早苗は、あの人の事を想っていた。
何時も、緑色の炭酸水を持ってくる、あの人を。
白と黒の、魔法を放つ、箒に乗って来る少女を。
何時もいつも、想っていた。
「よーっす、早苗」
想っていたそばから、本人が来た。
「ああ、魔理沙さん。また来てくれたの?」
「おう。また持ってきたからさ、冷やして飲もうぜ」
「そうしたいけど、まだ境内の掃除が終わってないから、待っててくれる?」
「おう、私なんかでよければいつでも待つぜ」
冗談だが、早苗の心には、かなり来る言葉だった。
心がふわふわとなり、体も軽くなる。
来てくれるだけで、普段より二倍も三倍も早く、掃除が終わる。
しかし、その言葉を聞いて、五倍の早さで掃除を終わらせる。
「じゃ、川まで行こうぜ」
そう言って、早苗の手を引いて、飛ぶ。
早苗の顔は、真っ赤に染まっている。
大好きな、大好きな人の箒の後ろに、乗る。
「飛ばすけど大丈夫か?」
「ぜ、全然平気です!」
「よっし、じゃあいくぜ!」
そう言って魔理沙は、早苗の大好きな魔理沙は、箒をフルスピードで飛ばす。
☆
魔理沙は、ある人を想っていた。
何時も箒を持って、掃除をしているあの人を。
緑髪の、青い巫女服の、少女の事を。
いつも何時も、想っていた。
「魔理沙さん、ちょっと速いです・・・」
いきなり声をかけられ、ちょっとびくっとした。
いつも想ってる人が、自分の箒に乗っているのだ、力が入りすぎて、いつもの二倍程の速度で飛んでいた。
「あ、悪い・・・ちょっとゆるめるぜ・・・」
「そんなに落ち込まなくても良いですよ、魔理沙さん」
名前を呼ばれた。
心がきゅんとなる。体がふわってなる。
正直なところ、飲み物を持ってきたというのは、会いたいが為に、香霖に貰っている。
いつもなら代金とか言う香霖が、何も言ってこない。
どうやら、彼も彼なりに応援している様だ。
「川、着いたぜ」
「あ、はい」
ゆっくりと、後ろに居る人を傷付けないように、ゆっくりと降りる。
「じゃ、冷やして飲もうぜ」
「はい!」
元気な返事をして早苗は、魔理沙の大好きな早苗は、川でビンジュースを冷やしても流れないように、石を積み始めた。
☆
早苗と、魔理沙は、想っている。
今、隣に居る人の事を。
片方は、両手で瓶を持ち、中の液体を飲み。
もう片方は、片手で瓶を持ち、中の液体を飲む。
「あのっ!」「なぁ」
喋ろうとして、被った。
「さ、早苗から、いいぜ・・・?」
「いや、魔理沙さんから・・・」
二人とも、もじもじと、顔を赤くして、話す。
「じゃ、じゃあ、私から・・・良いか?」
「は、はい・・・」
魔理沙が、意を決して、言った。
「早苗、私は、早苗のことが、好きだ」
いきなりの告白に、早苗はびっくりしたが、顔を真っ赤にして、さらに涙を流して、こう言った。
「私も・・・魔理沙さんが・・・好き・・・です・・・」
魔理沙も、顔を真っ赤にして、涙を流し始めた。
「・・・は、ははっ、何でだろう・・・ぐすっ・・・同じ事なのに・・・ひぐっ・・・涙が止まんないぜ・・・」
「私もです・・・ひぅ・・・うれしいのに・・・うぐっ・・・止まりません・・・」
「さな、えぇ・・・」
「まりさ・・・さん・・・」
二人は、顔を赤くして、泣きじゃくりながら、名前を呼びあい、気を落ち着かせた。
「・・・本当に、私の事、好きなのか・・・?」
「はい・・・魔理沙さんも、私の事が・・・?」
「お、おう・・・一目惚れ、だ・・・」
「私も・・・です・・・」
だいぶ落ち着いて来たようだ。
本当に現実か、確かめ合う。
「こんなに、こんなに嬉しいの、初めてです・・・」
「わ、私もだぜ・・・」
二人とも、顔を真っ赤にして、手をつなぐ。
照れくさいだろうけど、お互いに、手をつなぐ。
そして、軽い、かるーい
口づけを、一つ。
夕日に揺らぐ、二つの瓶。
中身は、あまい、あまい、メロンソーダだった。
...fin
GJ!!
ついでにマリサナタグが欲しかった。
いいレイサナでした!
>2氏
レイサナ?
そりゃもう
授業中に書きたくなって書いたんですけどね
>2様
誤字報告ありがとうございました!
レイサナ・・・?
>奇声を発する程度の能力様
共にマリサナロードを突き進みましょう
魔理沙がいつもメロンソーダを持ってきてたのには「メロンソーダのこの色が好きなんだ」とか告白の切っ掛けにしたかったのかとか勝手に想像してみたり。
節操がなさ過ぎるだけですかそうですか。
さて、チェ●オを買いに行ってくるか
ペットボトルは当分、消えることは無いと思って急遽瓶に・・・
もうメロンソーダが早苗さんにしか見えなくなってしまいました
>6様
マイナーでも関係なく書けるのが東方の魅力です
チェ○オのお得さは異常だと思います