「へへん! れーむ、勝負だ! アンタの弾なんかあたいの冷気で凍らせてやるんだから!」
「……ったく、私も暇じゃないんだけど。けどまぁそうまで突っかかるのなら、お望みどおり退治
してやろうじゃない!」
途端、弾幕勝負の場となる博麗神社。氷精チルノは自信たっぷりに腰に手を当て不敵な笑み。
対する博麗霊夢は真剣、というか幾分むすっとした表情で幣串を右手で握り締め左手に破魔札。
一陣の風が巻き起こり、それが開始の合図。
「これでも食らいなさい!」
滾る霊力は一瞬で札へと宿り、風を切り裂いて一直線の”妖怪バスター”。そこ目掛けてチルノの
ひとさし指が伸び、迸るのは凄まじい冷気。
「凍りついちゃえ!」
「なっ!?」
チルノの言葉通り、一瞬で札がカチコチに凍りつく――
――その勢いをまったく殺さぬままで。
刹那、かすっ、と乾いた音が境内に響いた。
「あ」
「あ」
氷結することによって硬度を増しに増した札は、一つの紙の刃となって面白い角度でチルノの
額に突き立った。
ふたりの間を、風が空しく吹き抜ける。時は、無情に通り過ぎようとする。
「れーむ」
「……え、あ。な、何?」
己の能力によって凍りついた空気のなか、チルノが口を開いた。
「ばいばい」
ぴちゅん、と音を立ててチルノがその場から消える。被弾したから、とかダメージが深刻だった
から、でなく明らかに居た堪れなくなって、だと霊夢は勘付いた。
「……またね」
先までチルノが立っていたそこに向かい、目に焼きついた残像のチルノに別れを告げる霊夢。
ふっ、と小さく息を吐いて歩み出し、落ちた札を拾う。ひんやりと湿ったそれを眺めながら、今度
会ったら少し優しくしてやってもいいかな、と思う霊夢。どうせしばらくすれば復活してここに来る
だろうとなんとなく思い、水羊羹でも用意して待ってあげようか、とチルノの髪の色、青い空へと
顔を上げるのであった。
「……ったく、私も暇じゃないんだけど。けどまぁそうまで突っかかるのなら、お望みどおり退治
してやろうじゃない!」
途端、弾幕勝負の場となる博麗神社。氷精チルノは自信たっぷりに腰に手を当て不敵な笑み。
対する博麗霊夢は真剣、というか幾分むすっとした表情で幣串を右手で握り締め左手に破魔札。
一陣の風が巻き起こり、それが開始の合図。
「これでも食らいなさい!」
滾る霊力は一瞬で札へと宿り、風を切り裂いて一直線の”妖怪バスター”。そこ目掛けてチルノの
ひとさし指が伸び、迸るのは凄まじい冷気。
「凍りついちゃえ!」
「なっ!?」
チルノの言葉通り、一瞬で札がカチコチに凍りつく――
――その勢いをまったく殺さぬままで。
刹那、かすっ、と乾いた音が境内に響いた。
「あ」
「あ」
氷結することによって硬度を増しに増した札は、一つの紙の刃となって面白い角度でチルノの
額に突き立った。
ふたりの間を、風が空しく吹き抜ける。時は、無情に通り過ぎようとする。
「れーむ」
「……え、あ。な、何?」
己の能力によって凍りついた空気のなか、チルノが口を開いた。
「ばいばい」
ぴちゅん、と音を立ててチルノがその場から消える。被弾したから、とかダメージが深刻だった
から、でなく明らかに居た堪れなくなって、だと霊夢は勘付いた。
「……またね」
先までチルノが立っていたそこに向かい、目に焼きついた残像のチルノに別れを告げる霊夢。
ふっ、と小さく息を吐いて歩み出し、落ちた札を拾う。ひんやりと湿ったそれを眺めながら、今度
会ったら少し優しくしてやってもいいかな、と思う霊夢。どうせしばらくすれば復活してここに来る
だろうとなんとなく思い、水羊羹でも用意して待ってあげようか、とチルノの髪の色、青い空へと
顔を上げるのであった。
よく飛んでくる弓矢を剣で払ったりするけどあれもちょっと軌道が逸れるだけで刺さるよねとかいつも思ってた。
分子の速度を自在に落とすことのできるチルノなら、マクロスケールへの応用だってきっとやってくれるでしょう。
止まった弾がその場に留まる理由はわしにも分からん……
チルノはわしが育てまちがえた。
お知らせ:新作の発表は根本的な問題により延期します