Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

無題で良いよね

2010/07/25 20:14:09
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灼熱の太陽、威勢良く立ち上る入道雲、そして隣には湯気が立ち上る湯呑み、私、博麗霊夢は至高の極みにいた

「なんだか『カンシャノキワミ、アッー』って叫びたくなるわ」

湯呑みをさすりながら呟いた、しかし、遙か彼方の上空に不吉な黒い影が見え隠れしていたのをその時の私は知らなかった

「ほんっとに、平和は良いわね、最高、お茶があって、雨露しのげる家があるっt…」

しかし、私のささやかな幸せは打ち砕かれた、それは唐突に

「霊夢、邪魔するわよ」

そこにいたのは紅魔館のメイド、十六夜咲夜だった

「あら、一人?」

「えぇ、今日は、相談に来たの」

いつもとは雰囲気が違う咲夜を見てただ事ではないと察した


「お茶で良いわね」

「ごめんなさいね、せっかくの休日を」

やっぱりおかしい、言葉に嫌みが含まれていない、湯呑みにお茶を注ぎつつ私は問うた

「何があったの?」

「…美鈴のこと」

「ひょっとして、首にするとか?」

「違うわよ、その、霊夢は誰かに告白されたこととか、ある?」

「はぁ?」


咲夜は語り出した、事の起こりは先週、夜遅くに美鈴が咲夜の部屋に来たそうだ

『…あの、咲夜さん、起きてます?』

『私はあなたに向かって閉ざすドアを付けた覚えはないわ、どうぞ』

『失礼します』

『どうしたの?』

『あ、あの咲夜さん』

『何?』

美鈴は数回深呼吸をしてから用件を述べたそうだ

『咲夜さん、好きです』

咲夜は彼女が言い放った言葉は簡潔にして複雑、と言っていた

『…冗談は止めてくれるかしら?』

『冗談じゃありません、貴女のことを愛しています、冗談でこんな事は言えません』

『……』

冗談でないことは分かっていた、美鈴の目を見れば分かる、咲夜はそう言った


「…で、あんたは美鈴のことが嫌いなの?」

私は咲夜に問いただした

「嫌いだなんて、そんな分けないじゃない、私だって美鈴は好きよ、愛しているつもり、でも」

「でも、何?」

「…あの子は妖怪、私は人間、寿命に差がありすぎる」

「つまりはあんたが先に死ぬかもしれないって事?」

「それもある、私たち人間は永く生きてせいぜい百年が限度、それでも妖怪はいつまでも生き続けていく、いつか、美鈴の記憶から私が風化していくのが、怖いの」

「それはないんじゃない?他の妖怪は知らないけどあの子、美鈴なら貴女のことを忘れないんじゃない?」

「それだけではないわ、あの子は門番、あの館で最も死に近い役目、私は、彼女を、死んだ彼女を見送ることだけはしたくない、だから…」

「だから答えられない、答えたくない、馬鹿じゃないの?」

私は率直な意見を咲夜に述べた

「……」

「あんた美鈴のことが好きなんでしょ?だったらその思いに答えてあげなさいよ、なんで逃げることしか考えないの?」

咲夜は黙ったままだった、しかし私は言葉を繋げた

「妖怪だから、人間だから、あんたらしくないわね、関係ないじゃない、好きだったら好きって、ちゃんと伝えなさいよ、そうやって逃げてばっかだと伝えたいのに伝える前に死ぬかもしれないわよ」

咲夜はやっと口を開いた、もう吹っ切れたようだった

「…ごめんなさい、霊夢、確かに私らしくなかったわ」

「ごめんなさいは私に言うことではないわ、美鈴に答えてきてあげなさい」

「…わかった、貴女に相談して良かったわ」

そう言い残すと咲夜は館の方へ飛び去っていった、勿論美鈴に返答をするためだろう

「疲れたわ、あぁ眠い」

そう言って私は夕暮れさしかかった縁側で遅い昼寝をするのだった
夜遅く、私は美鈴の部屋の前にいた
「…美鈴、居るかしら」
「えぇ、居ますよ、どうぞ」
そこには、普段と変わらない美鈴がいた、笑顔で
「どうしたんです?こんな時間に」
「このまえの答え、かえしに来たわ」
「……」
美鈴は黙っていたままだった、しかし私はそんなことお構いなしに言ってのけた
「美鈴、私も貴女のこと、好きよ」
「…その言葉を、待っていましたよ、ありがとう」
そう言って美鈴は私を抱きしめた、とても、暖かかった
「咲夜、愛してますよ」
「…私も」
紅き悪魔が住まう館の夜は、更けて行く

最初は壊れ物を作ろうとしたんだが、どうしてこうなった
最近駄目だ、山でも行きたい、樹海でもいいや
投げ槍
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
今回は本当に平和なまま終わりましたねw
2.奇声を発する程度の能力削除
とても良かったです!
いや、樹海には逝かないでw
3.削除
樹海には行かないで!
貴方の作品楽しみなんだから!
4.ak削除
台詞中の読点が多くて読みにくいところもありましたが、ストレートな物言いの霊夢の言葉には感動しました。
何だかんだ言って彼女は相談役が似合うのですねぇ