「まだかな…」
ベッドと床との隙間から様子を伺いながら私は呟く。
何故、こんなことをしているのか。
それはあのさでずむ巫女を驚かせてやるためだ。
いつもいつもイジられてばかりの多々良小傘ではない。
今日という今日はぎゃふんと言わせるやるのだ。
「ここにいるのはさすがにわからないはず…」
自分の寝室ならあの巫女も油断しているだろう。
入れ知恵をしてくれたぬえに感謝する。
「私にいい考えがある」という言葉がやけに引っかかったが。
「! 来た…」
ゆっくりとドアが開き、早苗の脚が見えた。
私は息を潜め、様子を伺う。
作戦の開始は早苗がベッドの上に来た時。
音を立てないように古道具屋で手に入れたゾンビの腕を用意する。
突然ゾンビの腕で掴まれればさぞかし驚くだろう。
その様子を想像して一人ほくそ笑む。
「あれ、小傘ちゃん来てたんでしょうか」
心臓が跳ね上がった。
え、なんでわかったの?奇跡?ライスシャワー?
「なんで傘が…?」
ああ~!
しまった!傘をベッドに上に置きっぱなしにしてしまった。
ヤバいヤバいヤバい。
早苗なら私がいることに絶対に気がつく。その上で私をいじめるに違いない。
ど、どうしよう…。
その惨状を考えると冷や汗が滝のように流れる。
「小傘ちゃんー、どこですかー?」
ああ、ものすごく楽しそうな声だよ。
絶対にわかって言ってるよ。ちくしょうめ。
一体どうすればいいのか。
ここで素直に出て行けば満足するまでいじめられることになるだろう。
しかし、出ていかなければ確率は低いが諦める可能性もなきにしもあらず。
そう結論づけ、耐え難きを耐えることを選ぶ。最後の最後まで諦めないことが大事なのだ。
「一緒にケーキ食べませんかー?」
思わずベッドから出そうになってしまった。
落ち着けこれは早苗の罠だ。わかりやすい懐柔策ではないか。
こんなもので釣られるほど安くはないのだ私は。
「今なら食べさせてあげますよー」
床に頭突きをして正気を保つ。
騙されるな、早苗はそんなに優しい人間じゃない。
顔をあわせる度に胸をまさぐるような人間ではないか。
そうだ、私がこんな餌に釣られるとでも思っていたのか。
「添い寝してあげますよ」
気がついたら滑り出ていた。
「こんにちは」
にこっと、可愛らしく笑う早苗。
私は乾いた笑いしか出なかった。
ああ、なんてことをしてしまったのか…。
罠だと分かっていたのに…。
「それじゃあまたね」
「逃がしません」
後ろから抱きしめられ、そのままベッドに押し倒される。
キスでもするような距離に早苗の顔があった。
頬に当たる髪がくすぐったい。
「そんなに一緒に寝たかったんですか?」
「あ…う…」
早苗は誂うように言いながら、私の髪を優しくなでる。
かあっと、顔が熱くなる。鼓動が激しくて息が苦しい。
ああもう、私は一体何をしているのか。
「そうだよ、早苗と一緒に寝たかったの」
もうヤケだ。
開き直った私は後で後悔するに違いない台詞を言う。
早苗はただそっと微笑むだけで、私は恥ずかしくなって視線を逸らした。
「素直でいい子ですね。そういう所、好きですよ」
背を向け、負けずに恥ずかしい台詞を言う。
ちらっと見えた耳は先まで赤くなっていた。
「…さなえのばか」
ぎゅっと、早苗を抱きしめる。
早苗はずるい。普段はいじめっこなのに急に優しくなる。
だから嫌いになれない。いや、嫌いなんかじゃなくて私は早苗のことが…。
とんでもない思考にを頭を振って追い出す。
好きなわけがない。さでずむでいじめっこでだけど優しくて可愛い早苗なんて。
「うらめしや…」
恥ずかしさをごまかすように呟いた言葉に、早苗はゆっくりと振り向く。
ベッドと床との隙間から様子を伺いながら私は呟く。
何故、こんなことをしているのか。
それはあのさでずむ巫女を驚かせてやるためだ。
いつもいつもイジられてばかりの多々良小傘ではない。
今日という今日はぎゃふんと言わせるやるのだ。
「ここにいるのはさすがにわからないはず…」
自分の寝室ならあの巫女も油断しているだろう。
入れ知恵をしてくれたぬえに感謝する。
「私にいい考えがある」という言葉がやけに引っかかったが。
「! 来た…」
ゆっくりとドアが開き、早苗の脚が見えた。
私は息を潜め、様子を伺う。
作戦の開始は早苗がベッドの上に来た時。
音を立てないように古道具屋で手に入れたゾンビの腕を用意する。
突然ゾンビの腕で掴まれればさぞかし驚くだろう。
その様子を想像して一人ほくそ笑む。
「あれ、小傘ちゃん来てたんでしょうか」
心臓が跳ね上がった。
え、なんでわかったの?奇跡?ライスシャワー?
「なんで傘が…?」
ああ~!
しまった!傘をベッドに上に置きっぱなしにしてしまった。
ヤバいヤバいヤバい。
早苗なら私がいることに絶対に気がつく。その上で私をいじめるに違いない。
ど、どうしよう…。
その惨状を考えると冷や汗が滝のように流れる。
「小傘ちゃんー、どこですかー?」
ああ、ものすごく楽しそうな声だよ。
絶対にわかって言ってるよ。ちくしょうめ。
一体どうすればいいのか。
ここで素直に出て行けば満足するまでいじめられることになるだろう。
しかし、出ていかなければ確率は低いが諦める可能性もなきにしもあらず。
そう結論づけ、耐え難きを耐えることを選ぶ。最後の最後まで諦めないことが大事なのだ。
「一緒にケーキ食べませんかー?」
思わずベッドから出そうになってしまった。
落ち着けこれは早苗の罠だ。わかりやすい懐柔策ではないか。
こんなもので釣られるほど安くはないのだ私は。
「今なら食べさせてあげますよー」
床に頭突きをして正気を保つ。
騙されるな、早苗はそんなに優しい人間じゃない。
顔をあわせる度に胸をまさぐるような人間ではないか。
そうだ、私がこんな餌に釣られるとでも思っていたのか。
「添い寝してあげますよ」
気がついたら滑り出ていた。
「こんにちは」
にこっと、可愛らしく笑う早苗。
私は乾いた笑いしか出なかった。
ああ、なんてことをしてしまったのか…。
罠だと分かっていたのに…。
「それじゃあまたね」
「逃がしません」
後ろから抱きしめられ、そのままベッドに押し倒される。
キスでもするような距離に早苗の顔があった。
頬に当たる髪がくすぐったい。
「そんなに一緒に寝たかったんですか?」
「あ…う…」
早苗は誂うように言いながら、私の髪を優しくなでる。
かあっと、顔が熱くなる。鼓動が激しくて息が苦しい。
ああもう、私は一体何をしているのか。
「そうだよ、早苗と一緒に寝たかったの」
もうヤケだ。
開き直った私は後で後悔するに違いない台詞を言う。
早苗はただそっと微笑むだけで、私は恥ずかしくなって視線を逸らした。
「素直でいい子ですね。そういう所、好きですよ」
背を向け、負けずに恥ずかしい台詞を言う。
ちらっと見えた耳は先まで赤くなっていた。
「…さなえのばか」
ぎゅっと、早苗を抱きしめる。
早苗はずるい。普段はいじめっこなのに急に優しくなる。
だから嫌いになれない。いや、嫌いなんかじゃなくて私は早苗のことが…。
とんでもない思考にを頭を振って追い出す。
好きなわけがない。さでずむでいじめっこでだけど優しくて可愛い早苗なんて。
「うらめしや…」
恥ずかしさをごまかすように呟いた言葉に、早苗はゆっくりと振り向く。
誰だよwww
俺の中で新しい何かを開拓されたような気がした。
タイトルに釣られて色々やましいことを妄想しながら読んでたのに後書きで全て理解した。
いずれにせよ、ぬえはどこでこのマスクを知ったんだw