Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

『道化』が『彼女』を『毒』で心臓を貫くまで

2010/07/27 14:31:33
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 相手は化け物だった

 力や技は此方の方が圧倒的に上のはずなのに

 此方の攻撃は全て避けられ

 逆に此方への攻撃は避ける事が出来なかった


 
 これで私が人間だったら仕方がない

 相手が同じ人間でも化け物と呼んで諦める事もできるし

 妖怪だったらそれこそ諦めも着く

 だが、私は妖怪なのだ……

 それも目の前の相手よりも遥かに長生きをしている

 そして、目の前にいる相手は人間 



 妖怪が人間に負ける……

 そのうえ、その人間が私の主と戦って生き残り

 私よりも上の立場として扱われる事になった

 長らくの間生きてきたが

 これほどの屈辱を受けた事は今までに一度も無かった




 その時からだろう、私が『彼女』を殺そうと思ったのは




 それから私は『彼女』の前で『道化』を装う事にして

 妖怪の最大の武器である『長き時間』を使い

 少しづつ少しづつ『毒』を吸わせていった

 周りの者にも気づかれないような弱い

 それで居て、決して抜ける事の無いような『毒』を

 その事に気が付かないまま『彼女』は毒を体に溜めていった



 もう十分に『毒』が『彼女』の体に溜まって居る事を確認すると

 私は演じてきた『道化』の幅を少し広げ

『彼女』に対して一撃でトドメをさすタイミングを見計らう事にした

『道化』である私に対して『彼女』はため息とほんの少しの怒りで答えてくる

 この場でも十分に『彼女』に致命的な一撃を与える事が出来る

 だが、それが完全に与える事はまだ五分五分

 だから、もう暫くの間『道化』を続けることにした



『道化』を続けて暫くして『彼女』が私が『道化』をしている際の『癖』を掴んだ

 これで『彼女』に対して致命的な一撃を与える確率が少し増えた

 だが、それでもまだ足りない……
 
 完璧とまでは行かないが、もう少しだけ……なにか切欠が欲しい

 そして、その切欠になるものが出来た

『道化』をしている私の傍に何時もやってきていた子供

 その子供を人質として使う事に決めたのだ

 

 そして、その時は遂にやってきた

 何時もの様に門の前で『道化』をしている私に

 子供達がやってきていた

 それを知りながら、私はひたすら目を閉じて『道化』を演じていた

(あと少し)

 もう少しすれば『毒』によって弱くなった『彼女』がやってくる

(……来た)

 目を閉じても長年生きてきた私の癖が近くにやってきている『彼女』の気配を感じていた

(落ち着け……)

 自分の中で生まれる邪な気持ちを深い呼吸で落ち着ける

(全ては……)

 そして『彼女』が現れる

 私は息を潜めると、そっと『道化』を続ける

 そして『道化』を続ける私に対して『彼女』が『何時もの様に』ため息を付くと

(全ては)

 そして『何時もの様に』行われる『癖』が私に向かう

 その瞬間、私は閉じていた目を開くと

 私に向かってきた『癖』を寸分の狂いも無く指で受け止める

(全ては!)

 その事に驚いた『彼女』に一瞬の隙が出来る

 その一瞬の隙に、私が長い年月かけて吸わせた『毒』を発動させる

    

(この一瞬の為に!)



 驚く『彼女』の前に私が真剣な顔で真正面に立つと

『彼女』の心臓を貫く為に長年尖らせた

 避ける事の出来ない一撃を叩き込んだ

















「咲夜さん嫌いです」




 











「なるほど、どうりで咲夜が『め、美鈴に嫌われた~!うぇ~ん』って泣いていた訳ね」
「いや、まさかこんなに効き目があるとは思ってなかったんですよ」

 事の一部始終を聞いたレミリアがため息をついて美鈴に声をかけた 

「で?どうするの美鈴?咲夜が泣きながら部屋に籠もって一週間になるわよ?」
「……ちょっと謝ってきますね」

 紅魔館の運営が動かなくなって実質一週間目であった
 流石にこれは一大事と判断したレミリアが
 美鈴に謝りにいく様に命じた
  


  
『それから丸一日、美鈴の吸わせた長年の『毒』によって弱くなった咲夜が
 美鈴に甘えることになったのだが
 紅魔館が動くようになったので私は気にしない(レミリア談)』 
『最大の失敗は……咲夜さん(彼女)に吸わせた愛情(毒)が
 私自身(道化)にも強く染込んでしまった事である
 まあ、心臓を貫く事(ハートブレイク)は成功したみたいですけどね』

(膝の上に泣き疲れた咲夜を乗せて髪を撫でる美鈴談)



 どうも、名も無き脇役です……

 普段優しく笑ってくれる人に真顔で『嫌い』なんて言われると
 心の底からきついですよね

 想像してみるといいさ『自分の嫁』に『嫌い』って言われる……風景……を…… ぐふっ!?
名も無き脇役
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
その『自分の嫁』っていうのはきっとリアルの話ではないんですね
ところで私は嫌われて、嫌がられて、でも屈服させる性質なんですよ
想像してもなんとも無い、どころか「さて如何してくれよう」と興奮します
2.削除
人を好きになった事が無いからよく分かんない!
でも何か凄い怖いって事は分かった!
まぁそれはともかく脇役様だぁい!
3.kou of kimagure削除
タイトルから途中まで咲夜に殺意を抱く美鈴かと思った。

完全にだまされたよコンチクショー
4.奇声を発する程度の能力削除
騙されましたwww
5.名前が無い程度の能力削除
読者想像中・・・
あれ、目から水が・・・

どちらの風景もきついですね・・・w
6.名前が無い程度の能力削除
これは好い。
7.名前が無い程度の能力削除
………ぐふぅ!!
8.名前が無い程度の能力削除
美鈴に面と向かって嫌いって言われたらどんな人でも落ち込むと思うんだ……
9.名前が無い程度の能力削除
読者想像してみる……

蓬莱人形のものまねをしようとしていた……orz
10.シャイニングローズ削除
脇役さん、いろんな作品を書いててすごいですね!