「おい霊夢、お前胸大きくなったな!」
「はっ!?なによいきなり!」
「いいじゃないか、触らせろ!」
「オヤジかアンタはッ!!」
静かに温泉にも入れないのか?こいつら。
温泉に入る前に煽った酒の影響でオヤジ化した魔理沙、嫌がる霊夢。
あきれた様子のアリスと妖夢。
何だかんだ言って私は面白がってみている。
「うお、生意気にもやわらかいぞ!」
「ちょっと!ぶん殴るわよ!」
「なんだよ、いいだろ知らない仲じゃないんだから」
「ふざけんな!」
つっけんどんな霊夢、照れているという感じはないからそろそろ本気で怒るな。
どちらかというと静かに入っていたいアリスと妖夢は自分に火花が飛んでこないように距離を置いている。
「ねぇ、貴女達は酔ってないの?」
「え?私は別に」
「私も酔うほどは飲んでないもの、大体魔理沙は後先考えなすぎなのよ、夕飯もこれからだってのにあんなに酔っ払ってどういうつもりなのかしら」
「ごもっともね」
愚痴っていると、魔理沙が突然アリスの目の前にダイブしてきた。
大きく水しぶきがあがり、私達は一瞬混乱した。
「なにやってんのよアンタ!」
「アリス、お前のその程よく実ってるやつを揉ませろ!」
「はっ!?」
アリスの許可を得る前に、魔理沙はアリスの胸に手を伸ばした。
「……」
「はぁー、やわらけー……」
「おい」
ドガッっと頭を叩かれて、魔理沙は身を引いた。
「見事な美乳だ」
「うるさい」
「…どれどれ」
さっきまで被害にあっていた霊夢が、なぜかアリスに関心を持った。
テンションがあがってしまったのか。
「え、ちょっと」
「はー、これはなかなか」
「……」
「じゃあ、私も…」
「………」
私以外のやつがアリスの胸部に集った。
そんなにいいものだったのか?
「すばらしいバランスだぜ、妖夢みたいに小さすぎもしないしな」
「うるさいな」
どれどれ、私も恩恵にあずかってみるか……
すすっと、静かにアリスに近づいて手を伸ばしてみると。
「あっ」
スッと
小さく、私の手が払われた。
驚いた様子のアリスは、私を見つめて固まっていた。
私がこんなことをするのに驚いて自衛行動をとったのか。
「……」
「………」
私達は沈黙した、周りの奴らは不思議そうにしている。
「あっ、あ、いや、その、咲夜がダメってんじゃないのよ」
「え?ええ…」
「えーとね、そう………そうよ、貴女はなんか、性欲をむき出しにしているからちょっと拒否反応がでちゃったのよ!」
「失礼な」
「確かにな、咲夜は天然女たらしだからな」
「……勝手なことを…」
そんなつもりはないんだがな…可愛い子は好きだけど。
「ともかくね、悪戯でも人の胸を触るなんてやめましょうよ、空気が悪くなるわ」
「えー?んなことはないだろ」
「魔理沙は性根がおっさんなのよ」
温泉の後はちょっと贅沢な食事を食べながら、また酒を飲む。
こんな悪い意味で賑やかな食事は久しぶりで、私はガラにもなく悪酔いをしてしまった。
たぶん妖夢には迷惑をかけたと想う。
ただ、私が悪酔いしてしまったのはいまいち煮え切らない心境だったのに飲んでしまったからだ。
アリスのあの拒否の仕方、あれはどういう意味だったのかわからない。
この温泉に私を招待したのはアリスだ、その話をどこかからかぎ付けて魔理沙や霊夢、居合わせた妖夢も招くことになった。
私を温泉に招待しておいて、私に対してあまりいい印象を持っていないかのようなリアクションだった。なんだかよくわからない、魔法使いはきまぐれなのか。
周りが酒に酔って全滅しているが、私は不思議と目が冴えてきていた。
ふすまをあけると月明かりが非常に綺麗で、つい月を見上げてぼーっとしてしまった。
不意に、背後に気配を感じた。動くものの気配。
「……起こした?」
「ううん、起きてた」
アリスが隣の妖夢の布団を動かさないように、静かに布団から出て私の隣にきた。
「あのさ」
「ん?」
「……温泉に入ってたときのこと、気にしてるかなって思って」
「ああ、あのことか………別に」
嘘だけど、わかりそうに無いことを気にし続けるのは私の主義に反する。
だから気にしないようにするつもりだった。
「その、別にってのやめてよ」
「…じゃあなんていえばいい?」
ちょっとだけ冷たい言葉を発した。
相手の表情を見るのが少し辛くて、私は月を見上げたままだった。
「気に障ったって言ってくれたほうがいいわ、すごく悪いことしたって思ったんだから」
「気に障ったわけじゃない、ちょっと寂しいなって思っただけ」
「……ごめん」
「………あの時、ちょっとだけ………みんなの前で貴女に触られるのが恥ずかしいって思ったの、魔理沙や霊夢に触られるのとは違う、本当に顔が真っ赤になるような恥ずかしさ、触られたらきっと、私は爆発しちゃうなって……」
「……」
話を聞いているうちに、私は視線を落とした。
自分の胸の前で手を合わせて、恥ずかしそうに語るアリスがそこにいた。
「ごめんなさい、貴女ってね……私にとって特別なの」
………特別か。
アリスにそこまで思われていたのか。
「ごめん、気がつかなかった」
「当たり前じゃない、気がつかれないようにしてたんだから」
「じゃあ、特別だったら触っちゃダメなの?」
「特別だったら、特別なムードじゃないとダメよ」
「……そうなんだ」
よくわからないな、女心って……
私は誰かの特別になりたいとはあまり思わない、ただいろいろな人と親しくなって、面白おかしく過ごせればそれで満足だった。
ただ、もう手遅れらしい。私はアリスに好意を抱かれた。
「本当は……貴女と二人がよかったんだけどな」
「残念だったわね、でも賑やかなのも好きよ」
「…それは、同感」
でも、きっと私もこの子を好きになれる気がする。
自分の好意を隠し続けるが、いざというときはこうして行動を起こせる彼女の勇気は、私の興味を大きく引いたとともに、その勇気に応えたいと思った。
「……温泉、行く?」
「行く…」
今度は二人っきりで、綺麗な月でも眺めながら入ろう。
「………と思ったけど」
「え?」
「妖夢、貴女もいかない?」
妖夢が起きていたのはちょっと前から気がついていた。
小声を心がけていたとはいえ、普段から神経質気味の妖夢を起こすには十分な声量だった。
「……なんだか、その、私が行ったらお邪魔かなって思って」
「温泉で何すると思ってるのよ、いいでしょ?アリス、私は賑やかな方が好きなの」
「…そうね、でも妖夢、今日のことは内緒にして」
「はい」
頬を赤くして、妖夢は嬉しそうに頷いた。
私たちの話をどこから聞いていたかわからないが、妖夢なら大丈夫だろう。
今日は、本当に楽しいオフだった。
.
「はっ!?なによいきなり!」
「いいじゃないか、触らせろ!」
「オヤジかアンタはッ!!」
静かに温泉にも入れないのか?こいつら。
温泉に入る前に煽った酒の影響でオヤジ化した魔理沙、嫌がる霊夢。
あきれた様子のアリスと妖夢。
何だかんだ言って私は面白がってみている。
「うお、生意気にもやわらかいぞ!」
「ちょっと!ぶん殴るわよ!」
「なんだよ、いいだろ知らない仲じゃないんだから」
「ふざけんな!」
つっけんどんな霊夢、照れているという感じはないからそろそろ本気で怒るな。
どちらかというと静かに入っていたいアリスと妖夢は自分に火花が飛んでこないように距離を置いている。
「ねぇ、貴女達は酔ってないの?」
「え?私は別に」
「私も酔うほどは飲んでないもの、大体魔理沙は後先考えなすぎなのよ、夕飯もこれからだってのにあんなに酔っ払ってどういうつもりなのかしら」
「ごもっともね」
愚痴っていると、魔理沙が突然アリスの目の前にダイブしてきた。
大きく水しぶきがあがり、私達は一瞬混乱した。
「なにやってんのよアンタ!」
「アリス、お前のその程よく実ってるやつを揉ませろ!」
「はっ!?」
アリスの許可を得る前に、魔理沙はアリスの胸に手を伸ばした。
「……」
「はぁー、やわらけー……」
「おい」
ドガッっと頭を叩かれて、魔理沙は身を引いた。
「見事な美乳だ」
「うるさい」
「…どれどれ」
さっきまで被害にあっていた霊夢が、なぜかアリスに関心を持った。
テンションがあがってしまったのか。
「え、ちょっと」
「はー、これはなかなか」
「……」
「じゃあ、私も…」
「………」
私以外のやつがアリスの胸部に集った。
そんなにいいものだったのか?
「すばらしいバランスだぜ、妖夢みたいに小さすぎもしないしな」
「うるさいな」
どれどれ、私も恩恵にあずかってみるか……
すすっと、静かにアリスに近づいて手を伸ばしてみると。
「あっ」
スッと
小さく、私の手が払われた。
驚いた様子のアリスは、私を見つめて固まっていた。
私がこんなことをするのに驚いて自衛行動をとったのか。
「……」
「………」
私達は沈黙した、周りの奴らは不思議そうにしている。
「あっ、あ、いや、その、咲夜がダメってんじゃないのよ」
「え?ええ…」
「えーとね、そう………そうよ、貴女はなんか、性欲をむき出しにしているからちょっと拒否反応がでちゃったのよ!」
「失礼な」
「確かにな、咲夜は天然女たらしだからな」
「……勝手なことを…」
そんなつもりはないんだがな…可愛い子は好きだけど。
「ともかくね、悪戯でも人の胸を触るなんてやめましょうよ、空気が悪くなるわ」
「えー?んなことはないだろ」
「魔理沙は性根がおっさんなのよ」
温泉の後はちょっと贅沢な食事を食べながら、また酒を飲む。
こんな悪い意味で賑やかな食事は久しぶりで、私はガラにもなく悪酔いをしてしまった。
たぶん妖夢には迷惑をかけたと想う。
ただ、私が悪酔いしてしまったのはいまいち煮え切らない心境だったのに飲んでしまったからだ。
アリスのあの拒否の仕方、あれはどういう意味だったのかわからない。
この温泉に私を招待したのはアリスだ、その話をどこかからかぎ付けて魔理沙や霊夢、居合わせた妖夢も招くことになった。
私を温泉に招待しておいて、私に対してあまりいい印象を持っていないかのようなリアクションだった。なんだかよくわからない、魔法使いはきまぐれなのか。
周りが酒に酔って全滅しているが、私は不思議と目が冴えてきていた。
ふすまをあけると月明かりが非常に綺麗で、つい月を見上げてぼーっとしてしまった。
不意に、背後に気配を感じた。動くものの気配。
「……起こした?」
「ううん、起きてた」
アリスが隣の妖夢の布団を動かさないように、静かに布団から出て私の隣にきた。
「あのさ」
「ん?」
「……温泉に入ってたときのこと、気にしてるかなって思って」
「ああ、あのことか………別に」
嘘だけど、わかりそうに無いことを気にし続けるのは私の主義に反する。
だから気にしないようにするつもりだった。
「その、別にってのやめてよ」
「…じゃあなんていえばいい?」
ちょっとだけ冷たい言葉を発した。
相手の表情を見るのが少し辛くて、私は月を見上げたままだった。
「気に障ったって言ってくれたほうがいいわ、すごく悪いことしたって思ったんだから」
「気に障ったわけじゃない、ちょっと寂しいなって思っただけ」
「……ごめん」
「………あの時、ちょっとだけ………みんなの前で貴女に触られるのが恥ずかしいって思ったの、魔理沙や霊夢に触られるのとは違う、本当に顔が真っ赤になるような恥ずかしさ、触られたらきっと、私は爆発しちゃうなって……」
「……」
話を聞いているうちに、私は視線を落とした。
自分の胸の前で手を合わせて、恥ずかしそうに語るアリスがそこにいた。
「ごめんなさい、貴女ってね……私にとって特別なの」
………特別か。
アリスにそこまで思われていたのか。
「ごめん、気がつかなかった」
「当たり前じゃない、気がつかれないようにしてたんだから」
「じゃあ、特別だったら触っちゃダメなの?」
「特別だったら、特別なムードじゃないとダメよ」
「……そうなんだ」
よくわからないな、女心って……
私は誰かの特別になりたいとはあまり思わない、ただいろいろな人と親しくなって、面白おかしく過ごせればそれで満足だった。
ただ、もう手遅れらしい。私はアリスに好意を抱かれた。
「本当は……貴女と二人がよかったんだけどな」
「残念だったわね、でも賑やかなのも好きよ」
「…それは、同感」
でも、きっと私もこの子を好きになれる気がする。
自分の好意を隠し続けるが、いざというときはこうして行動を起こせる彼女の勇気は、私の興味を大きく引いたとともに、その勇気に応えたいと思った。
「……温泉、行く?」
「行く…」
今度は二人っきりで、綺麗な月でも眺めながら入ろう。
「………と思ったけど」
「え?」
「妖夢、貴女もいかない?」
妖夢が起きていたのはちょっと前から気がついていた。
小声を心がけていたとはいえ、普段から神経質気味の妖夢を起こすには十分な声量だった。
「……なんだか、その、私が行ったらお邪魔かなって思って」
「温泉で何すると思ってるのよ、いいでしょ?アリス、私は賑やかな方が好きなの」
「…そうね、でも妖夢、今日のことは内緒にして」
「はい」
頬を赤くして、妖夢は嬉しそうに頷いた。
私たちの話をどこから聞いていたかわからないが、妖夢なら大丈夫だろう。
今日は、本当に楽しいオフだった。
.
温泉に水着は邪道だぜ!
アリ咲なのに、妖夢と咲夜さんが仲良しだと嬉しさ倍々w
もう、春か。
あともう春ですね。
次はどういう路線でいってみようかと考えているんですが、なかなか考え付きません。
なんか面白い発想は転がってないものか…