注:前回からの続きです。
________翌日 紅魔館
レミ 「…………」
レミ 「(……よしっ、できた!)」
レミ 「ねえねえ~。パチェパチェ~」
パチェ「どうしたの、レミィ? パチェパチェって、タガログ語よね?」
レミ 「いや知らないけど……。そんなことより、これ見て。これ」
パチェ「あら……これって、ケーキ?」
レミ 「そうよ。咲夜にレシピ教わりながら作ったの」
パチェ「レミィが? 珍しいのね、あなたが料理なんて」
レミ 「そう、珍しいの。だから食べて。全部。遠慮しなくていいから」
パチェ「(そうは言われても…………これ、どう見てもホールケーキなんだけど。
式でも挙げる気なのかしら……。これを一人で食べろと?)」
レミ 「(ニコニコ、ニコニコ)」
パチェ「(……食べろと。そういうことね)」
パチェ「(…………)」
パチェ「(こんな量を完食したら……死ぬわね。間違いなく。リアルで)」
パチェ「(なんとかして、話題を逸らさなければ……)」
パチェ「ええと、そうね。でも、なんでまた急にお菓子作りなの?」
レミ 「暇だったからよ」
パチェ「なるほどね」
パチェ「…………」
パチェ「(……ああ、いけないわ。話題を変えると続かないわね)」
パチェ「(そもそも、わたしは小食なのに。
こんなものを胃に収めたら、目からクリームが噴射してしまいそうなんだけど……)」
レミ 「どうしたの? 早く食べて。感想が聞きたいのよ」
パチェ「ええ、そうね」
パチェ「(参ったわ。さっきアスパラガスビスケット食べたばかりなのに。
せめて、他に誰かいれば……)」
パチェ「……ああ、そうだ。咲夜はどこ?
どうせなら皆で和気藹々味わう方がいいんじゃないかしら」
レミ 「わきあいあい……? パチェったら珍しい言葉使うのね。
なんか咲夜は郷里の母が倒れたからって、さっき急いで実家に帰ったわよ」
パチェ「(咲夜め……小学生でもわかるような嘘を)
フランは?」
レミ 「あの娘は生クリーム苦手だからケーキ食べないのよ」
パチェ「(わたしも辛党なのに……)」
パチェ「(こうなったら……なりふり構っていられないわ。
わたしのボキャブラリーを総動員して、食欲の無さをアピールしないと……!)」
パチェ「その……白状するわ、レミィ。
実はわたし、もうさっきちゃんこ鍋を……」
咲夜 「失礼します」
パチェ「10号の土鍋で……って、咲夜?」
レミ 「あれあれ、咲夜? まだいたのね。ちょうどよかったわ。
今できたところよ。親の最後を見舞う前に食べていきなさい」
咲夜 「あらまあ、素晴らしい出来ですね。
ちょっと、その……大きいですが」
レミ 「ふふん。その気になれば結婚式でもひらけるわ。
もっとも、入刀は絶対わたしがするけど」
咲夜 「(入刀の意味わかってるのかしら……)
それはいいとして、お嬢様。お客様がいらしているのですが」
パチェ「この犬咲夜。まだいたとは殊勝なことね。逃げたんじゃなかったの?」
咲夜 「まあ、そうしたかったんですけどね……玄関でその方を鉢合ったものですから」
レミ 「で、その客って?」
咲夜 「射命丸文。例の新聞記者です」
パチェ「ああ、どうせまた訪問販売でしょ。
いつもみたいにナイフでも投げて追い返せばいいじゃない」
咲夜 「ええ。一応そのようにしたんですが、どうやら違う用件らしくて」
パチェ「違う用件?」
レミ 「いいわ。通しなさい」
パチェ「レミィ。いいの? どうせいつもの押し売りよ」
レミ 「せっかくだし、あいつにもこれを食べてもらうわ。
たまには下々の民草にも、もてなしと厚意を与えないとね。
あわよくば、記事にすることも許すわ。♪~」
パチェ「…………」
咲夜 「ノリノリですね。畏まりました。
では、今からこちらにお呼び致します」
パチェ「まあ……これで天狗もいれて、四人か。まあ、四分の一ならなんとかなりそうね。
ニキビの一つや二つを覚悟すれば」
レミ 「ん? ニキビがどうしたの?」
パチェ「あいや、なんでもない」
咲夜 「お連れしました」
文 「……あーも~、ひどい嵐でした。
どーもどーも~♪ 毎度お馴染み天狗の新聞記者、キングオブパパラッチの射命丸です~。
お二方、ご無沙汰しております~」
パチェ「でたわね、笑顔の押し売り」
咲夜 「というかご無沙汰もなにも、毎日新聞届けに来てるんですけどね。この人」
レミ 「ようこそ紅魔館へ。歓迎するわ」
文 「あら、歓迎だなんて。
ここに来てそんな心温かいお言葉をいただいたのは初めてですけど。
…………って、なんですなんですこれ~!?
この馬鹿でかいウェディングケーキ! 今日はどなたの挙式なんですか?」
レミ 「そうしようと思ってたところなのよ。まあ、誰も結婚はしないけど」
文 「いやはや、新郎新婦が皆無なのに式典を行うとは、さすがレミリアさん。
やることがエッジしてますね。
イベントの際はぜひ我が文々。新聞に、提供の方を一任させていただければと~……」
パチェ「やっぱり押し売りのようね。咲夜、ケーキ食べさせたらとっとと帰らせて」
咲夜 「そうですね。うるさいですし」
文 「あややや。そんな、弱ります。まだ用件も話してないじゃないですか」
レミ 「あら。ケーキの取材じゃないの?」
文 「んなもん今初めて聞きましたよ。
というより、本日お話に上がったのは、実はレミリアさんにじゃありません。
パチュリーさん、あなたにです」
パチェ「わたし……?」
レミ 「珍しいのね。パチェみたいな根暗と話しても面白いことなんてなんもないわよ?」
文 「よく本人の前でそんなこと言えますね。さすがレミリアさんです。
まあ、そうですね。お話というか、お願いです。
聞いていただいてもよろしいですか?
といっても、ここまで来た以上ぶん殴って気絶させてでも聞いてもらうつもりですが」
パチェ「そうはいっても……面倒ね、正直」
咲夜 「(まあ、気絶してたら話も聞けないのは……わかってるんでしょうけどね)」
レミ 「まあまあ、いいじゃないの。
ああまで言ってることだし、話を聞くぐらいしてあげたら?」
パチェ「あー、眠……」
文 「話の途中で寝たら蹴りいれますからね。
では、単刀直入にいきましょう。近々、また博麗神社で大会が開かれます」
咲夜 「大会って……まさか、またデュエルモンスターズの?」
文 「仰るとおり! デュエルモンスターズです。
正確には、今日より五日後。二十時の開催となりますね」
レミ 「ふぅん、またなのね。この前やったばかりだと思うけどねぇ。
八雲紫は、まだ寝たきりって聞いてるけど?」
文 「主催が違いますからね。今回は我々、天狗寄合の仕切りになってます。
もっとも、発案は別の方ですが」
レミ 「別の方、ねぇ。まあその辺はどうでもいいけど」
咲夜 「パチュリー様にご用というのは、出場の打診ですか?」
文 「そうしたいのは山々なんですがねぇ。
残念ながら、もう出場の選手は決まってまして。
今回は個人戦でなくて、地上と地底の妖怪のチーム戦ですし……
それに選手の選抜に関しては、わたしの責任ではありませんので」
レミ 「あー? じゃあわたしも出れないということ?」
文 「ま、そうなりますね」
レミ 「今ここであなたをくびり殺しても……ダメ?」
文 「生憎、ダメですね。わたしに脅迫は通じません。
それに、仮にわたしが死んだところでどうなるわけでもないです」
レミ 「あっそう。ちぇっ、まあいいけど。
でぇ、出場の依頼でないなら何の用?」
文 「大会当日、わたしはマイク席で実況をします。で、パチュリーさんには同じ席で解説をしていただきたいなと」
パチェ「はあ。解説」
文 「その豊富な知識量をもって、ずばっと鋭い解説をいただきたいんですよ。
今回の企画は、視聴率8割狙えると思ってるんです。
そのためには、あなたの的確な突っ込みと愛くるしいキャラクターが不可欠!
わたしはそう確信しているんです」
レミ 「豊富な知識量、ねぇ。まあパチェなら適任かもね。
愛くるしいかは別として」
咲夜 「てか、テレビで放送するんですね。うーん……」
文 「ブロードバンドのみならず、一ヶ月後にはDVD、BDとメディア展開も予定しています」
咲夜 「(幻想郷ってこんな世俗くさかったかしら……)」
レミ 「あなたの商魂たくましさはわかったわ。
パチェ、面白そうだし、やってきたら?」
パチェ「……気がすすまないわね」
文 「ええっ?
そんなぁ。なんでですかぁ~?」
パチェ「なんで? かったるいからに決まってるじゃない。外に出るの」
咲夜 「まあ……パチュリー様は基本引きこもりですしね」
パチェ「なんなら点滴だけでも一生過ごせるわ」
レミ 「さすがパチェ、ニートの鑑。
こうなったらもう、てこでも動かないわよ」
文 「うぬぬぬぬ……こいつは誤算でした。
まさか、ヒッキーを外界に連れ出すのがこんなに大変だなんて。
主催側として来ていただければ、最高級の寄せ鍋も食べることができますよ?」
パチェ「だから、食事なんて点滴で十分よ」
レミ 「鍋はさっき食べたんでしょ?」
パチェ「ああ……そう。そう
(ちゃっかり聞いてたのね……)」
レミ 「まあまあ。いいじゃない、パチェ。たまには外の空気を吸ってきたら?」
パチェ「レミィまで……。正直面倒なのだけど」
レミ 「そう言いなさんな。あなたのために言ってるのよ。
最近、本当にめっきり外出しないじゃない?
運動もしないでケーキばかり食べちゃ、摂食障害になるわよ」
パチェ「ケーキはむしろ食べたくないんだけど……あいや、なんでもない」
文 「……仕方ありませんね。では、こうしましょう。
パチュリーさん、わたしとデュエルしてください。
わたしが勝ったら、ご同行いただきます。よろしいですね?」
パチェ「嫌よ」
文 「よーしよしよしそれではさっそく…………って、ええ~!?
な、なんでですかぁ~。
今のは受けるところでしょう。流れ的にも」
パチェ「だってあなたのデッキBFじゃない。オ○ニーデッキに付き合ってられないわよ」
咲夜 「正論ですけど……伏せてもそれはNGです」
文 「ったくこれだからファンデッキ厨は……。
この件については一度コラム書く必要があるわね」
レミ 「双方それぐらいにしなさい。それと、パチェ」
パチェ「?」
レミ 「こいつと嫌なら、わたしとならいいでしょ?
久しぶりにデュエらない?」
パチェ「レミィと?」
レミ 「わたしが勝ったら、素直に大会に行ってくること。
一応保護者として、あなたの身が心配なのよ。たまには外の空気吸ってきなさい」
パチェ「いくらレミィの頼みでもね……。
だいたい、わたしが勝っても得が無いし」
レミ 「パチェが勝ったら、このケーキは食べなくてもいいわ」
パチェ「えっ?」
レミ 「気づいてないとでも思った?
さすがにわたしも、ちょっとばかり作りすぎたってことぐらいわかってるわよ。
というわけで、もし勝てたら一口味見する程度で勘弁してあげる。どう?」
パチェ「それは……やらざるを得ないわね。
まあ、デュエル自体はやぶさかじゃないし。
咲夜、今日は何曜日?」
咲夜 「え? えっと……日曜日ですけど。それが何か?」
パチェ「そう。なら、このデッキを使おうかしら」
文 「おおお?? ならっていうのはどういう意味でしょう?」
レミ 「パチェは最近、曜日によって使うデッキを変えてるのよ。そうよね?」
パチェ「レミィには敵わないわね。
でも、そこまで知っているのなら、このデッキに勝てないのもわかっているはず。
本当にいいのかしら? こんなビルみたいなケーキ、食べなくていいなら本当に食べないわよ?」
レミ 「安心なさい。今にお腹いっぱいにしてあげるから。デュエル!!」
レミリア【赤より紅い朱の緋】LP8000
VS
パチュリー【銀の月、金の太陽、漆黒の宇宙】LP8000
咲夜 「じゃあいつものように、わたしが審判しますね。
(いつもは問答無用でお嬢様の先攻ですが)先攻後攻はどちらに?」
レミ 「パチェが決めていいわよ」
パチェ「そう……じゃあ、後攻で」
レミ 「だと思ったわ。わたしのターン、ドロー!」
文 「?」
レミ 「ふふふ、久しぶりだと滾るわね。わたしのデッキの悪魔どもも疼いているわ。
モンスターを裏守備でセット。さらに1枚伏せて、ターンエンドよ」
レミリア LP8000:手札4:裏守備、伏せ1
パチェ LP8000:手札5:無し
文 「いやはや、なんだか面白いことになっちゃって、新聞記者としては思わぬ拾い物です。
この件、せっかくだから記事にしてもいいですかね?」
レミ 「ちゃんとケーキも取り上げてくれればね。一面でお願いよ」
咲夜 「(お嬢様……そこまでケーキを自慢したいんですのね)」
文 「ところで、レミリアさん。
今、パチュリーさんが後攻選んだ時『だと思った』と妙なことを仰いましたね?
それはどういう意味です?」
レミ 「おい、マイクを向けないでくれる? 電波は吸血鬼の耳に響くのよ」
パチェ「……もう進めていいかしら? ドローするわよ」
パチェ「手札から、太陽の神官を特殊召喚」
《太陽(たいよう)の神官(しんかん)/Oracle of the Sun》 †
効果モンスター
星5/光属性/魔法使い族/攻1000/守2000
相手フィールド上にモンスターが存在し、
自分フィールド上にモンスターが存在しない場合、
このカードは手札から特殊召喚する事ができる。
フィールド上に存在するこのカードが破壊され墓地へ送られた時、
自分のデッキから「赤蟻アスカトル」または「スーパイ」1体を手札に加える事ができる。
文 「おおお? このモンスターは……」
咲夜 「相手の場にモンスターがいる時、特殊召喚できるカードですね。
わたしはいつもお二方のデュエルを見ているのでわかりますが、
パチュリー様が後攻を選んだのはこのモンスターの召喚条件を満たすためです」
文 「ふーん。そんなカードもあるんですねぇ。
ああいう召喚条件はサイドラだけかと思ってました」
咲夜 「(やはりガチ脳ですわ……)」
パチェ「守備表示。伏せを1枚で、わたしもエンドするわ」
レミ 「やはりね。そうくると思っていたわ。
エンドフェイズに速攻魔法発動。終焉の焔」
《終焉(しゅうえん)の焔(ほのお)/Fires of Doomsday》 †
速攻魔法
このカードを発動する場合、
自分は発動ターン内に召喚・反転召喚・特殊召喚できない。
自分のフィールド上に「黒焔トークン」
(悪魔族・闇・星1・攻/守0)を2体守備表示で特殊召喚する。
(このトークンは闇属性モンスター以外の生け贄召喚のための生け贄にはできない)
レミ 「わたしの場に、黒焔トークンを2体特殊召喚。さて、わたしのターンね……」
レミリア LP8000:手札4:黒焔トークン2、裏守備
パチェ LP8000:手札4:太陽の神官、伏せ1
レミ 「ドロー。何度もやっているのだし、パチェの狙いはもうわかってるわ。
だから、それをさせないように動くのは当然の戦術よね。
キーカードが揃う前に、速攻で終わらせる。
トークン2体をリリース、ダークネス・デストロイヤーをアドバンス召喚!」
《ダークネス・デストロイヤー/Darkness Destroyer》 †
効果モンスター
星7/闇属性/悪魔族/攻2300/守1800
このカードは特殊召喚できない。
このカードが守備表示モンスターを攻撃した時、その守備力を攻撃力が超えていれば、
その数値だけ相手ライフに戦闘ダメージを与える。
このカードは1度のバトルフェイズ中に2回攻撃する事ができる。
パチェ「(く……また馬鹿上級モンスターが出たわね)」
レミ 「パチェなら言わなくてもわかるはずね。
ダークネス・デストロイヤーは、1ターンに2回の攻撃ができる。
さらに貫通効果も装備しているわ。続いて、ダーク・リゾネーターを反転召喚」
《ダーク・リゾネーター/Dark Resonator》 †
チューナー(効果モンスター)
星3/闇属性/悪魔族/攻1300/守 300
このカードは1ターンに1度だけ、戦闘では破壊されない。
レミ 「バトルフェイズ。
太陽の神官に攻撃! ハートブレイクよ!」
パチェ「破壊されるわ。誘発効果でデッキのスーパイを手札に加える」LP8000→7700
レミ 「さらにデストロイヤーとリゾネーターでダイレクトアタック!
今度はバッドレディスクランブル!」
パチェ LP7700→5400→4100
文 「さすがレミリアさん! 相変わらずの、伏せをまるで警戒しない勇猛果敢っぷり!
その調子でごり押しちゃってください~」
レミ 「ふっ、当然よ。わたしを誰だと思ってるの、天狗」
咲夜 「(お嬢様……かっこつけるのはいいですが、褒められてませんわ)」
レミリア LP8000:手札4:デストロイヤー、ダークリゾネ
パチェ LP4100:手札5:伏せ1
パチェ「……さすがレミィ。といいたいところだけど、わからないわね。
この日曜日デッキに、あなたのビートダウンの相性は最悪。
今まで一度も勝てたことはないはずだけれど」
レミ 「ふふふ、そうかもね」
文 「んげっ。マジですか?
そんな~、じゃあやっぱりわたしがやった方がよかったじゃないですか~」
パチェ「だから、ガチ厨とはお断りよ」
咲夜 「でも、確かにお嬢様があのデッキとやって勝ったのは、見たことないですわね……」
レミ 「パチェ。あなたのそのデッキは、2枚のカードが揃わないと戦術が成り立たない。
ならば、その前にライフを0にすればいい話。違って?」
パチェ「速攻、というわけね。ドロー」
パチェ「でもね、レミィ。
速攻というと聞こえはいいけど、わたしには焦っているように見えるわ。
わたしがコンボを決める前に、なんとかしないと、とね。
リバースカードオープン、リミットリバース」
《リミット・リバース/Limit Reverse》 †
永続罠
自分の墓地から攻撃力1000以下のモンスター1体を選択し、攻撃表示で特殊召喚する。
そのモンスターが守備表示になった時、そのモンスターとこのカードを破壊する。
このカードがフィールド上から離れた時、そのモンスターを破壊する。
そのモンスターが破壊された時このカードを破壊する。
パチェ「墓地の攻撃力1000以下のモンスターを特殊召喚するわ。
太陽の神官を特殊召喚。そして、手札からスーパイを召喚」
《スーパイ/Supay》 †
チューナー(効果モンスター)
星1/地属性/悪魔族/攻 300/守 100
フィールド上に存在するこのカードが
カードの効果によって墓地へ送られた時、
自分のデッキから「太陽の神官」1体を特殊召喚する事ができる。
この効果で特殊召喚したモンスターの攻撃力は倍になり、
このターンのエンドフェイズ時に持ち主の手札に戻る。
レミ 「(チ……伏せがリミリバだったか。くるわね、アレが)」
パチェ「レベル1のスーパイを、レベル5の太陽の神官にチューニング……。
昇りなさい銀の月、月影龍クイラ」
《月影龍(つきかげりゅう)クイラ/Moon Dragon Quilla》 †
シンクロ・効果モンスター
星6/闇属性/ドラゴン族/攻2500/守2000
「スーパイ」+チューナー以外のモンスター1体以上
このカードが攻撃対象に選択された時、
攻撃モンスターの攻撃力の半分だけ自分のライフポイントを回復する。
フィールド上に存在するこのカードが破壊された場合、
自分の墓地に存在する「太陽龍インティ」1体を特殊召喚する事ができる。
文 「おおお!? これは、シンクロモンスターですか!」
咲夜 「早くも一枚目のキーカード……。
2ターン目で召喚するなんて、さすがパチュリー様ですわ」
パチェ「クイラの攻撃力は2500。そしてレミィの場に伏せは無い。
バトルフェイズよ」
パチェ「月影龍クイラで、ダークネス・デストロイヤーを攻撃。
月符、サイレントセレナ……!」
レミ 「破壊されるわ」LP8000→7800
パチェ「メインフェイズ2で、2枚伏せる。エンドよ」
レミリア LP7800:手札4:ダークリゾネ
パチェ LP4100:手札3:クイラ、リミリバ、伏せ2
レミ 「(クイラ……しかし、まだアレさえこなければ)
わたしのターン、ドロー」
レミ 「……ふふふ、きたわね。
わたしの能力をもってすれば、運命を操るなど容易いこと。
この魔法カードを発動するわ。自律行動ユニット!」
《自律行動(じりつこうどう)ユニット/Autonomous Action Unit》 †
装備魔法
1500ライフポイントを払う。
相手の墓地からモンスターを1体選択して攻撃表示で自分フィールド上に
特殊召喚し、このカードを装備する。
このカードがフィールド上に存在しなくなった時、装備モンスターを破壊する。
パチェ「(む。そんなカードを……)」
レミ 「ライフを支払い、パチェ、あなたの墓地のモンスターをもらうわよ。
太陽の神官を、わたしの場に特殊召喚!」LP7800→6300
文 「おお、相手のモンスターを蘇生して奪いましたよ!
なかなかいいカードじゃないですか。
安定はしなさそうなのでわたしは使いませんけど~」
咲夜 「はいはいそうですね」
レミ 「ダーク・リゾネーターはチューナーよ。
レベル3のダーク・リゾネーターを、レベル5の太陽の神官にチューニング!」
レミ 「さあ、来なさい! わが忠実なる僕にして、魂のカード!
これぞ天地鳴動の力! レッド・デーモンズ・ドラゴン!!」
《レッド・デーモンズ・ドラゴン/Red Dragon Archfiend》 †
シンクロ・効果モンスター
星8/闇属性/ドラゴン族/攻3000/守2000
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
このカードが相手フィールド上に存在する守備表示モンスターを攻撃した場合、
ダメージ計算後相手フィールド上に存在する守備表示モンスターを全て破壊する。
このカードが自分のエンドフェイズ時に表側表示で存在する場合、
このターン攻撃宣言をしていない自分フィールド上の
このカード以外のモンスターを全て破壊する。
咲夜 「出ましたわっ! お嬢様の、レッド・デーモンズ・ドラゴン!」
レミ 「ふふふふふ、これほどわたしの相応しいカードは無いわ。
パチェに頼んで、ネットで3000円で買った甲斐があったというもの。
礼を言わないとね」
パチェ「そう。よかったわね、レミィ」
文 「え……。あのカード、WJMP-JP010って書いてありますが……」
咲夜 「本人は喜んでますので、そっとしておいてあげてください……」
レミ 「攻撃力は3000。相手がパチェでも、加減できるレベルじゃないわね。
わたしはさらに、ゴブリンエリート部隊を召喚」
《ゴブリンエリート部隊(ぶたい)/Goblin Elite Attack Force》 †
効果モンスター
星4/地属性/悪魔族/攻2200/守1500
このカードは攻撃した場合、バトルフェイズ終了時に守備表示になる。
次の自分のターン終了時までこのカードは表示形式を変更できない。
レミ 「バトルよ。
月影龍クイラに攻撃! 灼熱のスカーレット・ヘルフレア!!」
パチェ「クイラの誘発効果発動。
攻撃対象にされた時、相手モンスターの攻撃力の半分ライフを回復するわ」LP4100→5600→5100
レミ 「しかしクイラは破壊される。当然ね。
エリート部隊でダイレクトアタック!」
パチェ LP5100→2900
レミ 「せっかく効果が発動したのに、回復分が無駄になっちゃったわね。
エリート部隊は守備表示になる。1枚伏せて、ターン終了」
レミリア LP6300:手札2:レモン、エリート、伏せ1
パチェ LP2900:手札3:リミリバ、伏せ2
文 「なんだ。いつもどおり、レミリアさん押してるじゃないですか。
パチュリーさんのライフもわずかですし、余裕ですね~」
咲夜 「ええ、いつもどおりですわ」
文 「ですよね~……って、あれあれ?
でもいつもだと負けてるんでしたっけ?」
咲夜 「そうです。いつもは、序盤はこうしてお嬢様の方が押しているのですが……」
パチェ「わたしのターン、ドロー」
パチェ「(……引けたわね。あとは、あの伏せカードを破壊して……)」
パチェ「手札から、サイクロンを発動。レミィのリバースカードを破壊する。
おそらくお触れか速攻魔法でしょう?」
《サイクロン/Mystical Space Typhoon》 †
速攻魔法(準制限カード)
フィールド上の魔法または罠カード1枚を破壊する。
レミ 「正解よ。チェーンして禁じられた聖杯」
《禁(きん)じられた聖杯(せいはい)/Forbidden Chalice》 †
速攻魔法
フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動する。
エンドフェイズ時まで、選択したモンスターの攻撃力は
400ポイントアップし、効果は無効化される。
レミ 「レモンの攻撃力を400だけ上げるわ」
パチェ「(これで懸念材料は無くなった。チェックメイトね……)」
パチェ「リバースカードオープン、ロスト・スター・ディセント」
《ロスト・スター・ディセント/Descending Lost Star》 †
通常罠
自分の墓地に存在するシンクロモンスター1体を選択し、
自分フィールド上に表側守備表示で特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化され、
レベルは1つ下がり守備力は0になる。
また、表示形式を変更する事はできない。
パチェ「この効果により、墓地の月影龍クイラを効果を無効にし特殊召喚。
そして手札から、赤蟻アスカトルを召喚」
《赤蟻(あかあり)アスカトル/Fire Ant Ascator》 †
チューナー(効果モンスター)
星3/地属性/昆虫族/攻 700/守1300
このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、
自分の墓地に存在するレベル5のモンスター1体を選択して特殊召喚する事ができる。
この効果で特殊召喚されたモンスターの効果は無効化され、
そのターンのエンドフェイズ時に墓地へ送られる。
レミ 「(まずい……パターン入ったかしら)」
パチェ「これにて、魔術儀式の準備完了。
世界が回り、漆黒の宇宙に金の太陽が照らし出す……。
レベル3の赤蟻アスカトルを、レベル5の月影龍クイラにチューニング……!」
文 「えっ? クイラのレベルは6なんじゃ……」
咲夜 「ロスト・スター・ディセントの効果で特殊召喚されたモンスターは、レベルが1下がるのです。
そして、このタイミングでレベル8のシンクロということは、出てくるのは……」
パチェ「太陽のぼりし時、全ての闇を照らし出す……降り注げ光よ!
シンクロ召喚、太陽龍インティ!!」
《太陽龍(たいようりゅう)インティ/Sun Dragon Inti》 †
シンクロ・効果モンスター
星8/光属性/ドラゴン族/攻3000/守2800
「赤蟻アスカトル」+チューナー以外のモンスター1体以上
このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、
このカードを破壊したモンスターを破壊し、
そのモンスターの攻撃力の半分のダメージを相手ライフに与える。
フィールド上に存在するこのカードが破壊された場合、
次のターンのスタンバイフェイズ時、
自分の墓地に存在する「月影龍クイラ」1体を特殊召喚する事ができる。
文 「おおお! パチュリーさんも、レッド・デーモンズ・ドラゴンと同等の攻撃力のモンスターを!」
パチェ「今、月が沈み、太陽が昇った。
こうなった以上、もはやわたしの勝利は揺るがない。
太陽龍インティで、レッド・デーモンズ・ドラゴンを攻撃!
日符、ロイヤルフレア!!」LP2900→2500
レミ 「……攻撃力はレッドデーモンズの方が上よ」
パチェ「でも、破壊されたこの瞬間、太陽龍インティの誘発効果発動。
インティは戦闘によって破壊された時、その相手モンスターを破壊し、
さらにその攻撃力の半分だけダメージを与えるわ。1枚伏せて終了」
レミ 「(く……わたしのレッドデーモンズが)LP6300→4600
文 「ダメージを与えたのは強いですが……大仰な台詞の割には、なんだか物足りない気もしますね。
相打ちとはいえ、モンスターは破壊されてるし」
咲夜 「はぁ。あなた本当にマイナーなカードは何も知らないんですね。
パックで余った使わないカードとかどうしてるの?」
文 「え? そりゃ、全部ショップで換金しますが。ソッコーで」
咲夜 「(こいつ、絶対ガチデッキで小学生いじめるタイプだわ……)」
レミリア LP4600:手札2:エリート
パチェ LP2500:手札1:リミリバ、伏せ2
パチェ「レミィ。
もはやあなたにとってはトラウマに近いコンボでしょうから、
わざわざ説明は要らないと思うけど。一応言っておくわ。
墓地に月影龍クイラがいる状態で、場の太陽龍インティが破壊された時、次のスタンバイフェイズでクイラは蘇生する。
そして同じく、墓地に太陽龍インティがいる状態でクイラが破壊された時、墓地のインティが蘇る。
太陽が沈むとき、月が昇るのと同様に。
あなたのこのスタンバイフェイズで、墓地の月影龍クイラを守備表示で特殊召喚よ」
月影龍クイラ 守備力2000
文 「ええっと。インティがやられても、クイラがでてきて……、
クイラがやられても、インティがまたでてくるってことですか?
それって……ほとんど無敵じゃない!
凄い、こいつはスクープだわ。これだけ強いなら、わたしのデッキにも投入を検討しないといけませんね~」
咲夜 「……あんなのがBFに入るわけないじゃない」
パチェ「デュエルモンスターズで、本当に弱いカードなんて存在しないのよ。
どんなカードも、場合によって発揮する潜在性を秘めている。まあ、このカードは強いけど」
パチェ「インティとクイラは、互いの効果で蘇り続ける。
さらに、戦闘を介する度にわたしにライフアドバンテージを与える。
レミィ、ビートダウンで押し切るあなたのデッキに勝ち目は無い。初めからわかっていたはずよ」
レミ 「パチェの癖に口数が多いじゃない。
いつもそんなふうに話せれば、うちも少しは賑やかになるのにね。ドロー!」
レミ 「(……またも絶好カード。しかし、パチェのあの伏せは……)」
パチェ「…………」
レミ 「(……あの自信あり気な様子。間違いなくあのカードが伏せてあるわね。
しかし、このわたしが退くわけにはいかない)」
レミ 「ゴブリンエリート部隊をリリースするわ。アドバンス召喚!
来るがいいわ、レッサー・デーモン!」
《レッサー・デーモン/Lesser Fiend》 †
効果モンスター
星5/闇属性/悪魔族/攻2100/守1000
このカードが表側表示でフィールド上に存在する限り、
このカードが戦闘によって破壊したモンスターは墓地へは行かずゲームから除外される。
文 「おお~、また古風なカードを……」
咲夜 「でも、あのカードで戦闘破壊すれば、クイラは除外できる。
破壊ではないから、確かにあのモンスターならインティクイラの不死のサイクルを崩せますが……」
レミ 「守備にしたのが仇になったわね。これでサーカディアンリズムは崩壊よ」
パチェ「これもわかっているはずよ。
わたしがその程度のモンスターを対策していないはずがない。
チェーンしてトラップ発動。スキルドレイン」LP2500→1500
《スキルドレイン/Skill Drain》 †
永続罠(準制限カード)
1000ライフポイントを払って発動する。
このカードがフィールド上に存在する限り、
フィールド上に表側表示で存在する効果モンスターの効果は無効化される。
パチェ「これも説明の必要は無いわね。全てのモンスター効果を無効にする。
よってレッサー・デーモンで攻撃しても無意味よ。
わたしのインティ、そしてクイラの蘇生効果はフィールド外で発動するので有効となる。
これでモンスター効果では突破できない。結界の完成ね」
文 「ぬぬぬ……モンスター効果まで封じられては。
パチュリーさんが解説でないと、番組が成り立ちませんよぅ……」
レミ 「ふふふ。いい気味ね」
咲夜 「お、お嬢様。さすがにここで他人事にするのは如何なものかと……」
レミ 「あら、そんなつもりはないけどね。負けるつもりなんてないし」
パチェ「……?」
レミ 「パチェ、わたしは本当に、あなたのことを心配しているの。
いくら魔女でも、長いこと日光に触れないとホクロだらけになるわ。
悪いこと言わないから、素直に外の光を浴びてきなさい。
そして、お腹一杯わたしのケーキを食べるのよ」
パチェ「(吸血鬼に日光浴を勧められるのも妙な感じね……)
乳製品なんかで満腹になったら、間違いなく明日の朝地獄を見るわ。
悪いけどこうなった以上、レミィに勝ち目は……」
レミ 「言ったじゃない。本当に、心配しているって」
パチェ「…………」
レミ 「わたしは、自分の思うとおりにならないのなら、力ずくでも思うとおりにする。
それがレミリア・スカーレットよ。ターンエンド」
レミリア LP4600:手札2:レッサー
パチェ LP1500:手札1:クイラ、スキドレ、リミリバ、伏せ1
パチェ「(相変わらずの自信……でも、決して虚勢に見えないのがレミィの凄みね)」
パチェ「(こちらがはるかに優勢なのは明らかだけど……ならば、ここは一気に)」
パチェ「ドローするわ。月影龍クイラを攻撃表示に変更。レッサー・デーモンを攻撃」
レミ 「破壊ね」LP4600→4200
パチェ「まだよ。トラップ発動、サンダー・ブレイク」
《サンダー・ブレイク/Raigeki Break》 †
通常罠
手札を1枚捨て、フィールド上に存在するカード1枚を選択して発動する。
選択したカードを破壊する。
パチェ「手札のバイス・ドラゴンを墓地に送る。月影龍クイラを破壊するわ」
文 「?? なぜ自分のモンスターを……」
咲夜 「あれは……バトルフェイズで連続攻撃をするため、ですね」
パチェ「墓地のクイラの誘発効果発動。
クイラが破壊された時、月が沈み、また太陽が昇る。太陽龍インティを特殊召喚」
太陽龍インティ 攻撃力3000
パチェ「追撃よ。とっておきのスペルをお見舞いしてあげる。
レミィにダイレクトアタック! 日月符……ロイヤルダイアモンドリング!!」
レミ LP4200→1200
文 「あややや……直撃ですか。
これは解説も別口を頼んだ方がよろしいでしょうか……」
咲夜 「最初からそうした方がよかったと思いますが。
もともとパチュリー様を外に連れ出すなんて、無理なんですよね。
動けない大図書館なんて呼ばれてますし」
パチェ「動けないんじゃなくて動かないなんだけど。
どうせ動く気はないからどっちでもいいわね。ターンエンド」
レミリア LP1200:手札2:無し
パチェ LP1500:手札1:インティ、スキドレ、リミリバ
レミ 「ドロー」
レミ 「……ふふ。わたしの勝ちね、パチェ」
パチェ「……!? いきなり、なにを……」
レミ 「今まであなたが負けなかったのはね、向かい合うわたしに覇気を感じなかったからよ。
そして今のターン、あなたはわたしの覇気を目の当たりにした。
試合を急いでトラップを使ったわね。そこが運命の分かれ道となったわ」
パチェ「(な……レミィの思惑通り? 誘導されたというの!?)」
レミ 「うふふふふ、だから……お腹一杯食べさせてあげるね!
手札から、ファントム・オブ・カオスを召喚!」
《ファントム・オブ・カオス/Phantom of Chaos》 †
効果モンスター
星4/闇属性/悪魔族/攻 0/守 0
自分の墓地に存在する効果モンスター1体を選択し、ゲームから除外する事ができる。
このカードが自分フィールド上に表側表示で存在する限り、
このカードはエンドフェイズ時まで選択したモンスターと同名カードとして扱い、
選択したモンスターと同じ攻撃力とモンスター効果を得る。
この効果は1ターンに1度しか使用できない。
このモンスターの戦闘によって発生する相手プレイヤーへの戦闘ダメージは0になる。
パチェ「(ファンカス…………ここでですって? モンスター効果は、スキルドレインで封じられているはず……)」
文 「ど、どういうことです?
あのモンスターは起動効果が使えなければ、ただの攻撃力0のモンスターでは……」
咲夜 「いえ、わたくしにも、どういうことなのか……」
レミ 「何も問題は無い。そう運命が囁いているわ。
わたしは手札から、このモンスターを特殊召喚。
来るがいいわ、トラップ・イーター!」
《トラップ・イーター/Trap Eater》 †
チューナー(効果モンスター)
星4/闇属性/悪魔族/攻1900/守1600
このカードは通常召喚できない。
相手フィールド上に表側表示で存在する罠カード1枚を
墓地へ送った場合のみ特殊召喚する事ができる。
レミ 「ククク、このモンスターは通常召喚できない代わりに、
相手の表側表示のトラップカードを墓地に送って特殊召喚できる。
スキルドレインを墓地に送って、攻撃表示で特殊召喚よ」
パチェ「チューナー……。
しかしファントム・オブ・カオスとシンクロしたところで、
レミィのシンクロモンスターではインティを倒すことは……」
レミ 「ああ、そういえば、まだパチェには見せたことなかったね。ちょうどいいから、お披露目といこうかしら。わたしの真のエースカードを」
パチェ「真のエース……?」
レミ 「言い忘れたけど、トラップ・イーターは実はもう1枚あるのよ。
リミット・リバースを墓地に送り、もう一体攻撃表示で特殊召喚」
ファントム・オブ・カオス 攻撃力0
トラップ・イーター 攻撃力1900
トラップ・イーター 攻撃力1900
パチェ「(レミィはレッドデーモンズを1枚しか持ってないはず……。
わたしが仕入れたのだから間違いない。
攻撃力3000のシンクロモンスターで相打ちはできないなら、いったい……)」
パチェ「(あのファントム・オブ・カオス…………まさか!?)」
レミ 「気づいたわね。でも、もう遅い。それも運命よ」
レミ 「ファントム・オブ・カオスの、起動効果発動!
このモンスターは1ターンに一度、墓地のモンスターを除外してそのモンスターの幻影となる。
レッド・デーモンズ・ドラゴンの写し身となるがいい!」
レッド・デーモンズ・ドラゴン 攻撃力3000
文 「……ちょっと待ってください!
変化して攻撃力を高めても、相打ちではインティの誘発効果が発動してしまいますよ!?」
咲夜 「確かに……。スキルドレインを除去したのが仇になりましたわね」
レミ 「ふっ、どいつもこいつも雁首並べて……。
何もわかってないのね。わたしの場をよく見なさい」
パチェ「(く…………レッド・デーモンズ・ドラゴンと、チューナーが2体……)」
レミ 「そんなわけで、もう一度言うわ。
わたしの勝ちよ、パチェ」
レミ 「わたしは、場のレッド・デーモンズ・ドラゴンとなったレベル4のファントム・オブ・カオスに、
同じくレベル4のトラップ・イーター2体をダブルチューニング……!」
レミ 「王者と悪魔……今ここに交わる。
荒ぶる魂よ、天地創造の叫びをあげよっ!」
レミ 「シンクロ召喚!! おののけ、スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン!!!」
《スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン/Red Nova Dragon》 †
シンクロ・効果モンスター
星12/闇属性/ドラゴン族/攻3500/守3000
チューナー2体+「レッド・デーモンズ・ドラゴン」
このカードの攻撃力は自分の墓地に存在するチューナーの数×500ポイントアップする。
このカードは相手の魔法・罠・効果モンスターの効果では破壊されない。
また、相手モンスターの攻撃宣言時、このカードをゲームから除外し、
相手モンスター1体の攻撃を無効にする事ができる。
エンドフェイズ時、この効果で除外したこのカードを特殊召喚する。
文 「なっ!? ダブルチューニング……!?」
咲夜 「スカーレッド・ノヴァ・ドラゴンですって!?」
レミ 「アッハッハッハ! これぞ究極の紅!
この鮮烈な姿にひれ伏すがいいわ!」
パチェ「(うう……まさか、こんな)」
レミ 「スカーレッド・ノヴァ・ドラゴンの永続効果。
このカードは、わたしの墓地のチューナーの数だけ攻撃力を500上昇するわ。
よって、今このモンスターの攻撃力は……!」
スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン 攻撃力5000
文 「5000フラットっ! やりますねっ!」
レミ 「さらにスカーレッド・ノヴァ・ドラゴンは、相手のカード効果では破壊されない。
よってインティの効果も効かないわ。まあ、その前にこの戦闘ダメージ計算で落ちるけどね」
パチェ「……参ったわ。完敗ね」
レミ 「やっぱり、さすがパチェね。
あなたのその賢いところ、好きよ」
レミ 「でも、惜しむらくは一点……サレンダーは、自分のターンにしかできないのよ!」
レミ 「だからバトルフェイズ!
最高の真紅、究極のスペルを見せてあげるわ!!」
レミ 「スカーレッド・ノヴァ・ドラゴンで、太陽龍インティを攻撃!!
スカーレットディスティニー!!!」
パチェ「(ッ…………無念)」LP1500→0
*
レミ 「ふう……。
ああ、年甲斐もなくはしゃいでしまったわ。咲夜」
咲夜 「あ、はい」
レミ 「紅茶を淹れて頂戴。クールでミントなやつをね」
咲夜 「クールミントですね。うふふ、かしこまりましたわ」
文 「いやいや~、お疲れ様ですレミリアさん。
どうぞこれ、アツシボです」
レミ 「気が利くのね。雀荘でもないのに。まあそれはともかく……パチェ」
パチェ「……ギクリ」
レミ 「大人しく席に座って待ってなさい。完食するまで動く必要はないわ」
パチェ「むう……仕方ないわね」
文 「ではこちらも約束通り、五日後の大会にご同行いただきますね」
パチェ「それも仕方ないわ。もっとも、今日食べすぎでで死ななければだけど」
文 「そう嫌そうな顔をしないでください。
一応、プログラムが終わったらそのまま徹マン大会になる予定なので」
パチェ「あ、麻雀するのね。だったら行くわ」
文 「って、二つ返事ですか……。
初めからこう誘えばよかったですね」
レミ 「ところで、大会はわたしも行っていいのかしら?」
文 「先ほど話した通り、参加はできませんが……でも、観戦なら歓迎ですよ」
レミ 「ふうん。まあ、いいわ。
どうせテレビでやるんなら、ここで観戦させてもらうわ。
デュエル分は、今日で補給できたしね」
レミ 「でも……地上と地底のチーム戦、みたいなこと言ってたわね。
地底の妖怪はどうでもいいけど、地上の奴らに言っておきなさい。
地上の名を代表する以上、敗北は許さない。
万が一の場合は、あなたたちをケーキにしてやる、とね」
文 「任せてください。まあ、伝えても首を捻るでしょうが」
咲夜 「お待たせしました。ご用意ができましたわ」
レミ 「早いわね。天狗、あなたも食べていきなさい。
断るなら、あなたをケーキに(ry」
文 「ああ……わたしもなんですね。まあ甘味は大好きだからいいですが」
パチェ「やれやれ。今日はなんだか、全部レミィの一人勝ちって感じね」
レミ 「当然よ。わたしは生まれて五百余年、負けたことが無いの。そう思うことが大事」
パチェ「なるほどね……道理で、勝てないわけだわ」
・・・・・・To be continued
しかし、実際問題月影と太陽相手のビートダウンは相性悪いですからね。
攻撃のチャンスはインティを沈めてからクイラが蘇生するまでの間でしょうか。
しかし、おぜうさまトラップイーター二枚とか、相手が永続罠使わなかったらどうするんだか……。
命蓮寺のメンバーなんかももう少し出ないかな。
個人的にはぬえにコアキメイルを使わせてみたい。
ぬえ → 伝承の姿は猿 + 虎 + 蛇とかの混ぜ物 → 合成獣 → コアキメイル
みたいな。
射命丸、いい加減にしろよその言動!ウチのサクリファイスが火を噴くぜ!ってBFを始めとする鳥獣一派にはゴドバがあるから、対処し辛いんですよね。怖い怖い。
スカーレットノヴァを出すのに、ファンカスを使うなんて思いつきませんでしたよ。さすがお嬢様!
っかし、まぁ…
お嬢様は2750円もピン跳ねされちまったのですね。おいたわしや。
魔理沙には是非流星竜を使って貰いたいですね。
当方、相手の場にSND、SSDの2体並んだ状態をハンドレス、フィールドレスで6ターン凌ぎました。
誰かシルミルとか機皇帝とか使ってくんないかなぁ
これは次の番外編も楽しみです。
すごくどうでもいい疑問ことなのですが。
シンクロ召喚の台詞は「チューナーをチューナー以外にチューニング」か
「チューナー以外にチューナーをチューニング」なので、今回の台詞だと若干の違和感がありました。
返信していきます。
>>1
ぬえにコアキメイルというアイデアは無かったですが、言われてみれば普通にアリですね。
トラップイーターは、まあ悪魔族のチューナーであることと、一応スキドレ辺りが相手のデッキにあると知っていたから……なんて説明できますが、言ってしまえばただのご都合主(ry
>>2
単に、作者がぷよぷよ大好きだからです(キリッ
実は何気に今までもこういうネタを盛ってました。気づいてくれる方がいてよかったですw
自分も何度かサクリでBFとやったことがありますが、ゴドバはスタロで防ぐとしても、リリーサー使って出さないとブリザードからのブリュで死ねるんですよね。
個人的には亜空間物質転送装置が安定しておススメです。
>>3
その状態で凌ぐのも凄いですが、二体並べた方も凄いですねw
機皇帝はともかく、シルミルはテーマ的に難しいかなぁ。
使わせるならだれがいいだろうか……。
>>4
あややは典型的な俺TSUEE人を書いてます。ただ別にガチを批判してるわけではなく、あくまでネタとして書いてるだけですのでw
自分も普段はテーマかファンデッキですが、イベントではガチも使いますし。
>>5
ご指摘どうもです。たまにごっちゃになってしまうんですよね。
修正させていただきました。
お嬢様の運命力は素晴らしいですねw(アニメ的には普通なのかもしれませんが)
次回もどんな決闘になるか楽しみにしています。
あと、どうでもいいかもしれませんが機皇帝はTFの効果がいいと思います。
TF5は自分は持ってませんが、アニメのように五体フィールドに並ぶ効果ですよね。
確かにOCGは比べたら味気ない効果ですし、アリかもしれません。
鵺の混ざり合ったイメージとラプテノスのカオス具合が多分いい風味を引き出してくれる
そういわれるとデュアルも悪くないですね~。
皆さんのコメントをいただく前は、個人的にぬえはアレしか思いつかなかったのですが……。