※百合要素注意
※意図しないカップリング注意
※早苗さんのねじがぶっ飛んでいます注意
それでも構わない命知らずな方は下にどうぞ
「神奈子諏訪子様、この人を私の巫女さんにします！」
気絶した森の人形遣いを抱えた早苗が家に帰ってくるなりそんなことを言ってきた時、即座に守矢の二柱は教育をどこで間違えたのかと古き良き思い出に逃げ込んだ。
「早苗や」
「はい何でしょう、神奈子様？」
「三日ぶりに帰ってきて言うことはそれかとかそもそも何をしていたと か言いたい事は色々あるけれど…それはまず置いておいて、その人 を巫女さんにするんだって？」
突っ込みどころはそこなのかと土着神の頂点は考えたが口には出さなかった
「ええ、そうですけど？」
「いや…そんな当然のごとく言われても困るけど…」
「神奈子様」
「なんだい」
「私って現人神じゃないですか？」
「そうだね、やっている事は神とは程遠いけどね」
「そもそも現人神以前に風祝だけどね」
守矢神社の二柱はそこを突っ込まずにはいられなかった
「そこで私考えたんです、私には巫女さんが必要だと」
「すごい発想の跳躍だね」
もうつっこむ事はあきらめたようで、二柱は完全に聞きの方に回った。
「それで、巫女さんを連れてくることにして、なんで人形師よ？どう見ても西洋風じゃん」
「わかっていませんね諏訪子様」
神に向かってちっちっちっと言いながら指を振るなという声を守矢神社の二柱の片割れはかろうじて堪えた、今は話を聞くべきだ。
「今現在この幻想郷はまさに神々の群雄割拠の時代、この守矢神社も他の勢力に負けないインパクトを押し出さなければならないのです！」
「お前信仰をなんだと思ってるの！？」
とうとう神奈子は思考回路がオーバーヒートを起こしたらしい、幻想郷の蛙の元締めは、考えるのをやめた。
「そこで！見た目良し！性格良し！手先の器用さ良し！家事全般良し！そんなアリスさんに白羽の矢が立ったのです」
「やたらとその子売りつけるね！なにかい、惚れてるのかい！？」
その勢いのまま神奈子が喧嘩を吹っ掛けるような口調で言い出したが
「ええ、もちろんです！」
この言葉は想定外だったらしい、神奈子は謎の自信に満ち溢れたその言葉に目を大きく見開いたまま口をパクパクと動かし始めた。
「早苗…それって…」
「ええ…百合、ですね」
百合…それはオンナノコ×オンナノコの構図である、里ではお気に入りのカプを巡ってしばしば仕事そっちのけで口論に発展する光景がしばしば見られもう駄目だこの幻想郷
―――――出典 稗田出版 稗田阿求×パチュリーノーレッジ著 『幻想郷基礎知識』
「…それで、好きになっちゃったんだ、その子」
数分後風祝衝撃のカミングアウトから回復した神奈子が妙に優しい口調で問いかけると
「えぇ、だって可愛いじゃないですか」
早苗は気絶している人形師の顔をうっとりと見つめた、その眼はさながらあの究極加虐生物 風見幽香を彷彿とさせる歪んだ慈愛に満たされた笑みであったと後に守矢神社のマスコットは語る。
「んで、一応聞いておくけど同意は？」
「愛があれば大丈夫だと思います！」
「それ同意なしってことだよね！？駄目だよね！？」
どうやら幻想郷では思い込みは正義らしい
「それで、黙ってその人形遣いを気絶させて森からふんじばってきたと」
「いえ、ひとこと言いましたよ」
「なんて言った？」
「『私の巫女さんに永久就職しませんか？』って」
「ど直球！？」
いろいろと誤解を招きそうなセリフだがおそらく本人の方は本気そうなのでたちが悪い
「人形遣いに対する対応は目覚めた後考えるとして…早苗」
「何ですか、諏訪子様？」
「そういう…その女の子を好きになる事に対する抵抗感はなかったの？」
「そりゃあもう、昔からお二人を見てきたので」
八坂神奈子の妻、守矢諏訪子は顔をあからめた
アリスは魔界の神子（巫女）さんだけど、神様は何人信仰してもいいらしいから問題ないな。
そうか、あきゅパチュか･･･
そうか･･･