「じゃあお姉ちゃーん、いってきまーす」
お気に入りの帽子を整えながら、地獄のラブリービジターこと古明地こいしが姉に出発の旨を告げる。
「はいはい、気をつけていってらっしゃい。楽しんできなさいな」
「うん!」
姉に見送られ、元気一杯にこいしは地霊殿を飛び出した。
微笑を浮かべてその様子を見ていた姉のさとりだったが、その後姿が見えなくなると顔を曇らす。
「……はぁー……」
妹が向かったのは地上の宴会。自分の能力を疎むような人妖は昔と違いほとんどいないだろうが、長年引きこもってきた身で外に出る気力があまり湧かなかった。
そんな彼女にペット兼部下…部下兼ペットだっけ? 火焔猫燐が声をかける。
彼女は友人、霊烏路空とさとりに今夜は付き合うことに決めていたのだ。
「そんな顔しないでくださいよさとり様。今日は御供しますから」
「お燐? 貴女達も上の宴会に行けばいいのに……っ! …ありがとう」
自分に気遣いなどせず地上の人妖と交流してきてほしかったさとりだったが、お燐の「さとり様が大好きなんですよ」という想いを読み取り、好意を素直に受け取ることにした。
「飲みまっしょーい!」
お空が酒瓶を携え元気一杯に叫ぶ。
「ええ、そうですね」
笑顔で頷いた。
数時間後
「うえぇーーーん! こいし~、どこにいるんですかぁ~!? ひっく」
決して飲むペースが速かったわけでないさとりだが、摂取量が時間ごとに増えていった結果、ものの見事に泣き上戸と化した。
ちなみにお空はスピリタス(度数96%)を飲もうとして自らの神の火でイカロスになった。
「あーあーさとり様ー泣かないでくださいよー」
「でもでも~、こいしがどこにもいないんですぅ~」
顔を酒で赤くしながらも上司を宥めるお燐。そんな彼女に大粒の涙を零しながら縋るさとり。
内心で超可愛いとか思ってるお燐だった。そんなんでも表面上しっかり応対する。
「こいし様なら地上にいますって」
「ちじょうってどこですかー!?」
(うわだめだこれー!!)
帰ってきた答えは予想の斜め上だった。
「はっ!? もしかして、一人きりで泣いてたりしてるんじゃ」
急に『その時彼女に電流走る!』みたいな表情で妄想を走らせる。
「それは絶対にないです」
一瞬の隙もなく断言。地上にはこいしが最近お気に入りの人間達がいることだし間違いないだろう。
「本当にー? 本当ですかー!?」
「ええ本当です! さぁさぁ、歌でも歌って気分一新しましょう!」
自信たっぷりなお燐に感化されたのか、さとりも泣くのをやめた。
そしてマイクを構える。
「……わかりました! 今はここにいないこいしにこの歌を捧げます!」
「(ほっ…)いえ~い!」
泣き止んださとりに安堵し、ノッて上司を煽るお燐。
「ではいきます! せーの……」
息を吸い込み、歌い出す。
「お日さーまが、沈むーのにー、かーえーらなーいー」
「暗っ!? くちゃくちゃ暗っ!?」
少なくとも、宴会の席で場を盛り上げる歌ではなかった。
お燐がドン引きするのにも構わず、ノリノリで歌い続ける。
「どうしーよう、困ーったわー、野ー原にー1人ーきーりー」
(うう……暗いよぉ~。こいし様早く帰ってきてぇ!)
歌詞や曲調の重さに、お燐のライフはグレイズ音のごとくガリガリと削られていった。
「帰ーってきてー、お願いだからー! わたしーのだーいじーな妹ぉー」
「…………ぉぉぉぉ」
「?」
曲が終わりにさしかかってきた頃、もはや虫の息だったお燐の耳に誰かの声が遠くから聞こえた。
聞いたことのある声、だとはわかったが、『誰の』声だったかを思い出すにはもうHPが足りなかった。
「どこかしらー……どこかしらー……ふぅっ!」
「誰が『迷子』だこのシスコン姉えぇぇぇ!!!」
「メイヂャンッ!!?」
歌い終わったさとりのどや顔に、帰ってきたこいしの飛び膝蹴りがクリティカルヒット。
気味の悪い悲鳴とともに、さとりは地霊殿の星になった。
その様子を見ていたお燐は「グッジョブ」と呟くと同時に意識を失った。
それ以後、こいしのいない状況での酒盛りは地霊殿で禁止になったとかならないとか。
お気に入りの帽子を整えながら、地獄のラブリービジターこと古明地こいしが姉に出発の旨を告げる。
「はいはい、気をつけていってらっしゃい。楽しんできなさいな」
「うん!」
姉に見送られ、元気一杯にこいしは地霊殿を飛び出した。
微笑を浮かべてその様子を見ていた姉のさとりだったが、その後姿が見えなくなると顔を曇らす。
「……はぁー……」
妹が向かったのは地上の宴会。自分の能力を疎むような人妖は昔と違いほとんどいないだろうが、長年引きこもってきた身で外に出る気力があまり湧かなかった。
そんな彼女にペット兼部下…部下兼ペットだっけ? 火焔猫燐が声をかける。
彼女は友人、霊烏路空とさとりに今夜は付き合うことに決めていたのだ。
「そんな顔しないでくださいよさとり様。今日は御供しますから」
「お燐? 貴女達も上の宴会に行けばいいのに……っ! …ありがとう」
自分に気遣いなどせず地上の人妖と交流してきてほしかったさとりだったが、お燐の「さとり様が大好きなんですよ」という想いを読み取り、好意を素直に受け取ることにした。
「飲みまっしょーい!」
お空が酒瓶を携え元気一杯に叫ぶ。
「ええ、そうですね」
笑顔で頷いた。
数時間後
「うえぇーーーん! こいし~、どこにいるんですかぁ~!? ひっく」
決して飲むペースが速かったわけでないさとりだが、摂取量が時間ごとに増えていった結果、ものの見事に泣き上戸と化した。
ちなみにお空はスピリタス(度数96%)を飲もうとして自らの神の火でイカロスになった。
「あーあーさとり様ー泣かないでくださいよー」
「でもでも~、こいしがどこにもいないんですぅ~」
顔を酒で赤くしながらも上司を宥めるお燐。そんな彼女に大粒の涙を零しながら縋るさとり。
内心で超可愛いとか思ってるお燐だった。そんなんでも表面上しっかり応対する。
「こいし様なら地上にいますって」
「ちじょうってどこですかー!?」
(うわだめだこれー!!)
帰ってきた答えは予想の斜め上だった。
「はっ!? もしかして、一人きりで泣いてたりしてるんじゃ」
急に『その時彼女に電流走る!』みたいな表情で妄想を走らせる。
「それは絶対にないです」
一瞬の隙もなく断言。地上にはこいしが最近お気に入りの人間達がいることだし間違いないだろう。
「本当にー? 本当ですかー!?」
「ええ本当です! さぁさぁ、歌でも歌って気分一新しましょう!」
自信たっぷりなお燐に感化されたのか、さとりも泣くのをやめた。
そしてマイクを構える。
「……わかりました! 今はここにいないこいしにこの歌を捧げます!」
「(ほっ…)いえ~い!」
泣き止んださとりに安堵し、ノッて上司を煽るお燐。
「ではいきます! せーの……」
息を吸い込み、歌い出す。
「お日さーまが、沈むーのにー、かーえーらなーいー」
「暗っ!? くちゃくちゃ暗っ!?」
少なくとも、宴会の席で場を盛り上げる歌ではなかった。
お燐がドン引きするのにも構わず、ノリノリで歌い続ける。
「どうしーよう、困ーったわー、野ー原にー1人ーきーりー」
(うう……暗いよぉ~。こいし様早く帰ってきてぇ!)
歌詞や曲調の重さに、お燐のライフはグレイズ音のごとくガリガリと削られていった。
「帰ーってきてー、お願いだからー! わたしーのだーいじーな妹ぉー」
「…………ぉぉぉぉ」
「?」
曲が終わりにさしかかってきた頃、もはや虫の息だったお燐の耳に誰かの声が遠くから聞こえた。
聞いたことのある声、だとはわかったが、『誰の』声だったかを思い出すにはもうHPが足りなかった。
「どこかしらー……どこかしらー……ふぅっ!」
「誰が『迷子』だこのシスコン姉えぇぇぇ!!!」
「メイヂャンッ!!?」
歌い終わったさとりのどや顔に、帰ってきたこいしの飛び膝蹴りがクリティカルヒット。
気味の悪い悲鳴とともに、さとりは地霊殿の星になった。
その様子を見ていたお燐は「グッジョブ」と呟くと同時に意識を失った。
それ以後、こいしのいない状況での酒盛りは地霊殿で禁止になったとかならないとか。
何かこういう酔い方好きですw
こいしのキャラソンがさんぽ、凄い同意ですw
吹きましたww
誤字かもしれないですが、直さないでほしいですww
さとり様はかわいいなぁ…
真面目な人ほど、酔わせたい