Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

とある館の日陰事情

2010/03/05 22:09:21
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この作品は、『とある吸血鬼と魔女の物語』と『紅き鞭と紫の飴』と同設定ですが、関連性は薄いので上記二作を読んでいなくても大丈夫です。














薄暗い地下室の錆びれた臭いの中、私はゆっくりと目を開ける。視界に入って来るのは、いつもと全く変わらないぬいぐるみや積み木が乱雑に転がった床と、その先に見える不恰好な鉄の扉だけ。
以前にあった鉄格子は、パチュリーが来た次の日に何故か撤去された。それだけでなく館内ならば、自由に出歩いても良いと言われ、本当に現実かと疑ったほどだ。咲夜(十年位前に美鈴が拾って来た人間)の話では、パチュリーがお姉様に掛け合ってくれたらしい。多分、お姉様は今でも私のこの待遇には、不満があるのだろう。
現に私とお姉様は、ここ数百年お互いに顔を合わせていない。用がある時は、パチュリーを通じて伝言するくらいだ。(今はその役目が咲夜に代わっただけで、私達の関係に変化は無い)
首を横に振って、僅かに残っている眠気を飛ばすと、私は部屋を出る。一人でいるのは退屈だし、何よりも寂しいから嫌だ。とは言え、妖精メイド達といた所で、大して面白くない。よく一緒に遊んでくれた美鈴は、今は門番長なので、仕事が忙しいし外にいるので、会いに行くのも難しい。
その為、私は起きてから殆んどパチュリーと一緒に過ごしている。パチュリーならば、殆んど図書館で本を読んでいるからすぐに会えるし、いろいろなお話を聞かせて貰えて楽しい。それに何よりパチュリーと一緒にいると、特別な事は何も無いのに、胸の中が暖かくなって自然に笑顔が浮かぶのだ。















「パチュリー、遊びに……誰?」

図書室の扉を開けると同時に訪問の目的を告げかけた私は、眉を顰める。しかし、それもしょうがない事だろう。私の求めていた、本を読む手を止めて迎えてくれる図書館館長は居らず、代わりに金色のショートヘアーに整った顔立ちの見知らぬ人物が紅茶を片手に本を読んでいたのだから。
目の前の相手は、一瞬だけ不機嫌そうな視線を向けると、直ぐに手元の本に意識を集中し始める。まるで私などいないかの様に……
相手のその態度に内心イラついたが、もしかしたら(と言うか、十中八九)パチュリーの知り合いかも知れないため、落ち着こうと深呼吸する。
うん、パチュリーが帰って来れば誰か分かるだろうし、今ここでヘタに揉めるわけにもいかない。パチュリーが帰って来るまで、大人しく本でも読んでるのが良いだろう。
そう考えると、娯楽用と書かれた本棚から数冊本を引き椅子に座り、一冊目を開いて読み始める。私も読み始めるとそれなりに集中するタイプなので、自分では分からないが、それなりに時間が経っていたのだろう。最後の一冊を読み終えるのと、数冊の本を抱えたパチュリーが入って来るのは同時だった。

「あ、パ「遅かったじゃない。少し心配したわ」……え?」

私の言葉を遮った相手に、パチュリーは「ゴメンなさい、予想以上だったわ」と答えて、嬉しそうな笑みを浮かべる。それを見た金髪の少女は、やれやれと言った様子で溜息を吐き、「ま、いつもの事か」と呟く。
何で?私……見た事無いよ?あんなに嬉しそうに笑うパチュリー、私知らないよ?いつもの事って……パチュリー、その人といる時はあんなに楽しそうに笑うの?その人といる方が、私といるよりも楽しいの?頭を硬い何かで殴られた様な衝撃が襲い、胸が丸々抉られた様に痛む。気持ち悪い、何これ?いつもは安らぎをくれるパチュリーが、今では言葉に出来ないほどの嫌悪感を与えてくる。
もう駄目だ、我慢できない……楽しそうに会話する二人を視界に捕らえたまま、私の意識はゆっくりと私の身体を離れた。
















意識を取り戻した私が真っ先に見たものは、心配そうな表情のパチュリーで、次に感じたものは後頭部の触れている柔らかな感触だった。つまり簡単に今の状況を説明すると、私は横になっており私の頭はパチュリーの膝の上――俗に言う膝枕の状態だった。
パチュリーは、私が意識を取り戻した事に安堵の息を吐き、静かに頭を撫でてくれた。どうやらあの金髪は帰ったようであり、先程までの気分の悪さも無くなっていた。が、代わりに言いようの無い怒りが胸の奥に存在しており、表情を顰めてパチュリーの手を掴む。

「さっきの人、誰?」

「ああ、初対面だったわね。魔法の森に住む、アリス・マーガトロイドっていう魔法使いよ」

「ふ~ん?随分楽しそうだったよね?」

「え?別に普通……って痛い!フラン、痛いからっ!」

どうやら知らぬ間に力が篭っていた様で、目の端に薄らと涙を浮かべたパチュリーが喚いているが、力を緩める気は無い。だって、私は力を入れている心算無いんだもの、元々力の入ってないものから力を抜くなんて不可能だよね?

「ん~?どうしたの?私、別に何にもして無いよ?もし力が篭ってたとしても、無意識だからどうしようもないよねぇ?」

「な、何で怒って……痛い!砕ける!誰か助けてぇ~!」




















後日フランと出会った記念日に、贈り物の本を見つけて来たら何故か怒られた事を親友に話したら、物凄く呆れた目で見られ「それはパチェが悪い」と言われた。吸血鬼の考えは理解し難いものである事を、今更ながら実感する出来事であった。

       ~○月×日 パチュリー・ノーレッジの日記より~
フラパチェは俺の聖書!
フラパチェ派の方がもっと増える事を夢見て、この作品を上げます。

ほのぼの書こうとしたけど、失敗しちゃった(殴
やきもちする妹様って、可愛いですよね?
天川 紅
[email protected]
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
愛が痛いw フラパチェパチェフラどっちもいけまっス
2.名前が無い程度の能力削除
ラストは可愛いが途中が怖いww
前作でレミリアが「ここ数十年顔を合わせていない」と言っていたので、どっちかちょっと気になりました
紅魔事変との関連も気になりますな
3.奇声を発する程度の能力削除
もしや、ヤンデレ?違うかw
面白かったです!
4.名前が無い程度の能力削除
2828した。