小悪魔が熊だった。
「パチュリー様ー。がおー」
「……何をしているの?」
本から顔を上げて、思い切り眉を寄せて睨むと、熊の着ぐるみを着た小悪魔はきょとんと首を傾げる。
「怖くないですか?」
「可愛いわ」
「パチュリー様の方が可愛いです」
相変わらずこの子は馬鹿だと思う。
「どうして熊なの?」
「こあ熊ですから」
「ああ、そう。で、何をしたいの?」
「がおー」
「可愛いわね」
「えへへ」
肉球を触ってみた。ぷにぷにしていた。ぷにぷにぷに。
小悪魔のほっぺたもぷにぷにしている。ああ、可愛い。
「熊なので」
「熊ね」
「パチュリー様を食べたいです」
「そこまでよ」
べし。本の表紙で叩いた。「はう」と呻いて小悪魔はずっこける。
「怖がってほしいです。がおー」
「おお、こわいこわい」
「それキャラが違いますパチュリー様」
「それは貴女でしょう」
「がおー、食べちゃうぞー」
「……食べてもいいわよ?」
ちょっと目元を潤ませてみた。
小悪魔が獣になった。
「そ、そんな餌に私が釣られくまー!」
「仕事しなさい」
ごつん。背表紙で殴った。「むきゅー」と小悪魔は目を回した。
だからキャラが違う。
「ところでパチュリー様」
「なに?」
「レミリア様には食べられたんですか?」
「……がおー」
「可愛いですパチュリー様」
何が言いたいかと言うと、『こあ熊』カワイイw
ここは俺が死んだふりをするから俺が喰われてる隙に早く逃げろ。
いいや昇天だ!
こぁぱちゅれみ万歳!
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