Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

ある暑い日の物語

2010/07/09 22:12:12
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「暑い」
「暑いわねぇ」


 2人が呟いたのはほぼ同タイミングだった。
 ここは白玉楼の縁側。ただいま半人半霊の庭師、魂魄妖夢とその主の西行寺幽々子が休憩中。とはいっても、2人は起きてから朝ご飯も食べず、そのまま縁側で茶を飲んでいただだけなのだが。

「ねぇ妖夢」
「なんでごじゃいましょうか」

 なんか妖夢が変な言葉を言っているが、きっと暑さで脳が茹だっているのだろう。

「ご飯まだかしら?作ってくれると嬉しいんだけど」
「いやです!いやです!暑い、暑い、饅頭怖い!」

 
 凄まじい勢いで拒否する妖夢。なんかおかしい。

「ご飯食べないと死んじゃうわよ!」
「あなたはもう、死んでいる」


「ぐッ!・・・仕方ないわね。ならば・・・」
「勝負ですか。・・・・・・分かりました」



 それから約一分後、白玉楼の庭には3メートルほど離れてお互いをにらみ合う2人の姿があった。



「幽々子さま、あなたとは戦いたくない」
「それは、私とて同じこと。だが!私はあなたを倒さねばならない!」

「南斗みょ破幽!」
「北斗幽撃みょん!」

 攻撃に備えた妖夢に幽々子の攻撃が当り、妖夢が反撃に近い形で攻撃する。
 いつもならここで相打ちになるはずだが、この日は暑さの所為か幽々子は足に力が入らず、妖夢のほうに倒れこむようにこけてしまった。
 こける目の前に妖夢がいたので、胸の辺りに抱きつくような感じで倒れ掛かかった。                                                                                       
ガシッ

 という音と共に、妖夢の胸から顔を上げてみると、真っ赤になった妖夢の顔があった。(もちろん抱きついたまま) 
 しかし、妖夢は赤い顔のまま、ぼーっとした目で、幽々子を見つめていた。

「妖夢?(なんかおかしいわねぇ)」 
「あっあのっ幽々子さまっそのっ!す、すす好きですッ!」
 

 その瞬間、幽々子の背中に妖夢の腕が回った。                                

 (えぇー!何この展開?こけた彼女を抱きしめる、みたいなイベントですかぁ!?しかも今日の妖夢暑さでおかしくなってるし!なんか大胆になってるし!す、好きってつまりそーゆう事よね?ね?我が世の春が来たぁ~!!って、あら?)


 幽々子が心の中で歓喜していると、抱きついてきた妖夢の腕の力がフッと抜け、幽々子に体をもたれかけ、気を失っていた。

「妖夢!ねぇ妖夢!しっかり!」





―――白玉楼・寝室



 妖夢は気を失った後、丁度訪れた八雲紫の式、藍に応急処置をしてもらい、この部屋に寝かされている。


 隣の部屋では、


「妖夢、大丈夫かしら?」                                                     
「おそらく疲れすぎでしょう。この暑さでそれが一気に来たとか」

「最近忙しかったからかしら。ところで、藍ちゃんお昼ごはんは食べたかしら?」
「いえ、食べていませんが」
「そうなの?じゃあ少し待ってて」

 幽々子はふわりと立ち上がると、台所の方へ向かっていった。
一人部屋に残された藍は、幽々子様はきっとすごく心配なんだろうな、などと考えていた。


 そういえば橙は大丈夫だろうか?と考え始めた頃、お盆に一切れのスイカをのせた幽々子がやってきた。

「おまたせ。どうぞ」
「えっ!あ、ありがとうございます。」

 藍がスイカを少しかじると、口の中に果物の甘さが広がる。と同時に頭の隅に小さな疑問が浮かんだ。

「おいしいですねぇ、このスイカ。ところですごい冷えているんですが、これは?」
「紫が外の世界で(冷蔵庫)と呼ばれるものを持ってきてくれたのよ」 
「なるほど。しかし電気がなければ動かないのでは?」
「電気はね、193電気からお金を払って送ってもらっているの」
「あぁ。なるほど」

納得したようだ。


☆  ☆  ☆


 しばらくして、用事を終えた藍が帰ってから、幽々子は妖夢の様子を見に行くことにした。
  
   

 妖夢が寝ている部屋の襖をそっとあけると、妖夢が寝息を立てていた。
起こさないように静かに妖夢の隣に腰を下ろし、妖夢の顔を見て、


最近無理させすぎちゃったかしらねぇ、と改めて反省した。               

 


 少ししてから再び妖夢の顔を見ると、先ほどと変わらぬ顔で眠っている。きっと明日には元気になってくれるだろう。
  
 色々な事を考えながら、特に気になった事を思い出す。


「好きです、ねぇ。あれは妖夢の本音だったのかしら?」

「あとで本人に聞いてみましょうかねぇ。スイカでも食べながら。反応が楽しみだわぁ」 
 
 

 妖夢を起こさぬように静かに立ち上がり、隣の部屋へ出て行く。


部屋を出る際に、幽々子は小さく呟いた。



「私は、あなたのことが大好きよ」
                  

 


 ある暑い日の物語。
 初めまして。タケノコ社長です。SSなんかは初めてで、文章は苦手ですが、やってしまった。思いつきでやったので、なんかおかしくなってしまいました。    初めてなんで誤字などがあるかもしれません。
 最後に、読んでいただき、ありがとうございました。 
タケノコ社長
コメント



1.奇声を発する程度の能力削除
193電気ってwwwww
2.名前が無い程度の能力削除
ぐっ…。こんな暑いのにさらに暑くなるような話を持ってくるとは…。
193電気ってwww河童の商売仇かwww
3.名前が無い程度の能力削除
空気の読める人なにしてるんですかwww
4.時間を戻す程度の能力削除
19さんは何でこんなことしてんのか……
5.時間を戻す程度の能力削除
19さんは何でこんなことしてんのか……