誰でも一度は思うこと。
ただ高く、遠くまで飛びたい。
理由なんて無く、ただ高く飛びたい、と。
その高さから見たらどうなるのだろう、その高さはどんな感じなのだろう。
まさにその時期を迎えているのは、八雲の式の式、橙である。
――ただ高く飛びたい、ただ高く・・・
そう思い、今日も飛ぼうとする。
ゆっくりと、でも確実的に地上から離れていく。
しかし、25m程上がったところで、藍が来た。
毎回こうだ、高く飛ぼうとすれば、止めに来る。
たった25mで止めにくる。
ゆっくりと降りていく二人。
「橙、何時も言ってる・・・」
「分かってます、でも高く飛びたいのです」
「・・・そう、でも橙はまだ飛ぶ技術が低い、だから駄目だ」
何時もいつもこの止め方。
――「飛ぶ技術が低いから」
飛ぶのに技術などいるのかと、心の隅で橙は思う。
「橙、そんなに高く飛んでみたいのか?」
「・・・え?」
藍の質問が、一瞬だけよく分からなかった。
「だから、高く飛んでみたいのか?」
「あ・・・はい・・・」
橙が返事をする。
藍が何かを思い出すような顔で、橙を見ている。
「・・・そうか、なら博麗の巫女の所へ行け、ただそうとだけ言っておく」
そう言い残して、藍は帰っていった。
――博麗の巫女・・・
橙は、方向を180度変えて飛び始めた。
「あたしが?あんたに?」
「そうです、教えて下さい」
橙の前に居るのは、博麗の巫女、霊夢である。
橙が霊夢に会っていきなりこう言った。
“私に飛び方を教えて下さい”と。
「飛び方・・・ねぇ・・・」
「教えてくれますか?」
「いまいち分からないわ、いっつも適当に飛んでるもの」
「そう・・・ですか・・・」
シュンと橙はうなだれる。
「はい・・・失礼しました・・・では・・・」
後ろを向き、歩き出す橙。
「・・・ちょっと」
霊夢が、橙を止める。
何かと思い、橙は霊夢の方を向く。
「正直自分でも良く分かんないけど、困ってるなら少しは手伝うわよ」
「え・・・あ・・・はい・・・!ありがとうございます!」
「ま、何を教えれば良いのか分からないけどね」
少し困ったような顔をして、頭を掻く。
「で、何で飛び方を?」
「あ、あの・・・笑わないで下さいね・・・?」
「ま、内容によるわ」
顔を少し赤くしながら、橙は呟くように言った。
「・・・ただ・・・高く・・・とびたくて・・・」
「・・・ぷっ」
霊夢が少しだけ吹く。
「あ、ああ!笑いましたね!?」
「だ、だって・・・そんなの・・・誰でも思う事・・・あはは!」
「むぅぅぅ!!」
頬を膨らまし、怒っていますアピール。
「はー、ごめんね、笑っちゃって」
「失礼ですよ!人が本気になって言っているのに!」
「でもねぇ・・・ぷっ・・・ふふっ・・・あははは!!」
「ああ!また笑いましたね!?また笑いましたねぇ!!?」
橙は、ぽかぽかと音が聞こえるような殴り方で、霊夢を叩く。
「痛い痛い、とりあえず理由も分かったし、ちょっと紫呼べるかな」
霊夢がそう言うのを待っていたかの如く、スキマが現れ紫が出てきた。
「はぁい、霊夢、何かしら?」
「あの猫馬鹿狐はいる?ちょっと聞きたい事があってね」
「猫馬鹿・・・藍のことかしら?居るわよ」
そのままスキマに「藍ー、呼んでるわよー」と言った。
「何か用か?」
ひょっこりとスキマから顔を出す藍。
「あんたの式借りる、以上」
「え?今なんて・・・!」
「うっさい、戻れ」
霊夢はそう言って、藍の頭を押して無理矢理スキマの中に戻した。
藍が、ちょっ、ちょー!!とか言ってたのは気のせいでしょう、きっと。
「はい、これで修行中の身ね」
「・・・え?でも、藍さまの意見は・・・」
「そんなのどーだって良いのよ、ちょっと待っててね」
そう霊夢は言って、奥の方に行った。
橙は何をすれば良いのか分からないので、ただ立っているだけ。
数分して、霊夢が白と赤の布の何かを持ってきた。
「はい、これ着て」
「・・・何ですか?これ」
「何って・・・巫女服に決まってるじゃない、それ以外何があるの?」
橙が布を手にとって広げた。
確かに巫女服・・・なのかよく分からない。
はっきり言うと、霊夢仕様。
サイズが違うのと、少しオレンジっぽいのを除けば大体は霊夢と同じもの。
「・・・なんでこれに?」
「修行の身なんでしょ?なら着なさいよ」
正論と言えば正論、でもどこかずれている。
「でも・・・すっごい恥ずかしいですよ・・・これ・・・」
「その内気にならなくなるから大丈夫」
「そう・・・ですか・・・じゃぁ・・・」
そう言って服を(外で)脱ぎ始める橙。
「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!」
「え?だって・・・」
「場所を考えなさい場所を!」
「あ・・・」
橙は、急に顔を真っ赤にして、神社の母屋に走っていった。
二十分程して、橙が戻ってきた。
服装は、霊夢の着ている改造巫女服。
ただリボンではなく、何時もの帽子を被っている。
「あの・・・変ですか・・・?」
「・・・全然普通だけど?」
「でも・・・えっと・・・」
どうやら脇のことを気にしているようだ。
「大丈夫、むしろ似合ってるくらいよ」
「そう・・・ですか・・・?」
「ええ、このあたしが言ってるんだから間違いないわ」
「いや・・・ちょっとそうとは思えないわねぇ」
そう呟いた紫。
一瞬で札まみれになったが気にせず話を続ける。
「とりあえず、今日からあんたは此処に住み込みで修行してもらうから」
「えぇ!?す、住み込みでですか!!?」
「?ええ、そうしか無いでしょ?」
スキマから急に藍が出てきた。
「そこまでは許さん!博麗霊夢!貴様をころs」
「夢想封印」
一瞬で戻された、可愛そうに。
「とりあえず、明日から働いて貰うわ、今日は見学ね」
「あ・・・はい!」
「ま、いっつもどうりの光景を保つだけなんだけどね」
いっつもの光景と言われて、何時もの霊夢の姿を思い出す橙。
適当に掃除して、お茶飲んで、来た人妖に対応してと。
一言で言うなら、流れに任せれば良し。
「じゃ、今日は特にやる事無いし、お茶でも飲んでのーんびりと」
「のーんびりと?」
「そ、まぁ何もしないって事」
少しだけ橙は呆れた。
――なんでこんな人があんなにすごいのか。
「・・・本当に、のーんびりとするだけですか?」
「何時も修行修行、だとつまらないし疲れちゃうじゃない、だからのんびりと」
「はぁ・・・そうなんですか・・・」
ちょっとだけ納得した様な顔で、霊夢を見た。
「・・・何よ、その顔」
「いや・・・なんでもないですけど・・・?」
「ならいいんだけどね、お茶淹れてくるから縁側で待っててね」
はい、と短く返事をして、橙は縁側へと移動した。
スキップ交じりの歩き方、橙は心から思うことが一つあった。
――霊夢さんなら、霊夢さんなら大丈夫だ。
ただ高く、遠くまで飛びたい。
理由なんて無く、ただ高く飛びたい、と。
その高さから見たらどうなるのだろう、その高さはどんな感じなのだろう。
まさにその時期を迎えているのは、八雲の式の式、橙である。
――ただ高く飛びたい、ただ高く・・・
そう思い、今日も飛ぼうとする。
ゆっくりと、でも確実的に地上から離れていく。
しかし、25m程上がったところで、藍が来た。
毎回こうだ、高く飛ぼうとすれば、止めに来る。
たった25mで止めにくる。
ゆっくりと降りていく二人。
「橙、何時も言ってる・・・」
「分かってます、でも高く飛びたいのです」
「・・・そう、でも橙はまだ飛ぶ技術が低い、だから駄目だ」
何時もいつもこの止め方。
――「飛ぶ技術が低いから」
飛ぶのに技術などいるのかと、心の隅で橙は思う。
「橙、そんなに高く飛んでみたいのか?」
「・・・え?」
藍の質問が、一瞬だけよく分からなかった。
「だから、高く飛んでみたいのか?」
「あ・・・はい・・・」
橙が返事をする。
藍が何かを思い出すような顔で、橙を見ている。
「・・・そうか、なら博麗の巫女の所へ行け、ただそうとだけ言っておく」
そう言い残して、藍は帰っていった。
――博麗の巫女・・・
橙は、方向を180度変えて飛び始めた。
「あたしが?あんたに?」
「そうです、教えて下さい」
橙の前に居るのは、博麗の巫女、霊夢である。
橙が霊夢に会っていきなりこう言った。
“私に飛び方を教えて下さい”と。
「飛び方・・・ねぇ・・・」
「教えてくれますか?」
「いまいち分からないわ、いっつも適当に飛んでるもの」
「そう・・・ですか・・・」
シュンと橙はうなだれる。
「はい・・・失礼しました・・・では・・・」
後ろを向き、歩き出す橙。
「・・・ちょっと」
霊夢が、橙を止める。
何かと思い、橙は霊夢の方を向く。
「正直自分でも良く分かんないけど、困ってるなら少しは手伝うわよ」
「え・・・あ・・・はい・・・!ありがとうございます!」
「ま、何を教えれば良いのか分からないけどね」
少し困ったような顔をして、頭を掻く。
「で、何で飛び方を?」
「あ、あの・・・笑わないで下さいね・・・?」
「ま、内容によるわ」
顔を少し赤くしながら、橙は呟くように言った。
「・・・ただ・・・高く・・・とびたくて・・・」
「・・・ぷっ」
霊夢が少しだけ吹く。
「あ、ああ!笑いましたね!?」
「だ、だって・・・そんなの・・・誰でも思う事・・・あはは!」
「むぅぅぅ!!」
頬を膨らまし、怒っていますアピール。
「はー、ごめんね、笑っちゃって」
「失礼ですよ!人が本気になって言っているのに!」
「でもねぇ・・・ぷっ・・・ふふっ・・・あははは!!」
「ああ!また笑いましたね!?また笑いましたねぇ!!?」
橙は、ぽかぽかと音が聞こえるような殴り方で、霊夢を叩く。
「痛い痛い、とりあえず理由も分かったし、ちょっと紫呼べるかな」
霊夢がそう言うのを待っていたかの如く、スキマが現れ紫が出てきた。
「はぁい、霊夢、何かしら?」
「あの猫馬鹿狐はいる?ちょっと聞きたい事があってね」
「猫馬鹿・・・藍のことかしら?居るわよ」
そのままスキマに「藍ー、呼んでるわよー」と言った。
「何か用か?」
ひょっこりとスキマから顔を出す藍。
「あんたの式借りる、以上」
「え?今なんて・・・!」
「うっさい、戻れ」
霊夢はそう言って、藍の頭を押して無理矢理スキマの中に戻した。
藍が、ちょっ、ちょー!!とか言ってたのは気のせいでしょう、きっと。
「はい、これで修行中の身ね」
「・・・え?でも、藍さまの意見は・・・」
「そんなのどーだって良いのよ、ちょっと待っててね」
そう霊夢は言って、奥の方に行った。
橙は何をすれば良いのか分からないので、ただ立っているだけ。
数分して、霊夢が白と赤の布の何かを持ってきた。
「はい、これ着て」
「・・・何ですか?これ」
「何って・・・巫女服に決まってるじゃない、それ以外何があるの?」
橙が布を手にとって広げた。
確かに巫女服・・・なのかよく分からない。
はっきり言うと、霊夢仕様。
サイズが違うのと、少しオレンジっぽいのを除けば大体は霊夢と同じもの。
「・・・なんでこれに?」
「修行の身なんでしょ?なら着なさいよ」
正論と言えば正論、でもどこかずれている。
「でも・・・すっごい恥ずかしいですよ・・・これ・・・」
「その内気にならなくなるから大丈夫」
「そう・・・ですか・・・じゃぁ・・・」
そう言って服を(外で)脱ぎ始める橙。
「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!」
「え?だって・・・」
「場所を考えなさい場所を!」
「あ・・・」
橙は、急に顔を真っ赤にして、神社の母屋に走っていった。
二十分程して、橙が戻ってきた。
服装は、霊夢の着ている改造巫女服。
ただリボンではなく、何時もの帽子を被っている。
「あの・・・変ですか・・・?」
「・・・全然普通だけど?」
「でも・・・えっと・・・」
どうやら脇のことを気にしているようだ。
「大丈夫、むしろ似合ってるくらいよ」
「そう・・・ですか・・・?」
「ええ、このあたしが言ってるんだから間違いないわ」
「いや・・・ちょっとそうとは思えないわねぇ」
そう呟いた紫。
一瞬で札まみれになったが気にせず話を続ける。
「とりあえず、今日からあんたは此処に住み込みで修行してもらうから」
「えぇ!?す、住み込みでですか!!?」
「?ええ、そうしか無いでしょ?」
スキマから急に藍が出てきた。
「そこまでは許さん!博麗霊夢!貴様をころs」
「夢想封印」
一瞬で戻された、可愛そうに。
「とりあえず、明日から働いて貰うわ、今日は見学ね」
「あ・・・はい!」
「ま、いっつもどうりの光景を保つだけなんだけどね」
いっつもの光景と言われて、何時もの霊夢の姿を思い出す橙。
適当に掃除して、お茶飲んで、来た人妖に対応してと。
一言で言うなら、流れに任せれば良し。
「じゃ、今日は特にやる事無いし、お茶でも飲んでのーんびりと」
「のーんびりと?」
「そ、まぁ何もしないって事」
少しだけ橙は呆れた。
――なんでこんな人があんなにすごいのか。
「・・・本当に、のーんびりとするだけですか?」
「何時も修行修行、だとつまらないし疲れちゃうじゃない、だからのんびりと」
「はぁ・・・そうなんですか・・・」
ちょっとだけ納得した様な顔で、霊夢を見た。
「・・・何よ、その顔」
「いや・・・なんでもないですけど・・・?」
「ならいいんだけどね、お茶淹れてくるから縁側で待っててね」
はい、と短く返事をして、橙は縁側へと移動した。
スキップ交じりの歩き方、橙は心から思うことが一つあった。
――霊夢さんなら、霊夢さんなら大丈夫だ。
連載頑張れ。
今日はカオスかくぞー
続きが楽しみです
境内が血に染まるw
もう君の頭の内容には触れたくない・・・
連載頑張る。
>奇声を発する程度の能力様
僕も見たいです・・・!
頑張って書きます!
>唯様
掃除が大変そうですよねw
橙も霊夢も(鼻血で)赤く染まりそう。
巫女服に尻尾用の穴が無かったら、尻尾で服がめくれr(ry
大丈夫!霊夢の服を信じましょう!
上と下の服の間からピョコっと…だと思います…