」」」
今日も白玉楼は平和です。
すいません、どっちですか?
というかこれのせいで全体がよく分かりません。
80点