※注
この作品は少し下の方にある「うし」の続きです。
そちらを先に読んで頂けるとアリスの可愛さが倍増します。
「暑いぜ暑いぜ暑くて死ぬぜ~~~」
鬱蒼と茂った木々の隙間からは蝉たちの大合唱。
木々のお陰で太陽の光は遮られているものの、この湿気ばかりは如何ともし難い。
此処は魔法の森霧雨魔法店。
今日も今日とて依頼人は現れない。
魔法店の主こと霧雨魔理沙は団扇を片手にぐんにょりしていた。
「ふむ。仕方がない。トラブルが来ないならこちらから行くまでだ」
神社にでも行けばきっと何かがあるはずだ。
面白いことは霊夢より先に解決してしまえばいい。
ああ、なんて忙しいんだ――。
そう思い椅子から腰を上げようとすると乱暴にドアが開けられた。
「魔理沙ぁ~~~…!!!」
そこには顔面赤一色にしたお隣さん、七色の人形遣いことアリス・マーガトロイドが立っていた。
私は日頃の行いがいいらしい。
ほら、退屈凌ぎがあちらからやってきた。
「どうしたアリス?七色は辞めて紅色の人形遣いにでも改名したのか?
それなら此処より紅魔館にでも行くことをお勧めするぜ」
「生憎と改名の予定は無いわね。
それより魔理沙、あんたまた私に適当なことを言ったでしょう?
お陰で恥かいちゃったじゃないの!」
「思い当たる節が多すぎてなんのことやら分かりませんわ♪」
仰々しくスカートに手を添えてそんなことを言ってやる。
「うしの日には牛の肉を食べる風習があるって言ったじゃない!
霊夢に聞いたわ、うしの日は一般的には鰻を食べるんだって」
ああ、そんなこともあったか…。
確かその日は氷精にもそんなことを言ったっけ…。
その時はご丁寧に寺子屋に行くよう付け足しておいた。
あいつのことだ、何かしでかしてくれるだろう。
しかし… アリスにまでそんなことを言ってたのか、私は。
正直、まったく憶えていない。
「でもなぁアリス、丑の日ってのは元々“う”のつく食べ物を…
「問答無用!表に出なさい、魔理沙。久しぶりに遊んであげるわ!」
紅色の人形遣いは人の言葉を遮り、親指をくい、とドアの外へと向けた。
都会派らしからぬ行為である。こりゃ面白くなってきた。
「受けて立つぜ、アリス。遊ばれるのはお前の方だがな!」
数刻後――――。
お気に入りの一張羅をボロボロにされて見上げれば得意満面の人形遣い。
「私の勝ちね」
くそう、晴れ晴れした顔しやがって…
「はいはい、今回は私の負けだ。
それにしてもお前、弾幕はブレインだなんて言っておきながら今日は随分と力押しじゃないか。
ようやく弾幕はパワーだと認める気になったか?」
「冗談、今日は特別よ。力押しだなんて美しくないもの」
私をブチのめして気が晴れたらしい。すっかり機嫌が良くなっている。
こいつって何だかんだで現金だよな…。
それにしても…
「あ~~ 運動したら腹減った!! どうだ、アリス、勝者に夕飯をご馳走してやろう。
お代は卵でいいぜ、どうする?」
「それって結局、食材私持ちじゃないの…」
「遅かったわね、準備出来てるわよ」
卵片手に博麗神社を訪れた私を出迎えたのは霊夢のそんな言葉。
「遅かったって…」
ふと卓袱台の上を見れば、真ん中には鍋。
周りにはお箸やお皿が三人分用意されている。もちろんお酒もぬかりなし。
「今夜はスキヤキよ!」
「な?卵持って来て正解だったろ」
霊夢と魔理沙が笑いながら言う。
まったくこいつらと来たら…
「魔理沙はお肉禁止よ!」
ありったけの笑顔で言ってやった。
この作品は少し下の方にある「うし」の続きです。
そちらを先に読んで頂けるとアリスの可愛さが倍増します。
「暑いぜ暑いぜ暑くて死ぬぜ~~~」
鬱蒼と茂った木々の隙間からは蝉たちの大合唱。
木々のお陰で太陽の光は遮られているものの、この湿気ばかりは如何ともし難い。
此処は魔法の森霧雨魔法店。
今日も今日とて依頼人は現れない。
魔法店の主こと霧雨魔理沙は団扇を片手にぐんにょりしていた。
「ふむ。仕方がない。トラブルが来ないならこちらから行くまでだ」
神社にでも行けばきっと何かがあるはずだ。
面白いことは霊夢より先に解決してしまえばいい。
ああ、なんて忙しいんだ――。
そう思い椅子から腰を上げようとすると乱暴にドアが開けられた。
「魔理沙ぁ~~~…!!!」
そこには顔面赤一色にしたお隣さん、七色の人形遣いことアリス・マーガトロイドが立っていた。
私は日頃の行いがいいらしい。
ほら、退屈凌ぎがあちらからやってきた。
「どうしたアリス?七色は辞めて紅色の人形遣いにでも改名したのか?
それなら此処より紅魔館にでも行くことをお勧めするぜ」
「生憎と改名の予定は無いわね。
それより魔理沙、あんたまた私に適当なことを言ったでしょう?
お陰で恥かいちゃったじゃないの!」
「思い当たる節が多すぎてなんのことやら分かりませんわ♪」
仰々しくスカートに手を添えてそんなことを言ってやる。
「うしの日には牛の肉を食べる風習があるって言ったじゃない!
霊夢に聞いたわ、うしの日は一般的には鰻を食べるんだって」
ああ、そんなこともあったか…。
確かその日は氷精にもそんなことを言ったっけ…。
その時はご丁寧に寺子屋に行くよう付け足しておいた。
あいつのことだ、何かしでかしてくれるだろう。
しかし… アリスにまでそんなことを言ってたのか、私は。
正直、まったく憶えていない。
「でもなぁアリス、丑の日ってのは元々“う”のつく食べ物を…
「問答無用!表に出なさい、魔理沙。久しぶりに遊んであげるわ!」
紅色の人形遣いは人の言葉を遮り、親指をくい、とドアの外へと向けた。
都会派らしからぬ行為である。こりゃ面白くなってきた。
「受けて立つぜ、アリス。遊ばれるのはお前の方だがな!」
数刻後――――。
お気に入りの一張羅をボロボロにされて見上げれば得意満面の人形遣い。
「私の勝ちね」
くそう、晴れ晴れした顔しやがって…
「はいはい、今回は私の負けだ。
それにしてもお前、弾幕はブレインだなんて言っておきながら今日は随分と力押しじゃないか。
ようやく弾幕はパワーだと認める気になったか?」
「冗談、今日は特別よ。力押しだなんて美しくないもの」
私をブチのめして気が晴れたらしい。すっかり機嫌が良くなっている。
こいつって何だかんだで現金だよな…。
それにしても…
「あ~~ 運動したら腹減った!! どうだ、アリス、勝者に夕飯をご馳走してやろう。
お代は卵でいいぜ、どうする?」
「それって結局、食材私持ちじゃないの…」
「遅かったわね、準備出来てるわよ」
卵片手に博麗神社を訪れた私を出迎えたのは霊夢のそんな言葉。
「遅かったって…」
ふと卓袱台の上を見れば、真ん中には鍋。
周りにはお箸やお皿が三人分用意されている。もちろんお酒もぬかりなし。
「今夜はスキヤキよ!」
「な?卵持って来て正解だったろ」
霊夢と魔理沙が笑いながら言う。
まったくこいつらと来たら…
「魔理沙はお肉禁止よ!」
ありったけの笑顔で言ってやった。
この3人はずっと仲良くしてればいいよ!!
この三人も良いなぁ
上等だ、ちょっと卵としらたき買ってくる。