Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

広有射怪鳥事

2011/05/27 21:53:20
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妖夢、何やら空で誰か騒いでるみたいね。

 そうですね、斬り落としますか?

 あら、貴女はいつから音を斬れるほどの達人になったのかしら?

 音ではありませんよ、音を出すものです。

 冗談よ。 で? 斬れるのかしら?

 幽々子様が望むのであれば。

 そう、ならば斬り落としてみせなさい。 
 
 わかりました。例え何であろうとも、幽々子様の邪魔はさせません。

 ふふ、まるで広有ね。

 怪鳥を射ることはできませんが、斬ることならできますよ。

 期待してるわ。 

  




 広有射怪鳥事~Already past~







 音が近づく。

 身体が強張ってる。
 目を閉じ、ゆっくりと息を吸う。
 震える身体を押さえるように少しずつ息を吐く。
 刀の柄に手を置き、滑らせるように抜刀。
 

 風を切る音がする。

 
 柄を握る手に汗が滲む。
 力を込めて、ぎゅっと握ってみる。
 柄に巻かれた糸の1本1本の感触まで分かる。
 まだ緊張しているらしい。


 誰かの声がする。


 そっと目を開ける。
 目の前に広がる光景。桜舞う空。先が霞むほど長い階段。
 不思議と落ち着いてきたな。もうすぐ戦いが始まるというのに。
 

 紅白の蝶、黒白の彗星、白銀の刃。

 
 なんだ、怪鳥じゃなかったのか。
 でも同じこと、幽々子様には指一本触れさせはしない。
 決めるんだ。
 戦う覚悟を、護る覚悟を、斬る覚悟を。
 

 敵の姿がしっかりと確認できる距離となった。





 
「あなた、人間ね。ちょうどいい、あなたの持ってるなけなしの春、すべて頂くわ!」
副題の通り既に終わった事を思い出してる話です。
一個一個の出来事を思い出す事で新しい出来事が生まれる、そう思っています。

ほんの少しでも読んでくれた方に戦闘前の緊張感が伝われば幸いです。
U.N.owen
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
ちょっとどこに緊張感を感じれば良いのかわからないです
2.名前が無い程度の能力削除
緊張……感?え、何処にあったの?
3.名前が無い程度の能力削除
妖夢ちゃんの真っ直ぐな気持ちとか初々しさを感じました。

くそう、新作早くやりたいのう。
4.名前が無い程度の能力削除
こういうの好きです