Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

店主「私を救ってくれた美人の女性がダンベル持って筋トレしてた」

2010/11/08 02:29:19
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 へいらっしゃい!なんにする?

 ん?もう閉店の時間かって?

 ……ははっ、久しぶりに具材が切れかけてしまってね

 今日はもう看板下げようかと思ってたんだよ

 おっとすまないな、注文はなんだい?

 ……そうか、大盛りと半分のサイズの二つだな

 ちょっと待っててくれ、すぐに作るから

 なに?待ってる間になにか話を聞かせてくれ?

 はははっ!勘弁してくれ、おじさんは話下手なんだよ

 ……まあ、そうだな、今日最後の御客だろうしサービスするか

 そうだな……このメニューが出来るまででいいか?

 そうか、わかった……あれは今からどれだけ昔だったか…… 



     ・・・



(白い……)

 辺り一面真っ白の中、俺は歩いていた

 いや、もしかしたら歩いていると感じただけで

 その場で倒れていたのかもしれない

(もう……駄目かもな)

 周りの人の言う事をもっと良く聞いておくのだと

 こんな状況になって、初めて思う

 両親の後を継げと言われた事に反発して家を出て

 一人で生活をすると息巻いたものの

 身寄りがわからない者を使ってくれる者を雇ってくれるようなとこは無く

 仕方無しに、小間使いのような事をして生活していた

(実入りが良いからって……山を越える仕事をするんじゃ……なかった)

 一攫千金を狙う為に山を越えた所に荷物を運ぶ行商の仕事をしていた

 無論、天候が不安定になる為、殆どの者はやりたがらないのだがその分だけ報酬は高い

 そして、一番に里に運んだ者には特別な報酬もでる
 
 だからこそ、無茶をして運ぶ馬鹿な俺のような奴も居るのだ

 (此処で……死ぬか?)

 辺り一面、見渡す限りの雪が積もっていた

 山を登るときには其処まで酷くなかったのだが

 運が悪く山を降りていく時に雪が降ってきてしまったのだ

(……ああ、なんだ…俺、倒れてるのか)

 気がつけば、自分が真っ白に積もった雪の上で倒れている事に気がつく

 つまり、これで終わりなのだろう

 雪山で遭難して、動く事も出来ないと言う事は

 死ぬと言う事が良くわかっていた

(ああ、俺、このまま死ぬのか)

 だから、その時は自分の頭がおかしくなっていたと思ったんだ

「行き倒れかしら?」
 
 目の前に見知らぬ美人が立っていて

「……持ち上げたら筋トレに丁度良いかも知れないわね」

 自分を片手でヒョイと持ち上げた事に





     ・・・




 へい、頼んでいた大盛りと半分お待たせ

 熱いから、少し覚まして食べた方が良いよ?

 はっはっは、特別製だからね冷めても美味しくなるように作ってあるんだ

 ……ん?話の続きが聞きたい?

 だがなあ……もうお店も……

 えっ?焼き飯も大盛りで追加?

 まあ、其処まで話したんだしなあ……良いだろう

 おまけの焼き豚を用意する間、また話を続けようか




     ・・・



 目が覚めると、其処は天国や地獄ではなかったし

 全身の痛みが生きている事を示していた

(此処…は?)

 口も中々開く事が出来なかったが

 なんとか声が出せると解った時

「よかった、何とか生きてたようね」

 自分の傍に、一人の女性が立っているのが解った

 一目見て、自分を助けてくれた人物だとわかった

 まず、一目見たら忘れないような美人であった事と 

「ちょっと待って、ダンベル上げが終ったらなにか作ってあげるから」

 この寒い部屋の中が暑くなるほどの熱気を篭めて
 
 その美人の女性が筋トレをしていたのだから

 暫く唖然とその姿を見ていたら、こっちの方をその女性が見て

「ん?私の顔に何かついてる?」

 優しそうな笑顔で此方の方を振り向いてくれた

 思わず顔が赤くなったのだが、体が痛みで動いてくれなかった

「ああ、まだ無茶しない方が良いわ……ほら、手を貸してあげるから」

 思わず呻くと、その女性が傍に寄ってきて体を起こしてくれた

 そして、その時解った、その女性が雪女である事に



      ・・・



 ほら、焼き飯大盛り追加ね

 ……しかし、よく食べれるなぁ御嬢ちゃん

 明らかに食べた体積の量がおかしいはずなんだが……

 まあいいや、とりあえずこの話は……

 ……ああ、デザートも追加かい?

 わかったわかった……おじさんが悪かった

 だから、そっちの方の小さい御嬢ちゃん

 無理して注文しなくても良いから……




     ・・・



 俺はその女性の腰の上に乗っていた

「97……98……99……100!」

 彼女がする腕立ての手助けをする為に

 連続して100回の腕立てをすると

 額に少し浮いた汗を払って、暫くの間休憩を入れる

 その間に、その雪女……女性と一緒に話をする事が常だった


 その中で、なんで筋肉トレーニングをするのかを聞いてみたら

「私って太りやすいのよ、だからダイエットの為に筋トレしてたんだけど…」

 解りやすい答えに、思わず笑った

 何のことは無い雪女もただの女性の悩みで困っていただけだったのだ

「だけど、たまには思いっきり食べたいって思う事もあるわ」

 寂しそうに呟いたその言葉には、その雪女の本音が出ていた

 思わず、その時何が食べたいのかと聞いてみたら、色々と食べたいものを話してくれた

 焼肉、鍋、ケーキと言う洋菓子、大福やどら焼き等 

 ただ、その後に続いた言葉が俺の人生を変える事になるのは予想できなかった

「是非一度ラーメンって言うのを食べてみたいけど……熱いから無理かな?冷めると伸びてしまうみたいだし」
 
 その時の会話が彼女と最後の会話になってしまった

 彼女が気がついたかのように外を見ると

 外は雪が止まっていて、後暫くしたら再び酷い雪になると教えてくれたから

 今から急いで山を下れば、すぐに里に出られると教えられ

 お礼もそこそこに、俺は雪女の居た洞窟から里に向かって走ったのだから




     ・・・



 ……これで、話はおしまいだ

 ん?その後はどうしたって?

 ああ、里にたどり着いたら俺が一番だったから

 大量のご祝儀と報酬を貰ったよ……

 そのお金で開いたのがこのお店というわけさ

 そして、このラーメンが長い年月かけて作り出した

 太る心配が少ない野菜を主にした特殊な出汁と

 冷めるまで待っても伸びる事が無い剛麺『大雪山』というわけさ

 腰が強い麺の由来は名前を聞けなかった雪女への思いを篭めてな

 ……ははっ、恥ずかしい話をしちまったな

 ん?小さい方の御嬢ちゃんどうした?

 ほう、おじさんの運命を見たって?

 ……そうか、ありがとよ…

『再び雪女とめぐり合う事が出来る』って言ってくれてうれしいよ






 さあ、今日はもうこれまでだ

 御二人とも、また「麺屋『馳』」を食べに来てくれよ?
    ――― 

 お店から出た御客二人が、寒い夜空の中

 楽しそうに会話をしていた


「……良い御店だったわね美鈴」

「はい、剛麺も美味しかったですし店主さんの御話も聞けましたしね」

「ところで美鈴……」

「はい?なんですか御嬢様」

「貴方、今度またチルノの保護者と一緒にスパーリングするんでしょ?」

「はい!レティさんとのスパーリングは毎年楽しみにしてるんですよ」

「そう、ならその時に私も含めて三人でまた『馳』に食べに行きましょう」

「……勿論、途中で御嬢様と私が逃げるんですよね?」

「ふっふっふ、わかってるじゃない美鈴」

「あっはっは、お褒めに預かり感激です」

「さあ、今年の冬が少し楽しみになってきたわね」

 今年の冬は、思いがけない再開がラーメン屋で開かれるかもしれない


     ―――


 どうも、脇役です…

 注意して置いてください、家のレティはトップアスリートです!(重要) 

 夜に食べるラーメンの話で考えた御店がなんだか勿体無くって……

 ついつい、インスタントラーメン食べながらこんな話を書いてしまった

 ああ、明日の仕事と体重計が怖い…

 次はチャーシュウ『力』と閃光魔術の『具麗賭夢多』

 そして伝統の蕎麦屋『16文』と伝説屋台『ボンバイエー』

 後、饂飩屋の『雷牙』とおでん屋『寅仮面』

 ……ああ、もう無理だ!こんなに書けない(笑)

 誰か、面白い屋台の名前で御話書いてくれ!
名も無き脇役
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
超老舗『安打てゐ家』は共同経営者のウサギに資金を持ち逃げされたらしいが…
2.名前が無い程度の能力削除
レティさんが可愛くてかっこよかったです。
再開してどんな反応をするのか気になるから、店主さんは今すぐラーメンを配達しに行くべき!!
3.虎姫削除
レティさん可愛い~、そして今回の美鈴とお嬢もいい!
4.名前が無い程度の能力削除
やべぇ・・・すごい良い話じゃないですか!
5.奇声を発する程度の能力削除
レティさん可愛い!!
6.回転魔削除
ラーメンの話の続きいいですね!
そしてレティさんwww
7.猫呼んで永遠のアイドル ハー削除
ラーメンのお話の続きか。
運命の再会がくるわけだ。
レティ可愛かったです。
8.名前が無い程度の能力削除
良い話だなぁ・・・レティさん可愛いよ
このラーメンの話、シリーズ化しないだろうかw