「スミマセン霊夢さん…」
「全く…」
ある日、射命丸文は熱をだして博麗の神社に寝込んでいた。
その訳は―――
――前日
霊夢は朝、随分といい気分で起きた――
ザーッ!!!!!
ということは全く無く、無駄にうるさい音に無理矢理起こされた、と言うべきか
。
外を見れば、バケツをひっくり返したような豪雨が降ってるではないか。
そこで霊夢はどうせ参拝客は来ないだろうと思い、賽銭箱を中に入れようと表に
まわった。
…その考えはどうかと思うが。
そして、賽銭箱を中に運んでる最中に
「霊夢さ~ん!」
…なんていつもの烏天狗のような声が聞こえた。
ていうか振り向いたら実際に文本人だったが。
「あんた…なにやってるの?」
「なにって…いつもの新聞配達ですよ?」
「…この雨で?」
「はい!新聞はどんな天気だろうとそう簡単に休んではいけないのです!」
「ふ~ん…」
ほんと、この新聞バカには毎度ながら呆れる。
こんな雨ぐらいは休刊してもいいんじゃないか。
なんて思ったがあえて口にはださなかった。
「ところで霊夢さんはなにしてるのですか?」
「見てのとおり、賽銭箱を片付けてるのよ。どうせ参拝客なんて誰も来ないだろ
うし」
「その考えはどうかと思いますが…」
「それ、さっきも突っ込まれたわ」
「そうですか。あ、し」
「いらない」
「まだ“し”しか言ってないじゃないですか!」
「どうせ新聞勧誘でしょ?お断りよ」
「ち、違いますよ~。しなびたキノコはいりませんかと言おうとしたのですよ~」
「苦しい言い訳ね…。ほんとのこと言わないと…」
「あああスイマセン!そうです!新聞勧誘です!」
「でしょうね…」
「それで、」
「いらない」
「うう…私!この雨の中ガンバったのですよ!?」
「そうね…偉い偉い」
「なら…!」
「いらない。帰れ」
「ひどい!」
「ていうかこの雨で寒くない…ていうか痛くないの?傘ぐらいさしなさいよ」
「いや~傘は私にとってはあまり意味がないもので…」
「…それもそうね」
確かに、幻想郷最速を誇るこいつの速度には傘が耐え切れずに壊れてしまうだろ
う。
「…風邪ひいてもしらないわよ」
「!?霊夢さんが私のことを心配してくれるなんて…!これはもしや…」
「平気そうだし、私はこのまま戻るわ。じゃっ」
「冗談ですってば!そんなに冷たくしないでください!」
「ていうか配達をほっといて平気なの?」
「そうでした!では私はこの辺で!あ、しんぶ」
「いらない」
「…では、失礼しま~す…」
まぁあの調子なら心配は無いだろう…。
そう思ってとりあえず少し見送ってから賽銭箱を中に入れる作業に戻った。
‐‐そして次の日
雨は止み、しまっていた賽銭箱をまた表にだそうと運んでたら、
「れいむさ~ん…」
いつもよりも元気がない声が聞こえた。
振り向いてみれば、あの烏天狗の調子が悪そうで。
「あんた…どうしたの?」
「それが…昨日の雨にやられたらしくて…」
「はぁ…だから風邪ひいても知らないわよって言ったのに…」
「あはは…」
「もぅ…ていうか新聞配達なんかしないで家で休んでなさいよ」
「いえ…新聞を…待っていて…くださる…客が…いる…の…」
バタッ
「文!?ちょっと文!?」
どうやらかなり無理をしていたらしく、文はその場に倒れてしまった。
「全く…こんなところで倒れないでよ……しょうがないわね…」
そんなことをグチグチ言いながら文を背負ってるあたり、やっぱりこの巫女も心
配なのだろう。
そこで冒頭に戻る訳である。
文はあの後昼頃まで寝込んで、起きてみるとそこは霊夢の神社ではないか。
さすがに悪いと思ったのか、文はすぐに帰ろうとするが、霊夢に止められてしま
った。
(ていうか霊夢の声色に段々怒気が含まれてきたので仕方なく従っただけだが)
ちなみに新聞は紫に手伝ってもらって運んだらしい。
…ということはまた結界を緩めたのかこの巫女は。
本当にとんでもない巫女だ。
ちなみに新聞配達を文の代わりにった分のお金を請求したらしい。
「無茶しすぎて倒れたらもともこも無いでしょ…」
「スミマセン…」
「全く…」
「でも霊夢さんも優しいですよね…」
「風邪ひいてる人とお賽銭をくれる人には優しくするのは当然でしょ?」
「一言多いですよ…」
「なによ」
「…まぁ別にいいですけど。霊夢さんも素直じゃないですね」
「…今ここでとどめをさしてしまおうかしら」
「あああああスイマセン!冗談で…ぇ…」
文は慌てて霊夢を止めようとするが、熱のせいで頭がクラクラし、また倒れてし
まった。…一応意識はあるが。
「ほらほら、そんなに動かないの」
「誰のせいですか…」
「あんたが余計なことを言うからでしょ?」
「うぅ…」
「そういえばもうお昼だし…あんたお粥でも食べる?」
「あ、もうそんな時間なんですか」
「いらないならいいけど」「頂きます」
「じゃあ作ってくるからそこで横になってて」
そういうと霊夢はそこから離れ、急ぎ足で台所へと向かった。
「…いつもこの調子で接してくれたらいいのですけど…」
「まぁ、そしたら面白みが無くなりますが」
文は独り呟き、襲ってくる睡魔に対抗できず、意識を手放した。
「できたわよ~…って」
霊夢がお粥を持って部屋に入れば、聞こえてきたのは規則正しい呼吸の音。
「なにも寝なくてもいいじゃない…とりあえず、お粥ここに置くわね」
まぁ聞こえるはずはないが。
お粥を文の隣に置いて顔を少し覗いてみる。
「こうして見ると、やっぱり綺麗な顔よね…」
熱のせいで微かに頬が赤いのを除けば、同じ女である霊夢から見ても、美少女と
思える顔立ちである。
霊夢は風邪でもないのに段々と顔が赤くなるのが感じとれた。
…まぁ好意を抱いてる相手なのだから当然だが。
それをごまかすように一声。
「早く、治りなさいよ」
いくら話しかけたって返事はあるわけがない。
そんなことはわかりきってるが、そのまま続ける。
「あんたがそんな調子だとこっちまでおかしくなるのよ」
「だから―――」
流れるように、おでこにキス。
1時間は経っただろうか(本当は3秒)、ゆっくりと唇をはなした離したところで
、
(えっ、わ、私何やってるの!?)
正気に戻った霊夢は自分のやったことを思い返し、
「ん…あれ?霊夢さん?」
なんて謀ったタイミングで起きるのか。この烏天狗は。
「あ、あああああ文!?」
「はい?」
「お、お粥!ここに置いとくから!」
「え、あ、はい」
「じゃあ!勝手に食べてて!私!自分の作るから!」
「あ、わかりました」
そのまま霊夢は逃げるようにその場から離れる。
速度にしたらこの幻想郷最速の烏天狗にもひけはとらない速さで。
残された文は、何がなんだかわからない感じで霊夢が去ったほうを見続け、ふと
おでこに違和感を感じ、触れてみる。
(…なんだか、柔らかくて暖かい…?)
考えても答えはでるはずもなく、とりあえず渡されたお粥を食べることにした。
「全く…」
ある日、射命丸文は熱をだして博麗の神社に寝込んでいた。
その訳は―――
――前日
霊夢は朝、随分といい気分で起きた――
ザーッ!!!!!
ということは全く無く、無駄にうるさい音に無理矢理起こされた、と言うべきか
。
外を見れば、バケツをひっくり返したような豪雨が降ってるではないか。
そこで霊夢はどうせ参拝客は来ないだろうと思い、賽銭箱を中に入れようと表に
まわった。
…その考えはどうかと思うが。
そして、賽銭箱を中に運んでる最中に
「霊夢さ~ん!」
…なんていつもの烏天狗のような声が聞こえた。
ていうか振り向いたら実際に文本人だったが。
「あんた…なにやってるの?」
「なにって…いつもの新聞配達ですよ?」
「…この雨で?」
「はい!新聞はどんな天気だろうとそう簡単に休んではいけないのです!」
「ふ~ん…」
ほんと、この新聞バカには毎度ながら呆れる。
こんな雨ぐらいは休刊してもいいんじゃないか。
なんて思ったがあえて口にはださなかった。
「ところで霊夢さんはなにしてるのですか?」
「見てのとおり、賽銭箱を片付けてるのよ。どうせ参拝客なんて誰も来ないだろ
うし」
「その考えはどうかと思いますが…」
「それ、さっきも突っ込まれたわ」
「そうですか。あ、し」
「いらない」
「まだ“し”しか言ってないじゃないですか!」
「どうせ新聞勧誘でしょ?お断りよ」
「ち、違いますよ~。しなびたキノコはいりませんかと言おうとしたのですよ~」
「苦しい言い訳ね…。ほんとのこと言わないと…」
「あああスイマセン!そうです!新聞勧誘です!」
「でしょうね…」
「それで、」
「いらない」
「うう…私!この雨の中ガンバったのですよ!?」
「そうね…偉い偉い」
「なら…!」
「いらない。帰れ」
「ひどい!」
「ていうかこの雨で寒くない…ていうか痛くないの?傘ぐらいさしなさいよ」
「いや~傘は私にとってはあまり意味がないもので…」
「…それもそうね」
確かに、幻想郷最速を誇るこいつの速度には傘が耐え切れずに壊れてしまうだろ
う。
「…風邪ひいてもしらないわよ」
「!?霊夢さんが私のことを心配してくれるなんて…!これはもしや…」
「平気そうだし、私はこのまま戻るわ。じゃっ」
「冗談ですってば!そんなに冷たくしないでください!」
「ていうか配達をほっといて平気なの?」
「そうでした!では私はこの辺で!あ、しんぶ」
「いらない」
「…では、失礼しま~す…」
まぁあの調子なら心配は無いだろう…。
そう思ってとりあえず少し見送ってから賽銭箱を中に入れる作業に戻った。
‐‐そして次の日
雨は止み、しまっていた賽銭箱をまた表にだそうと運んでたら、
「れいむさ~ん…」
いつもよりも元気がない声が聞こえた。
振り向いてみれば、あの烏天狗の調子が悪そうで。
「あんた…どうしたの?」
「それが…昨日の雨にやられたらしくて…」
「はぁ…だから風邪ひいても知らないわよって言ったのに…」
「あはは…」
「もぅ…ていうか新聞配達なんかしないで家で休んでなさいよ」
「いえ…新聞を…待っていて…くださる…客が…いる…の…」
バタッ
「文!?ちょっと文!?」
どうやらかなり無理をしていたらしく、文はその場に倒れてしまった。
「全く…こんなところで倒れないでよ……しょうがないわね…」
そんなことをグチグチ言いながら文を背負ってるあたり、やっぱりこの巫女も心
配なのだろう。
そこで冒頭に戻る訳である。
文はあの後昼頃まで寝込んで、起きてみるとそこは霊夢の神社ではないか。
さすがに悪いと思ったのか、文はすぐに帰ろうとするが、霊夢に止められてしま
った。
(ていうか霊夢の声色に段々怒気が含まれてきたので仕方なく従っただけだが)
ちなみに新聞は紫に手伝ってもらって運んだらしい。
…ということはまた結界を緩めたのかこの巫女は。
本当にとんでもない巫女だ。
ちなみに新聞配達を文の代わりにった分のお金を請求したらしい。
「無茶しすぎて倒れたらもともこも無いでしょ…」
「スミマセン…」
「全く…」
「でも霊夢さんも優しいですよね…」
「風邪ひいてる人とお賽銭をくれる人には優しくするのは当然でしょ?」
「一言多いですよ…」
「なによ」
「…まぁ別にいいですけど。霊夢さんも素直じゃないですね」
「…今ここでとどめをさしてしまおうかしら」
「あああああスイマセン!冗談で…ぇ…」
文は慌てて霊夢を止めようとするが、熱のせいで頭がクラクラし、また倒れてし
まった。…一応意識はあるが。
「ほらほら、そんなに動かないの」
「誰のせいですか…」
「あんたが余計なことを言うからでしょ?」
「うぅ…」
「そういえばもうお昼だし…あんたお粥でも食べる?」
「あ、もうそんな時間なんですか」
「いらないならいいけど」「頂きます」
「じゃあ作ってくるからそこで横になってて」
そういうと霊夢はそこから離れ、急ぎ足で台所へと向かった。
「…いつもこの調子で接してくれたらいいのですけど…」
「まぁ、そしたら面白みが無くなりますが」
文は独り呟き、襲ってくる睡魔に対抗できず、意識を手放した。
「できたわよ~…って」
霊夢がお粥を持って部屋に入れば、聞こえてきたのは規則正しい呼吸の音。
「なにも寝なくてもいいじゃない…とりあえず、お粥ここに置くわね」
まぁ聞こえるはずはないが。
お粥を文の隣に置いて顔を少し覗いてみる。
「こうして見ると、やっぱり綺麗な顔よね…」
熱のせいで微かに頬が赤いのを除けば、同じ女である霊夢から見ても、美少女と
思える顔立ちである。
霊夢は風邪でもないのに段々と顔が赤くなるのが感じとれた。
…まぁ好意を抱いてる相手なのだから当然だが。
それをごまかすように一声。
「早く、治りなさいよ」
いくら話しかけたって返事はあるわけがない。
そんなことはわかりきってるが、そのまま続ける。
「あんたがそんな調子だとこっちまでおかしくなるのよ」
「だから―――」
流れるように、おでこにキス。
1時間は経っただろうか(本当は3秒)、ゆっくりと唇をはなした離したところで
、
(えっ、わ、私何やってるの!?)
正気に戻った霊夢は自分のやったことを思い返し、
「ん…あれ?霊夢さん?」
なんて謀ったタイミングで起きるのか。この烏天狗は。
「あ、あああああ文!?」
「はい?」
「お、お粥!ここに置いとくから!」
「え、あ、はい」
「じゃあ!勝手に食べてて!私!自分の作るから!」
「あ、わかりました」
そのまま霊夢は逃げるようにその場から離れる。
速度にしたらこの幻想郷最速の烏天狗にもひけはとらない速さで。
残された文は、何がなんだかわからない感じで霊夢が去ったほうを見続け、ふと
おでこに違和感を感じ、触れてみる。
(…なんだか、柔らかくて暖かい…?)
考えても答えはでるはずもなく、とりあえず渡されたお粥を食べることにした。
ツンデれいむと弱気あややが最高!!!
つまりは最高じゃないか!!
バンバン書いてしまえ!!
うん、大好きさ!(自答)
あやれいむいいよあやれいむ!
それはいいとしてせっかくの風邪ネタでお粥まで作ったのに「あーん」がないってどういうことなの…
いいぞもっとやれ!
おでこにキスで、私の男心がキュンキュンいたしました。
ごちそうさまです。感謝。