Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

私の太くて長いもの

2010/07/30 16:30:01
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警告、この小説には電波、妄想、ネタが多量に含まれております。
なお、SAN値に自信の無い方と上記の物が苦手な方はご遠慮ください。








この物語はスーパークールビューティガールレミリアと、彼女を取り巻く美少女達の愛と肉欲とポロリの物語である。














「εΨ♭фдЯ」

気が付けば、私の目の前にはそんな理解不能な言語を喋るナニかが存在していた。
周囲は薄暗く、あちこちから視線を感じる、そんな錯覚を受ける。
一体ここが何処で、目の前の触手の塊は一体なんなのか。
緑色の触手がびっしりと生えた奇妙な生き物、妖怪の一種??
全く理解できない、今、私に何が起きてるのよ。

「ж〆ΘÅΨ」
「なんなのよ、私に理解できる言語で喋ってよ」
「£&∀<щ」
「あーはいはい、もう解ったわよ。元の場所に返して頂戴」

私がそういった瞬間、目の前の触手は一斉に触手を振り上げ、私の意識は途絶えた。









怪物と戦う者は、その過程で自分自身も怪物になることのないように気をつけなくてはならない。
深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ。
by ニーチェ











「きゃぁぁーーーーーーーーっ」

ドッターーーンと派手な音を立て、ベットから転落してしまう。
なんとも恥ずかしい事だ、私は一体何をしているのだろうか。
なんとか起き上がろうと手に力を入れようとするが、どうも上手く力が入らない。
一体何なのよ。

「………うきゃぁぁぁぁっ」

それは、私の積み重ねてきた人生で最大の叫びであったかもしれない。
私の視界に飛び込んだソレは、長くて、太かった。
うねうねと視界で蠢くソレは私の体に繋がっており、同じような物が無数に生えている。
そして、私の声を聞きつけ忠実な従者のメイド長十六夜咲夜が駆け込んでくる。
だが、私としては来て欲しくなかった。
出切ればこの体の事が良く解るまで。

「お嬢様っ、………いやぁぁぁっ」
「お、落ち着くのよ咲夜、落ち着きなさいっ」
「いや、いやぁぁ、こないでぇぇぇ」

生娘の如く取り乱す新鮮な咲夜を見れて良かった。
この生ものな体で得た現在唯一の良かった所か。
とりあえずこれ以上被害を大きくするわけにもいかない、少し静かにして貰おう。
そう思って咲夜の口に触手の一本を伸ばす。
そうよ、私は恐らく夢で出会ったあの触手の体になってしまったのだ。


ん??待てよ冷静に今の状況を考えてみよう。
………恐怖で泣きながら取り乱すメイド→そこにゆっくりと触手を振りながら近づく私(触手ボディ)。
うわぁお、これは絵的にヤバイぜ。
具体的にはKENZENって言葉に真っ向から喧嘩を売ってるようなもんだ。
とりあえず実力行使は最終手段にしよう、まずは言葉で説得だ。

「咲夜、落ち着くのよ咲夜っ」
「やぁ、いやぁぁ」
「私よ、レミリアよっ」
「やぁぁぁぁ」
「…………」

だ、駄目だ、恐怖のあまり幼児退行を起してやがるぜぇ。
まるで私の言葉が伝わらない。
こうなればやるしかないか、混乱してるのは私も同じなんだっ。

「ていっ」
「いやっ、んぐっ」

こっからは、ちょいとハードになりそうね。
……自分でも今気が付いたけど結構意のままに触手を操れるようになって来てるわ、死にたい。






「咲夜、落ち着いたわね??」
「は、はい、取り乱して申し訳ありませんでした」
「取り乱したいのは私だってのに」
「申し訳ありません……」
「で、原因は何だと思う??」
「やはり夢で会ったというその、触手なのでは??」

うーん、でも夢で出会ったっていうのがなぁ。
次に何時会えるかも解らないからなぁ。
そもそももう会いたくない、気持ち悪いし。

「どーしようかしらねぇ、こんな体で」
「とりあえずパチュリー様に相談されては??」
「……んー、それも仕方ないか。途中で誰かに目撃されるかもしれないわね」

ここから地下の図書館まで大分距離がある。
それまでの廊下で妖精メイドの誰にも出くわさないってのはほぼ不可能だ。
どうする??どうするのよ私。
そうだわ、こんな時こそ能力の出番ね、誰にも合わない運命よっと。

「…………ヤバイわ咲夜、私能力失ったっぽい」
「えぇぇぇぇっ」
「今まであった感覚がごっそりと無くなってるわ、能力って体の付属品だったのね」

驚愕の真実だわ、これは碑田の当たりに教えておいた方がいいかしら??
しかしどうしたものか、運命が操れないってキツイわね。
というかそれ以前にこの体って何が出来るのよ。
触手だけって訳じゃないでしょうね??

「ま、考えても無駄か」
「お、お嬢様っ!?」

もぞもぞと扉に向かい、触手の一本でノブを回す。
咲夜の腰までしかない視界だから、私は大分な姿なのだろう。
しかし、伸びたりしちゃう触手のお陰で本来なら届かないノブもあっさり回せる。

「結構便利ね」
「お、お嬢様お待ちくださいっ、本気ですかっ」

そういって咲夜は手鏡を私に渡してくる。
なるほど、自分を見つめなおせってか。
ふむふむ、濃い青の触手に丸い金色の目、口って何処かしら??
触手の数は大体百本はあるわね、うーん、我ながらグロテスクかつ気色悪い。
なんでこんな事に……。

「おいたわしいやお嬢様……」
「とりあえずパチェと話して本来の体を取り戻さないとね」

おーっと振り上げた触手はうにょんと奇妙な空間を開け、そこに突き刺さった。
え、何これ怖い。

「……スキマ、でしょうか??」
「何よあの年増があけたのかしら??」

中を覗き込むと、そこは図書館だった。
紫も中々に乙な事してくれるわね、珍しい。
それじゃあ遠慮なく利用さしてもらおうかしら。

「あらよっと」
「大丈夫でしょうか??なんだかスキマとは違うような……」
「気にしても始まらないわよっと」

スキマを無理やり広げ、私の体を滑り込ませる。
咲夜が入るのを戸惑っているので触手で腰を絡め取っ手やる私の優しさ。
赤信号、皆で渡れば怖くない。



ベシャって音と共に図書館に移動する。
少々高い所から落ちたが、この体はこの程度ではビクともしないらしい。
しかし飛べないってのはマイナスね、どうしようかしら。

「ま、まさか本当に召喚できるなんて……」
「わー、わー、触手ですよ触手っ」
「おい、パチェ今なんて言った??」
「そ、その声まさかレミィ!?」
「そうよ、さっき何て言ったかしら??」

物凄く聞き捨てなら無い事を聞かされたわね。
パチェったら汗をダラダラ流して私と小悪魔との間を視線が行ったり来たり。
その上、普段着の上に黒いフードを着こんで床には魔方陣。
怪しい事この上ないわ。
さぁ、キリキリ吐くのよっ。

「お、おはようレミィ、さわやかな朝ね」
「パチェ、私は嘘吐きが大嫌いなの、もう一度だけチャンスを上げるわ。今、何て言ったぁぁぁぁっ」
「正直に話した方が身の為ですよパチュリー様」
「え、えと、まさか本当に召喚できるなんて」
「貴様の所為かぁぁぁぁっ」

怒りに身を任せパチェと小悪魔を触手で縛り上げ空中に持ち上げる。
吸血鬼のあの体なみのパワーと俊敏性ね、この体。
一瞬の出来事じゃない、やった私もビックリよ。

「ご、御免なさいっ、まさか本当に召喚できるなんて思ってなかったのよぉっ」
「こ、これが触手プレイなんですねっ」

アホな事を抜かしてる小悪魔の拘束を解き、咲夜に任せる。
このまま聞いてたら私のSAN値が唯でさえも抉られてるのに更に消えて失せるわ。

「さ、キリキリ吐くのよ」
「こ、小悪魔が里で買ってきた本に書いてあった召喚法を試してみたかったのよぉ」
「それで何で私が巻き込まれてるのっ」
「し、知らないわよっ」
「質問を変えるわ、一体何を召喚したのかしら??」
「これです」

小悪魔が持ってきて、私の目の前で本を広げる。
そこには私に負けず劣らずのナイス触手達が居た。
………って全部邪神じゃないのよっ。
何よこの本っ、召喚した後の事考えてた訳!?
仮にもアンタ魔女でしょうがっ。

「パチェ、火急かつ速やかに私を元に戻しなさい」
「む、無理ね」
「………気のせいかしら??無理って聞こえたわ」
「む、無理よ、だって原因も何も解らないんだものっ」
「ほーーーう、よろしいならばネチョだ」
「え、ひゃっ、いやぁぁぁぁ」

パチェ、アナタはよき友人だったわ。
でも友人をこんな姿に変えるアナタの好奇心がいけないのよ。
怨むなら止めもせずに凝視しているアナタの使い魔を怨みなさい。




「しくしくしくしく」
「フゥー」

すすり泣くパチェの隣で私はため息を吐く。
泣きたいのはこっちだってのに。
あーあ、どうすりゃいいのよ。

「しくしくしくしく」
「何よ、咲夜は喜んでたわよ??」
「お、お嬢様!?」
「さ、咲夜さんってそういう趣味があったんですね」
「あ、ありませんっ」

何よ、最終的には(ピーーー)で(言論統制)ってなって(このSSは健全です)になってたのに。
ってえらく伏字が多いわね、やれやれだわ。

「とりあえず解決できそうなのを上げてみましょうか」
「そうですね、パチュリー様」
「NON、さっき匙を投げたばっかりだわ。紫」
「NON、とても協力してくれるとは思えません、むしろ状況を引っ掻き回しそうです。
冥界の姫」
「NON、それだけは有り得ないわ。蛸や烏賊の親戚だと思われて美味しく頂かれちゃうじゃないのよ。
霊夢」
「NON、異変解決は確かに仕事ですが異常事態は職務では無いかと。
永遠亭の薬師」
「NON、さらにこのボディが悪化したらどうするのよ、ホルマリン漬けってのも嫌よ。
山の神様」
「NON、確実性があるとは言えません、それにその体も神の物です」
「結論は、食べられず、ホルマリン漬けにされず、私を確実に元の体に戻してくれる。
そんな能力を持った人物」
「里のハクタクですね」
「そうね、無かった事にして貰いましょう」

里一つ無かった事に出来るんだもの、きっと何とかなるわ。
そうと決まれば半裸のパチェや期待の眼差しを向けてくる小悪魔には構ってられないわね。
よーし、スキマよ再び出番よっ。

「えいやぁー」
「おおー、ってどう見てもそれはお嬢様が自力で空けてますよね」
「わー、魔界以上の混沌っぷりですねー」

うーむ、小悪魔や咲夜に言われてようやく認める気になったけど……。
ホントにこれが私の新しい能力なの??
そして溢れ出る瘴気みたいなもの、ホントに大丈夫なんでしょうね、これ。
魔界以上の混沌って私正気を保てるのかしら。

「さーてと、里に繋がって……」

「この気配っ、さてはお姉さま見てるわねっ」

左手で鉄砲を作り顔を隠し、右手でズビシッと私に人差し指を向けるフランがその先に居た。
なんで私の気配がわかんのよ、いや、こんな姿だから存在感溢れ出てるかもしんないけどさぁ。
というかソレは咲夜の決めポーズじゃない??キャラ的に考えて。

「あれ??お姉さまが居ると思ったんだけどなぁ」
「いるわよ」

図書館からスキマを経由し、フランの部屋へ。
折角だからフランを少しからかって見ましょうか。

「きゃぁっ、な、何、何よ」
「フフフのフー、私よフラン」
「ま、まさか醜くて気持ち悪いことこの上ない物体はお姉さま!?」
「そ、そこまで言わなくてもいいじゃない」

け、結構傷ついたわよ。
少しお仕置きしなきゃ駄目ね。

「大丈夫よ、痛いのは最初だけだから」
「えいっ」

バンッと私の目の前が爆発した。
が、私はピンピンしている。
一瞬物凄く焦ったけど、さすがは邪神ボディだわ。
フランの能力を受けてもピンピンしてるなんて。

「え、え!?」
「精神は肉体に引き摺られる、本当だったわね」
「え、えぇぇぇ」
「触手の存在意義って何かしら、ねぇ小悪魔」
「そうですね、一言で言うなら(自主規制)でしょうか」
「さすがは小悪魔ね、一般人ならとても言わないような内容を一言どころか800字詰めの原稿でも足りない位語ってくれてありがとう」
「いえ、本心を語っただけですから」

穴の向こうから顔を覗かせている小悪魔はこれ以上ない位にいい笑顔をしていた。
さすがは紅魔館の誇る淫魔だわ。
意外と初心なフランなんて真っ赤じゃない、情操教育が必要かしら??

「クッ、フォーオブアカインドッ」
「行くわよフラン」
「任せて私」
「一気に決めるわっ」

三人のフランが縦一列に並んで私目掛けレーヴァテインを振り上げ迫ってくる。
ま、まさかこれはっ。

「ジェットストリ○ムアタック!?」
「知ってるのらい、じゃなかった小悪魔」
「はい、アレはですね三位一体の戦法でして―――」

「あらよっと」
「「「きゃぁぁーーー」」」

小悪魔の長くなりそうな説明を無視して三本の触手で一人ずつ絡み取ってしまう。
どんなに脅威な攻撃でも攻撃する前に無力化すればいいじゃない。

「このままやれる位ならっ」
「本体、アナタは生き残って……」
「私が死んでも代わりはいるもの……」
「え、ちょ」

なんと有ろう事かフラン三人は自爆した。
といっても元々フォーオブアカインドによる質量の有る分身だから弾に還っただけだが。
それでも絡み取っていた私には超至近弾。
諸に全弾ヒットした、が、効かなかった。
チートにも程があるわね、この体。

「わ、私ぃぃぃぃっ」
「グフフフ、所詮は無駄な足掻きよ。フラン、あなたも直に同じ目に合わせてあげるわ」
「くっ」
「分身がどれだけ足掻いても無駄、無駄無駄無駄無駄ァッ」
「えいっ」
「きゃんっ」

調子に乗っていたら頭にレーヴァテインを叩き込まれた。
普通に痛かったわ、この体もそこまで無敵って訳じゃないのね。
また一つ賢くなったわ。

「えい、えいえいえいえいえいっ」
「いたっ、やめてやめて、ごめん、ホントにごめんっ」
「………反省してる??」
「してます本当に、この心からのDO☆GE☆ZAでお許しください」

そう言って何本かの触手を前に垂らし、私は頭を垂れた。
たぶん人間的には土下座という体勢だろう。
だが、元が触手の塊の私がやってもたぶん土下座には見えない。
むしろただ触手を垂らしてるだけだ。

「ぶっちゃけ垂れてるようにしか見えないけどまあいいや」
「おお、さすがはフラン話が解る」
「で、何やってるの??コスプレか何か??」
「わーお、これをコスプレと申すかマイシスター」
「じゃあ何よ」
「パチェに呪いを掛けられた」
「親友じゃなかったの??」
「裏切られた」

そう言うとフランは何だか可哀想な人を見るような目で私を見てきた。
やめてっ、私をそんな目で見ないでっ。
可哀想じゃないっ、可哀想じゃないのよっ。
ただ触手になっちゃった吸血鬼なのっ、それだけなのよぉぉぉ。

「とりあえず元に戻ったら??その姿で泣かれても気持ち悪いだけだし」
「戻れないのよ、パチェが元には戻せないって無責任極まりない事言うから」
「えー、触手が姉だなんて私嫌だよ??」
「私だって触手として生きたくないわよ」

とりあえずフランの部屋に繋がって色々手間取ったけど今度こそハクタクの所に行きましょうか。
あらよっと。

「うわ、何それスキマ??」
「皆そう言うのよ、ほら咲夜行くわよ」
「はいお嬢様」
「じゃ、ちょっとハクタクに無かった事にして貰いに行って来るわ」
「いってらっしゃーい、お土産よろしく」
「人間の里に行って何買って来たらいいってのよ」
「斬新な物、お姉さまのセンスに任せる」
「ハードル高っ」

一体どんな物を期待してるのよこの子。
そもそも娯楽の薄い幻想郷にそんな斬新な物なんてあるの??
とりあえず適当に店を回ってみるか………。

「無限の彼方にさぁ行くわよ」
「えー、これ通るんですか??」
「あったりまえよ、速いし」

紫がスキマで移動するのも頷けるわね。
一瞬で目的地に行けるなんて最高だわ。
触手を入り口にひっかけて体を持ち上げ、その中に落ちるように入る。
なんともアレな姿だが、こんな体だし仕方ない。


「ってしまった外じゃないのっ、ああ、太陽がぁぁぁぁぁ」
「お、お嬢様しっかりっ」
「………あら、吸血鬼の体じゃないから日光が平気なのね。
なんと、8秒経過!!ンッン~~♪実にッ!!スガスガしい気分だッ!!
歌でもひとつ歌いたいようなイイ気分だわ~~フフフフハハハハ。
500年前に不老不死の吸血鬼として生を受けたが…これほどまでにッ!!
絶好調のハレバレとした気分はなかったわァ…フッフッフッフッ。
触手の体のおかげだ本当に痛くないッ。
最高に『ハイ!!』ってやつだアアアアアアハハハハハハハハハハーッ。
9秒経過!9秒も日光に当たれたぞッ!!」
「お、お嬢様!?」
「フフフフハハハハ、これが日光、これが太陽っ」
「しっかりしてください、日の光に当たれて嬉しいのは解りますがまずはハクタクの家に移動しましょう」
「フフフフ、それもそうね嬉しさの余りハイになってたわ」

この体のお陰って言うのが気に入らないけど太陽の下を動けるってのはいいわ。
ホントに歌でも歌いたいわね、何かいい歌ないかしら。

「いあ いあ はすたあ」
「お、お嬢様今度はなんですかっ」
「いや、適当に思いついた歌を歌ってみただけ」
「それ歌なんですか!?」
「そうじゃないかな??」
「なんで疑問系!?」

ってなんか曇ってきたわね、もう折角太陽の下を堂々と歩けるって思ってたのに。
まあいいわ、少しの間でも歩けてよかったし。
さぁて本格的に振りそうね、急いでハクタクの家に行きましょ。

「ところで、なんか注目されてない??」
「……真昼間の人里のど真ん中に触手が現れたら誰だって注目すると思いますよ」
「ま、無かった事にして貰うしいいわ」
「では急ぎましょう」


「あれ、紅魔館のメイドだよな??」
「って事はあの触手は紅魔館のペットか何かか??」
「さすがは紅魔館だ、俺たちの常識の斜め上を行ってくれるっ」
「そこに痺れるっ」
「憧れるっ」
「触手×メイド!?ふぅ」
「おまえ……」


なんか紅魔館が物凄い勢いで誤解されてるような気がするわ。
これは早急に無かった事にして貰わねばマズイわね。
なんで私人里のど真ん中に出たのかしら。
ああ、そういえば私ハクタクの家に行った事無かったわね。

「咲夜ー、ハクタクの家知ってる??」
「ええ、あの寺子屋の裏手にあります」
「ふーん」

それなら寺子屋に出ればよかったわー。
ってもう雨が降り出したの??
触手ボディの移動に慣れてないから動きが遅いのよねぇ。
ところで咲夜、その傘どこから出したの??

「メイドの嗜みですわ」
「……突っ込まないわよ」
「え、あ、いえ」
「何よその反応」
「えー、あー、うー」
「………咲夜??正気に戻りなさい」

私の責任かもしれないけど、とりあえず往来のど真ん中で変な誤解を生む訳にはいかないわ。
突撃、隣のハクタク家っ。



「うーん、本格的に降ってきたなぁ」
「そうだねぇ、明日布団干そうと思ってたんだけど……」
「ところで妹紅、今日の夕飯は豚汁でもいいかな??」
「ああ、いいよ」
「それじゃあ少し待ってろよー」

そう言って慧音は台所に行き、居間には私だけが残される。
うーん、夕飯まで暇だし天狗の新聞でも読んでようか。
明日には燃料にされる運命だしな。

ガタッ

「な、なんだ??」

誰か居るのか??
いや、外はこんな大雨だし急いで帰ってる誰かが何かにぶつかったんだろう。
………えーと、何々、図書館にまた白黒が進入、本を多量に奪取。
何時もの事だなぁ、なんか面白い事でもないのか??

ガタッ、ガタガタガタガタガタ

「か、風か??」

異常な位に窓が軋み、私が視線を向けた瞬間、雷が落ちた。
そして、そこには闇の中光る金色の目と、蠢くナニかが………。




「慧音、慧音っ、窓の外になんか見たこと無い妖怪がっ」
「どうしたんだ、妖怪なんて珍しくないだろ」
「いや、それがもう恐ろしい化物がっ」
「んー??何処に居るって言うんだ」

ガタガタガタガタ

慧音の後ろの窓から、ニュッとヤツの体の一部が進入していた。
うねうねと動くその触手の奥には、金色に爛々と輝く目が………。

「ああ慧音、窓に、窓にっ」
「なんだって言うん…だ………」


I am bone of my tentacle
「いあ! いあ! はすたあ!」

I am a cool and beauti
「はすたあ くふあやく」

Franhawatasino yome
「ぶるぐとむ ぶぐとらぐるん」

I am remilia
「ぶるぐとむ」

So as I prey "Cthulhu"
「あい!! あい!! はすたあ!!」



ああ、なんで私はコイツを恐れていたんだろう。
長い触手がうねうね動いていて可愛らしいし、金色の丸い目はとってもチャーミング。
うふふふふふふ。






「うわー、自分でやっといてアレだけど引くわー」
「効果抜群でしたね、私も耳を抑えて置かなかったらどうなっていたか……」

窓から中を覗き込んだら、藤原妹紅と、ハクタクこと上白沢慧音は私の歌であっぱっぱーになっていた。
目はなんかグルグルだし表情もとても正気のソレとは思えない。
とりあえず中に入って正気に戻るのを待つとしよう。




「さすが咲夜ね、美味しいわ」
「触手で食べれるんですねぇ」
「私もビックリよ、まるでストローね」

ハクタクの家の中には作りかけの豚汁があったので咲夜に完成させてもらった。
さすがは私のメイドだわ、洋、中、和、全部美味しいわ。
だが、何故私は器に触手を突っ込んでいるのだろう。
ほぼ本能レベルだったのだが、これで食べれている。
しかも食べてるっていうか吸収してる感じだ。
でも味は感じる、不思議。
……なにこれ怖い。

「ハッ、私は一体何を!!」
「あらハクタクようやく正気に戻ったのね、勝手にご飯食べてるわよ」
「お邪魔してます」
「ああ、紅魔館のメイドか……」
「ハクタク、次にアナタは「なんだ貴様はっ、この化物めっ」と言うわ」
「なんだ貴様はっ、この化物めっ。ハッ!!」

能力無くても解るわ、大体みんな同じ反応だし。
咲夜、事情説明頼んだわ、私は豚汁飲むので忙しいの。
……二本刺したら倍速で飲めるのかしら、試してみる価値はあるわね。

「と、言う訳でなかった事にして欲しいのです」
「な、なんだそれは。まあ協力してやりたいが私の力は人間にのみ使ってやると」
「ハクタク、今のアナタには「はい」か「YES」しか用意されてないわ、反論は受け付けない」

切羽詰まった触手を舐めんなよ、そりゃあもう私の奥のほうで叫んでる本能に身を任せるわよ??
咲夜やパチェと当社比五倍のハードっぷりよ??

「ちなみに断ったらどうなるんだ??」
「そりゃ触手の仕事を果たすだけよ、モニター前の皆もそう望んでるわ」
「な、何を言ってるんだ??」
「……そうね、何を言ってるのかしら、さっきの反動かしらね」

まさか自爆技だとは思わなかったわ。
一瞬で相手にメダ○ニできると思ってたんだけど。
しかも聞いたら最後の確定混乱、最強じゃね??

「ハッ、慧音さっきの化物はっ」
「ああ、それなら正体はレミr」
「妹紅っ、次に貴様は「慧音に何をしたこの化物っ」と言うわ」
「慧音に何をしたこの化物っ。ハッ!!」
「さすがはお嬢様ですわ」
「ふふん、楽勝ね」

結構これ楽しいわ、妹紅はなんでわかったんだって顔してるし。
どうだー、悔しいかー。
わははははは、はぁ。

「妹紅、実はこの触手はレミリアなんだ」
「え、あの高慢ちきな吸血鬼??」
「ちょっと誰が高慢ちきなちびっ子ドS吸血鬼よ(ピーーー)するわよ」
「誰もそこまで言ってねぇよ」

呆れ顔の妹紅を脇目に、ハクタクに詰め寄る。
とりあえず今は元に戻れるか否かよ。
卓袱台に半分以上乗り出し、触手を振り上げ問う。
殆ど脅迫に近いが気にしない、これが吸血鬼の交渉スタイルだ。

「と、とりあえずやってみる」
「それでいいのよ」

しゅるしゅると伸びていた触手が元に戻り、再び豚汁を飲むべく器に触手を伸ばす。
熱くないのが不思議ね、ホントに。
よく考えたら今の体って不思議だらけねぇ。

「よし、それじゃあ行くぞ」
「ドンと来い」

ハクタクがどっからか取り出した巻物を広げ、そして。







「あ、駄目だこりゃ」

投げた。

「ちょっとーーーーーーーっ、もう少し頑張りなさいよ、なんであっさりと諦めてるのよっ。
頑張りなさいよ、私だってアナタに期待してるのよ!?
応援してくれてる人がいるんだから努力しなさいよっ。
ここで諦めてどうするの、もっと熱くなりなさいよっ。
人間死ぬ気で努力すればなんだって出来るんでしょっ、だからもっと熱くなれよぉぉぉぉぉぉぉっ」
「いや、私半獣だし」
「ぶち(ピーー)するわよハクタク」
「なんか全く私の能力を受け付けないんだが」

………え、何。
それって私の体が原因なの??
じゃあこういう事、体がチートすぎて干渉できません。
こういう事??

「こーーーーなったら手段は選んでられないわっ、マヨヒガに行くわよ咲夜っ」
「はいお嬢様」
「その必要はないわよ??」

何時の間にか天井付近に紫が顔を出していた。
さすがは本家スキマ、神出鬼没は伊達じゃないわ。

「出たわね紫っ、そこに直れっ」
「……だいぶテンパってるわね」

もー、元に戻る為なら手段なんぞ選ばないわよっ。
それこそ紫をクルクルパーにしても構わないわ。
……確実にやる為にそうしましょうか??

「ふふん、私の助けが必要なんでしょ??頭を下げたら考えない事もないわねぇー」

半身だけスキマから体を出し、フフンなんて余裕な表情を浮かべる紫目掛け触手を伸ばす。
まずは全身出てきてもらおうか、あっさりと絡めとり、ハクタクの家に引き釣り込む。

「え、あ、あら??」
「私を舐めるなよ紫、今の私はアナタがスキマを開こうが捕らえる事が出来るのよ」
「えーと、えーと」
「さて、あれだけ余裕だったという事は元に戻せる心当たりがあるという事。
このレミリア・スカーレット、元に戻る為なら容赦はしないわ」
「話し合いって重要だと思うの、人として」
「人としてなんて単語初めて出てきたけど、まさか妖怪のアンタから出てくるとは思わなかったわ」

触手をクネらせ紫をしっかりと拘束する。
油断したら逃げられちゃうからね。
今ここで逃せば逃げられまくるわ、それだけは避けねばならない事。
もしも追いかける過程で鴉天狗に写真でも取られたら妖怪の山を焦土に変えねばならない。

「とりあえず触手を離してくれたらゆかりん嬉しいなぁ~☆」
「キモイ、年考えろ」
「ひ、酷い、これが最近のキレる若者!?」
「あまり遅いと青少年の教育によろしくない事になるわよ??」
「た、たとえば??」
「HE(ハード・エロ)」
「アナタの体を捕まえたわ」
「何、私の体って幻想郷に居たの??」

驚きだわ、というかなんか変なことやってないでしょうね。

「ほらこの通り」

ぺっ、と紫のスキマから吐き出されたのは間違いなく私。
ただ、何故か所々焦げてる上に蓑虫状態で気絶してる、なんでよ。

「その体で太陽の下に出たのよ、ビックリしたわ」
「自爆か、吸血鬼の制約の多さを知らなかったのかしら??」
「そのお陰で確保できたんだけどね、今外は嵐だし私が確保してなかったら消滅してたわよ」
「感謝してるわ、お礼にヘブンに連れてってあげるわよ??」
「遠慮しておくわ」

チッ、自分のペースを取り戻したか。
私の体という人質がある以上は大人しく従うとしましょ。

「お嬢様やりましたね」
「そうね、この触手ボディからようやく開放されるわ」
「このままだと幻想郷の風紀が乱れるわ、行くわよ」

そして、私は少々焦げてはいるが元の肉体を取り戻した。
一方で先ほどまで入っていた触手ボディにも元のヤツが戻ったらしい。
紫はコイツを月に捨ててくるとか。
なんか黒い笑みを浮かべていた。

「……フフ、精々苦しみなさい」
「何黒い笑み浮かべてるのよ」

スキマからペイッと月に触手を投げ捨てた紫は何時も通りの笑みに戻った。
うん、胡散臭い。

「で、体はどう??」
「ええ、馴染む、実に良く馴染むわ」
「そう、良かったわ(貞操の危機的な意味で)」
「それじゃハクタク、迷惑掛けたわね。また来るわ」
「え、え~(もう来ないで欲しい……)」
「さ、咲夜も帰るわよ」
「はい、お嬢様」





私と咲夜は紫のスキマで紅魔館に送られ、今回の触手騒動は終わった。
一時はどうなるかと思ったが、結構なんとかなるものね。

「で、お土産は??」
「………すみませんでした」
「ふーん、妹に対する愛情が足りてないんじゃない??」
「ほんとすみません、心から反省してます」
「反省してる??」
「YES、YES、YES」
「じゃ、食後のデザート貰おうかな」
「…………咲夜~~~~」
「はいはい」

しくしく、フランが姉に対して容赦ないのよぉ~~。
一体誰がこんな子に育てたの!?






一方の月

「な、なんなのあの化物はっ」
「月の守備兵力の半数が無効化されましたっ、大半が混乱していますっ」

『いあ いあ はすたあ』



その日、月は恐怖と混沌に包まれた。
しかし翌日には突如現れた触手は消え、月はなんとか持ち直したが、混乱に包まれたその日は黒歴史にされた。






「ΨсЭлдЯΩ」
「なんでまた私の夢の中にきてんのよ、こっちくんな」
「£дЭΨоΘΣ」
「もう体は交換しないわよ、帰りなさい、しっしっ」
「……………」
「……………」



「いあ いあ」
「はすたあ、ハッ!!」
始めまして、こんにちわ。
こんにちわに当たる人にはすみません。
一体何ヶ月ぶりの投稿かわかりませんね、はい。
言い訳はしません、でも一つ言わせて貰えるならリアルが忙しかった。

次はー、何時になるんだろうね??
紅魔レヴォリューション
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
約10ヶ月ぶりの投稿、お疲れ様です。
相変わらずのカオスっぷりになぜか安心しました。
2.名前が無い程度の能力削除
おかしいな、よっちゃんと触手との戦闘シーンが見れないんだが……

それはさておきお久しぶりです、かっ飛ばしてますねえ。
3.奇声を発する程度の能力削除
紅魔レヴォリューション さんだー!!!また紅魔旋風を巻き起こすんですね!
物凄いカオスだwww
4.ak削除
貴方の投稿をめちゃくちゃ待ってました。おかえりなさい
また氏のギャグを読めるよう応援しております
5.地球人撲滅組合削除
お久しぶりです。
相変わらずのカオスっぷりで安心しましたw
畳み掛けるような「いあ いあ はすたあ」でゲージをガリガリ削られたのは内緒ですww
6.名前が無い程度の能力削除
テケリ・リ!と叫ぶ物かと思ったらそんなことなかったんだなー
7.紅魔レヴォリューション削除
1>
もうそんなになってたんだなぁ。
次も出来るだけ早く投稿したいですねぇ。
2>
ざんねんながら このしょうせつは けんぜんです。
つーことで下手したらR指定モノの戦闘シーンはございません。
有ったとしても(キ○グクリムゾンッ)となります。
3>
旋風を巻き起こした気は無いんですけどねwwww
カオスなのは何時もの事です。
4>
ただいま戻りました。
その応援が励みになります。
ただ、定期投稿は出来そうにないので不定期に書きあがったら投稿になるかな??
5>
お久しぶりです書いていて此方もガリガリ削られました。
尚、私が東方で書く以上はカオスになります。
6>
叫ぶのは別のでしたね。
何言わせようか悩んだ結果、こうなりました。
8.siro削除
相変わらずの切れ味でした。面白かったです。